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牧野 広志 MAR 19,2020

下町。Vol.28

リアル下町と焼きそばアンタッチャブル。


友「おーい、知ってけ、最近、焼きそば流行ってるらしいやん!」

私「え、焼きそば?」

友「せや、焼きそばや!」

私「誰に流行ってんの?」

友「誰にてお前、京都でやん、街中で焼きそばブームみたいやん!」

私「みたい、て何やねん、俺ん中では一年中365日ブームやで、」

友「せやな、毎日食うとるもんなぁ」

私「・・・・」

友「知らんけどな」

私「どやねん!」

そう、今京都は空前の焼きそブームなのだ。

この焼きそばブームの話しを友人とあーだこーだとアンタッチャブルな地で鉄板前にうんちくを込めながら話し続けた、、、

ところで、いつから焼きそばブームなん?

ブームなんか?焼きそばやで、、、

そう言えば、街には焼きそば専門店が次から次へとできており、焼きそばを出している店主があちこち焼きそば屋に行って味や雰囲気をチェックしている話しや、ソースや麺を研究している話しなどここ最近良く耳にする、、

ほほう〜

おいおいなんかおかしな事になってるぞ・・・

同業者達の熱い闘い?が始まっているのか・・

いやいや京都は共存共栄で寄り添い文化の街だろう、、

そう、新しく店を持ち提供する側は研究に研究を重ね自家製麺やトッピング、ソースなどなどにも気合いが入りまくっている様だ、、。

人、特にお客さんにとって好みの味は人それぞれであり、ハマればその味が好きで通う事になる。

そうした街中の新型焼きそばはもはや安い物では無く、ちょっぴり高級感が吹き込まれた都会の味に変化して行っているのだ、、

さて、

そもそも焼きそばてB級グルメと呼ばれているが、私はB級グルメと言う言葉自体苦手である、

なのに、B級グルメと呼ばれる焼きそばをA級グルメにしなくても的な考えもあり、これ焼きそばじゃないね、て言う物も登場したりで・・・
あくまでも私個人の感覚ではあるのだが、、

が、しかし、それもまた時代の流れや新感覚で生まれた現代の街の焼きそばなのだろう。

なぜなら、それは正直な話し美味しいのだ、

好みもあるが、非常に食べやすくスルッと美味しいのだ。

結果、いろいろなお店があって良いと思うし味も十人十色、

作る側も老若男女、仕事に関わらず誰でも一人で食べに来れる様に工夫しお客さん目線で隙間を押さえている、

こうなると行列に並んでも食べたくなるのが人の性であり心理であろう。

で、そんな中、私の好みの焼きそばはやはり下町にある。
崇仁地区や東九条と言ったリアル下町に。

その好みとは味もあるのだか、全てひっくるめたところにある、

味だけじゃなく、そのバックグラウンドや空間プラシーボ効果と呼ばれるお店の匂い雰囲気も大切なのだ、

例えば、先日行った焼きそば、下町は基本鉄板焼き屋なんだけど、
トンク(東九条)の奥いった店で、すじ肉入りの焼きそばを頼んだ、

すじ焼きそばでは無く、すじ肉入り焼きそばだ、

いわゆるデフォルトで入っているスジでは無く、鉄板焼きで焼かれるゴロゴロとしたスジ肉が入ってるわけです、

ここで、厚みのある鉄板にスジを乗せ焼くのだが、いつまでたっても焼けない、、、
ジュージュー美味しい音もしない、、、
お父さんとお母さんでやってるのだが、お父さんはTVに夢中なわけです・・

お母さんはとにかくスジ肉を混ぜ混ぜしたり、コテでグイグイ鉄板に押し付けるのだか、、、全く焼ける気配がない・・・

お母さんそろそろ気付いてください、、

鉄板に火がついてないのです、、、、。

しかしながらそんな風景を見てなんだか少し安心するのは私だけだろうか、、、

また、レゲエシンガーで京都のレジェンド故キング・カーティス フライこと小島さんの同級生が営む鉄板屋に行く、

故人の話しをしながら自慢の牡蠣焼きそばを食べる、
彼らのヤンチャな高校時代の話しを聞き献杯。

ここの牡蠣焼きそば、もともとメニューにはなかったのだが私の希望で焼きそばに大きな牡蠣を入れてくれた、
はじめは5個とか4個とかいろいろ試して食べて行った結果、自分の中では3個がベストとなったわけでして、それも隠れメニュー的にしてくれてたのだが、、、
ある日ふとメニューを見ると・・・
牡蠣焼きそば(牡蠣3個入り)とメニューになっていた(笑)

