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吉本 悠佑 AUG 21,2020

What’s LOVE? -Season 1- 『私のモテ期を終わらせた男』


思い返せば、第一のモテ期<Season 1>は19歳の頃だったわ。そのあたりの数年は平均すると「2か月に一度」で新たな恋をしていたの。
仏文学科の彼、看護師の彼、バンタンデザイン研究所の彼、ミュージシャン志望の彼、芸大院生の彼・・・ひとりひとり小説にしてもいいくらい濃かった・・・

なんか本当に歩いてるだけでこんなにも恋に“ぶつかる”ものなの!?と思うくらいだった。とにかく“ぶつかり合ってた”し、それぞれ終わるのも早かったけど、『世界ってこんなに広かったんだ・・・!』と毎回思えた。

PACHINKO

高三・卒業の春。ずっと好きだった同級生(野球部・T君)に人生で初めて自分から告白というものをした。そして一発で玉砕!!彼がゲイじゃないなんて元から分かってたし、チャラい彼女がいたのも知ってたけど、もう大っ嫌いだった地元を離れるって決めてから、その結論の見えた告白は『生まれ変わるため』の自作自演でしかなかった。それがちゃんと玉砕すれば、都合よく地元に“いたくなくなる”し、田舎を離れる理由としてはこの上なくよかった。
彼を呼び出して「ずっと好きやったんよ」と伝えたら『えー、まじで!?無理無理無理無理!!!で、話ってそれだけ!?』と言われ「うん」と言ったら『まじかよ!せっかく出てきたのに!せや、パチンコ行こうや、パチンコ!』と言われた。
パチンコなんか行ったこともなかったし、興味もなかったし、目の前であっさりフラれた男となんでパチンコに行ってお金を使わないといけないのかと思ったけど、これも彼が私に与えてくれた『生まれ変わるため』の試練なのね!と信じ、パチンコに行った。
私は彼が選んだ台の隣の台にちょこんと座って、見よう見まねで横に500円玉を一枚入れたら玉がジャラジャラ出てきて、右手のノブをMAX全開で回し続けていたら、なんと!ビギナーズラックで2万円くらい勝っちゃったのよ・・・!!彼は少し負けてたけど。
『すごいやん!俺のおかげで今日勝ったんよな?ちょっと小遣いくれよ!』と言われたのでパッと一万円札を渡した。なんと!人生で初めて、男に貢いでしまった・・・!!
生まれて初めて。好きな男とのデート。告白。玉砕。パチンコ。そして貢ぎ。
おかげで少し大人になれたわ。ありがとう。やっぱり私が見込んだ男。

Blooming

大学に入ってから、文字通り『開花』した。
嘘に嘘を塗り固めた、あのクソ時間を取り戻すように・・・!

男と付き合うのも、その人が好きというより、最初の頃は『とにかくこの広い世界を見たい!』という一心だった。「教えて!もっと教えて・・・!!」
それってゲイだからとかノンケ(ストレート)だからとかじゃなくて、田舎出身あるあるだと思う。やっぱり羽ばたくのは楽しい!そういうデビューを「かっぺ臭い」とか思う人もいるかもしれないけど、スーパーモデルがみんな産まれた時からPRADAを着てるわけじゃないし、私だって自分の服装にも髪型にも生き様にも全然自信なかったし、ダッサい自分が大嫌いだった。とにかくカッコよくなりたかった。田舎の家で雑誌をどれだけ開いたって、田舎のジャスコでは全然そういったものが売ってなかったのは当時大問題!AmazonもZOZOもなかったしね。実家を離れて、街に出て、一生懸命にオシャレを勉強して、カッコいい誰かを見つけては必死に追いかけた。誰にもあるんじゃないかな?そんな時代。そして訪れた<Season 1>

ある人から“盗んで”は、次の“待ち人”にすげ替えていったわ。そうして恋愛もセックスもまともにできなかった、人権もクソもなかった、あのファックな思春期を、私は僅か数年で取り戻せた。10代でヤりたかったことは10代のうちに済ませられたし、20代になれば“もっといい女”になれると信じて突っ走った。そして何よりも良かったことは、段々と自分のことを愛せるようになっていったこと。
それでも、それと同時に、精魂がどんどん悪女になっていったようにも思う。

