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NEWS AUG 27,2026

JAPAN MADE PROJECT TOKYO
URBAN RESEARCH × 銭湯ぐらし × 電気湯


電気湯の半径1km。繋がり、紡ぐ、人と街
未来に続く銭湯の在り方 〜街歩き&イベント編〜

「日本の地域はおもしろい」をキーワードに、株式会社アーバンリサーチが地域の方々とともに、おもしろさや課題に向き合いながら、地域共創を目指し取り組むローカルコミュニティプロジェクト「JAPAN MADE PROJECT(ジャパン メイド プロジェクト)」。

数あるプロジェクトの中の「東京」においては、都市における「銭湯」の可能性に着目。「余白のある暮らし」をテーマに東京杉並区高円寺の老舗銭湯「小杉湯」、「小杉湯となり」を運営する「銭湯ぐらし」と共に取り組みを行ってきました。

今回は小杉湯を中心としたエリアから飛び出し、「お湯に浸かる」という文化をきっかけに、人や地域、ものづくりがつながる1日として、交流のある東京銭湯界隈の小杉湯となり(銭湯ぐらし)、電気湯、狛江湯の皆さんを中心にトークイベントや、別注ウェアの試着会を開催。「JAPAN MADE PROJECT」として参加してきました。

— 街歩き

電気湯とキラキラ橘商店街

7月某日。イベントの舞台となったのは、東京墨田区曳舟(京島)エリアで大正11年(1922年)創業の「電気湯」。
午後のトークイベントの前に、アーバンリサーチと銭湯ぐらしで企画した「steteco.com」別注ウェアを、大久保 勝仁さん(電気湯)、加藤 優一さん(銭湯ぐらし代表)、金田 純歩さん(小杉湯となりPR)、千葉 一孝 (UR JAPAN MADE PROJECT)の4名で実際に着心地を体感しながら電気湯周辺を街歩き。

4代目店主でもある大久保勝仁さんは10月10日生まれでまさに銭湯の申し子。(電気湯の住所も京島3丁目10-10という・・・)
学生時代に様々な経験をしたのち、国連本部に務めたという異色の経歴の持ち主。
3代目でもある祖母が銭湯を廃業する、という話を聞きつけ電気湯を残す為に親戚の反対を押し切り跡を継いだという経緯がある。
そんな想いがこもった電気湯がある京島エリアは、戦災を免れた古い木造長屋や入り組んだ細い路地が多くまさに“下町”な、情緒溢れる街並みが残る場所だ。

そんな電気湯から徒歩5分ほど。
昭和レトロなキラキラ橘商店街を横切って辿り着くはこれまた風情ある喫茶店「Cafe のらくろ」。
「ここのミートソーススパゲッティーが最高にうまいんです。」
そう言う大久保さんの好物を楽しみに、落ち着く店内の様子やクラシックな銅製グラスでキンキンに提供されるアイスコーヒーを堪能して待つ。

しばらくして届いたスパゲッティーを見てびっくり。
軽く見ても3人前近く盛られている・・・。(1人前をシェアさせていただくようお願いした)
来るたびに量が増えるという大久保さんも驚くほど。
サービスの枠を超えた優しさが詰まった一皿。

いざ一口、と食べ始めると野菜の甘みが凝縮された特製ミートソースに目が丸くなる。
すこし細めの麺とソースを絡めながらいただくと、ついつい笑みがこぼれるおいしさ。
喫茶店といえばナポリタンという印象が強いが、ここのミートソースを食べたらその考えも揺らぐはず。
取り分けても一向に減らないと思うほどの量もあっという間にぺろり。
店内奥には謎のジャパニーズ鎧兜が置かれていて、聞くと海外の方が被ったり写真を撮って喜ぶから置いているとのこと。
ホスピタリティーに頭が下がる。
想定外の満腹度でこの後の街歩きに一抹の不安を抱きつつも、満たされた心とお腹の余韻に浸る時間もないため丁重にお礼を言い店を後にする。

Cafe のらくろ
住所:東京都墨田区京島3-54-10
電話:03-3611-3801
営業時間:6:30〜20:00
定休日:日曜日

人が繋ぐ、続く、下町人情溢れるちいさな個人店

続いて向かうは大正元年創業、100年以上続くコッペパン屋「ハト屋パン店」へ。
向かう道中、京島の町を歩いていると、行く人行く人が大久保さんに声をかけ大久保さんも声をかけて何気ない会話がどんどん生まれる。
街で見かけなくなった、会話や挨拶がそこらじゅうにまだ残っているのだ。
色んな街の人ととの挨拶を終え、着いた場所は先代のときから残る味のある看板がかわいい昔ながらのコッペパン屋。
平成29年に先代が亡くなられてしまい一度は閉店したハト屋パン店だが、お客さんでもあった現店主が買い取り復活。味のある店や外観はそのままに、新たに再スタートを切った。
そんな想いが引き継がれた店のコッペパンは、定番から人気の揚げコッペ、商店街のお惣菜を使ったパンまで幅広く街の人に愛されて商店街を盛り上げる。
ここではそれぞれ気になるパンを選び買って、次なる店を目指す。

