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落合のダッチワイフ OCT 31,2021

Hey!凡な日々Vol.58
オフィシャル公式遅刻への許可申請について


「電車君、早くしてね」

予定の時刻通りに電車がこない。電光掲示板を見ると、昨晩の地震が原因だと書いてあった。
始業2分前ぴったりにバイト先に到着する想定で動いていたので、この時点で遅刻が確定してしまった。ようやく人様に認められるような遅刻ができたと思い、意気揚々と店に電話をかけると社員さんが出た。
「すいません。地震の影響で電車が遅延していて、いくらか遅れてしまいます。」と伝えると「早くしてね」と言われブツっと切られた。受話器を強く叩きつけることができる人ってどうかしていると思う。気分わりぃなあ~と思いながら、まだ電車がくるまでに少し余裕がある感じがしたので、改札を出て少しそこら辺をふらふらすることにした。
段々と社員が若干キレていたことに腹が立ってきた。

「早くしてね」は一体誰に向けて放たれた言葉なのか。自分にだとしたらそれは一体どうゆうことなんだ。今のところ電車を待つこと以外にできることはない。それとも僕が気付いていないだけで「バイト先により早く到着できる方法」が他にも残されているとでもいうのだろうか。
己では「店により早く到着する方法」がなにも思い浮かんでいないというのにも関わらず、他人に対しては「早くしてね」なんてことを偉そうに言えるほど、社員さんが無神経で阿呆な人間だとは考えにくい。だとしたらこれは「今そこで突っ立って電車を待っているよりも、店により早く到着する方法があるよ!!」という社員からのヒントなのではないだろうか。であれば、とっとと答えを寄こして欲しい。社員さんの願いは「僕が一刻も早く店に到着する」ということであって、「店により早く到着する方法を自分で見つけさせる」ということではないはずだ。
より早くバイト先に到着するために自分が今できることをもう一度考えてみようと思う。ない。なかった。マジでない。バイト先への到着時間は当然ながら電車の到着時間によって左右される。より早くバイト先に到着するためには、電車が今以上のスピードを出して僕が待つ駅へと急ぐ必要がある。そう考えると社員さんは電車に対して「早くしてね」と言った可能性が生まれてくる。しかし僕は電車ではない。僕が電車であれば今頃、線路の上を爆走しているに違いない。そして社員さんがこれまでずっと僕のことを電車だと思って接していたということも考えにくい。となると自ずと答えが出る。
あの「早くしてね」は言葉足らずだったのだ。正しくは「早くしてね(と電車に伝えておいてね)」である。俺は電車が到着したら、車掌さんに急行を快速急行にできないかと打診してみようと思う。

SNSの使い方

このようなことを電車の中で50文字にまとめた文章をTwitterに投稿すると、「地震の影響を考えれば、電車の遅延くらい簡単に想像できるはず」だという旨のリプライが誰かから送られてきた。原文ママでここに書いてもよかったのだが、僕は育ちが上品なので控えることにする。実際は送られてきた文章の中にあり得ないような誤字があり、面識のない人間に文章を送るときに、自分が書いた文章を読み返すことをしない人間が、俺様に何を言うんだって感じである。そもそも意見をしてくること自体がおかしい。Twitterの機能上、僕が書いた文章に対して誰でも返信ができるようにはなっているが、僕自体はそれを一切受け付けてはいない。Twitterの使い方が人それぞれだというのであれば、知らない阿呆からの配慮に欠けた低レベルな文章が送られてくることに対して、異常な程の不快感を感じる人間だっているはずだ。そう考えると、基本的に「送らない」という姿勢をとるのが無難かなとは思う。
即効ブロック。

それは遅刻か否か

そして始業より20分遅れて店に到着するや否や、社員さんに「電車が遅れることは想像できたでしょ?」と言われた。
もう28歳だから「はい。すいません。」と頭を下げたが、電車が遅れることを想像する必要性がどこにあるのかが分からなかった。これじゃまるで僕が遅刻をしてしまったようではないか。
通常であれば始業時間内に間に合う電車を目指せばいいと僕は思っている。それ以外のことはどれも予期せぬできごとであり、遅刻をしてしまっても「仕方がない」で済むべきだ(つまり遅刻にはならない)。それは義務教育で教わったことでもある。僕は自転車通学だったのでそういうことはなかったが、電車通学の人達が遅れて教室に入ってきて「遅延証明書」を提出することで、遅刻とみなされずに済んでいるシーンを何度も見たことがある。
ではこの店はどうか。仮に僕が「遅延証明書」を発行して社員に提出したとしても、「事前に予測できましたよね?」とか「安易に想像できたはずですが。」みたいなことを言って、証明書をその場で破り捨て僕を遅刻扱いするだろう。
地震の影響によるダイヤの乱れは「予期せぬできごとではないだろう」といったような意見がある。実際に社員さんは僕がダイヤの乱れを想定できなかったことに対して腹を立てているのだ。
となると「ダイヤの乱れを予想することができたかどうか」という点が、遅刻か否かを決定付けるための判断基準になる。
僕は実際にマジでダイヤの乱れを予測することができなかった。これは本当のことだからそれをそのまま主張した場合、社員さんは「いや予測できたはずだ」「普通に考えれば分かるでしょ?」と返してくるに違いない。遅刻をしたのかしていないのかを決めるために、いい大人が「予想できたか/できないか」で言い争うなんてあまりにも馬鹿げている。例えば僕が昨日寝ていて地震そのものに気が付かなかったら、一体どのような扱いを受けていたのだろうか。昨晩の個人の状況や能力といった、あまりにも不安定な要素で遅刻か否かを決定しようとしていること自体がおかしすぎると僕は思う。
一応「ダイヤの乱れを予測できなくて」と言ってみると、社員さんは「どんな時でも対応できるように常に30分前には出勤しているわよ。」とおっしゃられていた。30分前に店にやってきたところでお金が発生していない時点で、会社からは労働と認められていないということになる。つまりはまだ始業していないということだ。つまり社員さんは昨日の出勤の続きをしているようなもので、この行為をサービス残業と呼ばずになんと呼べばいいのだろうと僕は頭を抱えてしまった。その人はいつも閉店後にサービス残業を嘆いている。

PROFILE

「お笑い芸人になりたい」と思い、新卒2ヶ月で勤めていた銀行を退社。
プールサイドというコンビ名で活動中。
毎週日曜21時からインターネットラジオ「プールサイドの25Mラジオ」を生放送中。趣味はラジオ投稿。
現在はコンビニでバイトをしながら。日々の生活を楽しんでいる。

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