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CULTURE TRIP JUL 18,2018

【蒼き嬬恋村】無印良品キャンプ場でTGF直前ゆるキャン!

キャンプの醍醐味って何だろう。自然の中で寝ころぶこと、焚き火をすること。そんな風に普段はできないことをするのも楽しいけれど、毎日当たり前にしている「ご飯を作ること」や「寝ること」すらも特別なことのように思える、そこが結構大事なんじゃないかな。


ゆるく行こうよ。オトナのゆるキャン!

僕らは街を飛び出して、ひたすら、ただひたすらに蒼き地を目指す。

「夏休み」。こどもの頃はあんなにもキラキラとしていて、朝から晩まで遊ぶことしか考えなくてよかった1ヶ月(そして31日に宿題を慌ててやるまでがお約束)。

オトナになった今、気がつけば「夏休み」はあの頃のような「うぉー!めいいっぱい休んだぞ!」と胸を張って言えるほど長い期間は休めず、日々の仕事疲れを長めに癒すだけの束の間の休み、になりつつある。

それじゃいかん。オトナだって胸を張って夏を楽しまないと。

と言うわけで、URBAN TUBEの夏テーマは「オトナ諸君、今年は夏、休もうぜ!」です。

その第1弾はやっぱりキャンプ!

パソコンやらスマホやらで疲れた目を、まずは大自然で癒しましょ。

「キャンプ」のいいところは、行く前から楽しみが始まっていることだ。
体はまだ会社のパソコンの前だとしても、心はもうGREENに半分満たされている。
何を持って行こうか、
何を食べようか、
何をして遊ぼうか。

キャンプには必ず「事前準備」が欠かせず、逆にそれが「本番前のワクワク」につながる。
たとえ1泊2日のキャンプでも、事前準備を入れればその分もプラスして夏休み気分を味わえるってこと!

さて、今回向かうのは群馬県吾妻郡にある嬬恋村だ。

そう、あの高原キャベツの名産地でもある地。

ここには無印良品が運営する「無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場」がある。

一面のキャベツ畑と、大自然。どこを切り取っても目に蒼きこの地でしばしの休息を楽しみたいと思う。

ちなみに無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場は、毎年行われているURBAN RESEARCH DOORS開催の「KNOCKING ON THE DOORS TINY GARDEN FESTIVAL」(以下、TGF)の会場でもおなじみ。

今回はフェスの予習も兼ねて、時間ごとの中継スタイルでお届けします。

まずは家、つくろ

キャンプ場に来たらまずはテントを張らねばならぬ。
テントができたらタープを張って、椅子やテーブルを並べて、自分たちだけの「家」を作るのが楽しい。テントは寝室、タープの下はリビング兼キッチンのイメージ。

ちなみに無印良品キャンプ場は、テントから鍋や椅子、テーブル、ランタンまでおよそキャンプに必要なものはレンタルすることができる(TGFなどイベント時には通常のレンタルが行われない場合があるので要確認)。
道具は持ってないけどキャンプしたーいというゆるキャンパーはもちろん、道具一式ピシッと持っているプロキャンパーまで
「思い立ったらすぐキャンプ」ができる素敵なキャンプ場。大きな湖もあったりとロケーションも抜群!

私は以前アウトドア誌で働いていたのですが、キャンプシーズンが始まると真っ先にここへと遊びに(仕事を兼ねて)来ていました。
初心者でもキャンプしやすい場内であることももちろんですが、センターハウス(受付)には無印良品のレトルト食品やお水、ビール、氷なども売っているのでメイン食材以外は現地で追加できるのも嬉しい。さらにコインランドリーもあります!
大自然の中で食べるレトルト食品って格別に美味しかったりして、それを楽しみに訪れたりも。

01.センターハウスの横にレンタルコーナーがあります(事前予約がおすすめ)。
02.テント、寝袋、ランタンなどキャンプに必要なものは全て借りられます。
 03.人気のスノーピークのテント!ここでレンタルして気に入って購入する人も多い(私も買いました)。

今回はキャンプ初心者スタッフが「初めてのテント張り」に挑戦してみました(私はそっと見守る係)。

さて、アウトドア誌の先輩から伝授された「意外と忘れがちな、テントを張る前に大切なこと」があります。

雨が降ってもぬかるまない場所探し、うんそれも大事。
テント道具が揃っているか確認、うんそれも超大事。
まずはビールで乾杯、うんうん、大事すぎる。

でも正解は
「とりあえず寝転んで見る」

なぜかと言うと、キャンプ場は平らに見えて緩やかに傾斜が付いていたり、下にどけられない大きな石があったりするんです。
まずは寝転んで、「寝やすい場所」を見つけるのが意外と大事。
これを怠ると、テントを張っていざ就寝、と言う時に「なんか寝づらい」なんてなることも。
「どこでも寝れる」のび太タイプはともかく、せっかくのキャンプなので寝るときもリラックスしたいですよね。
それに大地にゴロンと寝転ぶと「今からキャンプするぞー!」と気持ちが盛り上がること間違いなし。ぜひお試しください!

