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河合 桂馬 NOV 10,2020

~On The Road~ 車の生活 Vol.27
ガンは自然に治るのか!?

家に住むことを辞め、
車で生活していたDJ河合桂馬のVanlifeレポート。
(第27話) 番外編②「ガンは自然に治るのか!?」


前回から、私がガンになった経緯と現状をお伝えするべく番外編ということでお送りしています。前回ではガンを宣告されたところまでをお伝えしましたので、今回は再検査、治療から現在に至るまでをお伝えします。

再検査

2019年10月8日。前回お伝えした通り、電話にてあっさりとガンの告知を受けました。
まさか自分がガンになるとは考えてもいませんでしたし、あまりにも簡単に伝えられたので、自分がガンだという事実を受け入れるのには少し時間がかかりました。しかし、ガンと診断された以上、現在の自分の状況を詳しく調べる必要があるわけですが、さて、今後どこの病院で検査及び治療をしていくべきか?
自宅という拠点がなく、バンライフをしていた自分にとって、そこが問題でした。

1度目の検査は、たまたま次のDJ現場への通り道であった茅ヶ崎の病院を選びましたが、毎回違う病院で治療するわけにもいかないので、拠点を定める必要がでてきたのです。
そこで、妻の地元である山形を拠点として治療をしていくことにしました。ただ、拠点にしたといっても、当時はほぼ毎週末日本各地のイベントでDJをしていたので、バンライフは継続したまま、まずは再検査をする病院を山形に決めたという程度でした。

2019年10月15日。1度目の検査をした茅ヶ崎の病院から、舌の細胞検査、血液検査の結果を、山形の某病院に送ってもらい、その山形の病院で、今度は喉のしこりに注射針を刺して細胞を抜き出し、検査をしました。

2019年11月12日。仕事の都合でなかなか山形に行くことができず、ようやく検査結果を聞きに再度山形の病院を訪れました。
検査結果は、残念ながらやはり悪性でした。もしかしたら茅ヶ崎の病院の診断結果が間違いで、ガンじゃなかったという淡い期待は儚くも消え去りました。

「病状は、舌の腫瘍の大きさと、右あご下のリンパ節への転移があるということを踏まえて、ステージ4の舌ガンということになります。統計上は、5年生存率は50%です。」

医師から驚愕の事実を突きつけられました。

な、なんですって!?。。。

ステージ4って一番最後のやつじゃん。。。

5年生存率50%って、半数は5年後に死ぬってこと?。。。

ここにきて、ようやく自分の状況がなかなか深刻であることを理解しました。
しかし、実はこの検査結果を聞きにくる前から、自然療法でガンを治すと決めていました。

医師は話を続けました。
医師「今後の治療のスケジュールですが、、、」

河合桂馬「いや、病院での治療はしません」

医師「え?治療しないとまずいですよ」

河合桂馬「病院での治療はしませんが、自然療法で治すことにしました」

医師「自然療法?」

河合桂馬「はい、食事療法や自然のものを使用した手当て法など、東洋医学的な方法で治すことにしました」

医師「今後の検査はどうしますか?」

河合桂馬「検査もしません」

医師「え?、、、まぁ、、患者さんの自由ですからそれがご希望でしたら、、」

というわけで、病院での治療は受けずに、自然療法という方法でガンと立ち向かうことにしたのです。

ガンは自然に治るのか!?

「ガンは自然に治るのか!?」今回のタイトルでもありますこの疑問。

さて、まずは自分の結論から言うと、

「それは誰にもわからない」

です。結論になってないかもしれませんが(笑)。

はじめに私のガン治療の経緯をざっくりとお伝えすると、

自然療法⇨標準治療

という流れでした。以下で詳しくお伝えしていきます。

長年、日本人の死因第一位に居座り続けている「ガン」。
2人に1人がガンになる時代なんていう恐ろしいこと(これは年代別でかなり差があるのが事実で、30代ではそんなわけない)を言う人もいるぐらいで、ガンに関連する書籍は星の数ほどあり、ガン治療に関する見解も諸説あり、どれを信じていいのやら。

