スタイリングの〆にフェードカラー。大人は“被りもの”で個性を描く
着こなしが軽くなる季節、何か物足りないと感じることはありませんか? 装いのイメージの格上げにも、きれいめコーデのドレスダウンにも使える被りものが頼りになるんです。
メンズのスタイリングは、被りもの1つでグッとこなれます
コーディネートの中で、靴がドレス度を決める最たるアイテムだとしたら、帽子は着用者のイメージを決定づけるモノ。例えば、バケットハットだとストリート感が一気に増しますし、ストローハットはリゾートムードが高まります。その理由は、顔に近く、相手の視線が集まりやすい場所ゆえ。ただ、はっきりした色は主張が強くなりすぎるので、褪せた色合い、いわゆる“フェードカラー”が一押しです。スタイルに違和感なく馴染み、おしゃれな人に通底するこなれ感を獲得できます。
春らしさを、小物から。被りものを取り入れたプロのスタイリングを拝見
日本人に多い黒髪はやや重く見えるので(それがプラスに働くことももちろんあります!)、春夏なら被りもので黒の重量感を打ち消すのも手です。軽く見せるフェードカラーを味方につけた、精鋭たちの春コーデをご覧ください。
コーデ1
モスグリーンのキャップをワークセットアップのアシスト役に
カバーオールとシェフパンツという同素材のセットアップが主役。ワークテイストにカジュアルセットアップと、旬のエッセンスを惜しげもなく取り込んだコーディネートですが、色がエクリュなだけにそれだけではぼやけた印象になっています。そこにアシストを決めたのが、くすんだグリーンの『キジマタカユキ』のキャップ。ニュアンスカラーで同調させつつ、5パネルと6パネルを組み合わせたワーク風なデザインもマッチします。
コーデ2
キャップの後ろ被りで、“いい人そう”に茶目っ気をプラス
清潔感溢れるスタイルですが、一度「帽子がなかったら」と想像してみてください。やさし気に見えるニットベストに、トラッドなチェックパンツ、白のコートシューズ……、どれも非の打ち所がないアイテムセレクトですが、帽子がなければ“育ちが良さそう”な印象に終始しかねません。そこで、キャップをあえて後ろ被りすることでやんちゃ感を加え、程良くドレスダウン。きっと“ギャップ萌え”を誘発できるはずです。
コーデ3
全身を淡色で染めた、ニュアンスカラー使いの巧者
ワントーンとひと口に言っても、靴や小物まで足並みが揃っていないこともままあるものですが、こちらは頭からつま先まで揃えた徹底ぶりにまさに“脱帽”。しかも、バケットハットを含めた上半身はベージュに寄せつつ、下にいくにつれて白さをくっきりさせるというグラデーションも見事です。ジャストでもなく、オーバーサイズでもないゆるさのあるサイジングもエフォートレス。
コーデ4
“1・2・3”のシンプルコーデにハットで小技を効かせる
アウター×ボトムス×シューズのシンプルな“1・2・3”コーデに、4番目のキーアイテムとしてベージュのバケットハットをオン。足元の蛍光グリーンが効いているので、ハットはフェードカラーを選択するのが正解です。バケットハットは深く被ると重たさが勝ってしまうので、ふんわりと浅めに被りつつやや後ろに傾けているとGOOD。
合わせてチェック! 「アーバンリサーチ」で買える、旬の被りもの3選
スタイルのアクセントになる、強い日差しから守ってくれる、寝ぐせを隠せると、プラス材料の多い被りもの。場所やシーズンを意識しながら、好きな帽子を被って野外でアクティブに過ごしたいものです。
アイテム1
New Era Adventure TYPEWRITTER
『ニューエラ』といえば、メジャーリーグの選手が実際に使っていて、ストリートキッズたちが愛するベースボールキャップが有名。ですが、カジュアルなハットも人気を二分する名品です。軽くてハリのあるタイプライター生地で扱いやすく、長めのブリムも日差しから顔を守ってくれます。野外遊びが楽しみになるこれからの季節、フェスにバーベキューにとさまざまなアウトドアシーンで役立つこと間違いなしです。
アイテム2
SENSE OF PLACE dralonニットキャップ
ニットキャップを被るのは寒い時期だけなんて、もったいない! 素材がウールだと夏場は蒸れてしまいますが、『センスオブプレイス』のニットキャップは、吸水・速乾性に優れたドイツ生まれの機能糸、その名もドラロン糸を使っているので、通気性がよく快適な被り心地です。シャリッとしたタッチが夏でも涼やか。ワッチキャップのように折り返して浅めに被るのがおすすめです。
アイテム3
patagonia P-6 Label Trad Cap
ベーシックな6枚パネルのキャップですが、デザインと作りはさすがアウトドア界の雄、『パタゴニア』。素材にがっしりとしたキャンバス生地を使ったタフネスを持ち合わせつつ、空をイメージさせるような淡いブルーが着こなしに自然に調和します。パネルと同じ生地を後頭部のストラップに使うなど、クラシックな趣も。フロントにはブランドを象徴するアイコニックなロゴをセット。
構成、執筆/TASCLAP編集部