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FASHION OCT 13,2021

LAATOが伝えたい“わたしはわたし”というファッション。

2020年春夏シーズンのブランドデビューから1年と少し、必要最低限のビジュアルは創りつつも、あえてブランドの説明を省いてスタートしてきたなかで、それでも、日々服と向きあい確かな審美眼をそなえる社内のスタッフにファンが多く、着用率もとても高いブランドのLAATO(ラート)。
これだけ世の中に洋服があふれて、ブランドも数多ある中で、洋服のプロとも言える社内スタッフを納得させている点は何だろう。編集部も気になるLAATOのブランドディレクターの仲林智佳(ナカバヤシチカ)に突撃インタビューを敢行。
改めてLAATOってなに?というシンプルな疑問からぶつけてみました。


LAATO DIRECTOR 仲林

※撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえで取材を行っております。

— それでは早速宜しくお願いいたします! ここで改めてLAATOのコンセプトについて教えてください。

仲林 なんだかとても緊張しますね(笑)。
ブランドコンセプトは「わたしはわたし」。
トレンドを意識するのではなく自分の中で着たい服を確立している人をイメージして作っています。
大人の女性の「なめらかさ」や「艶やかさ」を表現するデザインや、柔らかいカラーが特徴と言ったところでしょうか。

— 着たい服を確立している人をあえてターゲットにしているとなると、そもそも洋服に自分なりの基準を持っている人を想定しているってことですよね。それって結構難しいターゲットとも言えると思うのですが、どうしてあえてこだわりの強い人へ向けて作ろうとしたんですか?

仲林 周りの人からみると私自身、こだわりが強い人というイメージがあると思うのですが、自分がそうだとは思ってないんですね。
ただあえて言うならば、好きなものがはっきりしているとは思います。
好きか嫌いか。興味があるかないか。そんなちょっとした違いのような部分ってなにかしら人はそれぞれ持っていると思うので、その人のどこかに何かちょっとでもひっかかればいいなと思っています。なのでこだわりの強い人へ。というよりはそれぞれの中にある、好きとか興味あるもののなかに、自然とLAATOが入り込めたらいいなと思ってます。

— なるほど。自然といつのまにかLAATOがワードローブにある。ということが意図としてあるんですね。 そもそも、LAATO立ち上げに至ったきっかけを教えていただけますか。

仲林 私の経歴になるのですが、もともとKBF(ケービーエフ)でブランドディレクターをしていて、そのあとアクセサリーブランドのSMELLY(スメリー)を立ち上げました。そのあとにSENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH(センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ)でもブランドディレクターを務めてきました。
今回も、なにか新しいブランドを立ち上げてみないか。と声をかけてもらって、今までの私の経験などが役に立つのであればと思い、集大成の意味もあって、チャレンジしてみようと思いました。

— 洋服一点一点に個性というか、デザイン性があったり、素材感や色味にも特徴があると感じますが、どういった風に着こなして欲しいなどイメージはありますか。

仲林 自由にファッションを楽しんで欲しいと常に思っているんです。 私自身もハイブランドも好き、古着も好き、プチプラも好きなので。いろいろその人の好きなものとLAATOの洋服をミックスしていただいて、その人らしくその人が表現できる着こなしをして欲しいです。

— 全身LAATOで。ではなくて、普段の好きなものの中に、LAATOも混ぜて着こなして欲しいということですね。 商品のこだわりについても教えていただけますか。

仲林 先ほどもお伝えしたように、「ファッションを楽しんで欲しい」という思いがまず最初にあるので、何通りにも着用できるようなパターンや、ぱっと見では気付かないけど遊び心として、細かいディテールを加えたデザインが特徴でしょうか。一見シンプルだけど、よく見ると凝っているという印象を持っていただくことを意識しています。
また、年齢を重ねると体型に対する悩みもでてくると思います。その悩みもデザインで少しでも解消されるように意識して作っています。

— ファッションを楽しむためのデザインと、お悩みを解決できるデザインの2つが盛り込まれているんですね! それでは商品を作る際は、どのように企画されているのでしょうか。

