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水野 春奈 MAR 07,2020

知ってたらちょっと嬉しい“日本”の何か
第3回「五感で楽しむヘル体験」


今回のテーマは「地獄」。
いきなり、おどろおどろしくてごめんなさい(先に謝っておく)。

「地獄」とは、仏教などの宗教の中で語られる世界。生前に悪いことをした者が連れていかれ、閻魔様(閻魔大王)の判決を受け、厳しい罰を課される場所(※諸説あり)。

できるだけ行きたくない……、地獄。今のところ、地獄行きが確定するような悪行は重ねていない。清く正しく美しく日々を生きている、はずだ。

生きたまま地獄をめぐろうではないか

日本各地には「●●地獄」や「地獄●」など、地獄の名がついた観光名所や寺社仏閣が数多くあり、私がついつい足を運んでしまうのは、これらの“死ななくとも、生きながら行くことができる全国各地の地獄”である。

押すなよ!押すなよ!(血の池地獄にて)

大分県別府市はおそらく日本において最も地獄がたくさんある場所ではなかろうか。とても有名な「地獄めぐり」なるものがある。1つどころではなく、いくつもの地獄をめぐれてしまう。観光名所として大人気だ。

別府地獄めぐり公式サイト」によると、地獄の名称由来は下記のとおり。

ここ鉄輪・亀川の地獄地帯は、千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたことが「豊後風土記」に記せられ、近寄ることもできない忌み嫌われた土地であったといわれています。
そんなところから、人々より、「地獄」と称せられるようになりました。今も鉄輪では温泉噴出口を「地獄」とよんでいます。

別府地獄めぐり公式サイト

「別府地獄めぐり」は、血の池地獄や龍巻地獄、海地獄に鬼山地獄など、まさに地獄のオンパレード! とにかく地獄まみれ。もはや行き先は地獄のみ。

右折したら地獄、最高にイカしてる道路

各地獄はそれぞれ特色があり、その中でも特に印象に残っているのは温泉の中に大量のワニがいる「鬼山地獄」。その不思議な光景に惹かれてしまったのか、過去に訪問した際に、2日連続でワニを眺めに行った記憶がある。ちなみに現在も約80頭のワニが生活しているとのこと。ぬくぬくの温泉で生活しているワニたちがうらやましい。

かつては熱くて近寄れないことから“忌み嫌われた土地”とされた地獄が現代では観光名所として愛されている。なんという昇進ぶりだろう。地獄、見事にステップアップ!

北の大地に広がる優しい地獄

北海道の「登別地獄谷」は、火山の噴火活動でできた火口跡。広大な敷地内にはたくさんの湧出口や噴気孔があり、あちこちでボコボコと温泉が湧き、水蒸気が噴出し、硫黄の香りに包まれている。その光景はまるで地獄のようだ、ということで「地獄谷」と名付けられたそう。

たまに2時間ドラマの舞台にもなる。追いつめられたい。

しかし、地獄だというのにきっちりと整備された遊歩道があり、地獄のど真ん中を歩き、その様子をがっつりと見学できてしまう。体力がない私でも散策できる地獄は実にありがたい。夜は地獄なのにライトアップもしている(※立入禁止の箇所も多数あるので、本当にヤケドには注意を)。

こちらの地獄谷は登別温泉のホテルや旅館の源泉となっている。地獄から湧き出たお湯で人間を極楽気分にいざってくれるのだ。なんと素晴らしきこの世界。

ほかにも境内に閻魔様と鬼がいる「地獄堂」がある全興寺(大阪府)、テーマパークとして地獄体験ができる「まんだら遊苑」(富山県)など、全国各地には、生きながらにして行けてしまう地獄がたくさん。生きているうちに地獄体験、おすすめである。

台北郊外の寺院で展開されていた地獄。地獄はワールドワイド。

何度も「地獄」という文字を打ち込み、画面を見ていたら、「獄」の字になんだかクラクラとしてきたので、今回はここまで。閻魔様に舌を抜かれぬよう日々、慎ましき生活を。

PROFILE

水野 春奈 Writer & Editor

テレビ情報誌記者を経て、仏教美術を学ぶため京都の大学に社会人入学。長年にわたり、寺社仏閣や歴史にまつわる広告などの編集制作を手掛けつつ、エンタメ関連の執筆も多数。趣味はストイック寺めぐり、新宿三井ビル会社対抗のど自慢大会鑑賞、特技はイントロクイズ。好きな食べ物は白米とタマゴサンド。

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