ハト屋パン店
住所:東京都墨田区京島3-23-10
電話:090-6542-6304
営業時間:平日 6:30〜15:00 / 休日 10:00〜16:00
定休日:水曜日

次に向かうは書店「kamos」。
電気湯の母体でもある株式会社エイトカンパニーが運営するkamosは「共在の醸造」をテーマに掲げる提案型書店。
醸造という意味を込めた”醸す”が店名の由来となっており、哲学を中心にアート・思想・経営・宗教など、人生観に訴えかける選書で、「あなたと一緒に生きるための書店」と謳い、本を通して街や人との生き方、共存の仕方を訴えている。
元々魚屋だったという店内は、排水溝を利用したインテリアから古材の内装、カテゴリーごとにレイアウトされた興味深い選書まで、時間を忘れてしまう“出会い”がある書店となっていて、数多くの本を読んできた銭湯ぐらしの加藤さんも夢中になっていた。

kamos
住所:東京都墨田区京島3-48-1
営業時間: 15:00〜19:00 (土日13:00〜18:00)
定休日:火曜日・木曜日・金曜日
※営業日についてはSNS等をご確認ください
Instagram @ kamos_books

アートと遊びが交差する商店街

キラキラ橘商店街の中腹、空き地スペースに突如現れるのが、卓球台を置くことで人が集う場を生み出すという目的のアートプロジェクト、「Ping Pong Platz 2025(ピンポン・プラッツ2025)」。
アーティストのジャコモ・ザガネッリが無償提供したという独創的な鉄製卓球台と木製ベンチで、元卓球部という銭湯ぐらし加藤さんや対抗する我々もつい熱くなる。
先ほど買ったコッペパンを食べながらその様子を観戦し、気づけば時間もあっと言う間。
近くにはケン玉カルチャーを盛り上げるカフェがあったりと、老若男女が街で集まり独自の遊びを繰り広げていて、今は失われた昭和の子供達(ベーゴマやメンコなど)の童心が受け継がれているかのようだ。※ラケットやボールを貸し出してくれる近隣のお店がいくつかあります

最後に立ち寄ったのは、商店街を象徴するホッとスポット。ハチマキ姿の女将がチャキチャキと切り盛りする名物たこ焼きこんこん。
食べ物ばかりじゃないか、そう言われても仕方ないが商店街は街の台所。必然と、紹介したいおいしいご飯が増えるというもの。
「なんだか素敵なお洋服を揃いで着ちゃって!」 「お高いんでしょう!」
「ぼちぼちです、、、高島ちぢみっていう伝統的な織りで涼しいんですよ!」
「どうりで良さそうに見えたわけだ! あっはっは」
そんな雑談が繰り広げられながらも手元はずっと動き続けて灼熱の鉄板ももろともせず、持ち帰りのたこ焼きが完成していく。
普段は学校帰りの子どもたちがここで道草を食っているのも想像できるような下町の良心が息づく温かいお店。
もちろんふわトロのたこ焼きは絶品。

たこ焼きこんこん
住所:東京都墨田区京島3丁目52-3
電話:03-3612-9595
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜日

大満足で戻ってきた一向。さながらグルメ旅だったが、大久保さんを中心に街と共存する電気湯の存在の大きさを存分に感じる時間になった。

— TALK EVENT

銭湯コラボDAYと題されたこの日のイベント。メインでもあるトークイベントは午後、二部に渡って開催。各地からたくさんの人が訪れた。

第一部
「湯気の向こうに国境はない」ポスターお披露目会

参加者:大久保勝仁(電気湯) / 大沼伸治(旅館大沼) / 吉野敏充 (デザイナー)
進行役:銭湯ぐらし 加藤優一

宮城県鳴子温泉郷にある湯治宿「旅館大沼」の湯守・大沼伸治さんと、デザイナー・吉野敏充さんが共同制作したポスター「湯気の向こうに国境はない」の完成お披露目会として、電気湯の大久保勝仁さんを交えた3人でお湯を通して見つめる世界平和や、銭湯・お風呂が持つ人と人をつなぐ魅力について様々な角度から対話が繰り広げられた。

そのなかでも印象的だったのは、「湯治や銭湯に通ずるのは、湯船に浸かった時の自分と向き合う時間」 「湯船に浸かることで、人に優しくできる」まさに湯気の向こうには国境も戦争もないということ。
銭湯や温泉を通して、幸せや暮らしについて考えさせられる時間となった。

※写真は1部の様子

第二部
電気湯 × 小杉湯となり × 狛江湯 トークイベント

参加者:大久保勝仁(電気湯) / 加藤優一(小杉湯となり) / 西川隆一(狛江湯)
進行役:下岡凪子 (「現代銭湯:社会的繋がりと帰属意識の再構築」著者)
関連リンク

