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桑原 茂一 MAR 12,2020

Look Book Cook Records No.55


Unknown Treasures /
名もなき宝物たち
Wataru Komachi

連載も55回目になりました

55というと
萩本欽一さんと坂上二郎さんの
コント55が思い出されます

欽ちゃんの無茶振りに
全身汗びっしょり
息も絶えだえになりながら
トコトン肉体を酷使し叫び続ける
坂上二郎さんの壮絶な演技に
涙を流しながら笑ったことを
思い出したのです
私は「帽子屋」のコントが好きでした
で、今改めて気が付いたのですが
このコント55号というネーミングの由来は
お互いの演技を五分と五分で競い合おう
という覚悟のネーミングだったのではないか
と今更ながら気がついたのです
一歩も後に引けない絶壁に立ってこそ生まれる
笑い
まさに昭和の名品です
是非検索してご覧ください

それにしても昨今の空気は如何なものでしょうか?
これはもしかして戦時へ向かう予行演習なのか?
マスク!はい
手洗い!はい
トイレットペーパー!はい
学校休校!はい
イベントはすべて中止!はい
困ったら国が金貸すよ!はい
国債買え!はい
贅沢は敵!はい
パーマ禁止!はい
貧乏人は麦を食え!はい
右へ 右へ ときどき 左へ
やっぱり 右へ
あの時もあの時も
いつもいつまでも
従順な私たちですが
ここは一番!
コント55号の覚悟に見習い
世相悲観など何処吹く風と
もっと自由を謳歌しましょう
笑いましょう!
踊りましょう!
始まります
読んでから聴く
ラジオ・アーバンリサーチ
連載55回
LOOK BOOK COOK RECORDS 55 

今夜は
とある桑原 茂→の展覧会報告です

階段を二階へあがると聞こえてきたのは
なんと「ゴットファーザー」の愛のテーマでした
もちろん 素人さんの弾くピアノのバージョンとか(作家談)
そのBGMに乗せられ
まずはモノクロ画像を一枚

ここで一曲

このダークなモノクロ画像には
もちろん
ニーノ・ロータ・オリジナル・サウンドトラックより
「ゴットファーザー」愛のテーマ
と言いたいところですが

えっ?
そんなバージョンあるんですか
そんな選曲をお送りします

では愛のテーマをBGMに

Wataru Komachi

展示ステートメントです

文中のインゴットの意味を調べてみた

インゴット
地金。鉄などの金属を精製して一塊としたもの。鋳塊(ちゅうかい)とも訳される。
金、銀では、のべ棒ともいう。
バルテックのパチスロ機。
半導体向けウエハーの原料となるシリコンやSiCの結晶のかたまり。

https://ja.wikipedia.org/wiki/インゴット

つまり川崎北部市場で破棄される大量のプラスチック製の
ゴミ類を固めたモノをインゴットと名付けられているようです

以下の画像がわかりやすいかもしれません

ご覧のように魚市場の証明のような
ナガス鯨のシールが何故か溶けないで
インゴットにこびりついています

インゴットをキャンパスにした展覧会には
普段アートには縁のない市場のインゴット作業現場の方々もお見えになり
これ俺が作ったんだ!
と喜んでいらしたとか(作家談)
インゴットが結ぶ見知らぬ人たちとの喝采

市場ならではのアート展です

ここで一曲 ⑥

思い出した これ石鹸のケースだ
桶も盥もあったかも
その昔わたしは銭湯通いでした
銭湯に持参した石鹸のケースの柄が
このインゴットにそっくりだったような・・・
あれ筆箱なんかもあったけ?

インゴット一個の重さが10Kg以上あるので
壁に立てかけることは叶わないので
直置きにしたとのこと
(作家談)

一瞬 カラフルな墓が並んでいるかのような錯覚に陥った

それまで地球にはなかった
人間が勝手に生み出した
自然には存在しない 産業廃棄物
石油製品の末路が インゴット なら 
配列された作品が
Lined Grave
だと彷彿するのも私の勝手
だが一瞬の印象に負けてはアートは楽しめない
アートは考える事にある
謎解きか ハタマタ とんちか
作品との知恵比べもまた
アートを楽しむ秘訣である

ここで一曲 ⑦

プラスチック(石油製品)は土に還らない −

プラスチック(plastic)という単語を英和辞典で調べると、「形成する、どんな形にでもなる、順応性のある」という意味の形容詞だということが分かります。金属や木材などに比べ、自由な強度と形に形成できるプラスチックは、産業材や商品のパッケージに広く用いられてきました。

https://www.jp.tdk.com/techmag/knowledge/200607/index.htm

で、土に還る植物性のプラスチックが生産され使用後の処理が可能になったとか +

金の延べ棒がインゴット
プラスチックを固めてもインゴット

インゴットは IN GOD を連想する響がいいかと思った(作家談)