場所のフィッティングが終わればいざテント設営。
まずはテント本体を組み立て、その後にフライシート(テントを覆うカバー)を張ります。

テントの設営方法などは説明書に詳しくあるので、これまたアウトドア先輩から伝授されたワンポイントアドバイスを。

1、ポールの対角線上に人がいないように気をつける
テントでよくある怪我に、このポールを組み立てるときに近くにいた人に当たる、というのがあります。目などに当たると危ないので、必ず周りに人がいない場所で組み立てましょ。

2、ペグなど細かい道具の本数を数えておく
テントで失くしがちなものが、ペグ(テントを留める杭)です。立てる前に何本あるか数えておくとしまうときに慌てずにすみます。それとテントを入れる袋なども外に出しっぱなしだと風で飛ばされたりするので、必ずテント内に入れておきましょう。

3、フライシートはピンと張る。
テント本体の上にかけるカバーは、雨風を凌ぐだけでなく夜露からも守ってくれます。テントとフライシートが接触してしまうとそこから夜露が入ってきて、朝テント内がびっしょり、なんてことも。

今回特別にキャンプ設営の見守り隊として協力していただいた無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場支配人の渡瀬達生さんからもこんなアドバイスを。

・テントの入り口は風下に向ける
前室(テントの入り口)を風上に向けてしまうとそこから風が入り込みあおられることも。風は背中で受けるぜ!を意識してください。

・ペグは斜めに打つ
テントの中心に向かって外からうちに斜めにペグを打つと、しっかりテンションがかかって抜けづらくなります。
(アウトドア誌では地面に対して60〜90度の角度を推奨していました)。

01.まずはポールを全て組み立てます
02.テント本体にポールを通します。
03.ポールをピンに差し込みます。スノーピークのテントは、ポールと、差し込む場所の色が同じなのでわかりやすい!
04.本体がたったら、フライシートを張ります。
05.フライシートがピンと張るように。
06.完成

テントを張り終えたら、次はタープ。

今までいくつものテントやタープを張りましたが、タープ張りは最後まで苦手でした。ピンと張らないとあっという間に総崩れ。
ゆるく設置した結果崩壊し、何度タープの下にいた荷物やスタッフを巻き込んだことか…。

渡瀬達生さんにアドバイスを求めると

・風の向きを確認。
どんなにしっかり張っても、風にあおられると倒れてしまいます。うまく風が抜ける方向を確認してから張りましょう。

・天井部分をピンと張る
トップ(天井になる部分)がたわむのも、タープが崩れやすくなる原因(私が失敗する理由もほぼこれ)。大きいタープでは大変ですが頑張ってピンとなるように気をつけて。

・タープ全体にしわが寄らないように注意
タープはシートを支柱になるポールとロープで支えます。タープにシワが寄っているところは、そこが強く引っ張られているということ。後から微調整もできるので、仕上げはシワがない美肌状態に!

・メインポールに使う2本のロープは三脚のように張る
メインポールを左右から引っ張るロープは、三脚のように綺麗な三角錐になるのが理想。均等にテンションがかかってポールが安定します。

・風上からペグダウンして行く
風下からペグダウン(ペグを打ち込む)すると、強風にあおられてその後の設置がとてもやりづらいです。まずは風上をしっかり固定して、その後風下へ。

というのを教えていただきました。
多少ゆるくても大丈夫なテントとは違い、風に煽られることの多いタープは「ピシッと」張るのがコツのよう。
しっかり張れたタープは、雨、風、そして日差しから守ってくれる心強い存在になります。

01.主柱のポールと、左右の紐が三脚のような三角錐になるのが理想
02.ポールはやや内側に向ける。+ロープでしっかり張ることで強くテンションがかかる。
 03.完成!

