【緊急座談会】L.L.Bean JAPAN EDITION がスタート。URBAN RESEARCH DOORS的楽しみ方は?

みなさん一度は目にしたことがある、ビーンブーツやトートバッグなどの名作をリリースしてきた「L.L.Bean(エルエルビーン)」。1912年に創業したアウトドアブランドの老舗です。そのL.L.Beanがなんと、2023年春夏に「L.L.Bean JAPAN EDITION(ジャパンエディション)」なる日本企画をスタート。アーバンリサーチ ドアーズ(以下ドアーズ)でも、ガッツリ取り扱いが始まります。今回は、L.L.Bean JAPAN EDITION(以下、JAPAN EDITION)企画担当者との緊急対談が実現。注目のファーストシーズンのラインナップから、その魅力を探ります。
※撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえでインタビューを行っております。
JAPAN EDITION企画担当者&セールス担当者とドアーズバイヤー&ECスタッフが対談!
JAPAN EDITION企画担当の上奈さんとセールス担当の大迫さんをお迎えし、ドアーズのバイヤー陳内とEC担当の西村で対談。服好き、古着好きの4人ならではの盛り上がりも・・・!?

アーバンリサーチ ECスタッフ/西村駿
1995年生まれの27歳。アウトドア好きで、最近はサーフィンにハマり中。ジャンル問わずさまざまなテイストの服を常にリサーチしており、中でも古着をMIXしたスタイルがお気に入り。
アーバンリサーチ ドアーズ メンズバイヤー/陳内寛之
服のことならジャンル問わず幅広く精通し、多くの別注を手がけてきた同社のエース。学生時代からアウトドア古着の収集癖は止まらず、かれこれ人生の半分を費やしてきた模様。ここ最近は、もっぱらL.L.Beanが気分。
L.L.Bean JAPAN EDITION企画担当/上奈真広さん
1986年生まれ。 L.L.Bean JAPAN EDITIONのディレクションと企画を担当。専門学校を卒業後、13年ほどスポーツアパレルなどアパレルブランドの企画を行い、現在はフリーランスとして活動中。
L.L.Bean JAPAN EDITIONセールス担当/大迫寿基さん
ホールセール担当。アウトドアウエアの機能性とデザイン性を街着として活用するスタイルが得意。本国L.L.Beanでも取り扱いのあるカヤックに乗って海釣りに行くのが趣味。お気に入りのアイテムはRUSSEL ATHLETIC製L.L.Beanのカットソー。
L.L.Beanってどんなブランド?
JAPAN EDITIONができたわけ

— 簡単に、L.LBeanってどんなブランドでしょう?
大迫 約110年の歴史を誇るアメリカのアウトドアブランドです。トートバッグやビーンブーツ、フィールドジャケットなど、年代別に名品があって、日本にもファンが多いですよね。
上奈 実際昔から日本から本国への問い合わせが多かったそうで、本国以外でお店を作ったのは日本が初めてだったそうです。それくらい日本人ってL.L.Beanが大好きな人種だったんですね。僕はL.L.Beanはアウトドアだけじゃなくて、カジュアルウエアからライフスタイルまで幅広くやっているブランドだと思っていますし、それが愛される理由だと思います。

— 今回、JAPAN EDITIONを始動することになった理由は?
上奈 小物や雑貨は別として、特にアパレルだと本国の気候や体型に合わせて企画をしているので、そのまま日本に持ってきてもなかなか日本人に合わなかったりする。それを、日本の気候やライフスタイル、体型に合わせて素材や形を日本で企画したらいいんじゃないかという話になった感じですね。それぞれの環境に合うように、本国ではハイスペックに、ジャパンではジャストスペックに進化していってるというか。
上奈 今、日本ではファッションとアウトドアは切っても切れない関係になりつつあるので、それに合わせて、よりファッションでも楽しんでもらえるようになっています。ファーストシーズンはメンズレディース含めて約40型(メンズ25型くらい)リリースしています。
陳内 ドアーズでは幅広く、15型くらいを取り扱う予定です。
大迫 セレクトショップさんの中でもドアーズさんは5本の指に入るくらいの多さですよ。ジャパンの直営店に続く勢いじゃないですか?
— それはすごい!
西村 今の若い人たちって、古着屋さんでL.L.Beanを見かけることが多いと思うんです。僕自身、古着屋でいろいろ探しているときにデザインやカラーがなんか良いなって思ったらL.L.Beanだった・・・っていうパターンが結構あって。ラルフローレンやブルックスブラザーズと並ぶくらい安心感のあるブランドですね。

