外部サイトへ移動します
牧野 広志 MAR 17,2021

下町。Vol.34

京都中華再びマイブーム。


緊急事態宣言

年明けからぶっ込まれた緊急な事態における宣言。

非常に身動き取りにくい世の中、

あれよあれよ月日が過ぎる。

あ、すっかり年も明け気がつけば既に三月の半ば、

私の一月は二月はどこにいったのだ?

強烈な冬の寒さ、いわゆる京都の底冷えも終わり、花粉と共にスカッと晴天の日もちらほら。

ふらふら歩いていると梅の花も咲き乱れ、桜の蕾もふっくら、

しかしながら時折りぶり返す冷え込みは心底身体に堪える、、、

そして、下町から木屋町に戻りスピード感のある日々を送っている。

世の中の宣言もあるのだが、なぜか私のスピードは落ちない、、、

そして宣言が開けるとさらにスピードが増す、、

当然年末年始は休み無くコーヒーを淹れていた。

連休の冬休み?無い無い、、、

どこで年が終わり、どこで新年が始まったか全く記憶にない・・・

年越し蕎麦はいつもの「はづき」さんでスペシャルな物を頂いた。

餅、雑煮、食べてない、、。

初詣、現場前に立誠学区、現場横にある土佐稲荷でパンパン。

寝正月、いやいや寝てない、、。

セール、行って無い買ってない。

毎日常に通常運転、通常営業。

じゃあ、いったい何をしてたんだと、、、

そう、

中華を食べていた。

普通の中華料理では無く、京都中華だ。

例の本で一躍脚光を浴びた、京都中華のパイオニア 高華吉さんが生み出した京都の中華。

京都の皆さんは親しみと愛情を込めて鳳舞系と呼ぶ。

あの本は何度も読み、ふむふむと思いながら、ほうほうと思う。

本には書かれていない事もたくさんあり、それは通っているうちにいろいろと耳に入り聞かされるわけです、

で、また改めてまた通ってしまう。

自分の中でのマイブームがまた来る、

結果、年が開けてから3日に一回のペースで京都中華を食べている。

普通の中華では無く鳳舞系と盛京亭系と言われる京都中華二大派閥の店舗のみでだ。

鳳舞系は廣東料理、盛京亭系は北京料理、どちらもこの街ならではの優しいお味。

ぶっちゃけ毎日食べられる、

この京都中華鳳舞系、観光ラッシュだった時期には如何にもこうにも全国から食べに来るわけでどの店舗も行列であった、

とくに河原町二条にある「鳳泉」はオープンからずっと人が並んでいる状態、

サクッと食べたい時にサクッと食べれない日々がずっと続いていた。

私にとっては日常の食事であり、行列に並んで食べるわけではない。

堀川北大路にある「鳳飛」も待ち時間どんだけて感じであった、、

上七軒の「糸仙」、予約を取るのも大変、、

四条河原町の「芙蓉園」、こちらも春巻き大人気でいつのぞいてもいっぱい状態・・
しかし、事態宣言中は夜の営業を止めていた感じで予約をすれば店を開けるみたいな、、

ここの鶏肉入り玉子焼き(鳳凰蛋)これは必ず食べる、いやこれを食べたくて行くと言った方が正しいだろう。
広東料理「第一樓」から独立した芙蓉園、この鳳凰蛋は第一樓にあった料理が芙蓉園でまかないとなりメニューになったと言うお味である、

春巻き、オーダーが通ってから作るのでサクサクうまっ‼︎
最高だな。

ちなみに筆者が聞いた話しによると芙蓉園と糸仙は親戚筋だとか、、

だから糸仙は芙蓉園で修行して独立したのか、、、。

新京極の「龍鳳」、お父ちゃんもう作るの嫌なくらいカラシソバを作っただろう、、
突然店休んだりしたりして、、、
メニューもいきなり何品か白い紙が貼られ消えている・・

