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FASHION OCT 29,2021

アーバンリサーチ ドアーズ
スノーピークとの渾身の別注作に膨らむ期待。

“今の暮らしをここちよく”。それを叶える便利で快適なアイテムを、アーバンリサーチ ドアーズはこれまで数多く提案してきた。片やスノーピークも、キャンパー目線から機能的で、体に、地球に優しいウエアを展開。両者は、今のブームが始まる以前よりアウトドアフィールドと都市との架け橋を担ってきた。となれば、2014年から今に至る両者の良好な関係はある種必然。数多く企画され、どれもが大きな反響を呼んできた別注アイテムはその証といえる。そして今季、さらなる注目株がメンズはもちろんウィメンズからもお目見えに。気になるその全容について、双方のキーマンに話をうかがった。


※撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえでインタビューを行っております。

街と自然の架け橋となってきた両者の必然的な出会い

左からスノーピーク 豊川氏、アーバンリサーチ ドアーズ 陳内、アーバンリサーチ ドアーズ林、スノーピーク 喜多氏

アーバンリサーチ ドアーズとスノーピークとの初遭遇は、スノーピークが初めてアパレルラインを展開する2014年にまでさかのぼる。その時からアーバンリサーチ ドアーズとの親和性を強く感じていたと語るのはセールスを担当する喜多さんだ。

「ドアーズさんは早くから食や器、ファニチャーも展開され、アウトドアのイベントに加え今では蓼科でキャンプ場もやられている。ファッション畑のセレクトショップさんがこれだけのことを主体的にやられているのは珍しいですよね。僕らも、もともとその辺りがビジネスの根幹にありますし、自然と街との継ぎ目をなくした日常をより感じてもらいたい、体験してもらいたいという想いでアパレル事業をスタートさせました。ですので、勝手ではありますけど実は親和性を感じていたんです」。

そして、2016年に、アーバンリサーチ ドアーズ茶屋町店(2019年閉店)が山の日に合わせてリニューアルオープン、「スノーピークストア アーバンリサーチ ドアーズ茶屋町」が併設される。マインドやスタイルの親和性はアーバンリサーチ ドアーズでも感じていたと話すのはバイヤーの陳内だ。

「もともと外遊びやアウトドアはウチでも力を入れてきたところ。当時のシーンではやはり街と山を区別していた節はありましたけど、ドアーズでは変わらず以前から境界線を作らず提案してきました。そんな中、アウトドアシーンで実績を重ねてきたスノーピークさんからアパレルラインが出ると。しかも、ガチガチのアウトドアウエアだけでなく、ライフスタイル寄りも含め広い範囲で提案されていたので目を引きましたね」。

アーバンリサーチ ドアーズでは、これまでにも国内外を問わずさまざまなアウトドアウエアを扱ってきた。ただ、スノーピークと他とでは「どちらもアイテム自体は本格的ではあるんですけど、作るうえで通すフィルターが違う」と陳内。それに対して言葉を繋いだのはスノーピークのアパレルを担当する豊川さんである。

「企画の立て方、服の作り方。その根底には人と人、人と自然をつなぐライフバリューを提供できるモノを、との考え方があります。手紡ぎだったり手織りの風合い、昔ながらの織機で作られたようなもの、またはサステナブルやアップサイクルのプロジェクト。そういった取り組みから自然を感じてもらえたら嬉しいですし、キャンプに最適な機能を備えたアイテムに袖を通すことでキャンプに行きたいと思っていただけたら作り手冥利に尽きますよね。アウトドアに寄りすぎないし、カジュアルにも落としすぎない、ちょうどその中間の服作りをしているのがボクらだと思います」。

片や、女性の目から見て、スノーピークはどのように映っているのか。数年前まで販売員として店頭に立ちエンドユーザーのリアルな声に耳を傾けてきたウィメンズバイヤーの林は、豊川さんの話を聞いて納得の表情。

「バイヤーになる前までは二子玉川店の店頭に立っていましたが、そこで初めてスノーピークさんのウエアに触れました。ある日、インサレーションのスカートを以前購入したというお客様がトップスも欲しいとお店にいらっしゃったんです。その方は翌年の夏にも来店されて、スノーピークのTシャツはギアをイメージしたデザインなど毎回すごい可愛いとおっしゃり買っていかれました。また、日々触れるスノーピークのアイテムから刺激を受けキャンプを始めてみたという方もいらっしゃいましたね。たしかにアウトドア的な要素は強みではありますが、日常生活にも取り入れやすいアイテムも充実している印象を私は持っていました。ブランドと長く付き合っているお客さんが多く、トークも自然とはずむんですよね(笑)」。

継続している別注から感じられる互いの信頼

さまざまなアイテムが企画され、都度、シーンを盛り上げてきた。エプロンとTシャツに始まり、ポンチョのようにあまりの売れ行きゆえ追加生産を行ったアイテムもあった。他にも、難燃デニムのオーバーオールやチャコとのトリプルネームのサンダル、サコッシュなど、挙げれば枚挙にいとまがない。そして今回、メンズ3型、ウィメンズ2型の新たな別注アイテムが完成。陳内はその出来栄えにさりげない自信をのぞかせる。

巧妙な生地アレンジによりもたらされた抜群の汎用性!

