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河合 桂馬 DEC 24,2019

~On The Road~ 車の生活 Vol.24
仕事編⑨これからの時代、食える職業とは?

家に住むことを辞め、
車で生活するDJ河合桂馬のVanlifeダイアリー。
(第24話) 仕事編⑨これからの時代、食える職業とは?


生きるために必要なお金はいくら?

さて、今回は8話に渡りお伝えしてきました仕事編の完結編です。
ところで皆さんは、一ヶ月いくらあれば生活できますか?

今回は「これからの時代、食える職業とは?」
というテーマを掲げているのですが、
結局のところ、生活費をまかなえれば、どんな職業でも食っていけるわけです。

毎月必要なお金の額は人それぞれですが、

「食う=生きる」

ということだけを考えて、一番お金がかからない生き方は、

・実家暮らし
・職業は個人事業主で、青色申告で確定申告をし、所得税、住民税、国民健康保険の負担を減らし、年金は全額免除もしくは支払猶予手続きをする
・家庭菜園で自分が食べる野菜を作り、外食はしない
・電気は風力などの自家発電でまかなう
・水は湧き水を使う
・車は税金がかかるから持たない
・携帯電話も持たない
・服は流行にとらわれない上質なものを選び、長く愛用する
・友達と飲みに行かない

こんなところでしょうか。
こんな生活であれば、実家にいくら入れるかにもよりますが、
毎月5万円程度稼げれば「食っていける」でしょう。
つまり、年収60万円の仕事で食っていけるということです。

「森の生活」の著者、ヘンリー・D・ソローは、森の中に、廃材を使って自分が住む小屋を建て、自分で作った野菜や木の実を食べ、飲み物は水だけで2年間を一人で過ごすという実験をしました。

つまりソローは、収入を増やすことを考える前に、支出を減らすことを考え、
「生きるために本当に必要なものは何か?」
という哲学を追求していったのです。

車の生活費

ソローに憧れて、
「生きるために本当に必要なものは何か?」

という答えを探るべく、車の生活という実験をしているのですが、
車の生活費において、家の生活よりもコストカットできている部分と、
逆にコストがかかる部分があります。

【車の生活のおかげで毎月コストカットできているもの】
・水道光熱費(約¥15,000)
・インターネット料金(約¥ 5,000)
⇨約2万円ほどのコストカット

【車の生活だから毎月余計にかかってしまうコスト】
・風呂代(夫婦で約¥20,000 )
・コインランドリー代(夫婦で約¥5,000 )
・食費(夫婦で約¥50,000 )
⇨約7万5千円のコストアップ

こんな具合です。
家の生活より、車の生活のほうが生活費がかからないと思っていましたが、
実際のところは、車の生活費のほうが高かったのです。

私の場合は一戸建てをローンで購入しているので、家に住もうが車に住もうが、
65歳までローンを支払い続けるので、住居費が変わらないのです。
もし仮に家賃5万5千円の賃貸に住んでいたなら、車の生活によって家賃がなくなるので、
車の生活費と家の生活費が同じになっていたということです。

現在は車で生活しているので電気、ガス、水道、インターネットの契約はしていません。
しかし、各地の温泉や銭湯に入る風呂代、毎週1回行う洗濯のためのコインランドリー代がプラスでかかります。

そして、家で生活していた時は基本的に自炊をしていましたが、車の生活だと満足なキッチンがないため、どうしても外食に頼ってしまうことになり、食費がかさんでしまうことが多くなりました。

加えて、予想外のプラスのコストがありました。
それは「国民健康保険」です。
家に住んでいた頃は、神奈川県茅ヶ崎市に所有している自宅に住民票をおいていましたが、
現在は妻の実家である山形県の鶴岡市に住民票をおいています。
すると、国民健康保険が夫婦で年間10万円ほど高くなりました。
人口が少ない市町村だと、一人当たりの負担額が高くなるのです。

ということで、車の生活での生活費は、以前の家の生活より高くなりました。

仕事ってなんだろう?

今更ですが、仕事ってなんなんでしょうか?
お金を得ること?
やりがい?

