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橘川 麻実 OCT 21,2020

みちくさ着物道
【#11】着物でGO TO!


こんにちは!
まだまだニュースタンダードの正解が見つからない状況ではありますが、秋といえば行楽シーズン。
GO TO TRAVELキャンペーンを利用して、お出かけされている方もいるのではないでしょうか。

私も夏からずっと取り組んでいた着物雑誌が校了したので、編集長と信州へプチトリップへ行ってきました。
今回のコラムは、初めての着物旅をするにあたり、どう準備したか、当日どうだったかなど、リアルな体験レポートをお届けします!

事前準備

私は着物に限らず、旅のときは事前にコーディネートを完璧に組み立てるタイプ。その日のイベントや移動の手段などを考えながら(日によっては昼夜2コーデとか)、写真を撮って準備します。

今回は、通常のお出かけをはるかに上回るワクワク感でコーディネートを思案。とはいえ、着物はかさばるので同じものを着回すことにしました。

知人からいただいたオリエンタルな柄の小紋。色が秋色なので、ちょうどいいかなと思いセレクトしました。

まずは、メインの着物を決めます。今回は旅行ということで、シワになりにくく、万が一汚れても洗えるポリエステルの単着物にしました。旅先が信州なので少し寒いことを想定し、インナーは簡易襦袢ではなく普通の長襦袢に。

茶色のコーヒー豆柄の名古屋帯に、帯揚げをブルーに。写ってないけど半衿もブルーにします。

最初に考えたコーデがこちら。着物の柄に入っている淡いブルーと茶色に寄せて、秋らしく少し可愛い系に。

足袋っぽいエアリフトを合わせたらどうなるか!? ※猫はコーデには含まれません。

初めての旅なので、歩きやすいようにスニーカーにしようか迷ってとりあえずパシャリ。
同じ着物でもう1パターン考えます。

赤の入った猫の半幅帯はゴフクヤサン・ドットコム。手ぬぐいを半衿にします。

こちらは帯と半衿、足袋を赤にしてみました。着物には赤は入っていないのですが、ベースの茶色がやや赤みがかっていたので、試しに帯を載せてみたところ「意外とイケるかも!?」と思い、他のアイテムを合わせていきました。

なぜこの帯を置いてみたかというと、今回泊まる宿がオーベルジュだから。美味しいワインとお食事…ということで、ワインを飲んで酔っ払っちゃった猫ちゃんの帯がぴったりだなと思ったのです。さらに半衿にした手ぬぐいも赤ワイン。テーマに合わせてアイテムをチョイスするのは、着物コーデならではの考え方で楽しいところです。

もう1パターンが決まったところで、足元も両方にあう茶色の草履に決定。ただ、お天気が怪しかったので、予備としてどちらにでも合いそうな茶色の編上げブーツを、道中のみ履いていくことにしました。

旅1日目

当日の朝、私は(校了して気がゆるんだのか)めったにしない寝坊をして、まさかの出発12分前に起床。でも事前準備をしていたので光の速さで(洋服に)着替えをし、キャリーのフタをして家を出発。おかげでマスクを忘れてしまったのですが、乗り換え途中の売店で調達し、無事待ち合わせ場所たどりつきました……焦った~!

今回はバス旅ということで現地についてから着物に着替えようと言っていたのですが、現れた編集長はすでに着物。荷物を減らすのが目的とのことですが、やはりベテラン、帯もカルタ結びでしっかりバス仕様です。

黒地に炭黒のドット着物に、ドットの帯というモダンな組み合わせ。

私はといえば、中継地である長野駅に到着し昼食を済ませたあとに、チェンジングボードのあるお手洗いで着物に着替えました。

鏡のない場所での着付けは、なかなかスリリング。あまり長時間、個室を占有してもいけないので、ザッと着替えてからパウダールームに移動して手直し(してもらい)ました。

そこからローカル電車に乗って移動しますが、着物&キャリーで線路横断は大変!

無様な姿をご笑納ください。

さらに1日目のコーディネートをお見せしたかったのですが、全容が分かる写真がこれしかないっていう…汗。

旅行でテンション上がっている感は伝わる…はず。

そして肝心のオーベルジュでのお食事&ワインの写真は、着物が全く写っていなかったので省略します。(美味しかったです)。

旅2日目

翌朝はゆっくりお部屋で着替え。姿見もあるお部屋だったので、昨日よりはきれいに着付けられたはず。

その辺にりんごの木が生えているのが「信州!」って感じで興奮しました。帯は猫耳結びに。

本日の目的は、編集長が以前に取材してから、ずっと再訪したかったという「田中本家博物館」。

須坂駅からタクシーで。お屋敷です。

豪商であった田中家の着物や陶磁器などが展示されているといいます。

篭(かご)や箪笥など、田中家で実際に使われていたものが展示されています。

着物も婚礼衣装から子ども着物まで、センスの良さがひしひしと感じるものばかりで眼福でした。着物を着始める前だったら「わーきれい♡」で終わったのですが、今は「この襦袢の上にこれを重ねて、この帯をするなんて…カッコよすぎ!」というように、展示物としての着物も見方もすっかり変わってしまい、それがまた楽しいという(笑)。

お屋敷を改修し、博物館にしているのでお庭も素敵です。

こういうとき、着物だと写真の撮りがいがあります。

続いては、有名なコレクターさんの着物アーカイブがあるという「須坂クラシック美術館」へ。

田中本家から徒歩10分ぐらいです。こちらも古い建物をそのまま美術館にしています。

着物で訪れると入場料が割引になると聞いて、ちょっと得した気分です。

入場料300円が240円に!

こちらはそのときのテーマによって着物が変わるようで、訪れたときは矢羽の銘仙をフォーカスしていました。

矢羽に薔薇を組み合わせた銘仙。か、かわええ…。

そのほかにも羽織っていい着物なども展示してあり、着物への愛を感じる美術館でした。

美術館のある通りは、昔ながらの景観を素敵に残してあり、おしゃれなセレクトショップも。

店に入るだけなのに絵になる~!
お買い物しているのも絵になる~!!

素敵なものがいっぱいのお店「EIGHTDAYS」さんで、2人とも「今日の着物に合う!」と、思わずカゴを購入。さっそく中身を入れ替えて持つという、旅ならではの散財の楽しみを味わいました。

旅をしていると、財布の紐がゆるみますよね、ね。

帰り道は…

さて、名残惜しい気持ちもありつつ、帰路のバスへ。

今度はそのまま着物で乗ったのですが、1日歩いた疲れもあり、だんだんと着物が窮屈に感じるように。結局、バスターミナルから自宅までが遠かったのもあり、再びお手洗いで洋服に着替えて帰宅しました。やはり着物を着ての長時間の移動には、まだ慣れが必要なようです。

それでも着物で街歩きをすれば「素敵ですね」と声をかけられ、会話のきっかけになることも多々。旅の楽しさが数割増しになった気がしました。

次の旅はどこへ、どの着物で行こうかしら……そんな妄想をしつつ今回はおしまい。
皆さんも着物旅(レンタルもありますし)、トライしてみてはいかが?

PROFILE

橘川 麻実 Writer & Editor

ライター歴20年。ストリートファッション誌にてキャリアをスタートし、ファッションの第一線…ではなく第三線ぐらいに地味に生息。足を使った情報収集がモットーです。

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