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CULTURE TRIP JUL 10,2019

【アオハルの迷宮、下北沢へ。】下北沢ダイアリー #02 The Wisely Brothers 真舘晴子さん

下町の素朴さとあたたかさを残しつつ、カルチャーが生まれる場所として親しまれている下北沢。ここが地元で、この街で育ってきたからこそ見える景色がある。The Wisely Brothers・真舘晴子さんにとっての〝下北沢〟を聞いた。


瑞々しいメロディと伸びやかな歌声でたくさんの人を惹き付ける3人組のガールズバンド『The Wisely Brothers』。
そのボーカル&ギターの真舘晴子さんは、幼少期から今までずっと、下北沢周辺で暮らしてきた。
いわゆる、ここが〝地元〟だ。

「母親の里帰り出産で生まれだけ福井県なんですけど、実家は東北沢で。3歳くらいから12歳くらいまでは経堂に住んでいました。そのあと世田谷代田に移ったりして。ずっとこの辺りで生活をしています。中学生くらいの頃は、ちょうどタピオカブームで、タピオカ屋が下北沢にもあったので、プリクラを撮ったあとにタピオカミルクティを飲んだり(笑)。下北沢は中学生でも渋谷や新宿ほど危なくないイメージだし、コンパクトな街のつくりなので迷うこともないし、普通に生活しながらただ友だちと遊びにいく街でした。下町、という認識がないときに、〝こういうところを下町って言うのかなあ〟って思ってましたね」

エイサーや日本舞踊などにも熱心な学校に通っていたため、小学生の頃からいろいろな楽器に挑戦していた晴子さん。
父親がグラフィックデザイナーで音楽好きだったこともあり、レコードや楽器に常に触れられる環境にいたことも、音楽を自然と親しむようになった理由だ。
そして高校一年生から、バンド活動を開始する。

「高校生になっていろんな音楽の種類がある中で、じゃあ自分は次はバンドをやろうと思って、今のメンバーに声をかけました。最初のオリジナル曲はドラムが作ったんですけど、それまでに歌詞としてではなく、詩を書き溜めてはいたので自分でも曲を作るようになりました。高校入学して最初の班で一緒になった友だちなので、8年の付き合いになりますね」

バンド活動を続けながら、高校3年の卒業間近に、下北沢カルチャーの一端を担う店、レコードショップとカフェを併設する『CITY COUNTRY CITY』でアルバイトを始める。

そこでは様々な出会いがあったという。

「高校3年間ファミレスでバイトをしていたんですけど、そのときに仲良くなったパートのおばさんがいて、その方が紹介してくれたんです。〝いいお店があるから行ってみて〟って。それまでは、実はここの存在も知らなかったんです。お昼はおしゃれで夜はロマンティックで、こんなに雰囲気のいい場所があるなんて!ってびっくりしました。こういう下北沢もあるんだなって。2〜3年くらいお世話になりましたね。下北沢は普通に生活をしたり遊んだりする街だったので、〝音楽〟としての部分をあまり知らなかったんですけど、働き始めてから発見がたくさんありました。音楽を好きな人がたくさん訪れる場所だし、小さい街が好きな外国人もたくさん来る。ショップも併設されているので、レコードだけ見に来る人ももちろんいて。不思議とそういう人たちってどこか似た雰囲気を持っていたりして、お店の人もお客さんも、みんな心地よくいれます。なんだか自分の新しい居場所が見つかったような気がしました」

バンド活動も本格化し、日本各地でライブを行うようになったThe Wisely Brothersだが、下北沢でライブをする時は、ほかの場所とは少し違った感覚があるようだ。

「毎年開催されている下北沢のサーキットイベント『下北沢にて』に初めて呼んでもらったときに、がんばらなきゃ!って想いを新たにしました。練習をするのもみんなでごはんをするのもほとんどが下北沢。ここが拠点と言うわけではないけれど、元気をもらっているいつもの街で自分たちがライブをするということは、とても緊張するなと思いました。知っている街だからこそ。ここでは昔から応援してくれているお客さんも多いので、今の自分たちをしっかり見せなきゃという緊張感があります」

晴子さんとぶらり下北さんぽ

晴子さんにとって下北沢は、生活をする場所であり、音楽が集まるところ。決して特別じゃなく、それがごく普通に共存する街。
最後に「いつもの散歩道や、まだ知らない気になる店もある」という晴子さんと、下北沢を歩いてみた。

「フーディアムの裏手にあるビリヤードのお店。このまえオーストラリア人の友だちと初めてビリヤードを体験して。オーストラリアでは普通ビリヤードをして遊ぶ人が多いんだよと聞いて、「私たちもやってみたい!」って。行ってみたいお店です」

「今度ミュージックビデオを撮ってもらうチームのひとりに、すごくいいところだよとおすすめしてもらったaotoriというカフェ。新しいカフェが最近開拓できていないので、行ってみたいと思ってます。この日は定休日!」

「一番街にある古本屋CLARIS BOOKSは選書がとてもいい。ずっと欲しかった中島らもの『永遠も半ばをすぎて』が100円で売っていて、すごくびっくりしました」

「丸亀製麺が大好きで! 頼み込んで下北沢店の宣伝部長に就任させてもらいました。下北沢店限定ポスターやポップもデザインさせてもらっています。美味しくて安くてすぐ食べられるので、本当によく通っています。夏はすだち入りのさっぱりおうどんがおすすめ。どんぶり付きのサインを書いたのはここが初めて(笑)」

「Hi monsieur(ハイムッシュ)は1、2年前からよく行くんですけど、いつもコーヒーを飲んで店主の大石さんと何でもない話をして帰っています。アイスの種類も斬新で、どれも美味しそうなのでいつも迷っちゃう。」

「雑貨のセレクトもおもしろくて、小さいお店なんですけどついつい長居しちゃうんですよね。大好きなお店です」

真舘 晴子

The Wisely Brothersのボーカル&ギター。
メンバーはベース&ボーカルの和久利 泉、ドラム&コーラスの渡辺 朱音。
7月17日(水)に2nd Album『Captain Sad』発売。
9月に東名阪ツアー『Captain Sad Tour』開催予定。

Instagram
https://www.instagram.com/camemberts/
https://www.instagram.com/wiselybrothers/

HP
wiselybrothers.com

CITY COUNTRY CITY

〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-12-13 細沢ビル4F

営業時間 : 平日 12:00〜25:00 / 土日祝 11:00〜25:00
水曜日定休

TEL : 03-3410-6080

URL:http://city-country-city.com/

Hi Monsieur(ハイムッシュ)

〒155-0033 東京都世田谷区代田1丁目30-12

営業時間 : 11:00~19:00
木・金曜日定休日

TEL : 03-5787-6989

URL:https://www.himonsieur.com/

PROFILE

松本 昇子エディター / ライター

愛知県出身。雑誌やカタログ、書籍、WEBサイトなどの編集、執筆、ときどきコピーライティングも手がける。

木村 巧Photographer

1993年茨城県生まれ。在学中より、写真家青山裕企氏に師事。春からURT編集部へ。

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