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FASHION MAY 10,2021

THE GOODLAND MAGAZINE Vol.01 ブッチャーアシモトクラブ

第一回目の記事でもご紹介したように、先日(4月1日)に『アーバンリサーチ 堀江店』内に常設オープンした<THE GOODLAND MARKET(ザ グッドランド マーケット)>。新しい試みとしてチャレンジしている<THE GOODLAND MARKET>で取り扱うブランドやプロダクトは大変気になるもの。今回はそれらを深掘りするため、“服から帽子を作る”シリーズが話題となっている<ブッチャーアシモトクラブ>の月田さんに来店していただき、ブランドの成り立ちから帽子製作のこと、さらに現状置かれているファッション業界の問題などまで深~く話を聞いてみた。


生地を無駄にしないプロダクトを目指す注目の帽子製作所ブランドに迫ってみた

<ブッチャーアシモトクラブ>立ち上がりのきっかけを教えていただけますか? また、何故帽子だったんですか?

アパレルの企画とか講師とか販売とか色々している頃に、3人ぐらいのグループでアトリエ設けて制作活動をしてたんですよ。まぁ趣味ぐらいの程度でやってまして(笑)。その時に個人でお仕事もらってたりはしてたんですけど。帽子を作ったきっかけは、旦那の<テンダーロイン>のキャップが被りすぎてクタクタになっていたのを見て、「これと同じサイズ感でないとイヤや」って言ってたので私が解体して作ってみようかなって思ったからです。それで、解体してパターン作って普通のミシンで無理やり縫うてカタチにしたら意外にできちゃったんですよ(笑)。それで旦那に渡したら「これ、いけるやん!」ってなって。それを作ったのをきっかけに資材集めとか色々パターンを作ってみて、それを一年くらいかけてやっとカタチにできた時に、モデルで撮影してヴィジュアルにしてみようかって流れになりました。最初の頃はインスタとかで広げる段階で身内が買ってくれてる感じで。2017年から毎シーズンS/SとA/Wくらいで進めてきました。

<ブッチャーアシモトクラブ> アトリエ
<ブッチャーアシモトクラブ> ヴィジュアル

かなり気になるブランド名ですか、その意味や由来を教えていただけますか?

元々は<Butcher(ブッチャー)>というブランド名で立ち上げたんですが、2017年A/Wのポップアップ時に知ってくださる方が増えて。作る帽子は良いアイデアが思い浮かんだ時に制作するっていうスタンスでやってたんですが、次のS/Sを作ろうってなった時に帽子のデザインアイデアがうまくあがってこなくて。それで、ちょっと休憩しよってなり、TシャツとかロンTにプリント刷ったりして、、、、ちょうど袖プリが流行るちょっと前くらいで。それで、袖プリとかをしてインスタにあげたらそれもプチバブリーして(笑)。でも帽子のブランドだけど(笑)。そん時に思ったのが、昔から“オシャレはアシモトから”って言葉が植えつけられてたこともあり、帽子だからサンドイッチして洋服作ってるみたいな。

アシモトは足下だったんですね(笑)

その足下です(笑)。そんなチグハグな感じも可愛いなと思って。みんな一回「?」ってなるようなブランド名もアリかなと思いまして。その方がみんなが興味持つかなと。あと、ブッチャーって飼ってるフレンチブルドックの名前なんですけど、その子の足下も可愛いので(笑)

商品構成についてお聞きしたいのですが、キャップがメインなんですか?

そうですね、ジェットキャップがメインです。6パネルとかはオリジナルでは出してなくて。ここにあるのも全部ジェットキャップタイプです。これが似合う男の子が好きなんですよ。もう、全員被ったらええのにとか思います(笑)

なるほど(笑)

基本ジェットキャップって浅いんですよ。でも6パネルくらいの深さにしてるんで、しっかり被れるんで被り心地は良いと思うんですよ。帽子が苦手な方でもいけるはずです。

ジェットキャップがメインにその後にハットなども増やしていったんですか?

そうですね。やっぱりバリエーションとしてハットも欲しかったんで。ハットでもクラウンがジェットタイプのパネルにしてたりします。もちろん6パネルもあります。

ポップアップという販売体制で展開されてますが、それに至った考え方などを教えていただけますか?

