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LIFE STYLE&BEAUTY FEB 09,2022

作り手のプロとして、販売のプロとしてお客様へ伝えたい〈Colo‘UR’ice(カラリス)〉に込めた思い

お茶の間に欠かせない米菓を展開する新潟の老舗〈亀田製菓〉と、URBAN RESEARCH DOORSが提案する食品レーベル〈DOORS GROCERY〉。その二社がタッグを組んで、まったく新しいコラボレーションが実現しました。亀田製菓のロングセラー商品〈うす焼〉をもとに、米菓を洋風スイーツとしてアップデート。〈Colo‘UR’ice(カラリス)CRAFT Beika(クラフトベイカ)〉の誕生秘話を、座談会形式でお伝えします。


※撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえで取材を行っております。

〝今の暮らしを心地よく〟をコンセプトに掲げるURBAN RESEARCH DOORSに強いシンパシーを抱いた日本最大の米菓メーカー亀田製菓。

URBAN RESEARCH DOORS 湯本順子(以下、湯本) DOORS GROCERYはURBAN RESEARCH DOORS(以下、DOORS)のプライベートレーベルのひとつ。お客様へ新しい価値感や興味を持つきっかけになる食品の商品提案ができたらいいな、という思いが込められています。洋服を買いにきてくださるお客様がメインですが、DOORSはそれだけでなく、生活や食にも興味を持ってもらいたいという思いで商品を検討しています。より付加価値のあるものを届けたいという思いから、日本の製造メーカーと取り組んでいきたいですし、極力シンプルな原材料で美味しく、安心して楽しんでいただけるような商品提案を心がけています。

URBAN RESEARCH DOORS 千葉一孝(以下、千葉) 雑誌『PAPERSKY』のコンセプトに共感して、DOORSは誌面で日本各地の作り手を紹介しています。そこで新潟を取り上げた際、並行して『SHARE THE LOCAL 新潟』というイベントも行いました。新潟のよさを伝えるために、器の作家さんや食品など、どういった方々を紹介するのがいいかと考えたときに、真っ先に亀田製菓さんが浮かびました。そのときに、湯本がすでに亀田製菓さんと、このプロジェクトのお話をさせていただいていたんですよね。イベントの際、サラダホープは新潟限定なのに、取り扱いさせてくださいとねじ込みました(笑)。

URBAN RESEARCH DOORS 田中幸永(以下、田中) イベントを開催するにあたり、亀田製菓さんは欠かせないと思いました。弊社は洋服をメインに展開しているブランドではありますが、亀田製菓さんの商品を、新潟出身の自分の手でレジを通すということが、まずうれしかった記憶があります。亀田製菓さんの商品や、万代カレー、器など、イベントを通して新潟のいろいろなものを展開でき販売していたのですが、やはり新潟の方はご存じの方が多いので、パッと手に取って購入されていきましたし、お店によく来ていただいている顧客様は、イベントをやっているということで、大量にサラダホープを買っていかれたりもしました(笑)。そういった意味でDOORSのコンセプトにすごくあった商品展開ができたのではないかと思います。余談ですが、スタッフがサラダホープを買いすぎて、お客様のぶんがなくなってしまう! と止めていましたね(笑)。

プロジェクトが発足したのは2020年の11月。
亀田製菓からURBAN RESEARCH DOORSへの一本の電話がきっかけだった。

亀田製菓 渡邉健(以下、渡邉) イベントが行われるのはほとんどが万代で、その中にラブラや三越伊勢丹があります。我々の商品は、どちらかというとスーパーマーケットがメインで、もちろんやりがいはとてもあるのですが、一方で自分がよく行く服屋や映画館などにも置かれていたらすごくいいのにな、という思いがありました。米菓という括りではなく、広く食品という括りでいろいろなことに挑戦したいと思っていたんです。自分が本当に作りたいものを作らないと思いは伝わらないと思いますし、思いを込めて作った商品は、カッコいいと思える場所に置いてもらいたい。そう考えたときに、ライフスタイル全般を提案しているDOORSさんが真っ先に浮かびました。ただ、我々の会社は大ロットで生産するので、なかなか小ロットは手が出しにくいところではあるんです。逆に言えばそこに魅力を感じてもいるので、だからこそ届けられる思いや求めている人もいるんじゃないかと思っていました。会社的にコラボレーションはよくおこなうのですが、スーパーやコンビニなどで全国展開することが多くて。アパレルとのコラボレーションは極稀です。でも、まずはお声がけしなければ始まらない! と、首都圏支店営業の伊藤に相談しました。