色々な解釈があると思いますが、各種納税義務がある以上、
生きているだけでも必ずお金が必要になってしまう現代社会において、
やはりお金を稼ぐことは避けて通れない現状を考慮して、

仕事=お金を得ること

と仮に定義してみます。

お金を得るということは、物を売ったり、サービスを提供したりという行動を通して、
他人からお金をもらうことです。

他人からお金をもらうということは、その人の役に立つ必要があります。

つまり、仕事とは人のためになることをしてお金をもらうことだと言えます。

その単純な構造さえ間違わなければ、食いっぱぐれることはないと誰もが思っていました。

しかし、現代において必要なくなってしまった「仕事」がいくつもあります。

例えば、
・ 駅の改札で切符を切る仕事
・エレベーターガール
・電話交換手
・ポケベルを作る仕事
・PHSを作る仕事
・MDを作る仕事

などなど、20代の人はなんのこっちゃわからないと思いますが、私が学生の頃は、
駅の改札には自動改札機など無く、各改札に一人ずつおじさんがずらっと立っていて、そのおじさんがハサミをリズミカルにカチカチと鳴らしながら乗客の切符を切っていたんですよ。

完全に無くなってはいないけれど、かなり減った「仕事」もあります。

・テレフォンカードを作る仕事
・写真を現像する仕事
・印刷業

などなど。

ちなみに、コンビニやスーパーのレジ係も、今後なくなることは誰が見ても明らかでしょう。
スーパーではセルフレジが当たり前になっていますし、
コンビニでもセルフレジが導入されはじめています。

今年の2月に訪れた、シアトルのコンビニ「Amazon Go」では、
レジ係がいないどころか、レジ自体がありませんでした。
スマートフォンに表示されたバーコードを自動改札機にかざして店内に入り、
店内の購入したい商品を持って、そのまま店を出ます。
店内にいくつも設置されたカメラが、客がどの商品を持って店を出たのか記録しており、
その商品をクレジット決済するという仕組みでした。

つまり、時代の流れとともに、人の役に立つ「仕事」は移り変わっていくということです。

この先食える職業とは?

『好きな人の自宅に電話して、
お父さんがでたらどうしようかという不安に耐え、

公衆電話で、
いかに早くポケベルのメッセージを打てるか腕を競い、

目一杯伸ばしたアンテナを振りまくり、
ピッチの電波の悪さをも乗り越え、

全角250文字制限のMOVAショートメールで
文章力を鍛えた我々も、

今やスマートフォンという文明の利器を手にし、
そんなこともすっかり忘れ、37歳を迎える』

これは、私が主催する昭和57年度生まれのための「S57会」というパーティーの紹介文なのですが、自分の学生時代からたかだか20年程度で、通信媒体がここまで変わったのです。

iPhoneなんかない時代は、埼玉の片田舎の中学生が原宿に買い物に行くだけでも大冒険でした。
改札のおじさんに切符を渡し、時刻表を見て、手帳に挟んだ路線図を何度も確認し、
坂戸駅と池袋駅で乗り換えると覚え、原宿にたどり着く。

もちろんGoogleマップなんかもありませんから、
ゲットオンの付録の地図を握りしめ、
田舎モンだとバレないようにトイレの中でショップの位置を確認しようとしてもトイレのありかもわからない。

現在37歳のおじさんは、そんな青春時代を過ごしたわけです。

何が言いたいかというと、機械化、デジタル化、AI化により、
世の中の生活が猛スピードで変化しているこの時代、
先述した仕事のように、無くなってしまう仕事がどんどん増えてくることでしょう。

不機嫌で対応の悪いやたら説明が長い市役所のおじさんよりも、不機嫌などなく、簡潔明瞭なタッチパネルでことが済むならその方がいいですから。
今やコンビニでも住民票や戸籍謄本が取得できる時代になりましたしね。

つまり、デジタル化、機械化されやすい単純作業や、単純事務作業は、
どんどんAIの仕事になっていくとおもわれます。

ということは、今後食える職業のキーワードは、

・デジタル化されえない、人間にしかできないアナログなこと。
・自然に寄り添ったプリミティブなこと。
・創造的なこと。

といったことなんじゃないでしょうか。

そして、もっともっと収入を上げて生活水準を上げたいと考えることよりも、
一度立ち止まって、自分は最低いくらあれば生きていけるのか?
自分が理想とする本当の生活とはなんなのか?
といったことを考えてみるのも大事なことだと思います。

収入の範囲内で生活できれば、どんな仕事だって食っていけるわけですからね。

次回Vol.25「食事編」へ続く

文・写真:河合桂馬

PROFILE

2002年、club青山MIXにてHOUSE DJとしてのキャリアをスタート。
GREENROOM FESTIVALなど全国さまざまな野外フェスに出演し、日本最大級のキャンプフェスGO OUT CAMP最多出演アーティスト記録更新中。近年活動の幅を海外フェスにも広げている。TOYOTA HIACE ウェブCM、KIRIN生茶広告など多数メディアに出演中。

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