中崎町にある『WHY KNOT』さんでやったポップアップの“フクカラボウシ”シリーズが好評いただきまして。お客さんが着なくなった洋服を持ってきていただいて、それがどういった洋服だったのかを聞いてから製作するようにしてます。30~40用意してるサンプルを被ってもらいカタチを決めてから、実際に目の前で生地をカットして「ここをどうするああする」と相談しながら進めます。

めちゃくちゃ面白そうですね。

そうなんですよ。本当はゴミを無駄にしないというテーマでやり始めたんですけど、結構、お客さんが楽しんでくれてます。オーダー制でみなさんの悩みとか聞きつつ、その人のサイズに合わせてお作りしています。つばの長さとかも変えれますし、フルオーダー寄りのセミオーダーみたいな。服もアップサイクルできて幸せな気持ちも得れるイベントなので、私も楽しいのでもっと広げたいと思ってますし、販売体制としては大事にしていきたいところです。だから、ここで卸として置かせていただくのは初めてです。

ありがたいです。帽子制作でこだわったポイントは何ですか?

<ブッチャーアシモトクラブ>という名前に切り替えてから、帽子の本気の機能をコンセプトにしてて。帽子って頭を守るためだったり地位を表すためだったり色々あると思うんですけど、機能的に被ってるのって職業上の制服が多く、ファッションとしての帽子は刺繍とかプリントとか、そこで収まってしまってるのがすごく勿体無いというか、自分のブランドはそうなりたくないと思いビックリするぐらい機能を盛り込んでいます。基本、ポケットは3つ以上付けていますし。

3つも付けてるんですね!?

ちなみにこのキャップは去年のA/Wで作ったギャンブルキャップというモデルで。中に隠しポケットがあったり、前には競馬場のおっちゃんとかをイメージしてペンなどを差せるホルダーを付けたり(笑)

そのキャップに付いてるものは何ですか?

これは去年の夏に作ったもので。これも推していきたいアイテムで。名前がMulti Protect Coverの略でMPCと言います。最近、猛暑が多いじゃないですか。ポケットに保冷剤を入れて首元が涼しくなるようにしたり、冬でもカイロを入れたりもできますし。

これを逆にしたらマスクにもなるんですよ(笑)。ボディーバックとしても使えます。

めちゃくちゃ機能的ですね。3WAYですか?

まだいけます。このまま首にかけることもできます(笑)。帽子が無くても付けられて、首元のアクセントになるのでTシャツなどに合わせてもらっても可愛いです。うちのブッチャーにも付けてます(笑)。それくらいマルチに使えます。

帽子制作で苦戦した点はありますか?

パターンをどう洋服に当て込むかってことですかね。型紙が50くらいあるのですが、限られた生地から製作するので型紙がハマるものとハマらないものがどうしても出てきます。全部黒で作りたかった帽子を断念して、他の生地と切り替えたデザインにしたりとか、、、。でも、今回の<THE GOODLAND MARKET>との取り組みでは、廃棄前の着古していない洋服を使わせていただいたのでやりやすかったですね。

ものづくりをする上で心がけてることってありますか?

まず、自分が楽しむことですかね。クオリティーはもちろんなんですけど、どれだけ愛情をかけて作れるかということを大切にしてます。

<THE GOODLAND MARKET>との出会いについて教えていただけますか?

去年のA/Wシーズンの時に新山さん(THE GOODLAND MARKET ディレクター)がポップアップに来てくださって、この<THE GOODLAND MARKET>に参加しもらえませんかとお話をいただきました。その後、打ち合わせをした時に下間さん(THE GOODLAND MARKET 担当者)に来ていただいて。直接的ではないのですが、講師をしていた学校の生徒でして。そんな縁もありましたね。

なぜ<THE GOODLAND MARKET>と一緒に取り組もうと思ったんですか?

<THE GOODLAND MARKET>のスタッフさんがどこまでうちのアイテムについて伝えてくれるかが不安だったんですが、私がこちらに伺った時に下間さんに接客されまして。その説明力が凄くて買っちゃいましたから(笑)。だから任せられるなと思いました。

今回はマスクも製作してますね?