亀田製菓 伊藤智昭(以下、伊藤) 開発の方々は、みんなで何度もミーティングをおこなっていて、最初はぜんぜんまとまらなかったんですよね。ただ、自分たちの商品が並んだらテンションが上がるところにオファーしたいという思いは強かったんです。決められたことを決められたようにするのではなく、自分達の力で並べたいという相談を受けて、DOORSさんへコンタクトを取ったんです。

湯本 第一印象はただただびっくりしました。社内のプレスにご連絡をいただいて、わたしに直接繋いでもらったんです。

伊藤 意外とすぐに案内してくれて、拍子抜けしました(笑)。まずは企画内容をメールして、自分たちの思いを綴りました。ただ当時、すぐにコロナ禍に入ってしまったので、初めてオンラインで商談をして。構想も何もない状態で、熱い気持ちだけで突き進んでいましたね。

湯本 大手の亀田製菓さんからご連絡をいただいて、一から新しい取り組みを一緒にしたいという申し出に、それはぜひいろいろやらせていただきたい! と。ぜひ成功させたいと上司を説得しました。

渡邉 我々としては、米菓というよりもお菓子としていろいろなところに商品を置きたいというのが根本にありました。実際にやることはあとで考えるとして、どこに置きたいか、という思いがまずは大事だと思ったんです。自分が憧れる場所に置いてあったらテンションも上がります。そして実際に取り組みが始まると、小ロットだけれど、それでも可能な方法を探しながら進めていきました。もし弊社でできないなら委託先を見つけてでもやればいいと思っていましたし、方法は二の次、まずはやりたいことがなんなのか動機を明確にしました。そんな我々の思いを受け取ってくださったことが、一番うれしく思います。

湯本 製造メーカー様が大きいか小さいか、それによってロットの問題は必ず出てくるんですが、なかなかお客様に届けられない思いや美味しさというのを、DOORS GROCERYの目線を通して伝えることは、できるんじゃないかと思ったんです。食品を作る工場をDOORSはもちろん持っていないので、その代わり、伝えるという役割を担って、なんとか実現したいと思いました。

伊藤 生産性や効率を会社としては求められるのですが、今回に関してはあえて商売云々なしでいいものをお届けしたいという気持ちで始めました。

実際に、どういう形でプロジェクトを進めていったのか。
具体的なやり方や試行錯誤について聞いた。

亀田製菓 神尾英里(以下、神尾) 一年間くらいかけて進めてきましたが、基本的にはリモートでの話し合いが中心でした。なので、その前に弊社内でまとめなければいけないと、その間にも通常の業務がある中で、月に2度は集まれる人だけ集まり打ち合わせを重ねていきました。

渡邉 自分だけでは開発できないので、一緒に取り組みたいと思う方々に声をかけ、集まってくれたのがこのメンバーです。メンバーそれぞれ違う仕事を受け持っているので、自分たちの業務をやりつつ、プラスαでこのプロジェクトに参加しています。隙間時間を見つけてみんな取り組んでくれました。

亀田製菓 上田哲也(以下、上田) どんな商品が適切なのかというアイデアを、みんなで持ち寄りましたね。

湯本 こういう商品ならこういう味付けができます、という提案をいろいろ出していただきました。その中で発売時期やターゲット層を考えて、試食も何度もさせていただいた中で、初めて亀田製菓さんとやらせていただくなら新しい感覚、新発見の味を実現させたいと、今回の〈クラフトベイカ〉に決まりました。うす焼を元にしていて、せんべいなんだけれどせんべいじゃない、スイーツ感のある米菓、おもしろいなと思いました。試作の回数はものすごかったと思います。

