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水野 春奈 FEB 13,2020

知ってたらちょっと嬉しい“日本”の何か
第2回「驚異の進化 誰もが知ってるあのスイーツ」


前回のコラムの最後に「次回はは富士塚に登る!」と高らかに叫んだのであるが、大人の事情やその他諸々により、登るのはもう少し暖かくなってから……ということに。

なので、今回のテーマはガラリと変えて「チョコバナナ」。

こちらは「スタンダードチョコバナナ」

私の密かな楽しみのひとつに“露店のチョコバナナパトロール”がある。「え? ちょっと何言ってるのか、意味わからないんですけど……」と言われることも多々だが、神社仏閣の縁日、お花見やイベントなどで露店を賑わすチョコバナナを見ることが好きなのだ。チョコバナナにはなかなかの個性があり、眺めているだけでもかなり楽しい(甘いものはそんなに得意ではないので、購入頻度はかなり低いのだが)。

チョコバナナ イズ ジャパニーズカルチャー

脳内で“口の周りをチョコでベタベタにしながらチョコバナナを食べている外国のキッズたち”というイメージを描き、「(チョコバナナって)いつ頃に日本に輸入されたのかな?」など考えていたのだが、なんと、チョコバナナは日本発祥の食べ物だった。これは意外な発見(のでコラムのテーマにしてみた)。バナナを甘いチョコレートで包んでしまう発想、いかにも海外発の文化っぽくありません? 私は最近まで、外来の文化だと勝手に信じていた。勝手が過ぎる。

とはいえ、どこにもその証拠となる文献など見つからず、あっさりとネット検索に頼ったわけだが、そこで目にした情報によると、北関東のとある和菓子メーカーの社長が昭和40年代に開発したそう。当時はまだ高価なフルーツだったバナナに、皆が大好物のチョコレートをコーティングして縁日の屋台に並べたところ大ヒット! それから現在に至るまでチョコバナナは縁日の露店やイベントなどでは定番のスイーツとなっている。何処へ行ってもだいたい見かける。

恐ろしき進化速度

その露店の定番スイーツであるチョコバナナ。進化のスピードが恐ろしく速いということはご存知だろうか。基本型である「バナナにチョコレートをコーティング」というスタイルを崩すことなく、どんどん進化している。その進化過程を目にするのが心から好きなのだ。毎年、新たなチョコバナナと出会える確率の高さ、だからチョコバナナパトロールはやめられない。

露店の皆さんのアイデアが過ぎて、さまざまなお菓子でデコられたチョコバナナを目にすることができる。「コアラのマーチ」が添えられたものや、頭に「とんがりコーン」をのせ、たまごボーロの目やポテトチップスの口など、いつのまにかチョコバナナに顔ができて、食べるのが悲しくなることも。まぁ、その後、容赦なくパクつくことになるが……。

各メーカーのお菓子たちがデコられ、顔が完成。ただのバナナに表情が!

そして、チョコバナナは世の中の流行をあっという間に反映していく。話題の映画やアニメのキャラクターはバナナと数々のパーツ(お菓子)、そしてカラーチョコによって、ややいびつながら的確に再現される。キャラクター名は割愛させていただくが、あっという間にちびっこのハートも鷲掴み。残念ながら、私はまだ遭遇したことないのだが、かなり忠実にカオナシ(From『千と千尋の神隠し』)が再現されているチョコバナナがあるらしい。確かにフォルム的にチョコバナナにしやすい。

とにかく、光って!回って!目立って!

変わり種といえば、食後は指にはめることができる、キラキラと輝くミラーボール的なものがのせられているチョコバナナも。数年前に夜の歌舞伎町で見かけた時に思わず声を上げた記憶あり(最近では埼玉でも見かけた)。

もちろん「バナナ/チョコレート/カラースプレー」という、スタンダードなチョコバナナだって死んでいない。だたし、チョコレートの色がショッキングピンクなど過激になると、大人の玩具みのある雰囲気をほんのりと醸し出すので要注意(でも味はいたって普通のチョコバナナなのでご安心を)。画像は意図的に貼りませぬ。

先日、某神社の縁日で遭遇したのは、基本のチョコバナナにペコちゃんのポップキャンディーがぶっ刺してあるもの。チョコバナナを食べた後に、キャンディーを楽しむことができる、1回で2度美味しいタイプ。「デコレーションに凝ったチョコバナナが増えている昨今に、なんと大胆なことを!」と、ついつい購入。

2020年、初の衝撃。大胆が過ぎる。ペコちゃんもびっくり!

この先も、どこへ向かっていくか検討がつかぬ日本のチョコバナナ文化、今後もチョコレートが溶けぬくらいの生温かい感覚で見守っていくつもり。「チョコバナナは日本発祥」。決して試験には出題されることはないが、そっと頭の片隅に。

PROFILE

水野 春奈 Writer & Editor

テレビ情報誌記者を経て、仏教美術を学ぶため京都の大学に社会人入学。長年にわたり、寺社仏閣や歴史にまつわる広告などの編集制作を手掛けつつ、エンタメ関連の執筆も多数。趣味はストイック寺めぐり、新宿三井ビル会社対抗のど自慢大会鑑賞、特技はイントロクイズ。好きな食べ物は白米とタマゴサンド。

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