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NEWS OCT 09,2026

「洋服と映像は等価」——Logic Oneが紐解く、サンプリングカルチャーと実生活に寄り添う大人のリアルクローズ


2026年10月9日(金)に2026 AW 1stデリバリーをリリースするLogic One。同ブランドはアイテムリリースに合わせて、個性あるプロモーションムービーを公開することでも話題。今回はそんなブランドのディレクターを務める阿部に、Logic Oneに対する思いやムービー製作秘話などを語ってもらった。
本日Logic One公式インスタグラムで公開のDickies × Logic Oneのスペシャルムービーと合わせて、ぜひご覧ください。

— Logic Oneの由来を教えてください。

「ロジック(Logic)」には、方法や理論といった意味があります。大人として流行り物を際限なく取り入れるのではなく、自分なりの物差しを持った大人たちに、それぞれの方法論に沿って服を着こなしてほしいという思いを込めました。「一人ひとりの方法論(Logic One)で、それぞれのスタイルでファッションも人生も楽しみましょう」という意味合いを持たせています。

— タグには、「HELLO, my name is」などブランド名以外の文字も書かれていますが、あのデザインにも何か意味があるのでしょうか?

前述のコンセプトに加え、私自身の音楽への愛情が反映されています。特に90年代から2000年代のヒップホップやソウルといったブラックミュージックが私の原点にあるため、そういったカルチャーや、バンドカルチャーのエッセンスをできるだけデザインに盛り込みたいと考えていました。 クラブやライブハウスに行くと、演者に配られるスタッフパスやステッカーがありますよね。「HELLO, my name is」と書かれたあのデザインを昔からかっこいいと思っていたので、そこからインスピレーションを得てブランドのネームタグに採用しました。

— なるほど、そこがルーツだったのですね。

そうなんです。ただ、ブランドネームとしてあまり雑多に書き込むのは少し違うかなと思い、「HELLO, my name is」にブランド名を入れ、少しポップさも交えて可愛らしく仕上げています。

アイテム作りに関しても同様です。今回コラボレーションしたディッキーズや、1年前に初めてリリースしたスウェットやフーディーも、ブラックカルチャーと密接に関わってきたアイテムであり、当時の雰囲気をベースに現代の空気感をまとわせたシルエットに仕上げています。実は「このアイテムは、あのアーティストのこのジャケット写真の雰囲気をベースにしている」といったように、一つひとつのアイテムに具体的なインスピレーション元が存在します。

また、私は日常的にYouTubeでプロモーションビデオ(PV)を見ているのですが、時代を変えた革新的な撮影方法などへのオマージュもブランドの表現に取り入れています。「洋服を作る」のと同じような感覚でビデオを制作しており、映像もLogic Oneのアイデンティティの一つとして、服と同等の価値がある表現だと位置づけています。 自分が表現したいものを、プレスや撮影チームが理解して一緒に作り上げてくれるため、映像制作は洋服づくりと同じくらい楽しい作業です。アイテム数はそれほど多く作れませんが、それに付帯するムービーは今後もこだわって作っていきたいと考えています。

— 最近のブランドは、まずキービジュアルを打ち出し、ムービーはそれに付随するものという位置づけが多いと思います。しかしLogic Oneは逆で、写真は良いものがあれば十分というスタンスで、ムービー制作に注力している印象を受けます。やはりそこはこだわりの一つですか?

まさにその通りです。私のルーツが音楽とプロモーションビデオにあるからです。「自分が何をかっこいいと思うか」を掘り下げると、やはりアーティストの音源や、それをプロモーションするための映像作品に行き着きます。そのため、「ルック写真が撮れなくても映像は撮りたい」と思うほど、映像表現にはこだわっています。 現代のショート動画文化に合わせているというよりは、純粋にプロモーションビデオへの憧れや影響が根底にあり、自分なりに解釈したかっこいい映像作品を作りたいという思いが強いです。

— 今回でLogic Oneとしては第3弾のムービーになると思いますが、様々な音楽やカルチャーがある中で、特に影響を受けた動画はありますか?

やはり、ヒップホップのプロモーションビデオからは多大な影響を受けています。例えば、前回の春夏(SS)シーズンに出したTシャツのムービーでは「逆再生」の手法を取り入れました。これは、革命的な映像監督であるスパイク・ジョーンズが手がけた、ファーサイド(The Pharcyde)というヒップホップアーティストのPVへのオマージュです。変に隠すことなく、あえて堂々とオマージュさせてもらい、非常に面白い試みになりました。

また、ビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)のPVにあるようなアメリカン・コメディのタッチもずっとやりたいと思っており、今回のディッキーズのムービーではその手法を採用しています。

一方、ワイルドシングスのムービーは、「大好きなご飯屋さんで撮りたい」という目的がまずありました。いつも撮影やPRに協力してくれる仲間たちに声をかけ、私が一番好きな飲食店で撮影を行いました。ヒップホップはサンプリング文化でもありますから、そうしたカルチャーへの敬意を持ち、参考にさせてもらっています。

— 今回のムービーで、特に見てほしい見どころはありますか?

ディッキーズのムービーに関しては、その「コミカルさ」を見ていただきたいです。映像自体はコミカルですが、全体を通して見ると異常なほどかっこいい。それは「かっこつけているかっこよさ」ではなく、「かっこつけないけれども、自分のスタイルでファッションや生活を楽しむかっこよさ」です。年齢を重ねるにつれ、容姿や体型だけでかっこつけるのは難しくなりますが、その分、自然体なかっこよさにフォーカスしています。モデルの方々も非常に頑張ってくれたので、ぜひ見てほしいです。

ワイルドシングスのムービーに関しては、「躍動感」がテーマです。行きつけの大好きな中華料理店の店主にも協力していただき、料理や食事の躍動感、そして仲間たちと美味しいものを食べている実生活の様子を表現しました。特別な日にだけ着る服ではなく、「実生活にどれだけ馴染むか」が根底にあるコンセプトです。 Logic Oneのサンプル品のテストでも、自分で買った服と同じペースで実際に洗って着込み、修正点を見出しています。生活にしっかりと根差した服でありたいと考えています。

— 確かにそうですね。父親ということもあり、特別な日に着る服よりも、日常でガシガシ着られる服の方が生活に合っていると感じます。

本当におっしゃる通りです。30代を超えて家庭や子供を持つと、生活の中で何に価値を置き、何にお金を使うのかを改めて考えるようになります。洋服だけに投資するわけにはいかなくなり、かけがえのない時間や体験にこそお金を使いたいと思うようになります。 だからこそ、特定の時だけに着る高価な服からは少し遠ざかっているのが正直なところです。年齢を重ねてアップデートされた価値観に合い、普段の生活で気兼ねなく着られる服を作りたいと思っています。

— ブランドとしてもムービーの表現としても、今後いつかやってみたいことはありますか?

今回、身近で一緒に働いているスタッフや、異なる分野で頑張っている仲間たちに撮影協力をしてもらいましたが、彼らと一緒に作り上げるプロセスは演者としても非常に楽しいものでした。そのため、彼らが好きなことをしている姿や、実生活に溶け込んでいる様子を切り取った、より日常に密着したムービーをもっと作ってみたいです。時間はかかるかもしれませんが、ぜひ実現したい目標の一つです。
また、過去に影響を受けたミュージックビデオのオマージュにも引き続き挑戦したいです。実は今回、ジャミロクワイの『Virtual Insanity』をオマージュしたいという発想もあったのですが、実現には至りませんでした。そういった大胆な映像表現の試みにも、今後ぜひ挑戦していきたいと思っています。

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