コンセプトを元に、どんな味が適切なのかを探っていく。ナッツの種類、粒度、焼き加減・・・細かくチェックしていく。

工程のすべては手作業。焼きたてを試食させていただく。「舌にまずお醤油の香ばしさを感じ、噛むと次第にカスタードの甘みが広がって美味しい!」

亀田製菓 小師聖矢(以下、小師) うす焼以外でいい線までいったのが、ぽたぽた焼でしたね。

渡邉 高級ぽたぽた焼の〈ザラメリゼ〉なんてどうですか? と提案したり。

湯本 うす焼をベースにすることが決まってからの味付けは、少し苦戦しましたよね。

神尾 商品に載せるナッツはカシューナッツで決まりましたけど、アーモンドで試したり、砕く粒度も試したり。

渡邉 ベイクをしっかりしないとぼろぼろとこぼれて しまうので、一消費者としてもスタイリッシュに食べられるように、改良を重ねて50回以上・・・数えられないくらい試作したと思います。

伊藤 気付くと、また試作してる! って驚きましたね。やっぱりものづくりが好きなんだなと思います。しかし、こんなに頑張ったのにもうからない(笑)。

渡邉 重要なのは思いですからね(笑)。

小師 新潟には食品と衣服が一緒に置いてある場所が少ないんです。だからDOORSさんのように、衣食住が融合した魅力的な店に置いていただけるのはうれしいです。

千葉 新潟は、作り手がいても売る場所がない、という話を聞いていました。亀田製菓さんはいろんなところで扱われているとは思うんですが、コンビニやスーパーなど販売場所が決まっているので、それではもったいないと思いました。ならばDOORSの場所を使ってほしいと、盛大に活用してほしいと思ったんです。

田中 店頭で、作り手の方々がお話する機会も設けていただけたら嬉しいなと思います。

何度も試作や試行錯誤を繰り返し、ようやく商品が完成。
続いて、販売にあたってのキーともいえるネーミング、パッケージ制作はどのように進んでいったのか。

小師 衣替えではないですが、普段とは違う層に受け入れてもらうためにはどうすればいいかを考えました。DOORSさんの、暮らしに寄り添うというキーワードがしっくりきたので、人にはそれぞれ色がある=色を使いたい=COLOR(カラー)だなと思いました。そこに、弊社と一緒にやるということを絡めるため、語尾を米=RICEにしたらどうかというアイデアが浮かびました。〈Colo‘UR’ice(カラリス)〉は響きもいいし、間にURBAN RESEARCHさんのURも加えられ、とてもいいブランド名に決まりました。

湯本 本当にたくさんの提案をいただいて。素敵なネーミングも決まってうれしいです。どんな商品かわかりやすいよう〈クラフトベイカ〉というカテゴリを作り、コラボレーションするにあたりブランド名として〈カラリス〉。ぴったりな名前だなと。

伊藤 私達が提案するものと、DOORSさんがいいと言ってくださるものがリンクしていて、同じ方向を向いていることにうれしくなりました。

湯本 パッケージデザインは40案出した中で、12案まで絞りました。お米を抽象的に5つ重ねたシルエットだったり、亀田製菓さんの亀甲マークを採用したり、フォントもオリジナルで考えています。2社をうまくマッチさせたようなデザインになるよう揉んでいる最中。これからもっとブラッシュアップさせていく予定です。

いよいよ亀田製菓×DOORS GROCERYのコラボレーション第一弾が発売される。
今後どのようなことを期待するか、展望をうかがった。

渡邉 今回のつながりは、奇跡的だなと思っているんです。我々自身のモチベーションにもすごく繫がりますし、これからもご縁があるならぜひ関わらせていただきたいですね。今回の取り組みではこういったメンバーが集まったのですが、開発部にはまだまだ人員がいます。みんなが今後、参加していけるようになるといいなと思います。やはりみんな抱いている思いは違いますし、自分が何をやりたくてここにいるのかというのを、あらためて考えるきっかけにもなると思いますので。

