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桑原 茂一 FEB 21,2020

Look Book Cook Records No.54


kawa eye
Beyôn by Tetsuya Nagato

104galerieが発信するアートにまたもや歓天喜地。

もうあれから3年か、

104GALERIE 2017年
「Paper Show」につづく2020年の「kawaeye」だ。

ギャラリー・オーナー・ENZOと永戸鉄也による「Paper Show」の衝撃は、
パンクやヒップホップの初期衝動に遭遇した時の鳥肌と同じ血の激流で、
発作的に free paper dictionary 173→174 連続二号に渡り紹介させてもらった。

ではまず三年前のディクショナリーのバックナンバーのcutupをご覧いただこう。

さて、この連載54回目では永戸鉄也の新作『 kawa eye 』の快哉を伝える為にこんなことを考えてみました。

一、全30作品より選出した作品ごとに架空のストーリーテリングを思いつくままに記す。

二、その思いつくままに仕立てられたストーリーてリングごとにサウンドトラック的な選曲。
又は無関係な選曲を施す。

もちろん、これは作品と個人が自由に遊ぶことを目的としたアートの楽しみ方の試みです。

作家の主題を正確に分かることも大切ですが、それだけがアートの鑑賞ではない。

すべての作品は完成した瞬間から作家の手を離れて勝手に一人歩きするもの。

例えば音楽をサンプリングするのは、その音楽が好きでその作家へのリスペクトがあるからこそ出来るネクストです。

私は音楽を楽しむようにアートを楽しみたいと思います。

イントロはこの辺で、ラジオの時間です。読みながら聞く。ラジオ・アーバン・リサーチ

では、入ります。ようござんすね。

選曲:Anonymous Update on Coronavirus

Anonymous 2019

まず、ご覧頂きたい作品は、このAnonymous 2019です。

誠にシュールな未来的た懐古的なコミック的な作品です。

このアンビリーバブルな作品は、実はあのアビヨン・セバスチャンの自画像なのです。

今年88歳になるアビヨンは東欧圏の小国バスタ共和国に生まれました。

戦後、親の離婚で母方の故郷である湖北省武漢市へ里帰りした折に、流行中のインフルエンザ・コロリン・ウイルスに冒されビヨーンと眼が垂れてしまったのです。

そこで顔を隠す為に自作でお面を作っていたのが近所で評判を呼び、
その画像を孫娘がインスタへ投稿したことで話題になり、
あっという間にフォロアー88万アクセスの人気アーティストになったのです。

その「Beyon Mask」は、その後、NYのMOMAコレクションにも加えられたとか。
そんなわけない。
最近では日本の「ドバー・ストリート・ネット」で、特別100個限定予約販売されたが、
一点・88万円と高額だったにも関わらず3分33秒で売り切れたとか。

この話には、後日談があり、アーティストのアビヨンが製作中に自分の作ったお面につまづき転びそのまま息を引き取ったとか。現地の報道ではアビヨン・セバスチャンの死亡原因は、流行中のコロリ・ウイルスではないとのこと。
有村がお伝えいたしました。

では、ここで一曲

選曲:M-1 Against All Logic – Fantasy

Concentration Girls Beyôn 2019

わたしを離さないで』(原題:Never Let Me Go)は2005年発表のカズオ・イシグロによる長編小説である。

2010年イギリスのマーク・ロマネク監督で映画化された。

https://youtu.be/eRgKlE1J9D4

貴方はこの映画と小説をご存知だろうか?

実はこの目がビヨーンと垂れた女学生たちの中に少女時代の小説家アゴタ・クリストフが紛れ込んでいます。

そう、アビヨン・セバスチャンは少女に生まれ変わったのか?と思うのはわたしだけだが、
で、話は、アゴタ・クリストフさんだ。

ハンガリーからフランスへ亡命し、フランス語を習得し、母国ハンガリー語では無く
女偏に又に力に力してフランス語で執筆した女流作家、アゴタ・クリストフのデビュー小説『悪童日記』は、
戦時下の混乱を生きる双子の少年の姿を、彼らがノートに書き付けた作文という形式で、
即物的な文体を用いて描いている。

