シリーズ累計販売数30万個。
RODE SKOの4WAYバッグが愛されるワケ
女性にとって、バッグはファッションだけでなくその日の気分も左右する大切なアイテム。今回は、2017年の発売から圧倒的人気でロングセラーとなっている「RODE SKO」(ロデスコ)のアイコン的バッグをピックアップ。女性の手にするっと優しく馴染むバッグを「この子」と呼び親しむ、ブランドディレクターの畦西(ウネニシ)にインタビューしました。
※撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえで取材を行っております。
膝の上にちょこんと乗ってかわいいバッグ
— これが実際の4WAYトートバッグですか?
畦西 はい。ワイド(横長)と縦長の2型を展開しています。
— 底にもポケットが付いてるんですね。すごく気が利いてる!
畦西 これに反応してくれるのうれしい。これは交通系カードポケットになっていて、ツカツカって歩いて改札でバン!ってやっていただけたら(笑)。先日出張に行ったときにもやってくださってる方を見かけました。
— ここにもポケットが。広いし、すごく便利です。
畦西 斜め掛けもできて。あんまりこれで使う人はいないかなと思ったんですけど、昨日斜め掛けで持っている方を見かけました。お子さんがいる方とかはすごく便利ですよね。
— この4WAYバッグはいつから販売しているんでしょう?
畦西 2017年の1月にはできていたんですけど、いろいろあって、正式には2017年4月頃かな? 入ってすぐ、今まで見たことない勢いで売れちゃって。
— 最初から大ヒットだったんですね。
畦西 ほんと下手したら3週間くらいで全店舗で売れて、大急ぎで追加しました。
— すごい。誕生したのはどういうきっかけだったんでしょう?
畦西 もともとRODE SKOで一番売れるのがこのサイズ感だったんです。縦にも横にも大きすぎない。実際、電車で膝の上にのっけたときに横の人の邪魔にならない。そういうミドルサイズのバッグがやたら反応よかったので、やっぱりこのサイズ感がみんなかわいいって思うんだろうなって。サイズのかわいさっていうのが始まりですね。
— そうだったんですね。
畦西 あとはオンラインストアのレビューがその頃からよく書かれるようになって。商品ページの中に、購入されたお客さまの反応が上がってくるんです。そこでよく書かれていたのが、こういうバッグって、ハンドルとは別でショルダーストラップを付けないといけないっていうのが多くて、それが面倒だから、もっとパッと肩掛けできる仕様のものがないかな? っていうことでした。
それと、軽量化。雑誌で500g以下のバッグの特集が組まれたりしていたので、あまり重くもできないなと思って。プラス、お声として多かったのはガバッと開けられるほうがいいけど、見えるのはイヤとか(笑)。盗難が心配とか。
— 出し入れしやすいけど、安心感は欲しいという(笑)。
畦西 そうそう、あとは、1個買って2個お得みたいな。女の人ってやっぱりそれが好きだから、こういうインポーチバッグが付いてるっていうのもレビューで高評価をいただいていて、ランキングでもすごい反応がよかったんです。それで、そういう全部詰め込んだバッグを作ろう! っていうのがコンセプトになりました。
リニューアルを繰り返し、より実用的に
— 最初からこのデザインだったんでしょうか?
畦西 いえ、何回かリニューアルして今の形になったんです。当時は縦型が流行っていたのもあって最初は縦型でした。それからこの子のお友達も欲しいなってなって。次シーズンに中身が探しやすい横型(今のモデル)を出しました。
— 他にはどんなリニューアルをされましたか?
畦西 大きなリニューアルは4回くらいかな? あおりポケットとか、サイドの金具を丸型から楕円にしたり。タッセルだけでも2019年と2021年にリニューアルしています。本当にちょっとずつ改良に改良を重ねて今に至るんで、ここからどうしようかなってくらい。
— それにしてもこのバッグ、タッセルや金具が付いてて高見えしますね。
畦西 そう、そうなんです! もともとコンセプトは見た目とお客さまのレビューを詰め込むってことだったんですが、ちょっとブランドらしさをプラスしたいなっていうことで、タッセルとか、きらっと光る金具をポイントにしました。でもそれって重くなる原因になるんです。
で、困っていたとき、ちょうど海外の展示会で4WAYで使っている一枚皮の合皮や、4WAYと似たようなダブルショルダー仕様が出ていて。そこからアイデアをいただきました。メーカーさん、工場さん、パタンナーさんにご協力いただいて・・・本当にすごい思い入れがありますね。
— 他にも苦労したことってありますか?