市場→産業廃棄物→香水のパッケージ

誰もが一度はみたことがある

[perfume] 

香水のパッケージを
インゴットにプリントすることで
とてもポップなアート作品に仕上がっていました
すべてはインゴットに出会った
Wataru Komachi
一瞬の発想
それこそ
Wataru Komachi
作風であり
アートなんだと私は解釈した

でその perfume
香水を生み出すには錬金術が必要です
我慢できない匂いの素材も加工次第で絶妙な魅惑の匂いに生まれ変わります
臭いが− いい匂い+ 
匂いが女達を魅了し男達を幻惑させそこにドラマが生まれるのです

魅惑の香水といえば
この連載のパリ報告でも紹介した

小説 Das Parfum「香水」
ある人殺しの物語
パトリック・ジュースキント 著 池内紀訳 文藝春秋

その一節をもう一度引用してみよう

人間は目なら閉じられる
壮大なもの 恐ろしいこと
美しいものを前にして
目蓋を閉じられる
耳だってふさげる
美しいメロディーや
耳ざわりな音に応じて
両耳を開け閉めできる
だが、匂いばかりは逃れられない
それというのも
匂いは呼吸の兄弟であるからだ
人はすべて臭気とともにやってくる
生きているかぎり
拒むことができない
匂いそのものが
人の只中へと入っていく
胸に問いかけて即決で好悪を決める
嫌悪と欲情
愛と増悪を即座に決めさせる
匂いを支配するものは
人の心を支配する

「香水」ある人殺しの物語 / パトリック・ジュースキント 著 池内紀訳 文藝春秋

ここで一曲 ⑧

人はすべて臭気とともにやってくる
生きているかぎり
拒むことができない

人の心を支配する 匂い

確かにわたしは匂いに敏感だと思う
しかし匂いに敏感になったのは性質というわけだけでもないのだ
育った岡山県岡山市紙屋町周辺を
思い起こせば
自転車で時々走る川沿いの道に
真黒い高い塀の中を見せない工場があった
その周辺は常にゴムの焼ける匂いがしていた
噂では、キャラメルメル工場だとか
なぜ? ゴムの焼ける匂いから 
甘い匂いのキャラメルになるのか
少年には謎だった
そういえば私が好きだったキャラメルは明治サイコロ・キャラメル
一個の粒が大きくて食べがいがあったのだ
今調べてみたら北海道で作っていたんだね
やはりゴムの焼ける匂いが漂ってたのだろうか
謎が謎を呼ぶキャメルの真実
かと思うと 近道だからつい通ってしまう裏道のその場所は
いつも何かが腐った匂いが漂っていた
私の育った町では
我慢ならない臭い匂いが漂っていたのだ
もちろんいい匂いもないわけではない
下校時分には必ず通る商店街では
総菜屋さんの天ぷらを揚げる匂い
肉屋さんのラードで揚げるコロッケの匂い
魚屋さんの炭で魚を焼く匂い
甘酸っぱい匂い 甘辛い匂い
そこかしこに立ち込める夕食の匂い
ちょうど炊きあがった釜で炊いた
ご飯の匂い
支度中の祖母に
おむすびをねだり
勇んで熱々を口に含む
ポワ〜と香る化粧水の匂い
うっ
と咽せるが
祖母には口に出せず
我慢して飲み込んだ
こうして記憶を辿れば
とくべつ匂いに敏感だったわけでは
ないのではないか

町の匂いがあんなに強烈だったのは
敗戦後の焼け野原から10年程度では
社会の決め事がまだ整備されてなくて

まぁエンちゃう

あらゆることが緩かったのではないだろうか
つまり
社会の決め事は少ないほうが
くらす人々には楽なんだと思わへん
システムにこだわるのは
行政に携わる人たち
国民の税金で暮らす
全国民の約40%の人々を守る
論理じゃけんね
その輪の外で暮らすオイラには
いらんいらん
もし警察がなかったとしても
いきなり町が戦場みたくなったりは
しないのではあ〜りませんか?

話が飛躍した

ここで一曲 ⑨

で話は
名もなき宝物たちの展覧会の印象だ

匂いからの無茶振りだが
匂いを嗅ぎつける
という言い方があります

人生の荒波を生きるには
とても大切な野生だと思います

小町渉には
その匂いを嗅ぎつける才能があるのかもしれません
そしてその匂いを嗅ぎつける判断こそ
「創発」 
の名称に基づく判断だということを
今回初めて学んだのです

「創発」という言葉の意味は?

作家 安冨 歩さんの著書
「生きるための経済学」
から引用します

Don’t think FEEL!