究極に腹ペコになってごはんを食べる

初めてのキャンプだと、時間配分が難しくてあっという間に夜になることも。
おおよそですがこんな時間割がおすすめ。
(無印良品キャンプ場のチェックイン13:00に合わせて時間振りをしていますが実際に泊まるキャンプ場のチェックイン時に合わせて微調整してください)

・キャンプ場に着く前に、メイン食材などを購入。地元の美味しいお蕎麦やさんなどでお昼ご飯を済ましてもOK
・13:00〜テント設営
・14:30〜お昼ご飯(もしくはおやつタイム)
・16:00〜夜ご飯の準備(下ごしらえ)
・17〜18:00くらい(まだ明るいうち) 炭起こし
・20:00までには食べ終えて片付け
・早めに就寝
・朝6:00起床、片付け
・帰り道が混まないように早めに出発

カンパーニャ嬬恋の場合、13:00チェックインなのでお昼ご飯を作るとなるとすっかりおやつ時間になってしまうのですが、お菓子などをつまみつつ、どうせなら簡単なお昼ご飯を作ってみるのも楽しい。
テント設営で体を動かしたあとだからすでに腹ペコですが、いつものように「お腹が空いたらコンビニで買ってとりあえず」お腹を満たす、のではなく「くぅ〜お腹減ったなあ‼︎」という心のからの空腹が、その後のご飯をグンとおいしくしてくれます。
もちろんお昼は事前に済ませて、ゴロゴロしながら昼ビールや昼ワインとチーズを楽しんだり、お湯だけ沸かしてカップ麺もなかなかにオツなものです。大自然の中で食べると食べ慣れた味もいつも以上に美味しく感じますよ。

ちなみに時間割だけでなく、キャンプのご飯はある程度メニューを決めて行った方がスムーズだし、無駄な食材も出にくいです。
だけどビールを飲みながら、「あ、あのキャベツ今食べたい」とか「カレーの予定だったけどハヤシライスにしよう」
なんて言う現場主義的な変更もとても楽しい。
家のキッチンで作るなら30分くらいでちゃっちゃと作れるご飯作りを、のんびりメニュー変更しながら1時間2時間かけて作り上げる。その時間もなかなかに贅沢です。
お昼ご飯を作る人は、同時に夕飯の下ごしらえをしてしまうとそのあとののんびりタイムを長く楽しめます。

今回のURBA TUBEチームのお昼ご飯は、ピーマンたっぷりのミートソースパスタ!
夜のバーベキュー用に買ったナスなんかも入れちゃって、それにちょっと奮発して買った美味しいチーズをたっぷりと。

と、
突然の強風!

そしてその美味しいチーズが風と共に去りぬ(涙)。

01.炊事場が遠い場合、タンクに水を汲んで置くと便利です。
02.フライパンと鍋、1つづつあればできちゃうパスタは案外キャンプ料理向き!
 03.「大人」のキャンプなのでチーズはちょっとお高いのを。でもこの撮影の後、8割が風に飛んで行きました。

夜だ!焚き火だ!BBQだ!

キャンプ場ではあっと言うまに“夜”がやってきます。

深夜まで明かりのついている街中とは違い、キャンプ場の夜はまさに“真っ暗”。
少し早いような気もしますが、16時くらいからヘッドライトやランタンはすぐ取り出せる場所に準備し、薄暗くなるまでに炭起こし&包丁を使うような夕ご飯の下ごしらえはしておきましょう。

そうそう、無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場のすぐそばには天然温泉「湖畔の湯」があります!
徒歩でも10分かからないので、夜ご飯の前に入るとすっきりして夜の準備に取りかかれますよ。
季節により営業時間が変わるそうですが、意外に早く終了してしまうので夕ご飯の準備前後に入りに行くのがおすすめです。

01.包丁を使うものや、串打ちなどは明るいうちに済ませると安全&楽チンです。
 02.炭がついたらいざBBQ。トウモロコシ、エビをココナッツミルクにつけたもの、肉!
 03.本日の焼き番長
04.炭火で焼いた肉ってなんであんなに美味しいんでしょうね。
05.ナスは皮ごと焼いてから皮を向けば簡単焼きなすに!
06.デザートはやっぱり焼きマシュマロ! 

月明かりと静かな夜を楽しむ

もしも幸運にも天気の良い日だったら、“本当の月や星の明るさ”を感じることができます。

夕日が落ちて、一度あたりが暗くなった後
今度は月が登り明るくなる。

本当は地球上でそういう光景が毎日繰り返されているのだけれど、都会にいるとどうしてもこういう自然の光を感じることが少ないですよね。目が慣れてくると月明かりに照らされた周辺の木々の様子や、星の動きまで観察できます。

早めに夕ご飯を済ませ、ビール片手に穏やかな月や煌めく星を楽しむのもキャンプの醍醐味のひとつ。

星座早見表を持っていくと、子供時代の野外教室のようで結構楽しめます!