【別注】snow peak×DOORS 2L Octa 2WAY Cardigan ¥25,850 (税込)
【別注】snow peak×DOORS 2L Octa Tuck Pants ¥19,800 (税込)
【別注】snow peak×DOORS 2L Octa 2WAY Muffler ¥9,350(税込)

   
「今回もまた、インラインでやられている中から今の空気に、またはライフスタイルに寄り添うアイテムを選ばせていただきアレンジしました。素材などを程よく触らせてもらい、心地よさや利便性を意識。カジュアルに特化させていくにあたりサイズ感やシルエットもさまざま提案させていただきました」。

「今だと、機能を持ったアイテムをカジュアルに提案するアプローチとしてはカーディガンが適任だと感じます。そこで選んだのがオクタシリーズのもの。もともと同シリーズは撥水性のある2レイヤーナイロンに中綿付きの裏地(Octa®)を添えた2層構造。その中綿がフリース見えもする特徴があり、
今回は特別に反転させてリバーシブル仕様に提案させてもらいました。
実はこの仕様はインラインでも採用されていないのですが、今回無理言って検査もお願いをして実現につなげてもらいました。さらに、防寒も考慮しマフラーも追加。襟がないのでひと巻きしてもゴワつきは感じませんし、スナップボタンを2か所備えているので前掛けベストのような使い方もできちゃいます。
こちらもカーディガン同様リバーシブルなので、表裏で首もとから違った印象を周囲に届けられます。もちろんほかのアイテムと併用させてもいいでしょう。そんな汎用性もポイントですね」。

さらに、セットアップとしても着られるパンツをラインナップさせるあたりも抜け目がない。ベースとしたのはカーディガン同様、表に撥水性のある2レイヤーナイロンを使い、裏地にはOcta®を取り入れた、もともと素材使いが特徴だった一本。表地は合繊だが、ナチュラル見えする素材で普段穿きとしてもアプローチしやすいのも魅力である。それを「すっきりしたインラインのシルエットに対して別注では、タック入りのリラックスフィットでゆったりと穿けるようアップデートさせました」と陳内。

「パンツはあえてリバーシブルにせず、肌に当たる面は穿き心地を考慮してメッシュ地にしました。今でしたらワイドシルエットのナイロンパンツが巷では要望する声も多いのでそれに応えた感じですね。裾にはドローコードを入れ、絞ってトラックパンツのように穿いてもいいですし、裾を広げてクッションをつけながら穿いてもいい。着こなしの幅も意識しています」。

スノーピークの人気アウター2型のいいとこ取り

【別注】snow peak apparel×DOORS ボアロングコート ¥26,400 (税込)
【別注】snow peak apparel×DOORS ボアストール ¥7,480 (税込)

片やウィメンズは、素材と丈感にこだわったロングアウターとマフラー。「合繊ではありますが、ナチュラルな印象のウールライクなフリースを採用し、軽さと柔らかさにこだわりました」という豊川さんの言葉からも納得の出来であることは何気なく伝わってくる。そして、林は今のシーンを意識した女性ならではの目線でオーダーしたという。

「キャンプ需要の高まりもありボアアイテムがまた今年も良さそうな雰囲気。そこで、今年は絶対にスノーピークさんに別注をしたいともう一人のバイヤーとも話していました。冬アイテムは初になりますが、キャンプを始めている方、馴染みのない方でも楽しんでいただけるアイテムになったかと思います。そこで、シルエットをゆったりさせつつ丈を伸ばし、お尻周りもカバーできるようにお願いしました。その上で、袖口のデザインなどはアウトドア要素を残しつつバランスを見ながら仕上げた感じですね」。

「丈感は結構こだわっていて、身長の低い方、高い方の両方に着てもらいましたがどちらにもハマる絶妙な丈感。軽くて柔らかいのでリラックス感を感じていただけると思いますし、インナーにタートルネックを合わせつつロングブーツなど革物と合わせてほっこりな雰囲気とのアンバランス感を楽しんでいただきたいですね。そこへマフラーを合わせ、首までフォローしたような着こなしをオススメしたいです」。

実はこちら、そもそもインラインにはない特別なモデル。複数ポケットがついたキャンプ色の強いジャケットと襟つきのロングプルオーバーコートという、スノーピークで以前から人気だったアウターのいいとこ取りによって生まれたアイテムなのだ。

継続する別注に透けて見える相互の信頼

これまでの別注アイテムと比べても見劣りしない渾身のアイテムは10月中旬より発売開始。さらに喜多さんは、別注だけでなくさまざまな取り組みの可能性にも期待しているとか。

「去年、今年と、スノーピークではイベントをなかなかできませんでした。ですので、お客様とキャンプイベントをやった茶屋町店の時のようにどんどんいろんな人に野遊びとか自然を体験してもらうことを広げていっていくイベントや体験を一緒に発信していけたらいいですね」。

それに関しては陳内も賛同する。

「アーバンリサーチ ドアーズとしては、トレンドが落ち着いたとしても今までどおりやることは変わりません。そして、継続してスノーピークさんの強みをお借りしながら、引き続き、アウトドア、外遊びというところは提案していきたいですね。スノーピークさんは、以前から体験企画やサステナブルな取り組みなどいろんな取り組みをされているので、アウトドアはもちろん、それ以外の切り口でもいいのでイベントや企画を一緒にできたらいいですよね」。

今の時代を切り取りつつ、長く同じ時を過ごせるような別注アイテムは10月中旬に発売したばかり。 その完成度は、それぞれの表情を見てもらっても概ね想像がつくはず。しかも、同じ価値観を共有するだけにアパレルに限らずさまざまな試みが今後おこなわれることも示唆。今回のアイテムはもちろん、今後の両者の動向にも注目したい。

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photo/Takuro Shizen
edit & text/Kikuchi Ryo

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