映画『燃えよドラゴン』で
ブルース・リーはこういった。
これを本書の言葉で解釈すれば、
以下のようになる。

「手続的計算に頼るんじゃない、
創発的計算を信じるんだ!」

おそらく、
武術のような激しい相互作用の現場で
手続的計算に依存すれば、
動きがぎごちなくなり、
すぐに相手に倒されてしまうのであろう。
暗黙の次元をフル回転させて、
創発的計算を実現して
柔軟に戦うことが、
武術の極意であることは、
十分に想像しうる。

「生きるための経済学」安冨 歩 著

詳しく知りたい方は本書をお読みください

創発を私流に12%程度で解釈した箇所をさらに引用する

自我を喪失し、
社会的自我によって乗っ取られた人は
自己嫌悪に陥る。
なぜなら、自分の真の姿が、
社会的自我の欲求に合致していないため、
それが価値のないものに思えるからである。
それらを誤魔化す為に・・・・
あらゆるものの依存症になっている。

アルコールや薬物 ワークホリック セックス 過剰消費 ・・・・・・

毎日激しく労働し、仕事に追い立てられていれば
それ以外のことはどうでもよくなり
頭の中は仕事のことで一杯になる。

しかもその仕事はできるだけ無内容であることが望ましい。
なぜなら、
本当に美しいものや意味のあるものを作り出すには、
「創発」を必要とするからである。

大切に思ってくれる人は誰か。
知らないあいだに、
そういう人を傷つけてはいないか。
この問いに正しく答えなければ、
依存症からの脱出はできない。

そのためには、
自我を取り戻すしかないが、
それは簡単なことではない。
なぜなら、
私のような人間は、
自我を喪失したが故に、
依存症になったからである。

途中略

真にこの牢獄から抜け出すには、
私たちは自らの身体の持つ
「創発」
する力を信じる必要がある。
この力は生命の持つ、
生きるためのダイナミックスでもある。
このダイナミックスを信じ、そのままに生き、
望む方向にそれを展開させ、成長させるとき、
人間は積極的な意味で
「自由」
たりうる。

「生きるための経済学」安冨 歩 著

創発する力を
アートの力
私はそう解釈してしまったのです

ここで一曲 ⑩

LOOKからのCOOKへ

今回のもう一つの報告が
ここ川崎北部市場・調理室池田

https://chourishitsu.tumblr.com/

私がこのお店の魅力を一言でいうと

“どうしても観たい映画を
観に行く感じ”

ではこの場所のオーナーである
池田ご夫妻をほんの少しご紹介させていただきます
あの世界的に著名なS社の飲食部門で長く活躍されていた
奥様と同じくS社の代表とも世界を股にかけて活躍されていた
ご主人のお二人
有り体にいえば職場結婚ということですが
だからこそこの素晴らしい夢を
二人で迷わず描くことが出来たのかもしれません
それにしてもです
偶然この市場には何度か買い出しに来ていたとはいえ
この市場では大変な希少価値である角地のスペースを入手され
しかもその利点を見事に生かした形態へとたどり着き
さらには、この破格の店名
「調理室池田」
を家族の結びつきから発想され
しかも誰もが憧れるリゾート地のような空間を演出され
現在オープンから一年半という
短期間で成功を手にされているのです


その成功過程の日々は以下のごとし

朝3時に起きる
4時までに市場へマイカーで出勤
すぐさま仕込みを開始し
7時 開店
朝食から休憩なしでランチへ突入
13時半に店舗クローズ
後片付け、清算、翌日の仕込み
などなどなど
市場終了と共に帰宅
夜9時までに
家族の為に食事を用意する
夜?時 
家族の笑顔を観て就寝
3時起床

ドン引きするようなスケジュールです

ハードワークも楽しんだら
ハッピーワーク
つまりこれも
創発
社会的自我を押しつけられ
自我を喪失した人たちにはできない
創発
そして
創発から成功物語が始まる

さて調理室池田
ここまでがシーズン1だとすると

小町渉の展覧会はまさにシーズン2

調理室池田 シーズン2〜

もうこれは見逃せませんね

それでは最後の曲 ⑪

小町渉くんとは30年来の付き合いです

引用の追記です

自分の大切な人がすぐ浮かぶ人。
でも、
それが本当にそうなのか?
よく考える必要がある。

自我を喪失したことで依存症になる。
自我を喪失していることを
自覚することが
一番厄介なのだとも。
すべて不安を紛らわせるための
自己欺瞞への帰結。
不安の悪循環を断ち切ることが
人類の生存を可能にする唯一の道だ。

勇気をもって自我を取り戻し、
自己嫌悪に根拠のないことを自覚し、
自分の感覚に従い、自らを愛し、その愛を溢れさせ、
命のダイナミックスを発露させることである。

「生きるための経済学」安冨 歩 著


安冨 歩さんは考えている

考えることを楽しむことが私のアート

画像・文 桑原 茂→

この55回目の連載内容はラジオ・アーバンリサーチとしてアップロードされます

https://www.mixcloud.com/moichikuwahara/

PROFILE

初代選曲家、毎週金曜日夜11時Mixcloud PirateRadio(海賊船)、 創刊1988年 free paper dictionary編集長

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