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サノワタル DEC 23,2019

日常からのグラフィックデザインの大事な気付き。


先日、京都精華大学の講義が終わり、
スクールバスに向かっているとふと目に入ったもの。

たくさんのフライヤーが綺麗に整理され並んでいる。
大学などの施設ではよく見る光景です。

どんなイベントがあるのかな?
良いグラフィックデザインのフライヤーはあるかな?と
何気に見ていて

綺麗に整理されているな~

うん?この「ジャンル分け」の紙、分かりやすくていいな~

しかし目立つな!この「ジャンル分け」の紙。

あれ?もうこの「ジャンル分け」のデザインしか目がいかない。

この状況、面白いな~と思ったのと同時に、グラフィックデザインの大事な気付きが詰まっている!これはコラムのネタだ!と今書いているわけですw

私たち、グラフィックデザインの仕事は基本クライアントがいて、その会社・企業の商品、サービスなどを分かりやすく、そして競合他社の商品と差別化を計りながら、目立つようにデザインしたりします。

なので「目立つこと」は良いグラフィックデザインの為の大事な「ひとつの要素」でもあります。

フライヤーには、イベントを魅力的に紹介し、たくさんのユーザーに参加してもらう目的があります。でも私は今回この棚で「ジャンル分け」のデザインの方がとても目立っているように感じました。

うーん。興味深い。

でも目立てば良いという訳でもありません。

もしフライヤーのグラフィックデザインがこの「ジャンル分け」のようなデザインだったら何を説明するフライヤーなのか分からなくなります。

では何故この「ジャンル分け」の紙が目立つデザインになっているのか?

それは情報量の少なさです。
情報が少ないのでとてもシンプルなアプローチのデザインが可能になっています。

情報量は多くなると見せるべきポイントが増えていくので、視線誘導の箇所が増え、どうしても複雑なデザインになります。その為、情報に埋もれてしまいフライヤーが目立たなくなる可能性があります。

では、情報量を少なくしてシンプルなデザインにしたら目立つし、良いのか?

それも前述しましたが違います。

目立つことだけを考えてシンプルにすると、
何の情報を伝えるフライヤーなのかが分からなくなり、フライヤーの意味自体が無くなります。

ではどういう形が目立つことができて、情報もちゃんと理解できる良いデザインなのか?そして作るにはどうすれば良いのか?

私は良いグラフィックデザインをするには
国語力が大きく関係していると考えています。

決められたサイズ(領域)でどの情報が効果的に説明するのには必要なのか?
その必要な部分を整理して、取捨選択して、絶妙な量感で配置(レイアウト)する。

この情報の取捨選択のセンス。そして情報の強弱の付けかた。
すなわち、相手にいかに効果的に情報を伝える事ができるか?を考えることができるか?(人とお話しするのも同じですね)
これがグラフィックデザインに一番必要な能力です。

国語がしっかりできれば、最適な情報をシンプルなデザインでしっかり伝えることが可能です。逆に、情報が多くてもごちゃごちゃに見えないデザインも可能になります。

読んで頂いた方の中には、「デザインに国語力?」と思う方がいるかもしれません。

もし身近に優れたグラフィックデザイナーがいたら学生時代、国語が得意だったか聞いてください。想像以上に得意な方が多いと思います。後、おはなし上手な方も多いと思います。

カッコいいシンプルなものを作るのが優れたデザインではなく、しっかり情報を編集し、バランスよく情報を落とし込む。カッコいいだけで見ている人に何も伝わっていなければ良いデザインでは無いですよね。

グラフィックデザインの仕事をする上で、
大事なことを自問自答できる良い日常の一コマでした。

PROFILE

サノワタル Designer / 京都精華大学非常勤講師

1977年大阪生まれ。東京・大阪・京都の制作プロダクションを経て、2013年に京都にていろいろデザインを設立。同時に事務所機能を追加したカフェの運営をスタート。2017年より、グラフィックデザインを軸に、内装デザイン・ウェブデザイン・パッケージデザインなどの様々な領域のデザインや企画を手掛ける株式会社サノワタルデザイン事務所を設立。

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