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粟野 龍亮 APR 10,2020

境界を行き来する。宿泊施設としての「場のあり方」とは


長野では長い長い冬が終わりを告げ、待ちに待ったグリーンシーズンがやってくると意気込んでいた矢先の事態。観光業界は大きなダメージを受けていますね。
八ヶ岳の麓にある我々も例外ではなく、お客様のため、スタッフのため、そして地域のために何がベストなのかを考えながら小さく営業を続けています。

そんなかたちで営業していて改めて考えるのが、「場のあり方」について。

TINY GARDEN 蓼科はリゾート気分を味わえる客室もあり、キャンプエリアにはテントサイトとキャビン(宿泊小屋)もあり、ホテルともキャンプ場とも一言で定義されない曖昧さというか、自然を楽しめる多様性が宿泊者に対しての施設のウリだと感じています。

そして地元の方に対しては、カフェやショップを通じてちょっと都会の雰囲気を味わえる憩いの場所であり、現在は(感染拡大防止策で公共の温泉施設が全て休業中なので)1組ずつ時間を区切って地元の方へ温泉を解放しています。台風の時もそうであったのですが、気づけば困った時の駆け込み寺のように、有事の際は施設のリソースをフルに使って地元の方々の暮らしを支える役割も担っています。

「いい湯だった。TINY GARDENがあって助かったわ!また来ますね」
と言ってくれる地元のお客さまの一言は、こんな時期はどんな売上にも変えがたい。今は商品を売るというより、地元のお客さんとの関係を深め、未来への準備を進めているという表現が適切なのかもしれません。

補足すると、蓼科周辺は公共の銭湯といったらどこも温泉施設で、料金はサウナもついて400円ほど。僕も週1日は通っていましたが、家にお風呂を設けず年間チケットを買って外部の浴場を利用している方もいて、一部には温泉難民が発生しているのです。

宿泊施設は衣食住の暮らしのほとんどすべてが揃っているので、使い方次第でいろんな方のニーズに応えられるというのを約半年営業をしていて実感しています。

そんなこんなで厳しい状況ではありますが、宿泊施設としての「場のあり方」とは何が正しいのでしょうか。
正直、明確な答えはわかりません。というか最近は僕らが決めることではないような気がしています。ただキーワードになってくるのが、「多様性・境界」という言葉。

ホテルとキャンプ・旅行と仕事・都市と地方・人間と自然・日常と非日常 etc.

いろんなものの垣根がなくなり、新しいライフスタイルが模索されている。今まさに震災以来の価値観のシフトが起こっていますよね。

そんな中で僕たちができることは、長野の山の麓で、自然に向き合いながら本気で遊んで、働いて、訪れた方々と交流しながらここにある時間をシェアしていく。

結果として、世の中の変化の中で、自分にはどんな暮らし方ができるのか?個人的に何がフィットするのか?を実験的に疑似体験できるラボのような空間となり、ここに寄りあつまる人・もの・ことが交差し、新しい価値が育まれていくきっかけになれたらなと考えています。

そして、そんなことを考えながらも日々の営業を続けています。

ピンチはイノベーションを生み出す新たなチャンス!
今、何ができるのか?テイクアウトに、断熱リノベーション、オンラインショップなど、現在も制限の中でさまざまな新しい取り組みをスタートさせ、施設のレベルアップを図っています。

Keep calm and chill out at lakeside!

TINY GARDEN 蓼科では今後の新型コロナウイルスの影響による政府からの要請に基づき、営業方針が変更になる恐れもございます。詳しくは下記ウェブサイトをご確認くださいませ。

> TINY GARDEN Website

> TINY GARDEN インスタグラム @ ur_tinygarden

PROFILE

粟野 龍亮 TINY GARDEN 蓼科 企画・地域コーディネーター

東京都大田区育ち。2年前より山の暮らしに憧れて長野県茅野市に移住。
アーバンリサーチの展開する「かぐれ」に所属後、結婚・出産を機に三重県伊勢市へ移住し、旅行業界へ転職。その後、2017年に長野県茅野市へ移住して、地域おこし協力隊として行政と連携しながら地域資源を活かしたツアー企画を行う。2019年夏より古巣アーバンリサーチの運営するキャンプ場「TINY GARDEN 蓼科」の企画・地域コーディネーターに就任。

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