その、数あるガン治療を大きく分けると、西洋医学派と東洋医学派があることがわかりました。

西洋医学、東洋医学という言葉はご存知のかたも多いでしょうが、念のため簡単に説明すると、

◆西洋医学=カラダの悪い部分に対して手術や投薬を行い治療する、いわゆる対症療法
例:頭が痛いから頭痛薬を飲む。
⇨頭が痛い原因を治すわけではなく、鎮痛剤によって、一時的に痛みを感じなくさせる。
痛みを感じなくなるまでの即効性がある。

◆東洋医学=カラダの根本の体質を改善することを目的に、漢方薬や鍼灸などでカラダの調子を整える
例:頭が痛いから漢方薬を飲み、鍼治療をする。
⇨痛みを感じなくなるまでの即効性は無いが、体質改善を目的とする。
頭痛になりにくいカラダを目指す。

ごくごく簡単ですが、概念はこんな感じです。

一般的なガン治療として、標準治療と呼ばれる治療が3種類あり、
「手術」「抗ガン剤治療」「放射線治療」がそれにあたります。

これらの標準治療は、全て西洋医学の治療法です。

標準治療以外は、代替療法と呼ばれ、その多くは東洋医学的な考え方で治療をすることが多いようです。

そして私は、東洋医学的なアプローチでガン治療をしていくと決めたのでした。

では、一体なぜ標準治療はせずに、東洋医学的治療法を選んだのか!?
それは、東洋哲学的な考え方にどっぷりハマっていたからでした。

東洋哲学との出会いを遡ると、20歳の頃から傾倒している、バックパッキングというカルチャーからでした。
ここら辺の話を書き出すと止まらなくなり、脱線しすぎてしまうので簡単に説明すると、
バックパッキングというカルチャーを深掘りしていくと、当連載コラムのタイトルとして拝借した「On The Road」の著者であるジャックケルアックや、ゲーリースナイダー、アレンギンズバーグなどのカウンターカルチャーの作家達、そして「森の生活」の著者であるヘンリー・D・ソローにたどり着くのですが、ここにあげた人物達が皆、東洋哲学的思考の持ち主であり、自分はその思想に強く惹かれていました。
(今も私の考え方のベースはそこにありますが。)

さらに、ヨガを始めたことにより東洋哲学的思考がますます強くなり、食べるものや、行動、生き方までにも影響を与えました。
ヨガの哲学を学んだ上で「森の生活」を読み返してみると、ソローは、ヒンドゥー教の聖典でるバガヴァットギーターから幾度も引用しており、私の東洋哲学信仰はさらに増していったのです。

そして、自然療法との出会いは、妻が買った「家庭でできる自然療法:東城百合子著」でした。
この本は、私がガンになる前から手元にあった本で、
「頭痛にはこめかみに梅干しを貼る」とか「熱が出たら梅干し番茶を飲む」などといった、いわゆるおばあちゃんの知恵袋的民間療法をまとめた本です。

ヨガを始め、東洋哲学信仰どっぷりの状態でこの本を読んだので、この自然療法という考え方はすんなりと受け入れられ、バンライフにも持っていくほどの愛読書になっていました。

この本には、ありとあらゆる症状に対する自然療法が紹介されており、風邪や熱、せきなどといったお馴染みの症状から、ハゲやインポテンツに対する処置まで(笑)と、かなり幅広いカラダの不調への対処法が書かれています。

ガンの宣告を受けてから、治療法を色々と調べていると、食事療法や自然療法で治ったなどという事例を多数確認し、そういえばこの自然療法の本に、ガンへの対処法も書かれていたことを思い出しました。

久しぶりに自然療法の本を手に取り、ガンの項目を見ると、なんと舌ガンへの対処法も書かれているではありませんか。

血液を汚す生活を避け、排泄障害、血行障害の克服をめざしますと、ガンも自然に消えてゆきます。

東城百合子「家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法」(あなたと健康社、1978年)

なんと!!ガンが自然に消える!?