これは内緒だが、あの川久保玲さんがこの小説を褒めた事で、
ファッションピープルの間で『悪童日記』が当時話題となったのを昨日の事のように思い出した。

さらに小説『悪童日記』の映画化は不可能と言われていたが、
監督ヤーノシュ・サース(János Szász)、脚本András Szekér。によって映画化されている。

2013年製作/111分/PG12/ドイツ・ハンガリー合作 原題:A nagy fuzet  

わたしは小説が好きだが、映画もなかなか Beyôn だ。

この作品に選曲してみた。

選曲:M-2 Jóhannsson A Sparrow Alighted Upon Our Shoulder

Guitar 2019

この女性ギタリストもアビヨン・セバスチャンの生まれ変わりだ。

そのお話はあまりにも哀しい物語なので割愛します。

で、「あんまりこ」という名の歌い手が日本に存在してたことをご存知でしょうか?

冗談にしても、あんまりな名前で歌を歌わされたあんまりこさん。

あんまりこさんの気持ちを考えると私も思わず眼がビヨーンと垂れそうですが、気を取り直して選曲しました。

やはりすべて想像力です。

あなたの「経験」した哀しい物語を思い出しながら思う存分涙をください。

因みに、あんまりこ(アン真理子)の曲名は「悲しみは駆け足でやってくる」。

更に「経験」は、辺見マリも素敵ですが、中森明菜バージョンをおいどんはお勧めします。

で、サボテンから作るお酒テキラーは、あらゆるお酒の中でも大変身体にも良いお酒だと聞きました。

というわけで塩とレモンを齧り飲むテキラーにはうってつけの映画をお勧めしてよろしかったでしょうか。

ご存知、数奇な運命を辿ったあのメキシコの画家フリーダ-カーロさんの物語のことです。

そう「Frida 」こそテキーラを愛する国に生まれた女性の愛故の狂気を血が滾る情念の世界を、テキラーをお供に感じることができるかもしれません。

Tequila & Frida madness&LOVE

お試しアレ! Lo mejor

選曲: M-3 [ Frida ]

曲はメキシコともテキラーとも無関係です。

ディーナ・アブデルワヘード は北アフリカのチュニジア出身で、現在は南フランスのトゥールーズを拠点に活動しているエレクトロニック・プロデューサー。

アラブとヨーロッパのクラブ・シーンを繋ぐプロダクション・チーム「Arabstazy」のメンバーにも名を連ねている。とか。

M-4 Deena Abdelwahed – 5_5 (Lord Of The Isles Remix)

M-5 Lukas Endhardt – Madeira (Original Mix)

Kimono Girls 2019

つづいて、いつでもビヨーン眼のアビヨン・セバスチャンだが、
何を血迷ったか、幕末の品川で一世を風靡した女郎、
「こはる」に生まれ変わっていた。

作品「Kimono Girls」 の右側の女性が「こはる」である。

その「こはる」をモデルにした映画が、川島雄三監督『幕末太陽傳』である。

そんなワケはないが、
映画では女郎役を女優南田洋子が陽気に艶めかしく演じていた。

コロリン・ウイルスは幕末の品川でも流行してた輪廻転生ウイルスなのである。

そんなワケはないが。主役の左平次(フランキー堺)は肺炎持ちだった。

時は、幕末、文久2(1862)年。

東海道品川宿の相模屋という遊郭へわらじを脱いだ左平次(フランキー堺)は、
勘定を気にする仲間を尻目に、呑めや歌えの大尽騒ぎを始める。

しかしこの男、なんと懐には、一銭も持ち合わせていなかった…。

監督:川島雄三の『幕末太陽傳』は、1957年7月14日に封切られた日本映画である。

コロリンなんかに負けないで、これは生きるエネルギーに溢れた元気が出る映画です。

是非ともご覧いただきたい。

https://youtu.be/fzVD96-Cs8I

で、ほとんどのウイルスは体温を五度あげれば死ぬそうです。

熱い風呂に入って頭に汗をいっぱいかいてからお休みください。

上海出身の針の先生のアドバイスでした。

選曲です。

『幕末太陽傳』で天才的な演技を見せた名俳優フランキー堺。

実は名ドラマーなんです。

明るい昭和の時代の音楽をお聞きください。

M-6 Carioca Frankie Sakai

M-7 意気な運命の神様 フランキー堺

Family Portrait 2019

もう誰の生まれ変わりでもいい。遡れば必ず誰かと繋がっている。人種差別なんて本当はありえないんだ!!

