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FASHION MAR 09,2022

独立店舗として生まれ変わったTHE GOODLAND MARKET その全貌をナビゲート

長年URBAN RESEARCHの旗艦店として営業していたURBAN RESEARCH 堀江店。その跡地がTHE GOODLAND MARKET(ザ グッドランド マーケット、以降はTGM)の単独店舗として、2022年2月4日(金)にリニューアルオープンしました。今回は、ブランド立ち上げメンバーの1人である下間祥子に、TGMの想いを、お店の魅力と共に紹介してもらいます。


改めてTGMってどんなお店?

「TGM自体は2020年6月に立ち上げたブランドで、もう少しで丸2年が経とうとしています。発足当初は店舗がなく、オンラインストアだけで商品を展開していました。オフラインでもお客様との接点を作るために、URBAN RESEARCH DOORS 南船場店に併設している『DOORS HOUSE』やURBAN RESEARCH KYOTO、URBAN RESEARCH 堀江店でポップアップイベントを定期的に開催し、2021年4月にようやくURBAN RESEARCH 堀江店での常設の取り扱いが決まったというような感じでした。URBAN RESEARCH 堀江店の1F・2FがTGMのフロアとしてオープンしてからは、外部イベントへの参加など、ブランドの動きが活発になっていきました。ブランドのコンセプトは、“いまのそれではなく、まだ見ぬそれを共創するマーケット”。人、環境、社会に配慮したものづくりであったり、循環するための商品やアイデアを提案するブランドとして展開しています。それと合わせて、縦にも横にもどんどん繋がりを広げていき、人と人の化学反応が生まれるようなプラットフォームとしても機能できることを目指しています」

「ブランドとして大事にしていることは、課題と向き合い、改善への歩みを一歩でも半歩でも進めるということです。例えば、環境への負荷をかけずに0にすることをゴールとした場合、まだまだ多くの課題を抱えています。できていないところや課題がたくさんあるのですが、自分たちができることや気づいたことはすぐに取り入れ、改善できる道を考えます。これまでにないファッションや消費・小売店のあり方が社会的にも求められている今、自分達が先陣を切って、発信する存在でいられるように、ブランドメンバー全員で向き合いながら取り組んでいます」

TGMで扱っている商材って?

「TGMの店舗やウェブサイトで商品を見ていただくと、一見普通のオシャレなお洋服やアイテムが並んでいるように見えます。ですが、TGMで扱っている商品には、社会問題に対する取り組みであったり、生産者の想いなどたくさんのメッセージが詰まっています。それでいて、商品としての質も高い。そういったものだけを取り扱っている点がTGMの一番の特徴ではないかと思います。TGMのラインナップは、ファッションとライフスタイルを提案している点も特徴の一つですね。コスメだけお洋服だけということではなく、日常のごく一部でもいいから環境に優しいものや、ストーリーがあるものに変えていきたいと思っているお客さんのニーズに寄り添える商品を幅広く展開しています。TGMのお店に行くと、新たな発見や気づき、何か感じるものがあって、そのうえで“何を買うか”しっかり選べるようなお店づくりや商品構成を心がけています。TGMでは、商品のお取り扱いをさせていただいている方たちを“フレンズ”と呼ばせていただいているんです。“お取引先様”というよりは、同じような想いを抱き、一緒に成長していく“仲間”としてお付き合いさせていただいています」

「セレクトアイテムが点数的には目立つと思いますが、オリジナル商品もあります。倉庫に滞留しているデッドストックのお洋服をリメイクや染め直しした商品や、原料調達から製品アップまでこだわって生産したオーガニックコットンのシリーズ、また、店舗で使用していた什器をリユースしていただけるよう販売を始めたラインもあります」

リニューアル後はどんなフロア構成?

「1Fは雑貨メイン、2Fがインテリア雑貨と古着、3Fがアパレルになります」

「TGM的なフロアの分け方としては、1Fがエコフレンドリーなサステナブル雑貨になります。今まではプラスチック製だったものを自然由来の素材に変えたものや、使い捨てずに繰り返し使っていただけるものをセレクトしています。少しだけアパレルもあって、三重にある羽毛に特化したものづくりを展開するKWDさんの受注販売コーナーや、岡山でデニムブランドを展開しているITONAMIさんとの染め直しサービスを始めました。ドライフルーツやナッツなどの量り売りもしていて、ただ既製品を購入する、それだけではなく、新しいお買い物体験ができるコンテンツを展開しています」

ITONAMIの染め直しによって生まれ変わった、倉庫に眠っていたデッドストックの品々。こちらは窓口にもなっており、持ち込みにも対応している
受注生産ができるKWDのダウンアイテムたち。毎週注文を受けており、クイックに対応してくれるので注文から2週間後には製品が届く
安心安全の食材を扱うHEALTHY HUBとタッグを組み実現したドライフルーツやナッツが並ぶ量り売りのコーナー。容器も販売しており、持ち込み容器も対応可