西村 古着だとサイズ感も大きいものが多かったりするので、今の人ならゆったり着られてハマるのかなって。アウトドアなテイストのアノラックをジャケットの下に着たりとか、クラシックなアイテムとも合わせやすくて、ファッション的に汎用性が高いなって思います。
陳内 サイズも、昔のだと同じサイズで丈違いっていうのもありますよね。
上奈 本国では今もそのサイズ展開があって、いろんなサイズ感を選べるようになっています。
大迫 アメリカって本当にいろんな体型の人がいるから、それに合わせて作られているんです。L.L.Beanって年齢層も体格も、ユーザーの幅が広いから、ニーズに応えて進化していった結果ですね。それくらい暮らしに根付いたブランドということですよね。
今、注目されるL.L.Beanの魅力
上奈 最近本当に古着屋さんでL.L.Beanを見ることが多くなってきましたよね。
西村 もう大々的に「L.L.Bean入荷しました!」ってSNSとかで発信してるところもあったり。推してるとこが増えてますよね。
— そうなんですね。古着屋ではどんなアイテムが人気なんですか?
大迫 それこそBean’sなんちゃらみたいな名品だったり、今回のJAPAN EDITIONで出しているようなアイコニックなアイテムも多いですよ。
陳内 アイテム自体の種類も多いので、そのお店に合ったものを推してたりもしますし。
西村 小物もかわいいです。ぬいぐるみとか。
陳内 ライフスタイル雑貨を置いているお店もありますよね。

大迫 古着屋にある90年代のものや野暮ったいような色やデザインのものって、着こなし上手な人じゃないとバランスが難しいんですよ。時代が違うので、大きいサイズとはいえ今の服との合わせづらさってどうしてもあると思うんです。JAPAN EDITIONは元を忠実にしつつ、色やシルエットは若干合わせやすいようアレンジしています。
— ファッションがすごく好きな人も、そうじゃない人でも気軽にチャレンジできるのがいいですね。
陳内 実際、古着で探しててもサイズも状態もいいものってないんですよ。だからこれでいいわって妥協してしまったりするんですが、JAPAN EDITIONだとちょうど着たい感じのものが手に入る、しかも新品で。っていうことで、欲しい人はたくさんいるんじゃないかなと思います。価格帯もちょうどいい。
陳内 ウィンディリッジジャケットは僕も古着を持っていて、愛用しています。このタイプのアウターって同時代に似たものをいろんなブランドが出しているんですが、圧倒的にL.L.Beanがディテールの作り込みがいいんですよ。そういうのを知ると改めてブランドの良さがわかってくるというか・・・。
上奈 L.L.Beanってエモいですよね(笑)。
一同 そうそう!
西村 配色とか・・・!
上奈 そう! かっこいいカラーリングのアウトドアブランドもあるんですが、L.L.Beanは本当絶妙で・・・。

— そうなんですね(笑)。エモいっていうのは・・・
上奈 ちょっと懐かしいというか。
西村 裏地との色合わせだったり。刺さるなあって。ウィンディリッジは形がすごく好きで、個人的にすごい欲しいなあって狙ってます(笑)。
大迫 裏地とかの色合わせって、日本人では発想できない感じっていうか。コーチジャケットの袖口のベルクロにしても、L.L.Beanらしいですよね。

西村 それにボタンにもL.L.Beanって書いてるのもなんかいいなって。デカデカとロゴがあるんじゃなくて、ポケットや裾にあるだけとか、ジップとかボタンとかにさりげなくあるのもすごくいい。

上奈 L.L.Beanの昔のものって付属物がおもしろくて。例えば昔のボタンってナイロンなんですよ。樹脂でも金属でもなくて、これが作れる工場もだいぶ限られているんですが、このおもちゃ感って大事で。
西村 この感じがかっこいいんですよね。なんか非都会的な部分に惹かれるというか。
上奈 そうなんですよ。このボタンも今回再現して。ロゴは版権があるので昔のデザインが使えないんですが、昔の素材+今のロゴっていうのが個人的にはエモいと思っています(笑)。
陳内 他には存在しないですもんね。
西村 こういうディテールの再現って、服好きな人にもめっちゃ刺さると思うんです。
上奈 言い出したらキリないんですが、このYKKのボタンの下受けのところも放射線状になってて・・・。
西村 あ! 本当だ。
陳内 あれ? アノラックは、このウィンディリッジとはまた違うファスナーですね?

