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牧野 広志 JUL 11,2019

下町。Vol.19

梅雨入りと下町ポテンシャル。


気がつけば平成に幕を閉じ令和と言う名の時代になっていた・・・

7月、京都は梅雨入りと共に祇園祭が始まり鉾町からは例の音が、

祇園囃子で「コンチキチン♪」の鉦の音、

鉾町以外の地域でもそれぞれの祇園祭が幕を開けたのだ、、。

令和初の豪壮かつ華麗で千数百年の伝統を守る八坂神社の祭礼、

当然、私の生きる街でも所狭しと提灯が掛かりぼんやりと柔らかい光が灯され、手拭いが配られた。

ギラギラとした看板の光を提灯の灯が歴史の重みと共に包み込んでいる。

都に暑い夏がやって来たのです。

ジメジメと盆地に纏わる梅雨の湿気は全ての人の体力を奪う、、、。

京都は祇園祭一色に突入したのだ。

さて、久しぶりにペンを持った私、

スランプでは無く地域密着型の私の生活行動は、時には一日24時間では足りないシーズンがしばしあるのだ、、

守備範囲が広いと言われがちな行動力が自ら身動き不可能な時を作ってしまう、、

まぁ、それを楽しんで生きていると言えば間違い無いのだが、、、。

で、

落ちた体力を速やかに回復に向かわせてくれる下町に通う。

目指すは、

東寺。

一号線から入洛する者を待ち受ける圧巻のファイナルファンタジー。

こいつを目の前に見た瞬間から、京都に向かい南インターで降りた車両や一号線をひた走って来た車両はこの街の渦に巻き込まれていく、

いきなり京都。

いきなり五重塔。

そんな破壊力と高いポテンシャルを持った東寺こそ西九条のシンボルであろう。

そう、東九条では無く西九条、、。

東九条の東寺道、お好み焼き「あらた」の新町通り、この新町通りから西は東九条では無く西九条なのだ。

同じ九条でもトンクと呼ばれる東九条がやたらとフューチャーされがちだが、いやいやどうしてどうして、西九条もかなりディープである。

その名の通り 東寺道 を西に向かって歩く、
油小路通りに出て正面には、伏見稲荷御旅所。

油小路通り、いわゆる堀川通りである、

堀川塩小路通りを超え高架下を潜り八条に入ると堀川通から油小路通と名前を変える。

新幹線高架下の北東には西油小路町と東油小路町があり堀川より一本東の細い路地にスペシャリティコーヒーの「Kurasu Kyoto」がある。

この通り酒屋の角打ちで「森帳酒店」があったりとなかなかディープな場所だったのだか、Kurasuの登場ですっかりお洒落なコーヒー好きや外国人の集まる場所となった。

さて、話を戻そう、、、

この油小路通を西に渡り伏見稲荷御旅所を横目にひたすら歩くと近鉄高架下には「焼肉 はやし 東寺店」、大宮通りに出ると目の前には東寺。

この通りもなかなか平らな建物が多かったのだが、今ではすっかり綺麗になってしまった。

東九条とまた違うディープさを持った西九条、、

この大宮東寺道すぐ近くの古い住宅街の中に50年以上続く老舗の劇場「DX東寺劇場」がある。
簡単な話しストリップ劇場なのだ。
とは言ってもストリップと聞くとなんだか古くさいと思う人も多いだろう、
ところが、ちょっと違うのだ、、、非日常感溢れる芸術がなんとも素晴らしいのです、
それがストリップである。

そして、何が凄いかて、この下町に普通に暮らす人々とこの劇場が何十年も一体化しているところにこの町の奥深さと、住まなければ解らない人間関係が成り立っている。

(余談ではあるが、何故か若き日の20代、無料招待券を日々諸先輩から頂き連れられて行かれたものだ・・ さて、その話しはまたいつかゆっくりと。)

大宮通りを南へ九条通を東へ行けば、巖本金属会長の「京都みなみ会館」が有名であった。

”あった”とは現在はその場所は取り壊され場所を変えて新しくなると、、、

元々は1950年代に存在した映画館「九条みなみ館」が、1963年に「京都みなみ会館」としてスタート。
2017年12月1日に建物の老朽化により一時閉館。
2019年の夏ごろには再スタートと耳にする。