「2Fはリユースをテーマにしたフロアになります。家具は元々店舗で什器として使っていたものですし、古着も一度使用されたものを、もう一度楽しむという意味では、一種のリユースだと思います。古着屋さんで取り扱っているアイテムと大きな差はないと思うのですが、古着を選択することで生産時にかかる環境負荷や廃棄衣料を減らすことができます。よいものを長く使うことの大切さをお客様にもしっかり感じてもらえるように気をつけています。“古着”という今までにあったものでも、意識の向け方や考え方に共感していただけると嬉しいです。今、一緒に発信させていただいている『進化型古着屋“森”』と『岩切商店』もその考えに共感して、一緒に取り組んでくださっています」

店舗で什器として使用していたインテリア家具も並ぶ。こちらのような家にあるだけで映えそうなデザイナーズ家具やヴィンテージも見つかる
今あるモノをどうやって使うかという視点で始めた古着コーナー。USEDを拡張する進化型古着屋“森”と岩切商店とタッグを組んだ良質な古着が並ぶ

「3Fはアパレルメインになるのですが、いくつかのグループに分かれています。TGMのフレンズブランドやリメイクアイテム、オーガニックコットンを使用したオリジナルアイテム、そして以前からURBAN RESEARCHとして取り組んでいるリサイクル素材やオーガニックコットンを使用したアイテムも集約して展開しています。それらは“ファミリー”と呼んでいます。身内なので(笑)」

過去にリリースしていたデニムを2本使って解体し再構築したリメイクラインのデニム。ディテール部分もこだわった手間がかかった1本

GOODLAND MARKET Lito-Denim 01 ¥19,800 (税込)
TGMのオリジナルアイテムも並ぶ。オーガニックコットンを使用したこちらのシャツは、生産背景や素材にこだわっているのはもちろんのこと、シーズンや時代を選ばない使いやすい定番品として展開する

左)THE GOODLAND MARKET THE GOODLAND SHIRTS ¥26,400 (税込)
右)THE GOODLAND MARKET THE GOODLAND long shirt ¥35,200 (税込)

「それと、シーズンを過ぎてしまったお洋服をアーカイブというラインとして展開しています。通常こういった商品はデッドストックになってしまうことが多いのですが、デザイン的にもまだまだ着られますし、お手持ちのアイテムや3Fに並ぶお洋服と組み合わせることで、オンシーズン感覚でまだまだ楽しんでいただけます。そういったアイテムを少し価格を下げて、再提案させていただいています」

TGMならではのさまざまな取り組みは?

「一つは『リメイクギフトバッグ』という取り組みをしています。過包装が問題視されている背景もありますが、お客様目線に立って考えると、誰かにプレゼントを贈るときは、やっぱりきちんとラッピングしたいよね、とスタッフ同士で話がまとまりました。そこで、生地屋さんにある生地の見本に注目しました。生地屋さんにある生地見本は、シーズンが終わると廃棄されてしまうことが実はすごく多いんです。その生地見本を回収させていただいて、障がい者雇用の推進と拡大に取り組むURテラスに縫製をお願いし、ギフトバッグとして使用させてもらっています。全てアソートになっていてかなり可愛いです。URBAN RESEARCHのギフトバッグのご用意もあるのですが、TGMらしいスタイルとアイデアで包装にも配慮しています。また、TGM主催の独自イベント『8 R THE GOODLAND MARKET』というのもやっています。私たちが大切に考える8つのRから始まる言葉“Refuse(断わる)・Reduce(減らす)・Repair(修理する)・Reuse(繰り返し使う)・Repurpose(形を変える)・Recycle(リサイクルする)・Respect(尊重)・Responsibility(責任)”が由来になっていて、8Rのどれかに紐づくモノやコトを集めたイベントになります。単純にモノを売るだけのお店にはしたくないという想いがあって、TGMがブランドとかショップという形よりもプラットフォームとかキュレーターとしての役割みたいなイメージがあって、モノを通して人と出会って、その人たちといろんな取り組みをしながら発信していくのがTGMの強みでもあり、存在意義だと思っています。『8 R THE GOODLAND MARKET』はブランドコンセプトをありのまま表現する場でもあります。堀江店や外部施設など、さまざまな場所で開催を予定しています。SNSでも情報を発信していくので、ぜひチェックしていただきたいです」

今後、チャレンジしたいことは?

「“新しいお買い物体験”というのはずっと模索しているキーワードですし、一番力を入れたいと思っていることですね。量り売りや受注販売、染め直しといったサービスは、その一つになると思います。新しいものをつくって、購入していただくということだけではなく、お客様が持っているモノの価値を上げたり、寿命を長くしたりして、“捨てる”、“既製品を購入する”以外の選択肢をもっと提案できるブランドになっていきたいです。引き続き、どんどんアクションを起こしていくつもりなので、今後の動きにも注目してもらいたいです」

下間祥子
愛知教育大学卒業。2019年入社の3年目。KBFの企画を担当した後、2020年2月にSBU(Small Business Unit)部内のTGM事業部へ移動。入社前から環境や社会問題に対する意識は高く、TGMだからこそできることを常に模索している。好きなブランドはヴィヴィアン・ウエストウッド。趣味は畑活動。

THE GOODLAND MARKET 堀江店
住所:〒550-0015 大阪府大阪市大阪市西区南堀江1-20-9
TEL:050-2017-9002
営業時間:11:00〜19:30 / 定休日:第2・第4水曜日


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Text/Nao Takamatsu

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