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CULTURE TRIP OCT 31,2018

【だれも知らない京都】“上から目線”で京都を見たら【誰も知らない京都・特別編】

美しき京都、外から見るか。中から見るか。いいえ、いっそ上から眺めてみてもいいものです。


こんにちは。

いつもURBAN TUBEをご覧いただき、誠にありがとうございます。

編集長兼責任者を務めさせていただいております。齊藤と申します。

「写真も撮らず、原稿も書かず、編集もしない」
私が唯一この編集部で行なっているのは
「あそこの〇〇についてもっと知りたい」という、
いわば思いつきの部分を主に担当しています。

語弊はあるかもしれませんが、今回はこの「京都」という街の隠された部分、もっと言えば、あまり語りたがられない部分にフォーカスして

「こんな京都、知らんかったわ」と

関西人にも言わせてみたいというのが今回の特集の発端でした。

巷を賑わせた「京都ぎらい」という本をご存知でしょうか?

私は、なぜ京都の人が「いけず」と呼ばれるのか?

そこにすごく興味があった。

実際に自分の先輩の「京都人」の方々はとても気さくで、表裏のない人ばかりなので、正直、「京都ぎらい」という本に対してしっくりこなかったのである。

それとともに、京都には華やかさだけでなく何らかの人種的・民族的コンフリクトがあったエリアも映画化されたことにより認識していたので、それについても少し突っ込んで知りたいというのも理由の一つであった。

そんなところ、案内できる人いるの?

と普通は思うけど、いるのである。

「街の先輩」という言い方が正しいかどうかは置いておくとして、TRAVELING COFFEE店主の牧野氏は歴史的背景や現代史も造詣が深く、私にとってはちょっとトッポい「社会科」の先生のような存在。

「街の先輩」に案内していただいた東九条エリアはお世辞にも綺麗なエリアとは言えないがその庶民的な空気感はどこか私の住む東京都・墨田区に似たものがあった。

何より、団地の間に吹く、風の柔らかさや温度が、
よく似ていた。

京都の街を歩き回り、(実際は暑かったのでほとんどタクシーに乗っていた)
人の声を聞き、街の声を聞く。
この碁盤の目の街を不意に上から覗きたくなった。

実は以前に京都の街を少しだけであるが、上から見たことがある。

音楽プロデューサーであり、日本を代表するDJでもある田中知之(FPM)氏に
「京都の街を見下ろせる場所があんねん、そこでハウスかけてルーフトップパーティーなんて、良くない??」と、連絡もらったのが確か去年の梅雨時期であった。

カップルが等間隔で座るという鴨川や四条大橋などを上から見下ろすその場所は、祇園四条駅すぐの「in the Moon.」という期間限定のルーフトップ・バーであった。

歴史の好きな方にはお分かりいただけると思うが、阿国歌舞伎発祥の地としても知られる祇園四条の「南座」が真上から見下ろせるというものすごいロケーションにも胸を躍らせました。

そこで、ハウスといえばルーフトップ、
ルーフトップといえばハウス。

NYのLoftでのパーティーのオマージュであることは間違い無いのだが、祇園の街並みを見下ろしながらのハウス・ミュージックもオツなものだなと。

ここのオーナーでもある木田氏は京都を代表するACE Café(エースカフェ)も手掛けており、「人知れず集まる場所」を生み出すことへの嗅覚が本当に凄い。

「街の先輩」の牧野さんが語っていた京都のコーヒー文化の裏にあった、かつてのアカデミックでアーティスティックなコミュニケーションは、一方で音楽やカルチャーとカフェ、と粋な「場所」へとこのように繋がっていったのではないか。

うまい酒(in the Moon.のモヒートは別格なうまさである)とともに京都を一望しながらほろ酔いでそんな思いを馳せた。

決して“上から目線”ではないけれど、
もしも京都の迷宮っぷりに疲れたり、いけずなるものに出くわしたりしたならば…

いっそこうやって上から京都を眺め下ろすのも、悪くない。
(単にモヒートが飲みたくなったら、でもいいけどね)

in the Moon.

京都府京都市東山区中之町200 カモガワビル 9F

営業時間 : 期間限定の営業につき、お電話でお問い合わせください

TEL : 075-561-3941

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