家族で営んでいるお店に行けば、注文以上のサービスでデザートにアイスやコーヒーが出てくる、話す事は地域の昔話やTVを見ながら、あーだこーだと、

ここの焼きそばは天カスが異常にデカくゴロゴロ、ガリガリ入っている、
この大きな天カスがソースを吸い込み麺に絡みつく、ソースの焼きそばを食べていると言うよりも野菜たっぷりの中にソースの染み込んだ天カスが絡みつき、これがこの店の味となりクセになるのだ、、

中に入れる具は鉄板焼のメニューから自由に選べたりして自分オリジナルを焼いてくれる、
私はスジとウルテを入れて貰ったり、たくあんを入れて貰ったり、気分でいろいろ変えられるのが非常に嬉しいわけです。

私の行く地域では基本家族で経営しているお店が多い、

これもやはり下町ならではの特徴ではなかろうか。

ふらっと寄って、500円、550円でスジ焼きそばを頂く、まだまだこの値段で食べれるお店があるのだ、

安い値段の秘密はその地区にある。

焼きそばてそう言う食べもんちゃうのて、、

地域あるある話しで仕上がる一品。

こいつをB級ともA級とも言いたく無いわけでして、

下町のソウルフード、安くてうまくて雑で良い、
でもしっかり美味しいんですよ。

焼きそばブームて本当なに??て感じでずっと何十年も焼いている若干パンチの効いた店主の皆さん、私は好きだなぁ、こう言う感じが。

筆者の食べてる焼きそばはいわゆる鉄板焼き屋、お好み焼き屋で、目の前の鉄板に出されるタイプ、

焼きそば専門店と言われる焼きそば屋によく見るのは、鉄板で焼いた焼きそばをお皿に入れて持ってくる物が多い気がする、

食べてる内に麺が若干焦げてカリカリにならないタイプ、

カリカリになった麺にドロソースや赤ソースをしれっとかけてせんべい風にして食べるのて美味しいんだけどな(笑)

お皿に乗ってきたらカリカリにならない、おいがけソースもないて、、、

んー。そうなるとやはり焼きそばと言っても別物なのか、、、

このタイプは街派の焼きそばと勝手に思っているのだが、、

しかしこの街派の焼きそば、食べてる内にクセになるですよね、なんだか。

昭和風では無く焼きそばの良い部分を生かしながら進化した感じでしょうか、

リアル下町の鉄板焼き屋に来づらい、なかなか行けない、ちょっとあの地区は・・・
と言う女性や若者などなどにはかなりの人気であろう、

上品な焼きそばとして位置している感がある様な無い様な、、、

別物やな!

と、最近自分の中では焼きそばの立ち位置がそうなっているわけです。

バランスは取らず個性を生かすのが下町流。
個性派揃いの鉄板職人。

街派の上品で現代的に進化した焼きそばに親しんで、また懐かしい味、昔ながらの味に触れたくなったらぜひ下町にと思う。

そして、残念な事に開発や後継者がいない為、遠い昔にゲットー地区と呼ばれていた町の鉄板焼屋も数が減って来ているのが現状である、

いつまでもあると思っていたお店がある日急に暖簾を降ろしいたり、解体されていたり、私にとっての美味しい味がだんだん減っているのである、、

リアル下町焼きそばの美味しさて、アノマリーですね。

具体的な根拠や理論をもって説明することはできないものの、経験則上よく当たるといわれる物事のことをいいます。

そんなカテゴリーにハマるのがまさに鉄板の前に座る事、長年作り続けられ、また日頃から食べ続けていた店主達が作る味、

美味しい、美味しくないの他に何かを感じさせてくれます。

ある時はイメージとダメージの差が凄い時もあるんですがね・・・

それもまた味でしょう。

マイメン、マイ麺、下町焼きそば。

無くなってしまう前に行って欲しい、

希望の象徴、

この町があった事を忘れない為に。

一人一人が独立しておりそれぞれが自由である、が、団結してこの食べ物を京都の食文化にと言う思いがもしかしたら新世代の焼きそばにあるのかもしれない。

アナーキー でアンタッチャブルな食べ物、

ハンドクラップ。

MAKE YOUR BODY ROCK!!!

さぁ、崇仁地区から東九条に広がる下町とそのDNAを注入した街中で「京都焼きそば」を食べに行こう。

PROFILE

牧野 広志 TRAVELING COFFEE 店主

1966年生まれ。
94年渡仏、90年代をパリ ルーアン リヨンで暮らす。
2002年 帰国後、京都の新しい情報発信空間の提案者として文化と地域に密着中。

-TRAVELING COFFEE -
昭和2年築の木屋町 元・立誠小学校 職員室で営業していたTRAVELING COFFEE が耐震補強工事の為に高瀬川沿いに建てられた仮設の立誠図書館内で営業。
図書館の選書はブックディレクター「BACH」幅允孝氏。
珈琲はブレンド2種類に加え、シングルオリジンは京都府内の焙煎所を毎月選び焙煎家と話し合い常にオリジナルを4種類程オーダーメイド。

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