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橘川 麻実 FEB 12,2020

みちくさ着物道
【#3】帯は結ばなくていい時代!


3回目のコラムにご訪問ありがとうございます。前回は着物が着られない話をしてしまい、「やっぱり面倒じゃん~」と思わせてしまったかも……と一抹の不安を覚えましたが「目からウロコだった!」という感想をいただいたので、安心して書き続けていこうと思います。

さて今回は、逆に着物をグッと身近にしてくれる、そんな話。

ビールを飲みに行こうとしているところ。デニム着物にタートル&スニーカーです。風強い&顔変。

帯の長さってご存知ですか?

和装の中でも、着物本体に次いで重要アイテムである「帯」。

帯ってなんであんなに長いんでしょうかね。とか言いながら着物を始めるまではリアルな長さを知らなかったのですが、着物サークルの先生に半幅帯や名古屋帯は360センチ以上、袋帯は420センチ以上を用意するように言われ、改めて「そんな長いんだ……」と。

だって人間はただでさえ、お腹の中に7.8メートルの腸がある生命体なのに、その上に約4メートルの布を巻きつける……なんて考えただけでクラクラしません? しかも自分がまわりながら巻きつけるとか(外すときはア〜レ〜ってやるイメージ)……ウケるし、服として普通に大変ですよね。収納場所もとるし。

がしかし、その不便さをくつがえす画期的な方法が令和のニッポンに爆誕したのです!

着物界を席巻中!「帯結ばない帯結び」

帯結ばない帯結びの一種「コルセット」。結ばないのに華やか!

「#帯結ばない帯結び」は、大阪の着付講師ayaayaさんが2018年秋にInstagramで発表するやいやな、カジュアル着物界でセンセーショナルをおこしたハッシュタグ。

ayaayaさんInstagramより。着こなしも素敵なのでチェックしてみて下さい!

ざっくり言うと、帯をあらかじめ長さ半分に折って巻きつけ、結ばずに帯締め(あるいはそれに準ずるもの、ベルトとか)で留めてしまえ!というもの。

まず長さが半分なだけで巻くのが楽だし、結ばないから失敗する確率がグッと減ります。私のような着付修行中の身としては、他に気を取られてしまい、帯にたどり着くころには出かける時間が迫っていることも多いもの。そんなときの救世主でありながら、なんか見た目も斬新で可愛い!

瞬く間にSNSで拡散し、2019年のはじめには新聞などに取り上げられるまでに。私もチャレンジしてインスタにアップしたところ、まさかのご本人がリポストしてくれたりして「ムフフ…」と思っていたのですが、話は意外な展開へ!

ある日、私の師匠的な編集者さんから「帯結ばないの本、作るよ」とお声がかかったのです。そんなチャンス、断るわけないじゃないですか。「これは間近でayaayaさんのワザを学べる!」と、喜び勇んで大阪へ向かいました。

ayaayaさんは書籍のために、なんと24パターンものアレンジを準備していて、それだけでもすごいのですが、さらにロケやボディへの着付けなど、すべて自ら行うという驚愕の仕事量。撮影は丸3日かかりました(かつて「Tシャツ100枚特集」などをやっていたストリート誌時代を思い出しました…)。

でも、そのかいあって素晴らしい本ができあがりましたよ、ジャーン!

『帯結ばない帯結び』(TAC出版)。可愛くないですか? もしご興味あったらぜひ買って下さい(宣伝)

本の素晴らしさはAmazonレビューなどをご覧いただくとして(笑)、私自身の話で言えば、ayaayaさんのレクチャーに沿って帯アレンジや着付けのプロセスを書き起こす(厳密に言うとパソコンに入力する)ことで、着付けの重要ポイントやコツを理解することができて、仕事とはいえ一石二鳥。同時に着付けの方法はひとつじゃないんだな〜という発見もありました。

そして何より、着物を自由に楽しむことを体現している人に出会えて、ますます着物が楽しくなったのが大きな収穫でした(あと大阪が着物天国だと知ったことも!)。

ちなみにこちらの本は基本の着付けプロセスも掲載しているので、まったく初めての人の教本としても最適です!(何度でも宣伝)。だって帯を結ばなくても着物が着られるのであれば、やってみたくなりません?

次回は、私を混乱させた着物界の「謎語」について検証してみたいと思います。

PROFILE

橘川 麻実 Writer & Editor

ライター歴20年。ストリートファッション誌にてキャリアをスタートし、ファッションの第一線…ではなく第三線ぐらいに地味に生息。足を使った情報収集がモットーです。

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