穴場だった「鳳舞楼」も電話一本入れて確認しとかないと危うい、、

とにかくいつもの中華が大変であった。

あの本を読んだ方はご存知かと思いますが、この鳳舞系と言われる中華が最高にうまいのだ。

筆者にとっては中華と言うよりもう日常の和食な感覚である。

あっさりしており、匂いも抑え目、具は京都ならではの食材がふんだんに使われある意味 京料理みたいなもんだ、

いやいやこれはまさしく京料理だな。

年末あたりから年が明けにかけ、いろいろ考えていたら後継者問題と言う課題にぶつかった、

そう街中華と言われる一つのカテゴリーの中で、まぁどこもそうなんだが後継者不足に悩まされていると言う話しを耳にした、

あ、あ、確かにそうだな・・・

有名店が跡継ぎがおらず的な、

で、大好きなお店が昨年の世界的なアレコレの原因でお店を閉めざるおえない事も起こっている、

あるうちに行っておかないと、次行った時には無いとか、
あと数日で閉めてしまうんですとか、
お店のドアに「永年ありがとうございました。」と貼り紙があったりとか、

え、、!
と残念極まりない事が続いている・・

確かに京都中華と言われる系統のお店も、ちらほらお店を閉めてしまったところが数軒ある、

困る、、非常に困る。

そんな事を考えていたら、気がつけばまた週に何度も通っている事に気づいた、

と言うか、気付かされた。

友人達に「中華屋でもはじめるんですか!?」と言われ、
ハイペースで鳳舞系と盛華亭系に行きまくってた事に気付かされる、

無意識の内に行列も無いし、サクッと行っているのだ、

しかも絶賛営業時間が20時までと言うタイミングの時期、だからこそ客足も止まりスッと入れるのかもしれない、

そうなると狙いは、常日頃から行列と満席のお店である、

私の中では“上の御用達”と呼んでいる「鳳舞」からの独立店である「鳳飛」に火が付いた。

こちらは上の方々が電話でお持ち帰りを予約、店の前にはその車が並ぶと言う持ち帰り人気店、
そうなると、お店もいっぱいで中に入ってからオーダーを通し、品が出てくるまでちょっと時間ががかる。

カウンターの上にはどんどんと厨房からお持ち帰り用がパック詰され袋に入り段積みで並んでいく、、、

しかしながら、その待つ時間でさえ楽しく美味しいお店である。

私の春巻きはいつ出てくるんだ・・・と思いながら生唾をゴクリ。

今なら、スッと入れてスッと料理がテンポ良く出てくる、
これはあきらかに世の中の状況で生まれた良くない事ではあるが、鳳舞系ファンにとってはこんなに頻繁にサクサクッと食べれるのは嬉しい限りである、

ある意味いまがチャンスであろう。

あのカラシドリがここでは今も食べれるわけです。

河原町二条の「鳳泉」では現在カラシドリは出しておらずなのですが、、
鳳泉なら私は必ずキクラゲ豚を注文する。
これキクラゲがベレー帽みたいでめちゃくちゃ美味いんです。

私はそのキクラゲ豚を愛情たっぷりに「ベレー帽」と呼んで注文する。(皆さんマネしちゃ駄目ですよ。)

鳳泉は鳳舞が閉店した後そこのスタッフ皆さんが移り作ったお店、
料理長は鳳舞一筋なので、鳳舞の味を求めるにはこちらが一番味が近いと食べてて感じます。

ちなみにこのお店、昔カフェだったんだよな、服部くんとこのグラフが作ったお洒落カフェの跡地が中華屋になったわけです。

いろんな意味で凄い・・・

話しは戻るが「鳳飛」に行ったら食べる焼きそばがある、
鳳舞系の焼きそばはパリパリ麺に餡掛けなのだが、このパリパリ麺を注文する時に柔らかくしてもらう事ができる、これが最高に美味いのです。

まだ食べた事の無い方、ぜひ一度お試しください。

「鳳舞楼」にも良く行く。
こちらの大将は16歳で鳳舞に住み込みで入り麺担当。
レジェンド高華吉さんの最後の直弟子と言われている。

一人でふらっと行くと奥の厨房からアイコンタクト、
スっと小さなお皿で一品サービスを出してくれる。嬉しい一品である。

京都中華鳳舞系と言われるお店でこのサービス一品はなんとも誇らしい限りである。

麺担当だったのでとうぜんカラシソバは外せない、
いつの間にかカラシソバブームまで起こってしまった状態です・・・

いろいろ食べ終わった後に「鳳舞」の文字の入ったお皿だとテンションはマックスである、

鳳舞系のお店に行く方々て結構カラシソバを食べに行くんだけど、じつは広東麺が美味いんですよね。

廣東料理なので当然と言えば当然なんだけど、、、

新京極の「龍鳳」に行くと8割くらいの人がカラシソバを食べている、
で、私が廣東麺を注文するとお客さんみんなが振り返る、
で、仕上がった品を見て目線が止まらない、、、。
皆さんきっと次は廣東麺を頼むのかなー。とか思ったりして、、、