上奈 そうなんです。それぞれアイテムによって合う物を使っています。コストや効率を考えれば全部同じものを使うのが一番なのですが、それぞれのアイテムに合う付属を作り込んでいます。縫製も、下糸の調子を少し強くして古着のシワっぽさを出すように縫ってもらっています。
西村 すごい。アメリカらしい少し大雑把な感じも計算されて再現しているんですね。
上奈 そうなんです。ウィンディリッジって昔はスルーされてたんですよね。90年代ってまだまだヴィンテージって言えるようなものじゃないけど、今ネクストヴィンテージとかニューヴィンテージとか言われて特集組まれたりして。
大迫 僕は今46歳ですけど、若いころはシャミークロスのシャツとかフィールドコートとか、ヘビーデューティーなものが魅力に感じました。今の人たちは90年代のものが新鮮に映るでしょうし、L.L.Beanのいいところって、もっとトラッドなアイテムもあればアウトドアもあるし普通のカジュアルウエアもあって、いろんなものがあるんですよ。だから今これがいい! って時代がきても、そうじゃない時代もくる。でもどんな波が来ても対応できるっていう。そういう懐の深さがありますよね。
ドアーズ的「JAPAN EDITIONはこう着るべし」
▼STYLE 1
L.L.Bean Lined Coach Jacket ¥20,900 (税込)
L.L.Bean Crew neck Long-Sleeve T-shirts ¥7,590 (税込)
別注 ANOTHER ASPECT×DOORS Jeans 2.0 ¥40,700 (税込)
NEW BALANCE M1906R ¥19,800 (税込)
陳内 デニムだけど、トーンを揃えてソリッドというか“軽さ”を意識したコーディネートに。アウターのブルーの良さを活かしながら今っぽく着られるようにしています。
▼STYLE 2
L.L.Bean Light Nylon Anorak ¥17,600 (税込)
別注 INDIVIDUALIZED SHIRT×DOORS OVER SIZED B/D SHT ¥28,600 (税込)
別注 Wrangler×DOORS Easy Straight ¥8,800 (税込)
PUMA SUEDE VTG MIJ WRS ¥22,000 (税込)
陳内 シャツを合わせて、ちょっとキレイめに。アースカラーで、エモみを出しました。春だけど、春になりすぎず、同系色を違うトーンでまとめているのもポイント。
▼STYLE 3
L.L.Bean Windy Ridge Jacket ¥25,300 (税込)
L.L.Bean French Terry Pullover ¥8,690 (税込)
別注 GOLDEN MILLS×DOORS J/F PANTS ¥10,780 (税込)
TimberLand Authentics 3 Eye Classic ¥23,100 (税込)
陳内 特徴的なポケットを活かして、カーゴパンツと合わせて“バッグなしで出かけられる”感を。濃紺のボトムで締めたり、白Tを出して抜け感を出すのが現代的かなと。裏地とインナーの色を合わせているのもポイントです。
— ずばり、ドアーズ的、JAPAN EDITIONを今っぽく着こなすコツは?
陳内 サイズ感でいうと今っぽく着られるようにすでに調整されているので、そのまま着てもらえるだけでサマになると思います。今ってクラシックというか野暮ったい感じも良いとされてきてるんで、どアメカジな感じでも、2000年代初頭の古着スタイルっぽく写って新鮮かなと。
西村 スラックスにナイロンジャケットみたいな、キレイめに合わせるのが僕は好きで。コテコテでもかっこいいんですが、トラッドな感じに着こなすのもいいなって思います。
陳内 状態の良い古着を着るような感覚で着られるのがいいですね。
西村 新品を自分でたっぷり着て、自分でヴィンテージを育てる感じで楽しむのもいいですね。今回ってファーストシーズンですよね。すごく注目のアイテムなので、このJAPAN EDITIONがゆくゆく「あの時代のモデル」ってヴィンテージになるかも・・・。

上奈 20~30年後のネクストヴィンテージに!?
西村 あるんじゃないですか? 流行は回ってくるので・・・!
これからもJAPAN EDITIONに乞うご期待!
大迫 本国のL.L.Beanのお店って、アウトドアギアからアパレル、ライフスタイルのいろんなセクションがあって。だからL.L.Beanのフィロソフィーとドアーズのフィロソフィーって、素直に合致してる気がしますね。
陳内 ドアーズは今年で20周年なんですけど、洋服はもちろん、家具や食品を含めライフスタイルを提案してずっとやってきたっていうのが今生きているのかなと思います。
大迫 30~40代の方ならL.L.Beanをよくご存知かもしれないですが、トートバッグのほかにもいい商品がたくさんありますし、幅広い世界観のあるブランドだということをJAPAN EDITIONを通して若い世代の人たちにも知っていただけたら。

上奈 ファーストシーズンはL.L.Beanらしい、わかりやすいラインナップにしているんですが、今後はもっと深堀りしたものもやっていきたい。探していくと不思議なプリントTがあったりするんですよね。それこそL.L.Bean好きの人も知らないようなアイテムをブラッシュアップしていきたいですね。
西村 L.L.Beanってまだまだかっこいいものがいっぱいあるし、JAPAN EDITIONは新しく知ることができるいい機会ですよね。これからもいっぱい出会って、いっぱいお買い物したいです(笑)。
陳内 今後はJAPAN EDITIONをベースにしながら、その時代を歩んできたL.L.Beanのリアルな当時ものを見てもらえるイベントなんかも仕込み中です。前回はドアーズの南船場店のイベントに上奈さんは来ていただいていると思うので、次回はぜひ、大迫さんも一緒にお買い物しに来てくださいね(笑)。

Text/Mio Wajima
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