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FASHION SEP 28,2020

URBAN RESEARCH DOORS ペルーニットで秋じたく。

今年はいつまでも暑い日が続きますが、そろそろ秋を感じる日も増えてきました。手編みのあたたかみ溢れるペルーニットで、秋じたくを始めませんか?


山岳羊と、芝生の上のおしゃべりが生み出すペルーニット

日本から見ると地球の裏側にあたるペルー。
日本とは反対の季節で生活を営む人たちによって生み出される手編みの『ペルーニット』はそのあたたかさ、素朴さで日本でも長年ファンの多いニットです。

ペルーニットが編まれているのは、富士山よりも高い標高にある、『プーノ』の町。歴史は古く、かの有名なインカ帝国以前から文明が栄えていた地域だそう。

有名なチチカカ湖(なんと琵琶湖の12倍の大きさ!)や、高山に生きる山岳羊たちの群れなど、厳しくも美しい自然に囲まれたその町で、ペルーニットは作られています。

ペルーニットに使われるのはハイランドウールと言われる羊毛。
標高が高く厳しい環境に生きる山岳羊は、低地の羊の毛と比べ強くしなやかで、色数も多いのが特徴、染色せずに羊毛そのままの色で編まれることも多く、その独特な色味も人気の理由。

プーノに住む編み子さんたちは農業などを兼業しながら、日本からオーダーの入る3月ごろから活動を始動し、冬が終わる10月末に生産終了。そして1月の1ヶ月間の夏休みを経て(ペルーではかならず1ヶ月間の休暇を取ることが法律で決まっているそう!)、また3月ごろから編み物を始めます。

プロモトーラと呼ばれる指導者と数十人の編み子さんたちがグループを組み、事務所に集まったり、天気の良い日は芝生の上などに集まってひと編みひと編み手を動かします。
だから時々ワラが編み込まれることもあるけれど、それは手編みならではのご愛嬌。

カーディガンなどの場合、2日間で1枚のペースで仕上げるとか。ただし現在はコロナ禍の影響で事務所に集まることができないので、感染予防をしながらニット生産を行なっているそう。

DOORS × 『中山商店』との出会い。

DOORSとペルーニットの関わりは、2006年ごろ。ペルーニットやアルパカ、インド生地を取り扱う『中山商店』さんと出会って以来。共にものづくりをしていただいています。

中山商店ではなんと40年以上前からペルーで作られた製品を輸入していたそう。
よく言えば味のある、だけれどクオリティがバラバラで、どちらかと言えば民芸品的な立ち位置だったペルーニットを見て、品質向上のためにプーノにニット工場を設立します。日本からも指導員を派遣し、いつしか日本人的基準もクリアする高品質のニットが生まれるまでに。ちなみに編み子さんへの賃金は週払いの現金払い。現金収入が貴重なため、遠くの村からも歩いてくる編み子さんもいるほどの人気の仕事でもあります。

現在ようやく広く受け入れられるようになった「フェアトレード」をかなり前から実践し、「彼らの伝統的なコミュニティを壊すことなく、直接的な収入をもたらせる産業」としての取り組みに感銘を受け、DOORSとしてもこれからもずっと一緒に仕事をしていきたいと思っています。

DOORS アルパカニットの歴史と2020年秋冬の新作!

「アルパカニット」としてリリースしたのは2008年から。カーディガンやベスト中心に、その年ならではの小物などを加えたシリーズが発売され、DOORSの秋冬の定番アイテムに。
デザインの変化などを含め2008年から2020年まで、アルパカニットのアーカイブをまとめました。

2008年 – 2009年

2008カタログより
2009カタログより

ナチュラルスタイルが人気となり、“森ガール”が登場した頃。無地と同じくらい人気だったのがカウチンニットのように柄をアクセントにしたデザインニット。遊び心のあるバッグや手袋、ニット帽なども人気でした。

2010年

2010カタログより

定番ニットのほか、様々な小物をリリース。

2011年

2011カタログより

このころは、白のウッドボタンの柔らかいデザインが特徴的でした。ペルー風のカラフルな小物も人気に。

2014年

この年に焦げ茶色のボタンに変更。きれいめや大人っぽいスタイルに合わせやすくなり、今までとは違うコーディネートにも取り入れやすくなったと好評でした。

2018年

デザインが一新! ガウンバージョンに。10年以上ほぼ同じ形でリリースしていましたが、今までにないシンプルなデザインにチェンジ。シンプルにしたことで、さらに幅広いコーディネートが楽しめるように。

2020年

薄く・軽く改良。秋口の早い時期や冬アウターにも合わせられるように糸を従来の半分ほどの中番手に変更。今までのものよりも少し薄手で、手編みの素朴さもありながらよりスマートに着こなせる一着に仕上がりました。
グレーとアイボリーは無染色の毛糸を使用。ミントは漂白した白糸を染料で染めています。ちなみにペルーニットリリース以来ずっと人気なのはやはり羊毛そのままの雰囲気が楽しめるグレー。

ペルーニットカーディガン 各¥14,300 (税込)

今年の秋冬も、ぜひペルーニットのあたたかさを楽しんでください。

取材協力/中山商店

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