外部サイトへ移動します
牧野 広志 AUG 14,2020

下町。Vol.29

春、崇仁地区にトランジット。


2020年、夏が来る前に僕たちの春はこうして始まった。

立誠の最終工事がいよいよ始まった。

あっと言う間に慣れ親しんだ仮設は、折りたたみ自転車の様にパタンパタンといとも簡単に小さくなっていく、

一日目を離せば跡形もなくあの場所は消えていた。

桜が咲けば高瀬川に足を出し絶好のラブベンチ、、、

しかし時間は待ってはくれないのだ・・

先に進む事を最優先に未来を見ている、

立誠での今年の桜は見送られた、、。

仮設は解体され撤去、7月まで本当にトラベリングコーヒーなのだ。

私達は、中京区から下京区に数ヶ月間のレペゼン。

そう、昭和と平成に全国にその名を轟かせた崇仁地区にトランジットです。

無事着陸し、3月1日から地域と足並みを揃えることで合意しスタート、

と、言うのも、この地域はご存知の通り年老いた方々が多いにもかかわらずスーパーが無い、、、

ちょっとした買い物を徒歩で行けるところがないのだ、、

で、この「るてん商店街」は八百屋の機能も果たしているのです。

建物の中には、京都の京北町から野菜や果物、納豆に豆腐、七条にある八百屋からも玉子やサクッと使える野菜、肉屋からはお得な和牛など、地域ごとの調味料なども運びこまれ非常に便利な箱となっている。

テイクアウトのお弁当もあったり、ランチ、定食が食べれたり、クラフトビールがあったり、日本酒もあったり、完全にふらっと来てその日の夕食や昼時の買い物が可能な町の八百屋なのだ。

当然TRAVELING COFFEEもテイクアウトのスペシャルティコーヒーを揃え皆さんの笑顔を見ていたわけです。

やはり地域と関わり、地域を支える杖になるていいですね。

さて、TRAVELING COFFEEのセットは立誠小学校から持ってきた例の机や椅子、本棚などで囲まれており、さらに天井も高く、あれ?あれれ?と一瞬懐かしの元・立誠小学校職員室をフラッシュバックさせる様な、、、。

ただ、職員室でのバックは黒板だったのですが、ここ「るてん商店街」ではなんとバックは京都タワー、

これ、ある意味 崇仁地区の特権ですよね。

京都駅東に構える一等地。

で、さっそくスタートにともない本棚の展示スペースには、一発目と言う事で、、、

同期で古くからの友人であり、ある意味先生でもある沖野修也くんとコラボスタート。

沖野修也くん、もう説明不用ですよね、、

KYOTO JAZZ MASSIVEであり、渋谷ROOMを束ねる親方、

活躍の場が広がり過ぎてもうこれと言う名のジャンルに当てはまらない、、

世界の沖野修也と言っても過言では無い京都が生んだ時代の異端児(もちろん褒め言葉です)。

彼のJAZZY BOOKSとのコラボスタートから、気持ち良く始まりました。

旅をテーマに飛行機のジャケットレコードを揃え、旅グッズを集め、ジャジーな本を並べ、展示販売。

スタート時には機長とチーフCAも登場と言うスペシャルな企画、

まぁここまで突っ込んでやる人もなかなかいないのですが、ここまでやってこそ説得力もあり心の奥底にある部分が伝わりますよね。

芸大が来る地である崇仁地区にて、先駆けていろいろとやって行きたい思いが関わる人みんなから伝わってきます。

JAZZY BOOKSとのコラボの次は、Let it Artとのコラボで、なかなか鋭いアート作品を展示販売。

軽く見逃してしまった皆さん、実はかなり強烈にマニアックな作品だったんですよね・・・

と、まぁ、この限られた時間でこの地域に寄り添いそして何かを落とし込むと言うトランジット、

ぜひこれまた頭の隅っこに置いといてくださいね。

少しの合間ですが、中京区から下京区にお邪魔してチャレンジと言う名の “おもてなし” を繰り返す、

通常常にコインパーキングであり、ある意味気持ちのパーキングでもありたい、

そんな思いを全面に出し頭をフル回転させた春、立ち退き、建て壊しの廃棄団地を目に焼き付けながら地域にお役に立てる事を日々考えた春、

ドンツキだった河原町塩小路には今も新幹線が見える。

東西南北の景色は決してわびさびのある押し出しの強い京都では無いが、さすが下町だけあって建物や路地から湧き出る空気感と言うか雰囲気はどこを切り取っても、本物の京都である。

僕らの春は目の前に桜も無く、これと言った季節感もない場所で始まりました。

少し歩いて柳原銀行記念資料館まで行けばぽつりと桜が一本あるだけだ、唯一の季節感。

開発の為に壊されていく昭和がただただ目の前にあり、その時間が季節であった。

PROFILE

牧野 広志 TRAVELING COFFEE 店主

1966年生まれ。
94年渡仏、90年代をパリ ルーアン リヨンで暮らす。
2002年 帰国後、京都の新しい情報発信空間の提案者として文化と地域に密着中。

-TRAVELING COFFEE -
昭和2年築の木屋町 元・立誠小学校 職員室で営業していたTRAVELING COFFEE が耐震補強工事の為に高瀬川沿いに建てられた仮設の立誠図書館内で営業。
図書館の選書はブックディレクター「BACH」幅允孝氏。
珈琲はブレンド2種類に加え、シングルオリジンは京都府内の焙煎所を毎月選び焙煎家と話し合い常にオリジナルを4種類程オーダーメイド。

FEATUREおすすめしたい記事

page top