二十歳を超えると単なるハンティングも飽きてきて、なんだかマンネリしていた。そんな習慣に“終止符”を打ってくれたのが、たまたま同じ大学で出会った彼。

Driving

彼の方から私に恋に落ちた。かたや私は彼にぜんっぜん興味がなかった・・!ただただモサいだけの中古車持ちのアッシー君としか思ってなかった。
大学生活も後半に入り、私はゼミで“戦略論”を専攻していたし、そのキレキレ感を発揮しまくっていた。その頃になると既に堂々と生きられていたし、生協を歩けばモーゼの十戒のように道ができたし、かと思ったら「え?あの噂の〇〇さんですか・・・!?」と言われたこともあった。(本当よ?)
たった数年の変化なのに、背中を追いかける側から、“追いかけられる背中”になってたのよ。(本当よ?)
そんな“噂のあの人”のドツボにハマってしまった人が、彼。

私はそんな彼の気持ちを一年間はぐらかしてたわ。私から「ドライブしようよ」と言ってはドン・キホーテに買い物に行く。紙類ってかさばるのよね・・・・別れ際に『今日はありがとう』とか言ってバイバイ。それでも彼はいつもニコニコしてたわ。
今思うと、まるで私がパチンコをデートだと思い込んでいた、あの頃の自分の様に・・!?

その“はぐらかし”期間中も、二人くらい他の男と付き合ったかな?あんま覚えてないけど。ジムインストラクターだとかなんとか。短命で終わった割には別れ際にちゃんと号泣したわ。もうその頃になると恋が“暇つぶし”みたいになってて、号泣だって、「ああ、こんなドラマティックな事してみたかった」とどっかでそういう悲劇を待ち望んでいたような気さえする。相変わらずの自作自演型。

Mr. Period

そんな時、事件が起きた。私が学校で大粗相をしてしまって自暴自棄に走った時期があった。そんな時、私を甘やかし続けていたその彼が、私を初めて叱ったのだ・・・!!

『そんなんじゃだめだ!そんなことでは・・・俺の好きな君じゃない!!』と。

その瞬間、私は心からハッとした。本当にこの人は、本当に私のことを見てくれていたのね・・・ずっと!!!と。
そっから付き合った。二年間。
こうして私の第一モテ期に“終止符”が打たれた。

付き合ってからも彼は相変わらず私の顔を見るといつもニコニコと微笑んでくれたし、私もそんな彼のはにかんだ顔を見るのが大好きになった。気づいたら会ってキスをするのは私の方からになっていた。
一緒にGAPに行ってシンプルだけどカッコよく見える服を選んであげたし、ある日彼は美容院に行って髪型を変えてきた。付き合ってからも相変わらずドン・キホーテでデートをしていたけど(笑)、お互い大切な日にはティファニーのリングやポールスミスのネクタイをプレゼントしあったりした。

結局最後は私の火遊びが原因で、最悪な感じで終わってしまったけど・・・

その後はまたしばらく私は、本当の恋が見つけられなくなってしまった。
第二モテ期<Season 2>迄、またしばらく自作自演の日々だったわ。

Fashion

それから数年後、同窓会みたいなもので久々に彼と再会することになった。私は服を全部買い揃えた。当時とは違うスタイルで。靴から、鞄から、髪型から・・・!私をフッたことを少しでも後悔させてやりたかった。

が、再会は『久しぶり』の一言で終わった。私が十万円以上かけたショータイムはたったの5秒で終演。そして彼は、少しいい男になってたわ。

そうやって誰かに影響されたり、したり、恋って大概は自作自演で、お金や時間をかけることも多いかもしれないけれど、それでもこうした数珠繋ぎが私の生き様になっていることを愛おしく想う。

そして今、またモテ期が来てる気がするの・・・!<Season X!?>

Where is the next Mr. ?

to be continued…

PROFILE

吉本 悠佑 POP-UPイケ麺バー主宰

京都在住『流しの料理人』 Pop-Upイケ麺バーを主宰し各地で手打ちの蕎麦や饂飩を出す傍ら、ライター、金継ぎなどをマルチにこなす。京都の割烹屋・全国の麺処で修業経験有。旅した国は世界40か国近く。大学卒業後、大手の人材会社・広告代理店での営業経験やドイツ在住経験も。gayデス。

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