東京の銭湯文化を盛り上げる3つの施設のオーナーや店主によるトークイベント。
それぞれの空間づくりや日々の実践を通して、社会的な場への多様なアプローチについて共に学び、公共空間におけるつながりや帰属意識について話し合った。
進行する東京銭湯について研究、論文執筆した下岡凪子さんが各施設のオーナー/店主にそれぞれの銭湯/施設の特徴やこだわりなどを通してその地域ごとに特徴あるお客さんや街との繋がりを紐解いていく。

狛江という半径2kmの小さな街で狛江湯を営む3代目店主の西川さんは、小さな街だからこそ、豊かさを拡張していくためにより外から狛江湯を目指してくれるような魅力的な銭湯づくりをしている。
リニューアルした銭湯のこだわりはもちろん、店内に併設したSIDE STANDというカフェバーではこだわりのクラフトビールや料理まで提供したり定期的にイベント開催することで、狛江の人はもちろん外から人が集まる取り組みをしている。

そんな西川さんや、小杉湯となり 加藤さんと電気湯 大久保さんの話しのなかでも共通していたのが、インフラとしての銭湯の役目が終わりつつある中で息が詰まるようなコミュニティーではなく、近すぎず、遠すぎない距離感で楽しめる、“選択”できる場所として銭湯を利用してもらう大切さだ。
かつて社交場だった銭湯は変化して、今は自由に自分のペースで楽しめる場所としてまさに「余白」がある場所に変化していっているのかもしれない。

都市生活における銭湯の大切さやそれぞれの地域への役割、文化を残していく大切さについて、たくさんの人たちの想いを知ることができてとても学びがある時間となった。

JAPAN MADE PROJECT TOKYO「SENTO – GRASHI」試着会もたくさんの人に楽しんでもらえた

— ABOUT

電気湯

墨田区京島にある大正11年創業の創業100年を越える老舗銭湯。現在は4代目の大久保勝仁さんが家業を継ぎ、下町の地域と繋がりながら営む。
京成曳舟駅から徒歩5分、現在の名称である電気湯は電気風呂があるわけではなく創業当時では珍しかった電気を使って、お湯を沸かしたことが由来。
映画の有名なロケ地としても知られています。

東京都墨田区京島3丁目10-10
TEL:03-3610-8998
定休日:土曜日
営業時間:15:00〜23:00(最終受付22:30)
URL:https://denki-yu.studio.site/

小杉湯

東京・高円寺にある昭和8年創業の老舗銭湯。
JR高円寺駅から徒歩5分、活気あふれる商店街を通り抜け住宅街に入る、昭和にタイムスリップしたような破風屋根のレトロな建物が存在感をしめしています。
音楽、ファッション、サブカルチャーを中心とした多様な中央線カルチャーと、古き良き歴史が混在する高円寺の憩いの場として、多くの方から愛されている銭湯です。
名物ミルク風呂、週替り・日替わり風呂、水風呂があり、温冷交互浴は小杉湯の代名詞となっています。

東京都杉並区高円寺北3丁目32-17
TEL:03-3337-6198
定休日:木曜日
営業時間:8:00〜25:30(最終受付25:00)
URL:https://kosugiyu.co.jp/

小杉湯となり(銭湯ぐらし)

杉並区高円寺の老舗銭湯「小杉湯」の隣にある銭湯つきシェアスペース。
湯上がりにくつろいだり仕事や食事をしたり、思い思いに使うことができます。
また、周辺の空き家を活用した銭湯つきアパートも運営しており、街全体を家のように楽しむライフスタイルを提案しています。
高円寺以外でも、長野のゲストハウス「小杉湯となり-別荘」や大阪の銭湯「ユートピア白玉温泉」・「小杉湯原宿」とも連携しており、銭湯のある暮らしを全国に広げる拠点でもあります。

東京都杉並区高円寺北3-32-16-2
TEL:03-5356-7222
定休日:木曜日
営業時間:9:00〜22:00
URL:https://kosugiyu-tonari.com/

狛江湯

1955年創業、世田谷区と川崎市に挟まれた半径2kmの日本で2番目に小さな市、狛江市にある銭湯。
家族経営の老舗銭湯で3代目となった西川隆一さんが、狛江湯の未来のため、もっと若い人たちにも銭湯に、狛江に来てもらいたいという想いから2023年4月に大規模リニューアル。
墨田区 黄金湯を手がけたスキーマ建築設計の長坂常さんとタッグを組み、若い人も「わざわざ足を運びたくなる」新しい銭湯を完成。
飲食までこだわったカフェスペースや定期開催されるイベントなど、多岐に渡ってお客さんを惹きつける工夫を凝らした営業で銭湯の魅力を発信している。

東京都狛江市東和泉1-12-6 長谷川ビル
TEL:03-3489-3881
定休日:火曜日
営業時間:13:00〜23:00
URL:https://www.komaeyu.com/

— ITEM

JAPAN MADE PROJECT TOKYO
「SENTO – GRASHI」

JAPAN MADE PROJECT
“日本の地域はおもしろい”
日本には、まだ知らないワクワクすることであふれています。私たちは、その土地を愛してやまない地域の方々とともに、おもしろさや課題に向き合いながら、未来につながる地域の“すごい”を発信していきます。
> Web site
Instagram @ japan_made_project

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