FASHION APR 08,2020

ROSSO WOMAN 2020SS VOL.8

URBAN RESEARCH MEDIA 編集部

藤井明子

藤井明子さんにとっては定番の、ナチュラル系カラーのスタイル。
しかし随所に隠された品の良いアクセントによって、時代の気分をしっかりとらえた、今年らしい春の装いが叶った。

―今日のコーディネートの主役は？

「このキャミワンピかな。でもいつもはメイクが主役なんです。メイクを引き立たせるコーデを選んでいる感じ。洋服でメイクを縛られたくないから。ファッションアイテムは自然とナチュラルなカラーのものが多くなりますね」誰もが認める美肌の持ち主で、その美容法には常に注目が集まる。そんな彼女のコーディネートの考え方が、なんとも潔い。

―キャミワンピの気に入っているポイントは？

「体のラインを拾いすぎず、でも緩すぎず、ちょうど良い塩梅なんですよね。アラフォーにとってこの塩梅はとても大事！」ウエストまではストンと落ち、裾にいくほどにフレアが広がる女性らしいシルエットは、体型を選ばずフィットしてくれる、まさに良い“塩梅”。

「歩くたびに裾のドレープが揺れて、すごく春らしい。足取りが軽やかになりますよね！これ、バックスタイルも可愛いんです。クロスする肩紐がポイントになっていて。今日はこのキャミワンピに透け感のある、同系色のシアーニットを合わせました。いつもコーデを考える時、女性らしさを意識しているんです。どこかしらに肌見せできるものや、程よく色気を出してくれるものが好き」涼しげなシアー素材の奥から白い肌を感じ、ドキッとさせられるが、しかし清潔感がしっかりと寄り添っている。キャミワンピからシアーニットまでのワントーンコーデの中に、大人の女性を演出するポイントがさりげなく隠されているのが彼女らしい。

―そんなコーディネートに合わせた、ヘアメイクのポイントは？

「女性らしいスタイルなので、ヘアメイクもマニッシュにしました。髪は耳にかけ、チークもほとんど入れずに」ナチュラルなコーデに甘さを加えないのが、藤井さん流。

―トレンチコートの気に入っているポイントは？

「テロっとした軽い生地で、とにかく着心地が良いんです。素材感がすごく好き。かっちりとしたイメージの強いトレンチコートに、心地よさが程よく加わった感じも理想的。どう着たって、こなれたオシャレさを演出してくれるんです」そう、エポーレットやラグランスリーブ、右肩に施されたガンフラップなど、トレンチコートならではのトラッドなムードは生かしつつ、袖口や裾まで生地が広がることで、軽やかさを演出。サッと羽織るだけでコーディネートと馴染んでくれ、藤井さんの動きに合わせて異なる表情を見せてくれる。

―ここ最近はボブスタイルが定着しましたね。

「髪が長くてもアレンジするマメさがないから（笑）、美容師の夫に任せて切ってもらいました。『切ったらオシャレ度が増したね』って言われるようになったんです。今日のように少し襟元が詰まっているものや、首元にポイントがあるものが似合うようになりました。あとはピアス選びが楽しい！大きめで甘くないデザインを選んでみました」

―メイクで大切にしていることは？

「（即答で）ツヤ肌。私はよく『スキンケアはベースメイクです』って言うんですけど、スキンケアをちゃんとしていれば、ファンデーションに頼らなくても良くなります。とにかく365日紫外線対策で、インナーケアも大切にしています。顔を洗わないで寝ることなんて年に1、2回！あ、その2回はめちゃくちゃ具合が悪いか、記憶を失くすくらい酔っ払った時です（笑）」ツヤ肌が叶えば自分に自信がもてて、メイクだってファッションだってグッと楽しくなるはず！これが彼女の信念だ。

―素の藤井さんがメイクするインスタライブが話題ですね。

「見ていて楽しいのかな（笑）。でも見たい、知りたいと言ってもらえるうちは頑張りたいな。発信することは、自己満足だけだったらやってられない。でも楽しみにしてもらえるのなら、やる価値が見出せると思うんですよね。実は昨年夏に20年勤めた会社を辞めたんです。仕事をしていると多少なりとも達成感が得られますが、今は新しい価値を探しているところかな。コスメの勉強ももっとしたいし、語学を学んだり、読書もしたい。30代最後の年はしっかりとインプットをして、知識を蓄えたいです」

2020年、思いがけず自分時間ができてしまった人も多いだろう。でも前を向いて、彼女のように学びの時間にしてみたら、どんな空気のなかだって、より美しく輝く女性になれるはずだ。