この一文を見て、これしかないと藁にもすがる思いで、この自然療法に賭けようと思ったのです。

自然療法は大きく2つの方法を行います。
・食事療法
・手当て法

まず、食事療法は、大抵どんな病気でも同じような内容が書かれており、基本は玄米菜食を推奨しています。
この玄米菜食を基本に、病状によって適している食材が紹介されています。

手当て法は、薬草や野草、野菜などの自然のものを使った処置法のことで、これも症状ごとに適した手当て法が紹介されています。

舌ガンの対処法として自分が行ったことは、

2019年10月18日。食事療法スタート。
日付が前後しますが、前述の通り、2019年11月12日に再検査の結果を聞きにいく前に自然療法で治すと決めていたので、食事療法はすでに始めていました。
食事の詳細は次回以降の食事編でお伝えしたいと思います。

手当て法は、
ビワの葉温灸、ビワの葉エキスでのうがい、生姜湿布、こんにゃく湿布、芋パスター、ナスの黒焼きでの歯磨きです。
しかし、、、

口が閉じない!

2020年1月1日。家に住むことを再開し、バンライフを終了しました。
この詳細はVol.25にてご説明したのでそちらをご参照いただくとして、今年から、山形で定住を始めました。

家での生活で、自然療法も本格的に始めることができたのですが、めんどくさがりの自分にとって、手当て法が実に厄介でした。
とにかくめんどくさいんです。
自然療法の本には、この手当て法を毎日、しかもビワの葉温灸に関しては1日に3回程度やることが推奨されているのですが、これをやらないと死ぬとわかっていても、熱心に毎日続けることができず、1日に、上記にあげた手当て法のどれか1つをなんとかこなしている状態でした。

そんな状態で、自然療法で治ると信じながらも不安になるときもあり、そんな時は、西洋医学否定派の医者やジャーナリスト(近藤誠氏、内海聡氏、船瀬俊介氏など)の本や、自然療法でガンを治した人の体験記を読み、自分の治療法に対する正当性を確認していました。

しかし、病状は回復するどころか、悪化する一方でした。
舌の腫瘍はどんどん広がり、舌の動きも悪くなり、のどのしこりも大きくなっていきました。

2020年3月11日。舌の腫瘍がかなり大きくなり、下の歯に舌が乗っかったまま、舌もほぼ動かなくなってしまい、舌が上の歯と下の歯の間に挟まって、口を閉じることができなくなってしまったのです。

さすがにこれはヤバいと、自然療法に対する不安が募りました。

標準治療への切り替え

2020年3月14日。公私ともにお世話になっている先輩が、私の病状を心配してわざわざ東京から山形の自宅まで足を運んでくれました。
そして、自然療法ではなく、標準治療でガンを治すよう促してくれたのです。
当時病状は悪化する一方で、自然療法の限界を感じていたこともあり、私はそのアドバイスを受け入れ、再検査をした山形の病院に再度診察、治療を受けにいくことにしました。
以下、標準治療でのガン治療を時系列順に記していきます。

3月16日:CT検査
3月17日:MRI検査
3月19日:PET/CT検査
3月24日:舌ガンステージ4bと診断を受ける
4月 7日:入院
4月17日:抗がん剤治療①(5FU、ドセタキセル、シスプラチン)
5月 2日:一時退院
5月21日:南東北がん陽子線センターにてセカンドオピニオンを受ける
⇨セカンドオピニオンの結果、山形の主治医と同じ意見であったので、そのまま山形の病院にて治療継続を決意
5月25日:入院
5月29日:抗がん剤治療②(5FU、ドセタキセル、シスプラチン)
6月 9日:一時退院
6月29日:入院
7月 1日:手術(舌全摘出⇨腹直筋移植、左右顎下リンパ節郭清、下の歯を左奥歯1本だけ残し全て抜歯)
7月28日:一時退院
8月12日:入院
8月14日:胃ろう造設手術
8月17日:抗がん剤治療③(シスプラチン)、放射線治療スタート(2グレイ×30回)
9月 8日:抗がん剤治療④(シスプラチン)
9月29日:抗がん剤治療⑤(シスプラチン)
9月30日:放射線治療終了
10月11日:退院

といった流れで、現在に至ります。

ガン治療に正解はあるのか?