血は必ず繋がっている。逃げられない避けられない人類の運命なのだ。そんな話がしたいのではない。

じわ〜と込み上げてくる心霊写真的なオーラに頬の筋肉が金縛になりながら、Beyôn 選曲しました。

間違えないで欲しいのは、血の繋がりと人間同士の心の繋がりはまったく別のもの。

言語が違う。歴史が違う。ライフスタイルが違う。何もかもが違うのです。

それをつなぐものはそう多くはありません。まず、食。セックス。音楽。ファッション。

つまりそれらを包み込む風呂敷がアートと呼ばれるものなんだと復唱しておきたいと思います。

選曲:
M-8 Denzel Curry – Kenny Beats – Track07
M-9 Cobrakai Beats – FORMAN GRILL

Two People and One 2019

これはどうみても間違いなくドイツの首相のアンゲラ・メルケルさんに
生まれ変わったアビヨン・セバスチャンですね。

アンゲラさんは、中世の拷問用具である「鉄の処女」と揶揄される政治家であり、
その夫は、ワーグナーがお好きということから「オペラ座の怪人」とあだ名される、
フンボルト大学ベルリン教授で量子化学者のヨアヒム・ザウアーさんという類稀なるカップルである。

となれば選曲はワーグナーかと思いきや、ここは思い切ってもっと華やかに参りましょう。

選曲:M-10 Dudamel / Brahms Hungarian Dance No.1

Princess Beyôn 2019
Oil on Canvas 16.5 cm x 14 cm

そしてついに、アビヨン・セバスチャンはプリンスに生まれ変わりました。

ただ問題は、とても小さくなったこと。丁度「 iPhone 11 」ぐらいの大きさでしょうか?

お持ち帰り頂けます。もちろん有料です。貴方が飽きて捨てない限り
生涯貴方と暮らしてくれます。しかも一言も文句は言いません。

多少肌は黒ずんでくるかもしれません。しかし、ほぼ、体型も可愛さも kawaeye もそのままです。

お持ち帰りのお値段は二十万円プラス10%の消費税です。

お悩みですか?では、考える間、選曲致しましょう。

曲はこちらです。プリンセスと暮らす未来を想像ください。

選曲:
M-11 ”Reincarnation,” film by Karl Lagerfeld ft_ Pharrell Williams, Cara Delevingne & Géraldine Chaplin
M-12 Against All Logic – Illusions of Shameless Abundance (feat. Lydia Lunch)

Mona Lisa Mini 2019

そろそろお別れの時間です。

アビヨン・セバスチャンは結局のところ「モナリザ」だったのです。

芸術の都 Paris で暮らしています。

お住いはあのルーヴル美術館でございます。
と言いたいところですが、
ビヨーン眼の症状が現れた為に都パリを後にしました。

新居は東京の青葉台・ギャラリー・ワルシャワです。
お相手が決まるまでそこで仮住まいをされています。

ワルシャワは居心地の良い。そして、とてもフロアーの美しい空間です。

モナリザことアビヨン・セバスチャンは話し相手が欲しいと申しておりました。

ぜひ、お出かけください。 もちろんお話相手は無料です。

美味しいコーヒーも用意されているようですよ。

では、今夜最後の選曲です。

M-13 Nat King Cole / Monna Lisa

Blue Eyed Shadow 2019

いかがでしたか?今夜のラジオ・アーバン・リサーチ。

アートは人生の同伴者。回数はともかく、願うならば素敵な方と巡り会いたいものです。

私ごとで恐縮ですが、この青い目の女性にゾッコンですが、平民の私とは身分と性格の違いで、
同伴は見送りになりました。

でも人生は一目惚れでじゅうぶんかもですね。

叶わないことが実は一番大切な人生の記憶になるようです。

いつも一目惚れ

常に軽やかな精神で、アートに遭遇したいと思います。

では次回、ご機嫌よう・さようなら。

初代選曲家 桑原 茂→

ps : 選曲

M-14 Prince Buster Allstars – Reincarnation

LBCR54 このコラムはラジオ・アーバン・リサーチとしてアップロードされます。
お聞き逃しなく。
https://www.mixcloud.com/moichikuwahara/

