下町。Vol.27

仮設と巨大とローカル。
仮設終了。

立誠図書館 TRAVELING COFFEE 一旦閉館。
https://m.facebook.com/kyototravelingcoffee/?locale2=ja_JP

地域と共に歩んだ2年間、
地域と行政と業者、
巨大な力に寄り添う力、
巨大な力と闘う力では無い、
勝ち負けと言う表現は大嫌いだけど、勝ち負けがあるとすれば、三者の理解を分かち合い闘わずして三者が勝者になればそが何よりであろう。
さて、巨大な力とはなんぞや?
金銭で全てを動かせることか、
政治を持って全てをねじ込むことか、
暴力装置を使って身動き取れなくすることか、
組織力を十分に持っていることか、
人の数か、、
いやいや、そうでは無いだろう。
少人数少数派であろうと、一人であろうと、巨大は存在する。
身体が憶えた経験や、生まれ持ったセンス、卓越した技、サボらない気持ち、それがたった一人でも巨大である。
巨大を何かに例えると、例えば、
私は京都中華が大好きである。
何故かと言えば、一言で「美味しいから」である。
なぜ美味しいのか、なぜ京都中華なのか、
そこには中国四千年の歴史と技が惜しみなく使われているからだろう、
中華料理と言うのは、上海や四川、廣東、東北、ひっくるめて中国料理だとか中華だとかいろいろな言い方や表現がある、
そう、世界中どこに行っても中華料理てあるんですよね。
そして、その料理は四千年の歴史からブレる事なく「これが中華や!」とその国のプライドを全面的に押し出してくる、
ところが、この街 京都においてはいささか違う、
巨大な力が街に人にその口と心に寄り添って来ているのです。
それが京都中華、
寄り添いの最高峰と言っても良いのではなかろうか、、、
京都中華と呼ばれる食は、これぞ世界の中華料理と言うど真ん中直球ストレートをあえて微妙に変えている、
野球をやらないからなんともわからないのだが、
私的に感じるのは、外角と言うより内角、しかも低目では無く高目に投げてきている様に思う。当然ストライクゾーン。
内角高目に来た速度の遅いボールがスッとキャッチャーミットに入る。
ストライク!
なんだこの例えは(笑)
あくまでも野球をやらない私の勝手な解釈、
見送ってしまった人、空振りした人、みんな悔しいんですよね、
ただあまりにもいい球を投げてくるから嬉しいんですね、
外側に逃げてない、内側に攻めてきている気がする、
インコースを攻め過ぎればデッドボールになる可能性もある、、
デッドボールでも出そうもんなら即退場であろう・・・
きっと慣れれば打てるよね、
そして、案の定慣れて打っている。
打ってると言うか、打たされているに近いかも・・
わかるかなこの表現???
簡単に言えば京都人にはどうも中華は口にいまいち合いにくかった、
そこで京都人の口に合う様に世界の中華が寄り添ってきたのだ、
そこには絶対的に和食、京料理と言った壁を適度に越える何かが必要であった、
彼らは考えた、中華に和食の出汁を加える事を、
巨大な国が日本の小さな街の人々にピンポイントで合わせてきたのだ、
これが京都中華であり、この根本的な考え方が寄り添う力であり、寄り添う事によって素晴らしいものが生まれると言う基本でもある。
私が京都中華を愛してやまない理由の一つには美味しいだけではなく、その巨大な力が巨大な力と敵視せず、寄り添う事によって生まれたバランスの良さが好きなのだ。
街や町はバランスによって良くも悪くもなる、
闘うのでは無く共存共栄していくための知恵や知識、センスやひらめきが大切であろう。
立誠の複合施設も夏頃にはオープンする、
その為の準備期間として、建てられた高瀬川沿いの立誠図書館、



なぜ図書館だったのか、街や地域を守る為の図書館施設、法的効果が全ての準備段階で必要なのである、

その仮設とも思えない立誠図書館 TRAVELING COFFEEも2/14で一旦終了し、工事の為たて壊しがはじまる、
仮設とは思えないほどの居心地の良さと、
普通では考えられないモデルケースにもなる仮設をできた事は非常に有り難く頭が下がる思いでいっぱいです。


さて、
一旦、ここを出ますがすぐに次のプロジェクトがはじまります。
7月夏にはまた立誠に戻ってきます。
巨大な力と共存共栄しながら、私の持つ頭の中の小さな着地点をうまくブレンドできれば幸いですね。
「こんな仮設はおそらく日本中探しても無かったよね。」と言っていただけたかどうかは別として、
とにかく仮設の新しい形ができたのではないのかと思います。
ご協力頂いた皆々様本当にありがとうございました。
次をお楽しみに。です。
大きな物事は、京都中華の様に寄り添い複雑な表現を外しマイナス方式のプラス効果によって美味しく優しい味を生み出す事ができます、いわゆる良い形を発信できるわけです、。
京都中華は、地域と人と文化の発展に非常に役立っている最高傑作だと本気で思っています、
中国四千年の歴史は古い物や進化しない事などを踏まえて、それを取り込み知らない内に新しい何かを生み出しているかと思う、、、
いろんな分野で、、、。
何かを生み出すと言う点ではコーヒーもまた同じであろうかと思う、
巨大な利益と世界的な知名度とマーケティングを持つコーヒー屋と、町の小さな個人のコーヒー屋ローカルビッグファン、この両者が互いに寄り添い合えば京都は更にコーヒーの街として日本だけでは無く世界中に意識して貰える様になるだろう、
それが共存共栄する寄り添いの京都珈琲として文化として高く飛躍するのだと思います。
この二年間の仮設は非常に実りがあり、次へのステップに大いに役立ったと感じるのですが、、
木屋町、先斗町、高瀬川と言う京都のど真ん中にあり常にポテンシャルが高くこの街を代表する繁華街。
いろいろな巨大とタッグを組み、いよいよ夏には「立誠ガーデン ヒューリック京都」内にて再スタートします。


それまでの約4ヶ月ほど、TRAVELING COFFEEは河原町七条の「るてん商店街」内にて常設営業を3月1日からスタートいたします。

こちらもまだまだいろんな可能性を持っており、楽しみの一つ、
一旦、中京区から下京区へ、違う学区にてレペゼンします。
私達の出来る事から徐々に始めます。
いらっしゃいませ。
そして、
ようこそ立誠へ。

ありがとう高瀬川 仮設。



牧野 広志 TRAVELING COFFEE 店主
1966年生まれ。
94年渡仏、90年代をパリ ルーアン リヨンで暮らす。
2002年 帰国後、京都の新しい情報発信空間の提案者として文化と地域に密着中。
-TRAVELING COFFEE -
昭和2年築の木屋町 元・立誠小学校 職員室で営業していたTRAVELING COFFEE が耐震補強工事の為に高瀬川沿いに建てられた仮設の立誠図書館内で営業。図書館の選書はブックディレクター「BACH」幅允孝氏。
現在、元・立誠小学校をリノベーションした複合施設「立誠ガーデンヒューリック京都」内にて営業。
京都府内の焙煎所を常に6軒毎月選び焙煎家と話し合いシングルオリジン、オリジナルブレンドをオーダーメイド。
スペシャルティコーヒーをハンドドリップで提供。