仲林 今までもそうだったんですが、私自身が取り組むのであれば、やはり自分の感覚はとても大事にしています。
それをチームのみんなと話し合いながら形にしていきます。そのあとサンプルを見ながら、楽しんでもらうための要素を足したり引いたりする作業を繰り返して、その中で、よりよいベストな着地点を探って、商品になるように進行します。なので、その感覚が働かない時はひたすら外にでて気分転換しますね(笑)。

— なるほど。とても感覚を大事にされていて、その感覚をひたすら具現化する作業なんですね。 ファッションを楽しむ。お悩みを解決する。という大きく2つをテーマにLAATOを作っているということですが、シーズンごとのテーマなどもあったりするんですか。

仲林 一応ありまして、今シーズンは、ズバリ「リラックス感」です。 今のこの大変な時期、一番大事なことじゃないかと思うところをテーマにしました。
一言にリラックスと言っても、テーマとしては壮大で、それぞれの解釈で「リラックス」はあると思います。例えば服を着て楽ちんだからというリラックスも当然あるのですが、今季LAATOで伝えたかった「リラックス」は、自分らしくいることで得られるリラックス感を追求しました。
自分自身もなにか調子が悪い時ってなにかしらの緊張感が続いていたりすることが多いように思います。リラックスするとき深呼吸してみるように、LAATOの洋服を着ることで、深呼吸できるような=自然に自分らしくいられる。そんな感覚をイメージしています。

— ここからはブランドディレクターについて興味ある方も多いと思うので、ディレクター職に関して質問なのですが、仕事の一番の醍醐味はなんでしょうか。

仲林 難しい質問ですね…(笑)。
醍醐味を感じたことは正直ないかもしれないです…。信じてもらえないかもしれませんが、前にでるのも基本的に苦手なので。
ブランドの軸がぶれないように、ある程度自分の中でルールをつくっていることはありますし、決断しなきゃいけない場面は必ずあるのですが、それは結構大変なことなので。

何度も言うようですが、自分の感覚に正直でいることは大事にしています。
当初ブランドを始めることを勧められた時に、自分の経験が役立つならば。とスタートした経緯があるので、今までの経験だけで考えてしまいそうになるのですが、毎日の日常で日々成長しているであろう自分の感覚を第一に大切にしています。
そのために感覚が古くなったり鈍感にならないように、常にアンテナを張っていたいと思います。

— ブランドを運営していく上で、大切にしていることはありますか。

仲林 コミュニケーションと周りの人への感謝とチームワークです。 チームのみんなと会話することも大事で、ふとしたときに、自分では気付かなかった視点の考えを教えてもらったり、気付きをもらうことが多いです。
ちょっと違う角度だと、最近のSNSなんかでは全くの見ず知らずの方が発信してくれているのをキャッチすることもできて、あ! そういう着こなしもあるんだ! と反対に教えてもらったりもしますね。

— 最後になりますが、今後のブランドの展望を教えてください。そのために何をブランドとして今後意識していくのか。ブランドとしてどうアクションしていきたいかもお伺いしていいですか。

仲林 まずは助けあってブランドを育てていこうと思っています。スタッフの多くがよく着用していただいているということも踏まえて、スタッフの方々の意見ももっと取り入れて、商品に落とし込むことも考えていますし、違う視点の意見をもらう中で、洋服だけにこだわらずいろんなことにもチャレンジしていけたらと思っています!

— そうなんですね! 楽しみです! 今回はいろいろと質問させていただきありがとうございました!

仲林智佳(ナカバヤシチカ)
ブランドKBF(ケービーエフ)の立ち上げから、SMELLY(スメリー)、SENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH(センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ)などのディレクションなどを歴任し、現在はUR Lab.やEKAL(エカル)のデザインも担う、社内でも屈指のファッションディレクターでありデザイナー。
特定の推しメンがいるわけではなく、「5人揃っての嵐であって、嵐というグループが作るエンタメの大ファン」であるという至言をもつ、一生アラシック(非公認名称)を宣言する乙女な一面も♡
最近の動向としては、コロナ禍中に刺繍にハマり、そこから器にも興味を持ちはじめる。新たな目標として陶芸家になることを掲げ、目下、陶芸教室にて奮闘中の多忙な日々を過ごしている。
Instagram @ naakabaa

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