とりあえず、みなみ会館は唸る様なマニアックな映画からツボを突く映画まで素晴らしい選映と企画でたまりませんでした、、、。

西九条は非常に芸術性の高い下町です、いろんな意味でディープな芸術性、、、

1200年以上の歴史を誇る東寺で毎月21日に行われる蚤の市、「弘法市」。
これがまた凄い。

東寺境内はもちろん、周りをぐるりと道路にまで露天が約1200店舗ほど並ぶのだ、、。
この骨董市が全国の骨董市の元祖とも言われている。

とにかく中も外も凄い人で21日は近づきたくない・・・

さてさて、梅雨時に落ちた体力を回復する為にうまいもん屋へ、
この辺り東九条と同じく焼肉屋が多いのだが、
筆者が目指すのは私的に餃子ナンバーワンと呟く昭和46年創業の「ミスターギョーザ」。

九条新千本通を北へすぐ、
もう、すっかり全国区になってしまったのだが、、
それでも店舗は西九条を少し超え、唐橋高田に一軒のみ。
素晴らしい。
地元愛深まるローカルフードのキングなのだ。

この辺りのスーパーに行けば生餃子が売っており、家焼きができると言う嬉しさ、

だが、やはりミスターギョーザはお店で食べるのが最高なのです!

焼きあがるまで、きゅうりを食べて待つ。じっと待つ。
(祇園祭中は胡瓜を食べてはいけないので、八坂さんの紋になる丸切りは避け縦切りを・・・すいません。)

私は余分な物は頼まない、
ギョーザだけをたらふく食べたいのだ。

とは言うものの、実は醤油ラーメンもとても美味しく、たまに食べてます・・。

そして、たらふくその餃子を食べる為の胃の調整が きゅうり である、、、。

とりあえず餃子は3皿からスタート、後はお腹と相談しながら追加していく。

うまい!美味すぎるやろ!!

具が甘い、中の具のキャベツが程よく甘味がありタレをつけなくてもサクサクいけるのだ、

美味しさの秘密はこのキャベツである事は確かだ、

中央卸売市場でキャベツを扱っていたオーナーの選ぶキャベツが奇跡の味を生んだと言っても過言ではない。

いつ行っても行列なのだが、さすがお客さんは地元愛に満ちており、相席当たり前のパパッと食べたら素早くお勘定、
恐ろしい速さで回転率も・・・

並んでいても あっと言う間に店内にイン、
あっと言う間に目の前に餃子がドン!

腹ぺこ諸君にらオンザライスもおススメ!

もはや文句の付けようがない。

店構えに店内は当然 昭和まるだし下町キング。

現在、二代目。
私の思う美味さの秘密の一つである家族経営。

西九条、東寺を目の前に、
九条新千本からこの道がステージ、
餃子を焼く鉄板の前がステージ、

私達オーディエンスは下町文化の味に絶賛の嵐。

ずっとここにあって欲しいローカルビッグフードである。

しかし、この周りも随分と変わってしまった、
平屋の家も数が減り、昔の様な下町ディープも薄れて来てしまっている、

それが果たして良いのか悪いのか、、

京都らしさ とはなんぞや。

無くなってしまってからでは全てが遅い、
今、今が大事である。

薄れゆく京都下町文化にストップを・・・

さて、餃子で腹いっぱいの後は、九条七本松の「中華そば あさの」へ。
九条七本松バス停前。

ここの中華そばは優し味で、腹いっぱいでも気持ち良く食べれるのだ。

全てが優しい町。

まだ、かろうじて残る姿、

あっちもこっちも時代の流れに飲まれ壊れ行く町、

気がつけば、昭和の洋館や木造住宅が無くなり、都会派的なクールな建物がそこにある。

どうやら観光都市と言う間違ったレッテルを貼られてしまい、間違った街づくりが根付いてしまったのでしょうか、、、

暑い夏、熱い思いは骨身に沁みる、いつか誰かの耳に届くのかな。

ローカルビッグファンはいつもそう思う。

PROFILE

牧野 広志 TRAVELING COFFEE 店主

1966年生まれ。
94年渡仏、90年代をパリ ルーアン リヨンで暮らす。
2002年 帰国後、京都の新しい情報発信空間の提案者として文化と地域に密着中。

-TRAVELING COFFEE -
昭和2年築の木屋町 元・立誠小学校 職員室で営業していたTRAVELING COFFEE が耐震補強工事の為に高瀬川沿いに建てられた仮設の立誠図書館内で営業。
図書館の選書はブックディレクター「BACH」幅允孝氏。
珈琲はブレンド2種類に加え、シングルオリジンは京都府内の焙煎所を毎月選び焙煎家と話し合い常にオリジナルを4種類程オーダーメイド。

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