ここまで、私のガン治療の経緯をお伝えしてきたわけですが、私なりのガン治療に対する見解を記しておきたいと思います。

あくまでもこれは個人的は実体験を踏まえての自分なりの意見であり、皆さんももしガンになったらこうしましょうというアドバイスではありませんのでご理解ください。

さて、100%治るというガンの治療法が未だに発見されてない現在において、ガン治療の正解はないと考えています。
標準治療 VS 代替療法の論争は今も絶えず続いています。
標準治療否定派の医師やジャーナリストの本を読むと、手術や抗がん剤は意味がないどころか、体に悪影響を及ぼすのでやめましょうと警鐘を鳴らしています。

実際、私も始めはその考えに賛同し、自然療法という方法でガン治療に臨みました。
自然療法の本によると、半年やそこらでは結果は出ず、1年以上かけて毎日熱心に手当て法、食事療法を行えば、ガンは自然に消えていくということでした。そして、体の上の方にできたガンは治りにくいとも記載がありました。

自分の場合は、ガンの中でも希少ガンと呼ばれる事例の少ない口腔ガンで、他のガンに比べて、腫瘍が自分の目で確認できるという特徴がありました。
ですので、舌の腫瘍、首のリンパ節の腫瘍が徐々に大きくなっていくのがわかり、5ヶ月ほどで自然療法での限界を感じるようになりました。

しかし、これがもし他の内臓系のガンであれば、ガンの進行は目視できないので、1年以上自然療法を続けていたかもしれません。
結果的に自分の場合は標準治療に切り替えましたが、あのまま自然療法をもっともっと熱心に続けていたら、1年以上かかるかもしれませんが治ったのかもしれませんし、そのままどんどん悪化していくだけだったかもしれませんし、それは誰にもわからないことです。

私の場合、ガンと診断された時点ですぐに手術をしていれば、舌の全摘出はしないで済み、部分切除で済んだはずでした。
そうすれば、現在の後遺症である発音障害と嚥下(飲み込み)障害も、もっと軽いもので済んだことでしょう。
しかし、なまじ自然療法を知ってしまったがために、それを試してみないと気が済まない性格の自分は、自分の意思で、自然療法を確かめました。
もし、自然療法を確かめずに手術をしていたら、もしかしたら自然療法で舌を切らずに治ったかもしれないと、少なからず後悔していたはずです。

なので、今は現状を受け入れており、後悔はありません。

大事なことは、他人任せ、医者任せにせず、自分が理解、納得した上で治療に臨んでいくことなのかと思っています。

現在の状況

現在の私の状況は、手術の後遺症として、
・腹直筋を移植した舌は全く動かないので、喋りはめちゃくちゃ滑舌が悪いが、なんとか簡単なコミュニケーションは取れる
・食事は、上の歯はあるが、下の歯が左奥歯1本しかないので固形物はNGで、栄養剤で生きている
・手術の影響で口元がゆがんだ
・抗がん剤と放射線治療の影響で全部抜けた髪の毛が少しずつ生えてきたが、今まで直毛猫っ毛だったはずがなぜか天パになった(笑)

細かいことを言えばきりがないですが、大きな変化はこんなところです。

現状は、標準治療がひと段落し、今後は定期的に検査をしていくことになります。
今後再発や転移がないかどうかは誰にもわかりません。
もっと言えば、人はいつ死ぬかなんて誰にもわかりません。
なので、後悔のないように毎日楽しく生きていくしかないなぁと日々考えている次第です。

最後に、私のガン治療をサポートすべく、先輩後輩、友人知人、そしてなんと面識のないかたがたからも応援をいただきました。皆様の応援のおかげで、辛い治療もなんとか乗り越えることができました。心より感謝申し上げます。
体力を回復させ、DJ復帰をして皆様にお会いできることを楽しみにしております。

そして何より、治療法をめぐって何度もぶつかり合いながらも、最終的には私の意見を尊重して見守ってくれた妻に感謝して番外編を終わりたいと思います。
ありがとう。

次回Vol.28食事編②「3ヶ月で10kg減」

文・写真:河合桂馬

PROFILE

2002年、club青山MIXにてHOUSE DJとしてのキャリアをスタート。
GREENROOM FESTIVALなど全国さまざまな野外フェスに出演し、日本最大級のキャンプフェスGO OUT CAMP最多出演アーティスト記録更新中。近年活動の幅を海外フェスにも広げている。TOYOTA HIACE ウェブCM、KIRIN生茶広告など多数メディアに出演中。

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