それから焚き火を囲むのもキャンプならではのお楽しみ。

焚き火には癒しの効果があると言われています。

実際に炎には1/fの揺らぎ(月の瞬きや波など自然界にある揺らぎ)という心を穏やかにしたり癒すパワーがあるそう。

それに加え、太古の昔人類が火を手に入れて以来、時に食料を焼き、時に動物たちから身を守り、そうやって人と火は共存してきました。火に対する畏怖と信頼も、焚き火を見ると心落ちつく理由なのかも。

太陽と共に目覚める

時間割に6時起床目安と書きましたが、実際は5時くらいから太陽の眩しさで目がさめることも。

朝のコーヒータイムを楽しんだら、朝ごはん前後にまずはテントだけ撤収するとそのあとの行動が楽になります。
それに片付けで一気に体力を使うと帰りの運転や電車移動が大変。片付けと休憩を交互に挟むと余裕が出て安心です。

さて、テントの撤収ですが、雨の日ならとりあえずまとめて、後日家で乾かしてもいいですが(その場合、大きなゴミ袋に入れて持ち帰ると家で乾かす時にさっと出せて便利です)
晴れの日なら、夜露でしっとりしたテントを天日干ししてから片付けるとあとが楽チンです。

・ペグを抜いたら1箇所にまとめる。
抜いたものをその場に放置すると、「あれ、あのペグどこいった??」になりがち。
1箇所にまとめておくと数を数えるのもスムーズです。

・テント袋の幅に合わせてテント&フライシートをたたむ
以前初心者向けのアウトドアイベントのお手伝いに行ったことがありますが、案外多かった相談が「袋に綺麗にテントが入らない」というものでした。そうなる理由のほとんどが、”袋の幅より広くテントを畳んでしまった”こと。無理やり入れるとテントが痛む原因になるし、コツはすごく簡単です。
「テントを折りたたむ時に一度テント袋を置いて、その幅に収まるようにまとめる」
「テントやタープ内の空気をしっかりぬく」
この二つに注意すればすっきり収納できますよ!

01.インスタントでも十分美味しいキャンプコーヒー
02.撤収作業は外側のフライシートから始めます。
03.晴れた朝なら、ペグを1、2箇所残して置いて写真のようにひっくり返し、底を乾かしてから収納すると楽チンです。

さて、テントさえしまってしまえば時間に余裕があるので、ゆっくりと朝ごはんやデザートを楽しんで。
キャンプ場では朝から日差しが強いので、タープは一番最後に片付けます。

この日の朝ごはんは、昨日の残り野菜を入れたスープと、ホットサンドにしました。

ホットサンドクッカーがあるとチーズや卵や野菜などなんでも挟めて便利。TGFでも持参する人をたくさん見ましたよ。

家に安全に帰るまでがキャンプです!

天気に直接左右されるキャンプは、強い日差しや雨、そして片付けで帰る前に結構体力を使います。少し早めにキャンプ場を後にし、休憩しながらゆっくり安全に帰りましょう。

以上、TGF直前企画も兼ねて、1泊2日のキャンプの流れを中継してみました。
今回は取材予定日の関係で1泊2日でしたが、2泊すると翌日の丸一日はゆっくり過ごせます。
バラキ湖で釣りをしたり、お昼寝をしたり、バードウォッチングしてみたり、むしろなーんにもしなかったり!
それぞれのペースで空の青、湖の碧、草や木々の蒼、いろんな“あおいろ”に囲まれた時間を楽しんでください。

無印良品 カンパーニャ嬬恋キャンプ場

群馬県吾妻郡嬬恋村干俣バラギ高原

営業時間 : 4月下旬~11月上旬(天候、気温等の状況により多少前後します)

URL:https://www.muji.net/camp/tsumagoi/

嬬恋バラギ温泉 湖畔の湯

群馬県吾妻嬬恋村大字干俣2401

営業時間 : 11:00~19:00(18:30受付終了)

(GW・夏季等季節により営業時間延長あり、施設にお問い合わせ下さい)

休館日:第2、第4水曜日(祝日の場合は翌日)

TEL : 0279-80-6020

KNOCKING ON THE DOORS TINY GARDEN FESTIVAL

開催日程:2018年 9月1日(土)〜2日(日)
前夜祭:8月31日(金) 19:30〜21:30

URL:http://www.urdoors.com/special/TGF/

PROFILE

松尾 彩Columnist

フリーランスのエディターとしてファッションからアウトドアまで幅広い雑誌・ムック・カタログなどで活動。現在はコラムニストとして主に旅紀行を執筆。小学館kufuraにて旅エッセイ「ドアを開けたら、旅が始まる」連載中

木村 巧Photographer

1993年茨城県生まれ。在学中より、写真家青山裕企氏に師事。春からURT編集部へ。

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