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橘川 麻実 AUG 26,2020

みちくさ着物道
【#9】着物からはじまる「欲」


みなさんこんにちは!

ただいま、11月に発行予定の着物雑誌の取材をガンガンやっております。

ご出演くださる皆様はこの暑いなか、着物(しかも冬物)を着ていただき、本当に感謝しかないです…滝汗。

お盆休みに夏着物で落語を聞きに行きました。暑すぎて顔が険しいのはご容赦ください。

ところで、着物を始めてから私には新しい「欲」が生まれました。

それは……

「作りたい欲」。

ファッション界の片隅に生息はしているものの、私の裁縫レベルはジーパンの丈つめやボタン付けレベル。編み物も、真っ直ぐに編むマフラー以外作れません。

がしかし、着物を着ると必然的に針と糸を持つことになります。

欲望のままに、作る

それは「半衿つけ」というミッションです。手縫いで真っ直ぐ縫うだけなので、難易度は低いのですが、針と糸を持つことにより「なんか私、裁縫できるかも?」という気持ちになるから不思議です。そして「この半衿、自分の好きな布にしたらいいかも?」となり、可愛い布を求めて生地屋に行くことになるから、さらに不思議です。

久しぶりに訪れるユザワヤ、オカダヤ、日暮里繊維街……。なんということでしょう! 着物を始める前とは全く違う、いろんなものが着物の材料に見えるではありませんか!

さっそくハギレを使い作ったのがこちら。

動物園に行くとき用に作った動物半衿と、メタリック生地にチュール生地を重ねた黒半衿。

こうして簡単に身につけるものが作れることに味をしめると、どんどんいろんなものが作りたくなってきます。

続いて手を出したのも、着物初心者が作りがちなアイテム、帯留です。

美濃焼タイルや北欧の木製猫ちゃんに金具を接着剤で貼りつけたり、円形の帯留金具にモールを巻きつけたり。

一説によると、着物民たちは箸置きやブローチを見ると、頭の中で帯留にできるか瞬時に判断しているとか、いないとか……。

こうなると作りたい欲は止まりません! 滅多に使わないミシンが押し入れから、発掘されまして……

北欧風とアフリカ風の半幅帯。裏面が無地なのがまだビギナー感ある。

勢いで半幅帯も完成!

とはいえ、これはやってみると意外と面倒で、真っ直ぐ縫うだけだと思っていた自分を途中で呪いながら、なんとか完成させました。

ほかにも、羽織チェーンやモモンガカーディガンなど様々なものを思いついては作るのですが、ここまできて「じゃあ着物を作りたくはならないのか?」と、思うでしょう、そうでしょう。

思いますよ、もちろん。

でもそこには欲では乗り越えられな壁が立ちはだかっていたのでした……。

運針という壁

ほぼ直線縫いで構成されている着物がなぜ作れないのか。

それは「運針」ができないからに他なりません。運針とは片手で針、片手で布を同時に動かしながら、リズミカルに縫う和裁の基本技術。動画を観てちょっとトライしてみたのですが、そもそも針の持ち方が家庭科で習ったのとは異なるので、完全にお手上げです。

こちらが職人さんによる運針。カ、カッコいい……!

さらにパーツに切り分けて、縫い代をとって…と考えると、ちょっと尻込みしてしまうんですよね(実は浴衣の型紙を買ってはある)。

欲の先にある壁。それを乗り越えるか、乗り越えないか(つまり運針を習いにいくか、いかないか)。

そんなことを思案するのもまた、着物の楽しみのひとつなのかもしれません。

ではまた!

PROFILE

橘川 麻実 Writer & Editor

ライター歴20年。ストリートファッション誌にてキャリアをスタートし、ファッションの第一線…ではなく第三線ぐらいに地味に生息。足を使った情報収集がモットーです。

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