SPECIAL INTERVIEW

KAGURE holistic beautyシリーズ
リニューアル記念インタビュー 第1回

2019年6月4日に、かぐれオリジナルコスメシリーズ「KAGURE holistic beauty」は、より現代の環境や女性の肌に合わせリニューアルしました。
これを記念し、商品プロデュースを手がけるナチュラルコスメ・パーソナルプロデューサー小松和子さんのスペシャルインタビューをお送りします。
今とこれからのコスメ業界について、そしてその中で「KAGURE holistic beauty」が現代女性の肌にどう寄り添っていけるのか、お話を伺いながら見えてきました。

「即効性」から「美しさを育てる」への意識の変化

かぐれコスメ担当 長野 (以下、長野)KAGURE holistic beautyは誕生から7年経ち、先日6月4日に、より現代女性の肌と、私たちを取り巻く環境に合わせてリニューアルしました。今の思いを聞かせてください。

小松和子さん (以下、小松さん)かぐれコスメシリーズを作った時は、私自身も化学物質過敏症であったことと、かぐれスタッフをはじめ、周りにも肌が弱かったりアトピーの人が多く、そういう人たちがどのコスメを使ったらいいか分からなくて路頭に迷っているという状態でした。なので、そういう肌質の人たちも使えるものにしたかったんです。
様々な悩みを抱えているみんなの肌が、かぐれコスメの試作品を試してもらっている時からみるみる改善していくのを見て、このコスメシリーズのテーマを、肌を鎮静して元の状態に戻し、さらにエイジング対策もしてくれる「回帰再生」としました。幅広い肌質の人が使えて、みなさんが製品を使い続けることで、次第に肌が安定するのを感じていただけている。
かぐれコスメシリーズの効果を実感しました。そこから7年も経ったんですね。その間、コスメ業界は色々な意味で打ち止めになっている印象があります。どういうことかというと、世の中のコスメのほとんどは、様々な新しい有効成分を配合し、ナノテクノロジ―で深いところにまで浸透させて「効果を出します」と謳っているブランドばかり。そして、そんなブランドから“新商品”として発売された最先端のコスメも、始めこそ効果を感じられてもそれが持続しない、いまいち効果が感じられないなど、十分な満足に繋がる人が少なかった。だからこそ、コスメでは限界を感じて美容整形に通う人も増えているのです。
その反対に、この7年の間でナチュラルコスメを支持する人がグンと増えてきました。これは、様々な新しい成分や最先端テクノロジーで作られたコスメを使っても、満足を得られないと気づいた人たちが、長期的に健やかで美しい肌を維持するために、ナチュラルコスメを使ってみたらどうだろうと興味を持ち始めたということ。最近は、肌もからだも代替医療的なことが周知され、活用されてきていますよね。
あとはボディメンテナンスも流行ってきて、きちんと筋肉をつけたい人も増えている。代謝を上げてからだを若々しい状態にしてくれますからね。コスメも、「つけるだけで肌が健やかで美しくなる (変われる)」という考えの時代から、「内側から土台を鍛えないと長期的に良い状態は保てない」という考えに変わりつつあり、それをサポートしてくれるナチュラルなものに注目が集まっているわけなんです。

長野外からつけるものだけで美しさを維持するのは限界があり、長期的な視点で肌を育て、肌が本来持っている再生する力で、健やかな肌を育む必要があるということですね。それが本来の肌のあり方で、自然なことですよね。

肌が素直に受け入れる植物の力

小松さん世界的に、ナチュラルとか環境への配慮などは当たり前になってきていて、海外でも衣食住など様々な分野でナチュラルなものが選択されるようになってきていますよね。ただ、日本ではそれがまだ「流行」になっているように感じます。きちんと理解されていないまま、ナチュラルな成分が一つでも入っていれば全部ナチュラルだと思ってしまっている人がいるから、正しく受け入れられていないというのも実情です。ちゃんと理解して正しいものを選んでほしい。そうじゃないと、本物の良さがきちんと伝わらないから。
なぜナチュラルであるべきかというと、人と環境に配慮しているからというのはもちろん、なによりも私たちは「自然の一部」だから。私たちには本来、複雑な化学合成されているものは必要なく、自己免疫力を高めてくれる自然の恵みを取り入れることが、私たちにとって一番自然なことで、細胞が受け入れる本来の形です。