情報

永戸鉄也が中国の贋作村とコラボレーション!? –
Kawaeye: Beyôn by Tetsuya Nagato

104GALERIE(東京・池尻大橋)は、2020年1月25日(土)から3月15日(日)の会期で、永戸 鉄也個展「Kawaeye」を開催致します。
今回の展示は、104GALERIEがプロデュースする新スペース、Warszawa(ワルシャワ)での企画展第一弾。
104GALERIEと併せ、2会場で約30点の油絵作品を展覧致します。
2016年に104GALERIEで発表した「Paper Show」から3年、アートディレクターとして活動を広げる永戸 鉄也が発見したのは「カワイイ」の未来、「Kawaeye(カワアイ)」。
見たことがないような顔をしながらも気づけばすぐそばにいるkawaeyeたちです。
「これまでたくさんのデジタルコラージュを作って来たが、今までで一番手数の少ない作品が完成した」と永戸が語る、眼が下にビヨーンと伸びた顔のイメージ。
その画像データを、油彩の肖像画というかたちにしたのは、中国、大芬村のDafen Oil Painting Village – 世界のありとあらゆる油絵の「贋作」を製造する職人たちの村です。
贋作職人たちに発注した約30点の永戸の「オリジナル作品」は、一見シンプルなコラージュの絵なのに、そこには異質でリアルで、そしてなぜかたまらなく可笑しい「ズレ」が生まれています。
そのズレとはいったい何で、私たちのどこから生まれてくるのか?
ぜひ実際の油絵をご覧になって、この奇妙でカワイイ「Kawaeye」の深淵に立ってみてください。

Kawaeye Talk show: 永戸鉄也 × 三宅正一 対談イベント
2020年2月28日(Fri.) 20:00〜21:00
Warszawa(ワルシャワ)
東京都目黒区大橋1-6-4 2F
無料

この度本展は、2月28日20:00より永戸鉄也のトークイベントを行います。
音楽やカルチャーなど、幅広い分野で執筆を手がけるライターの三宅正一氏を迎えての対談。kawaeyeのコンセプトや、永戸のコラージュという手法に対する思考、そして本展の油絵制作に至るまでの過程など、様々な角度から作品を掘り下げて行きます。ここでしか聞けない様々なエピソードや考察から生まれる新たな気づきや疑問が、作品をより深く鑑賞する手がかりになるはずです。ふたりの対談を通して、ポップで奥深いkawaeyeの世界を覗いてみてください。

ご来場いただいた方限定で、永戸が自ら、お持ちの写真の目をビヨーンするプレゼント企画も!
ビヨーンしたい写真のデータを当日お持ちください。携帯やタブレットから送っていただき、永戸がコラージュいたします。
プレゼントの詳細は下記、および会場にてご案内します。
すでに作品をご覧になった方も、まだkawaeyeをご存知ない方も楽しめるトークイベントです。
ぜひみなさまお誘い合わせの上、ご参加くださいませ。

【対談者プロフィール】

<永戸鉄也>
アートディレクター。1970年東京生まれ。広告、パッケージデザイン、ミュージックビデオ、ドキュメンタリー映像、展覧会キュレーション等。音楽、ファッション、アート、の領域でディレクションを行う。

<三宅正一>
1978年東京都生まれ。大学卒業後、カルチャー誌「SWITCH」及び「EYESCREAM」の編集を経て、2004年にフリーライターとして独立。音楽を軸としたカルチャー全般に関するインタビュー及び執筆を担当している。2017年12月、主宰レーベル「Q2 Records」を設立。現在までに踊Foot Works(マネジメント業務も担当)やマテリアルクラブの作品をリリースしている。

104GALERIE
03-6303-0956 / info@104galerie.com

PROFILE

初代選曲家、毎週金曜日夜11時Mixcloud PirateRadio(海賊船)、 創刊1988年 free paper dictionary編集長

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