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橘川 麻実 JAN 17,2020

みちくさ着物道
【#1】ファッション迷子?からの着物への開眼


迷子はおらんかね~

突然ですが「ファッション迷子」になったこと、ありますか?

迷子のこねこちゃん(イメージ)

最近、40代向けの女性ファッション誌などで見かけるようになったこの言葉。年齢を重ねるうちに今まで似合っていたものが似合わなくなり、何を着ていいのか分からなくなるという事象を表していますが、年齢に関わらず上京して大学に入ったとき、社会人になったとき、子どもが生まれたなど、ファッション迷子になるフェーズというのは人それぞれあるような気がします。

……申し遅れました、私はライターを生業としている橘川と申します。

ストリートファッション誌を皮切りに、情報誌やライフスタイル誌などの制作に関わり、最近ではWEB記事の執筆や、広告のコピーライティングなどもしております。

服と酒と猫と相撲が好きです

中学生のときにファッションに目覚め、高校生のときはなぜか『流行通信』と『Olive』と『Cutie』を併読。妹から「そのお金で服が買えるのでは?」とごもっともな指摘を受けつつ、大学では某百貨店のセレクトショップ売り場でアルバイトをして高い服に触れたり、ライターになってからはスタイリストも兼任していたので、毎月大量の服をリースするなど(そのとき東京に進出したばかりのアーバンリサーチさんにも随分お世話になりました)、常に服に囲まれ、好きな服を着て生きてきました。

そう書くと、なんかすごいおしゃれな人みたいに聞こえるかもですが、特に“おしゃれ業界人”とかに取り上げられたこともないので、そうでもないと思います、好きなだけで。(ちなみに2018年、1年間毎日デニムを着るという目標をたててインスタグラムに専用アカウントを作ったのですが、100ぐらいしかフォロワーが増えなかったこともありました……遠い目)。

そんな私も、ついにファッション迷子になってしまったようで……。

どこへ、向かうのか…(イメージ)

最初は数年前にリニューアルした『GINZA』を読んでいて“あれ?若けぇな?”って思ったんです。発信している先が自分ではないことを悟ってしまったというか。年齢でセグメントしていないモード誌を読んで、そう感じるのはけっこう衝撃でした。ほら、MIU MIUってPRADAのセカンドラインじゃないですか。若い頃は「こんな高いもの若い人は買えない!」と思っていたのに、気づいたらお金はあっても(ないけど)MIU MIUが若くて着られないということに気づいてしまった、みたいな。

いや、着たい人は着て全然いいし、たぶん私を知っている人からみたら「えっ、そんなの気にしているようには見えない」と思うかもしれない。でも自分の中で“この服は若い”と思ったこと自体が事件だったのです。同時にいわゆるファストファッションの店で可愛いな~と思っても、自分が着ることを想像できないというシーンが増えてきました。

そんなときに現れたのが、着物だったのです。

レッツ着物沼!

実際に着物を着始めた経緯は別の回で書こうと思いますが、2018年の夏からズブズブと着物沼にハマり、今2年目。着物がなぜ、ファッション迷子の自分にとってよかったのか。今回はその理由を挙げてみます。

その1.年齢があまり関係ない

たぶん、洋服だったら着ない色や柄合わせも許される(と思う)

着物は素材や柄は違えども、形は基本的に一緒です。お葬式に振袖などの晴れ着を着るのはNGですが、それ以外はけっこう自由。年齢に関係なく派手な色でも、柄ON柄でも(むしろそれが普通)、 似合えばオールOKなのです。

その2.着ていると(少なくとも)おしゃれしているように見える

飲み会も着物で行くと、おしゃれしているように思ってもらえる

例えば、今季流行りのオーバーサイズのスウエットを着ていたとして、若ければおしゃれに見える確率は高い。でも年齢があがるにつれ、おしゃれに見せるにはテクニックが必要になってきます。下手すると手抜きファッションに見られてしまう……。その点、着物は選んだ瞬間に、手抜きに見られる可能性は皆無です。

その3.古着市場がブルーオーシャンすぎる(つまり安い)

大阪某所にて。嘘でしょ?と思うことが多々ある

着物を着始めるまで、世間にはこんなたくさんの古着が出回っているということを知りませんでした。正絹=シルクの着物がウン百円、という嘘みたいな現実を目の当たりにして「こんな可愛いものがこんな値段なんて、買わなきゃもったいない!」という衝動が抑えられません。しかも洋服の古着同様、一期一会なところもたまらない。

そんな素敵な沼に私が足を踏み入れたと同時に、決心したことがありました。

アウトプットも同時に

それは、SNSでのアウトプットです。

最初は「ちゃんと着られるようになってから」出かけよう、そして「ちゃんと勉強してから」アウトプットしようと思っていたんです。職業柄、メディアを通じてしか文章を発表していない自分は、“誰かの目を通した確かなもの”じゃないと発表できないと思ってしまいがち。でも着物という壮大なカルチャーは、追求しよう!と思ってもゴールはないし、そんなこと思っていたらいつまでも出かけられないし、人にも勧められない。もはや下手クソでもちぐはぐでも、とりあえず着て外に出よう!それを晒そう!と思ったのです。例えばクソ下手な歌をYouTubeで発表したって誰も咎めないし、別に着物を着てるよ!というだけだったら誰も傷つけたりしないですし。

converse tokyoのイベントにて。デニム着物にコンバースのハイカット&ベルトを使いました

そう思って恥を晒すこと約1年。まさか、それがきっかけでこのコラムのお話が来くるなんて、思ってもいませんでした。

次回は、着物を着始めてすぐにぶち当たった「壁」についてお話しようと思います。

PROFILE

橘川 麻実 Writer & Editor

ライター歴20年。ストリートファッション誌にてキャリアをスタートし、ファッションの第一線…ではなく第三線ぐらいに地味に生息。足を使った情報収集がモットーです。

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