長野自然の摂理に沿った形で自分をケアするというのが、一番効果的で負担がない方法なのですね。そもそも複雑に化学合成された不自然な物質は、自然界にも私たちの中にもないですからね。

小松さん日々生活をしていると、肌が乾燥したり、分泌物がうまく排泄されなかったりなど、様々な不調がありますよね。それらを補ったり鎮静したりするのがコスメの役割でもありますが、いつからか、深く浸透させてシミを消す、たるみを改善する、といったことにフォーカスしすぎて、「浸透コスメ」が出てきました。肌に表れている症状に対して手助けすることより、もっと短期的でアクティブな結果を求めるという傾向です。
ナチュラルコスメを使い続けている人が実感するのが、「いつの間にかシミが薄くなっている」とか「顔色が明るくなっている」といったこと。私の場合は、鼻にあった小さなイボがいつの間にかなくなっていたりね。こうしたことから分かるのは、肌の酸化や炎症がきっかけで起こる様々な不調や老化現象に、植物の持つ抗酸化作用や抗炎症作用が、とても効果的にアプローチできているということ。たとえば、鉱物のクレイもそう。クレイは電位を変える特性があるので、酸化している肌の電位を変えてくれる。炭酸もそうですね。他にもまだまだあります。本当に自然の力はすごいなと思います。

長野肌に足りないものを補い、炎症を鎮静し、さらに抗酸化もしてくれて……改めて植物の底力を実感しますね。

小松さんそれが毎日つけるコスメになっていると思ったら、これほど効果的なのに肌に負担が少なく馴染みが良いものはないですよね。

長野逆に考えると、そうじゃないものを毎日つけ続けることの肌への影響も考えてしまいますね……。

小松さん技術の進化で、深いところに浸透させるコスメがあるけれど、それで美容成分は浸透したとしても、要らないものまで一緒に浸透させている可能性もあります。そのリスクを負ってまで、本当にそれは肌に必要なことで、肌のためになっているのかということをちゃんと考えないといけない。後々、アレルギーや様々な肌の不調となって表れてきたりとか……それが経皮毒といわれるものですね。もちろん植物でも合う・合わないはあるけれど、ケミカルな薬の副作用はもっと怖い。

長野肌を美しくしたいと思って使っていたのに、後々他のトラブルをも招いてしまう可能性があるということですね……。これからの時代、肌につけるもの、食物から摂るものなど、すべての選択がとても大切になりますね。

小松さんそのすべての選択のもととなるのが、「人間の本来のあり方」に立ち返っていくものになるでしょう。そういう時代に突入していくということですね。

長野人間も動物なので、過剰に色々しなくても、必要なものは昔から身の回りにあって、それに立ち返る時代ということですね。コスメ選びも情報に惑わされず、自分で考えてちゃんと選んでいくことが大切なんですね。

小松さんだからコスメも自然の流れでナチュラルなものが注目されてきたんだと思います。私たちは五感があるから、からだのメンテナンスもマインドからする必要がある。五感につながっているから、ナチュラルコスメを使うと「なにか違う」という感覚をなんとなく感じるんだと思います。それは、細胞が素直に反応しているから。こういうことが日常でとても大切で、それが心まで癒してくれているんです。

長野頭ではなく、心でちゃんと感じるということですね。

小松さんかぐれスタッフは、アトピーや敏感肌が多かったけれど、それまで色々なコスメを使っても良くならなかった。でもかぐれのコスメを使って「なにか違う」と感じたんだと思います。目には見えない感覚でキャッチしている、心と肌が反応したのよね。

小松 和子

◎ 次回の記事「これからの環境ストレスに負けないために」は、8月13日(火)更新予定です。ぜひ、ご覧ください。

小松 和子 (ナチュラルコスメプロデューサー / ナチュラルコスメメイクアップアーティスト)

これまでヘアメイクアップアーティストとして数々の作品や著名人を担当。
自身の化学物質過敏症をきっかけに肌と化粧品に関する知識を独学で学び、2008年ナチュラルコスメ専門のヘアメイクアップアーティストとして転身。
現在はナチュラルコスメプロデューサーとして、化粧品開発のプロデュースや講演・講座・企業研修・展示会・イベント・店舗プロデュースなど幅広く活躍中。