京都中華のパイオニア高華吉さんの作ったお店の中に「鳳舞」とは別に「飛雲」と言うお店がある、

本来なら鳳舞より先に作ったお店であり、鳳舞系と言うより飛雲系と言った方が正解なのでは?とか思ったりして、、、、

その「飛雲」だが例の本の中では取材をお断りしておりよく詳細がわからない的な感じに思われている。

私が19歳20歳の頃はよく行ったものだ、

北白川にあるので当時通っていた芸大の近く、学校終わりにふらっと行っていた、

レンガ作りの重厚な建物、普通に入り難い感じプラス値段の高そうな雰囲気、、、

この「飛雲」こそ高華吉さんの親族が跡継ぎし今も営業している一軒である、

「北白川飛雲」久しぶりに行ってまた通ってしまっているわけです。

さらにノーマークと言われている伏見くいなばしにある定食をガッツリ食べれる「鳳麟」。
この鳳麟は鳳舞が閉店と共にできた伏見の要だ。

近くに大学があり学生が多いと言う事で定食がいろいろある。
春巻きもニラ入りという京都中華掟破り的な禁断の春巻きと言ってもよい、、しかしうまいんだなこれが。

メニューの数も恐ろしい数で、おそらくこのお店を鳳舞系と認識している人は少ないだろう。

とにかく鳳舞系と言われる京都中華には底知れぬ魅力と京都人の口を唸らせたなんとも言えない、毎日食べられる味がある。

ただ京都に中華屋さんはたくさんあるが「鳳」と言う文字が店名についているもの全てが鳳舞系では無い。
お間違え無い様に。

そして、更に二大派閥と人が呼ぶ盛京亭系。
「盛京亭」こちらも現在も祇園で営業しており人々の口と気持ちをガッチリおさえている。

筆者は、北白川浄土寺にある「盛京亭」から独立した「盛華亭」が御用達である、

住宅街にひっそりと佇む静かなお店、
歩いていても見落としてしまうかも、、

こちらの月替わりメニューは最高ですね。

とにかく迷う事なく先ずは月替わりメニューを頼んでしまう、

が、絶対外せないのが八宝糸、冷んやりしたこいつを先ずは食べて胃腸を整える、そこから後はひたすら食べたい物をガンガンオーダーするのだ。

一人ならカウンター、数人なら2階の円卓、

ついつい数人で円卓を希望してしまうのは私だけでは無いだろう。

こうして、私の年明けからの京都中華マイブームは再び始まったのだ。

気がつけば3日に一度と言うハイペース、

後継者不足と言われる中、当たり前の文化が消えてしまう前に消えない様にひたすら通う日々。

この京都中華も非常に地域と密着しており、地域地域ごとにこの系統のお店がある、

そして気のせいかその地域の人にあった味の違いがある、

ちょっと濃い目、ちょっと薄目、ちょっと上品目、ちょっとあれこれ、

そんな事を考えながら食べていると本当に愛されているのだろうと感じる。

無くしたくない、無くなって欲しくない京都の文化です。

そんなこんなで、

年明けからの緊急事態宣言は私に京都中華再マイブームを巻き起こしていた。

さて、

皆さん、遅れながら 新年あけましておめでとうございます。

非常にエキセントリックな日々が続いているかと思いますが、

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

そして街には生命力の溢れ出す春が来た。

PROFILE

牧野 広志 TRAVELING COFFEE 店主

1966年生まれ。
94年渡仏、90年代をパリ ルーアン リヨンで暮らす。
2002年 帰国後、京都の新しい情報発信空間の提案者として文化と地域に密着中。

-TRAVELING COFFEE -
昭和2年築の木屋町 元・立誠小学校 職員室で営業していたTRAVELING COFFEE が耐震補強工事の為に高瀬川沿いに建てられた仮設の立誠図書館内で営業。図書館の選書はブックディレクター「BACH」幅允孝氏。
現在、元・立誠小学校をリノベーションした複合施設「立誠ガーデンヒューリック京都」内にて営業。
京都府内の焙煎所を常に6軒毎月選び焙煎家と話し合いシングルオリジン、オリジナルブレンドをオーダーメイド。
スペシャルティコーヒーをハンドドリップで提供。

FEATUREおすすめしたい記事

page top