畦西 そうですね、この玉になってる部分。
— 玉? あっ、ありますね。こんなところに! これはどんな役目をするんでしょう?
畦西 ここがL字になってるんですけど、肩掛けとか斜め掛けしたときにバッグの生地がギュインってなっちゃうんです。私たちみんなギュインって言ってるんですけど(笑)、何ていうんだろ、ズレ落ちちゃう。これがずーっとレビューに書かれ続けてて。
— なるほど! 生地がゆるんでしまうというか。すごく細かいですね。
畦西 この金具があるからズレ落ちないようになってるんです。2019年に持ち手の合皮を長くしたけどダメで。何回もメーカーさんに相談して試作品を作っていただいて、結局この小さいパーツが見た目もいいねっていうことで、大改善になりました。私たちも最初見たときビックリしましたね。お客さまはふーんって感じだと思うんですけど(笑)。
欲ばりな女性の声を聞き逃さない
— ご自身では4WAYバッグが愛され続けている部分ってどこだと思いますか?
畦西 やっぱり見た目かな? RODE SKOの場合は機能性もあるけど、それ以上に見た目が大事。女性が好きなサイズ感で、持つだけで女性が品よくきれいに見える。私は「みんなが美人に見えるバッグ」って思ってるんですよ! それに、OLさんがターゲットなのでONでもOFFでも使えるっていうところにもハマるのかなって思います。
— 女性って実用性も大事だから、使ってかわいいって大事ですよね。
畦西 価格的にも手に取りやすいし、高見えもするっていうのもあるかも。
— 本当にそうだと思います。レビューはやっぱり普段から参考にされてますか?
畦西 もちろんチェックしています。女性って例えば「軽くないとイヤだけど、いろいろ付いてないとイヤ」とか、矛盾してたり、欲ばりなんですよ。「黒がいいと思ったけど、明日は白がいい」って言うし。でも私も、本当にそうなんです。
— そういう女性の願いをしっかり聞きながら精査して、試行錯誤を重ねて作ったのがこのバッグってことですよね。
畦西 もう集大成ですね。大事にしていきたいです。
底の角が擦れてきたら買い替えどき
— 今後、この4WAYバッグをどう育てていきたいですか?
畦西 まずはアイコンバッグとして認知されつつあるので、この子たちをもっと広めていきたい。あと、けっこう買い替え需要が多いってお店のスタッフから言われるんです。
— 買い替え需要?
畦西 黒を持ってて使いやすいから、今度は違う色を買おうって新しい色にチャレンジしていただくっていう。なんかそれってうれしい話ですよね。
それに、合皮のバッグも劣化はするんです。今日もね、うちのバッグを持ってる方が、ちょうど上りのエスカレーターにいらっしゃって。下からだとちょうどバッグの角が見えるんですけど、角が擦れて合皮がベロンってなってて・・・。長年愛用してくださってるなぁとうれしい気持ちの反面、今回は新しいカラーも登場していますし、ぜひ買い替えていただけたらって思いました(笑)。
— ずっと売ってるっていう安心感もありますよね。
畦西 はい、これだけロングセラーになっている商品なので、みなさんお持ちのバッグの底を一度チェックしてみてください(笑)。
— 角が目印ですね。
畦西 角がへたってきていたら買い替えどきです。
畦西美鈴(ウネニシ ミスズ)
RODE SKOブランドディレクター。大学卒業後、華やかなアパレル業界に憧れ営業職で商社に就職。20年間インポートアパレルの業界を渡り歩いたのち、2011年の12月にアーバンリサーチに入社。2012年のRODE SKO立ち上げから携わる。
RODE SKO(ロデスコ)
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Text/Mio Wajima