MEHRABIAN 55が考える新しいジャケットの“法則”
「国と地域、人種を問わず、男性が最も美しく装える洋服がジャケットだ」と言われている。
装いに変化を求められる現在、果敢にもこのジャケットのみで多くの男性を虜にしているブランドがあると聞いたのでご紹介したい。
「メラビアンの法則」をご存知だろうか?
初対面の見た目の印象が55%を占めると言われているこの法則を、独自の解釈により表現したブランドが、『MEHRABIAN 55』だ。
MEHRABIAN 55が作るジャケットは、度肝を抜かれる様な大胆な色や柄に目を奪われがちだが、そこはジャケット専業ブランド、構築的な肩周りのフォルム、程よく効いたウエストのシェイプ、流れる様な袖のラインと、その美しい男性的なシルエットが人気を博している。
さらには、高級な仕立てと位置付けられている、総毛芯仕立て、本水牛ボタン、本切羽仕上げなど、ジャケット本来の細かいディテールからもMEHRABIAN 55のジャケットに対するこだわりが伝わってくる。
ここまで聞くと、ジャケットの専業ブランドなのだから当たり前ではないか、と思われてしまいそうだが、MEHRABIAN 55の最大の魅力は、あえて天然素材を使用せず、ポリエステル100%を使用する、その生地へのこだわりにあると言ってもいいだろう。
ジャケット専業ブランド、MEHRABIAN 55が追い求める、多機能で、ギミック感満載の生地へのこだわりについて紐解いてみたい。
プリント
多彩な表情を得意とするMEHRABIAN 55のジャケットだが、実は厳選した3種類の生地から作られていることはあまり知られていない。
その表情豊かな色、柄、素材感を可能にしているのが、ポリエステルの性質を巧みに利用したデジタルプリントの技術なのだ。
無理を言って、プリントされる前の未加工の生地と比べさせて頂いたのだが、未だに同じ生地というのが信じられない。
高級感溢れるシルクジャカード調の生地も、清涼感のあるリネン混調のウインドゥペーンも、綺麗に洗いの掛かったインディゴデニム調の生地も、全てがポリエステルの生地にデジタルプリントされた“騙し(だまし)”だと言うのだから、その再現性には驚きだ。
この生地ならば、シルクジャカードの重さや、リネンの扱いづらさ、インディゴデニムの色落ちや色移りなど、生地の短所を気にせず安心して着用出来る。
天然素材こそが最良とされてきたジャケットだが、MEHRABIAN 55が考える様に、ポリエステルとデジタルプリントの技術を駆使した面白い表情のジャケットは今後も楽しみだ。
ストレッチ性
タイトシルエットでボディラインを美しく見せ、身体の動きに対しても制限のないストレッチジャケットは大歓迎ではある。しかし、残念なことに、機能性を重視するあまり、裏地の付かないペラペラのものが多く、ジャケットに求める仕立ての良さとは掛け離れたものが大半なのだ。
そんな禅問答にMEHRABIAN 55の出した答えは、「裏地にもストレッチ性を持たせる」、だ。
ストレッチ性のあるポリエステルの裏地を使用し、裏地が付いているにも関わらず、肩周り、腕周りの動きにもしっかりと対応出来、ノンストレスで着用出来る。
もちろん、裏地の機能として重要な滑りの良さも抜群で、脱ぎ着の際、腕の通りも快適なのは付け加えておこう。
防シワ性
ジャケットを着ていて一番気がかりなのが、着用により生じるシワだ。
一日中着用していることの多いジャケットは、ひじ周りや、背中に出来るシワが、意外と取れ難く、長年悩みの種だった。
MEHRABIAN 55で使用される生地はポリエステル100%。
天然素材の様に、強撚糸を使うことも、一昼夜シワの回復を待つ必要は無い。ポリエステルのシワになりづらい特性を活かすことで、着用により生じるシワを見事に軽減することが出来るのだ。
これなら、少々乱暴にトートバッグに引っ掛けたって、折り畳んで持ち運んだって、少しもシワを気にせず安心して着用出来る。つまりは長年の悩みから解放された訳だ。
撥水性、防汚性
ジャケットは、上着とも言われる様に、本来一番上に身に着けるものだから、時には雨よけや風よけとしても役立って欲しい。しかし、仕立ての良いジャケットだ、大切に扱いたい気持ちには共感して頂けるだろう。
生地への加工技術は日々進化しており、現在、ポリエステルの撥水効果、防汚効果は非常に優れているのだそうだ。MEHRABIAN 55で使われている生地も、お気に入りのジャケットを長くご着用頂ける様にと、撥水性、防汚性に優れた加工を施している。
ならばと、霧吹きで水を掛けてみたのだが、全く生地に浸み込むことなく玉状で弾いているのがお分かり頂けるだろう。
ここまで撥水性、防汚性に優れたジャケットなのだ、これからは、多少の雨ならば、ジャケットを雨具代わりに衿を立てて颯爽と闊歩しようではないか。
前述した通り、『MEHRABIAN 55』は、初対面の見た目の印象が55%を占めると言われている「メラビアンの法則」を独自の解釈により表現したブランドである。
しかし、55%を占める見た目の美しさだけを追求しているブランドでは、決してない。
その美しい見た目とは裏腹に、贅沢な機能を満載した生地開発にこそ、MEHRABIAN 55の想いが秘められているのだ。
見た目の印象を超える未知の着心地こそが、『MEHRABIAN 55』の考える新しいジャケットの“法則”なのではないだろうか。
ライター/垣本数馬