西脇市の播州織の残布を使用して製作したマスクです。同じ生地を使用した<THE GOODLAND MARKET>のバッグと合わせて買っても良いですね。<ブッチャーアシモトクラブ>のアイコンになってるリフレクトコードを使用してて、後ろで調整できるようになってます。

今回の取り組みにトライしてみての感想を教えていただけますか?

思ってたよりめちゃめちゃ楽しかったですね。実際に倉庫にもお邪魔して洋服を選ばせていただきましたし。セレクトショップの現状も知れて、すごくストーリー性がある洋服ばかりでしたので。それを買う人にも、いつどうやって作られたのかをうまく伝えて、被っていただけたら嬉しいなと思います。

今後のブランドとしての展望を教えていただけますか?

そうですね、やっぱりファッションに携わってきているのでオシャレではありたい気持ちはあるので、カッコ良くあり続けるためのオリジナルラインとファッションの廃棄問題を広めていくための“フクカラボウシ”。それともう一つ、職業別の帽子とかもやりたいと思ってます。例えば、農業だったらそこの制服とかもオシャレに作ったら、若い子たちも集まってくれるんではないかなと。そういうところの帽子をやっていきたいです。

環境問題や社会問題などに対しての考え、またブランドとして取り組んでいきたいことを教えていただきますか?

基本、ブランドとしては過剰な生産はしないということと生産する上で無駄な廃棄は出さないということを心がけているんですけど。でも、どうしても残布が無いかって言ったらちょっとの残布は出るので、それも全部捨てずに生地は保管していて。それらは冬向けにリースを作ろうかなって思っています。それも自分1人でやるのではなく、学生とか誰かと一緒に企画としてやれたら良いですね。

ファッションの未来に対して率直にどんな印象、考えをもっておられますか?

自分が専門学校に行ってた時はコレクションに憧れて、自分でお金稼いで足運んで買うスタンスで楽しんでました。今って、ガラッと変わって量も増えてスピードも速くなって、みんながオシャレを楽しめる良い環境ではあるかなとは思うんですけど。でも、今のファッション業界の消費問題の状況にみんなが気付き始めて行動してるブランドも海外中心にたくさんあって。それに気付いてる若い子もいるので、そんな子がもっと増えると良いなと思いますね。

最後に、月田さんにとってサステイナブルファッションとは?

笑。定番みたいな質問が来ましたね。う~ん、一言では難しいですが、お気に入りのワードローブを作る。ということですかね(笑)。でも、ブランドとして心がけていることとして、長く被ってもらえるようにメンテナンスやパーツ替えを受け付けていますね。この前、めちゃヘビロテしてくださってるお客さんがいて、洗いすぎて縮んでいたんですよ(笑)。その帽子も修理しました。これもサステイナブルファッションですね(笑)

『アーバンリサーチ 堀江店』の1F右奥に<ブッチャーアシモトクラブ>のコーナーが設けられている。インタビュー内で紹介したアイテム以外にも、バッグから帽子を製作した帽子とミニバッグがセットになったアイテムもラインナップするなど、常設店で買えるのはココだけ。要チェックです。

月田翔子
ブッチャーアシモトクラブ デザイナー
服飾専⾨学校卒業後、講師アシスタント、企画、販売を経験。2016年に<Butcher(ブッチャー)>として帽子製作所ブランドをスタートし、2018年より<ブッチャーアシモトクラブ>へとリスタート。帽子を製作する傍ら専門学校の講師としても活躍中。愛犬のフレンチブルドッグの名もブッチャーくん。「メンズファンを増やしたいです(笑)」
Instagram:@ butcher_ashimoto_club

一部アイテムはオンラインストアでも取り扱いがございます。

PROFILE

にいやん編集部

THE GOODLAND MAGAZINEを発行するにいやん編集部。にいやん編集長は常にGOODLANDを担うブランドやアイテムを探し求めている。その中でも今一番HOTなTHE GOODLAND MARKETのスクープを狙い、365日24時間、情熱を燃やし続けている。
※将来発刊を目指す架空の雑誌

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