上田 米菓は年配の方がターゲットであることが多いのですが、〈クラフトベイカ〉をきっかけに、若い層にもどんどん浸透していってもらいたいですね。

湯本 これまで一年間、リモートも含めてやりとりしてきて、さまざまなアイデアを出していただきました。その中で「あれも美味しかったな」と思う試作品もあったので、〈カラリス〉というブランドもできたことですし、それもまた何かのかたちで実現させていただけるチャンスがあるならうれしいですね。

渡邉 私的にはこの経験を、もっとほかのメンバーにも味わってもらいたいと思います。デザインの提案を見たときにも、みんなときめいていたんですよね。私だけの経験ではもったいないと思うので、まだたくさんいる開発のメンバーにも、どんどん参加してもらって、そうするとまた新しい風が吹くと思うので、また新鮮なアイデアを起こせるのではと思っています。

伊藤 お客様に価値を理解していただいて、「美味しいな」と幸せな気持ちになっていただけたらありがたいですね。今後もお互いのいいところを融合させていけたらと思います。

小師 「DOORSさんと亀田製菓がコラボレーションしている〈カラリス〉はいつも美味しくて新しいものを展開している」とお客様に思っていただけるように、今後も取り組んでいけたら嬉しいですね。

神尾 最初は、正直ここまでこられるとは思っていませんでした。入社して10年経つのですが、新しい取り組みに参加できてとても嬉しく思っています。

保苅 最初の取り組みから〝ライフスタイルを提供する〟という意味で弊社との親和性をすごく感じていました。弊社は作り手のプロとして、DOORSさんが売り手のプロとして、〈カラリス〉がより多くのお客様のもとへ届くといいなと思っています。

眞銅 米菓はクラシックな商品だからこそ、DOORSさんとタッグを組むことで、より魅力的に仕上がりました。

田中 生活の一部である亀田製菓さんの商品を店舗で取り扱いできることがまずはうれしいですし、携わっている方々の強い思いを改めて伺って、強い感銘を受けました。お客様にしっかり伝えていきたいと思います。

千葉 今回のプロジェクトのためにこのようなチーム編成をしてもらって、自分たちの思いにも共感していただいて、共にものづくりできたことに感謝します。

湯本 亀田製菓さんが実際に手作業で〈カラリス〉を仕上げている場面を身近で拝見して、熱い思いも聞かせていただきました。その思いをしっかりと伝えていきたいと思います。2社がタッグを組めば、このようにいい化学反応を起こせると思いますし、今後もお客様に喜んでもらえる商品を展開していきたいと思っています。

座談会参加者

<亀田製菓>
渡邉健: 技術開発部 柿の種・つまみ・あられチーム
伊藤智昭: 首都圏支店 神奈川エリア
神尾英里: 事業開発部 商品企画チーム
上田哲也: 技術開発部 ハッピーターン・ソフト・堅焼チーム
眞銅結: 技術開発部 CVS商品チーム
保苅孝則: 技術開発部 揚米菓・うす焼チーム
小師聖矢: 技術開発部 揚米菓・うす焼チーム

<URBAN RESEARCH DOORS>
湯本順子: URBAN RESEARCH DOORS 商品課 食品企画担当
千葉一孝: URBAN RESEARCH DOORS Brand PR
田中幸永: URBAN RESEARCH DOORS SV

亀田製菓株式会社
亀田製菓は、国内米菓市場の約30%を占めるリーディングカンパニーです。『亀田の柿の種』『ハッピーターン』といったロングセラーブランドをはじめとする「亀田のあられ・おせんべい」は多くの方々に親しまれてきました。
そして今後は、食品企業を取り巻く環境変化を踏まえ、“美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供することで、2030年度には、“あられ、おせんべいの製菓業”から“BetterFor Youの食品業”へと進化すべく、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいます。

亀田製菓コーポレートサイト
亀田製菓公式Twitterアカウント @ Kameda_JP
亀田製菓公式Instagramアカウント @ kameda_jp

掲載商品についてのお問い合わせ
URBAN RESEARCH DOORS マルイ吉祥寺店

※その他の店舗でも取り扱いがございます。取り扱いの有無につきましては最寄りの店舗にお問い合わせください。
> URBAN RESEARCH DOORS ショップリスト

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Edit & Text/Shoko Matsumoto

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