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CULTURE TRIP NOV 14,2018

【ニュートラソウル!】朝から夜食まで食べまくりダヨ!マシッソヨ!ソウルグルメ

旅行先で地元の食べ物を食べるのは何より楽しみだ。中でも韓国料理はキムチから焼肉まで日本にいても親しみのある料理。さて本場の味はどんなに美味しいのかしら。先に報告すると朝から深夜まで食べまくりなのに体重増えなかったヨ(※個人差があります)


今回の20年ぶりソウルツアーに行く前に覚えていた韓国語は少ない。
アンニョンハセヨ(こんにちは)、カムサハムニダ(ありがとう)、スルジュセヨ(お酒ください)、マシッソヨ(美味しい)に念のためにサランヘヨ(愛してる)

そんなものか。
だけど今回明るくて親切な市場のおばちゃんや、気さくな店主たちともっとコミュニケーションが取りたくてもう少し語学力をアップデートさせてきた。

まずは今回の旅で何度叫んだかわからない
メウォ。辛い!!

そして「辛くて死ぬぅ」と言いたかったのでチュゴッソ(死んだ)も覚えた。
もうメウォ!チュゴッソ!の連打である。
お店のおじちゃんたちには「NOメウォよー」と笑われたけれども。

編集部撮影:今回の旅で一番うま辛かったコプチャン。カメラマンは翌日合流だったため代理撮影。これで三人前!!

韓国人たちが涼しい顔でかじる青唐辛子とか、見た目には澄んだ色をしたスープなのにやっぱり青唐辛子がたっぷり入ってる鍋とか。とにもかくにも辛かった(辛いものを選んで食べたっていうのもある)。

さて韓国グルメもトレンドの移り変わりは早いそうだ。国民食のキムチも最近は苦手で食べないという若者が増えてきたそうで、日本人の若者の漬物離れ同様の嘆きもちらほら聞いた。入れ替わりにキムチ大好きな日本人の増加と、日本の甘い沢庵が好きな韓国人が増えているそうで、それも何だか面白い。隣の芝は青い、じゃなくて隣のピクルスは美味しく見えるのか。

ちなみにムンチン(時代遅れの意味。言われて以来ちょっと根に持ってます)は日本でも割と王道な韓国料理屋さん(サムゲタンとかサムギョプサルとかが食べられるような)にしか行ったことなかったので、引き続き例の案内人コンビに聞いてみた。怒涛のコメント群で何かを感じていただければ幸いである。

スーパーのインスタントラーメンコーナーは必見。どこでも棚一面インスタント麺が並んでいます。うどんや日本のものもありました。

「自炊する人は結構多いけど、と言ってもインスタントラーメンとキムチくらいが多いかな」「ちなみにインスタントラーメン消費量世界一位よ」「こっちの酢豚は肉だけで、餡が別皿なのが特徴」「餡をかける派はプモク、かけない派はチクモク。よくどっちがいいかの論争になるのよね(きのこたけのこ戦争みたいなものか)」「引っ越しすると、引っ越しジャージャー麺を食べる。これも肉餡を別皿派とかける派がある(ちなみにジャージャー麺は引越しする人が食べるだけ。近所の人には餅を配る)「「食べログ」みたいなものがないの。だからフォロワー同士のアップする情報や個人ブログがグルメの情報源(ご飯行く前に、個人のブログか、インスタのページが送られてくる)「タクシーの運転手も結構グルメくわしい(この辺りは日本も一緒ですね)」「デリバリー文化がすごいから、みんなどこでもすぐ電話で注文する」「でもウーバーイーツみたいなのではないの」「注文したお店の配達の人が来てくれる」「24時間いつでもどこでも持ってきれくれる。デリバリーできない場所なんてないんじゃないかな(笑)(値段は大抵配達料込みだそうだ)」「みんなチキンならここ、みたいに好きなお店がある」

※なおムンチンは会話のスピードに入れなかったので、(  )内は後追い取材もしくは心の声である。

とりあえず地元民も愛する地元の味を食べに

まあ後は「観光客向けの店は味も美味しくないのが多いし高いし少ないから、やっぱり地元民が行く店がいいよ」
ということで、地元民も楽しめる場所に連れて行ってもらう。

東大門から歩いて10分程度のところにある広蔵市場(クァンジャンシジャン)に行ってみた。なんとここ、100年以上の歴史があるとか。

もちろん有名な場所なので観光客も多いけれど、地元の市民の食堂的なところでもあるので味はちゃんと本格派だしお値段も手頃だ。
広い場内にぎゅうぎゅうと屋台が並ぶ。

朝から賑やかな市場内。お昼時や夕飯時は大混雑するので注意です

両サイドの店舗を構えているお店以外はあまりメニューに差はなかったので笑顔の可愛いおばちゃんの店を選んで座る。

01.可愛いおばちゃんその1
02.可愛いおばちゃんその2
03.可愛いおばちゃんその3

とりあえずキムパッと、マッコリと、トッポギと、スンデという一度食べてみたかった豚の血ともち米を詰めたソーセージ状のものなどなどをオーダー。

目の端にウゴウゴと蠢めく生きたタコが山積みになっているが見えるけど、

とりあえず無視する。
ものすごくタコと目があう(?)けど無視する。

が、こちらが日本人とわかるとお店のオモニにものすごいタコ営業をかけられた。凄い早口だったので内容は分からないけれど多分「日本人ならタコでしょ。好きでしょ。食べるでしょ!今でしょ!」的な営業トークだったと推察される。

最終的に押しに負けて頼んだけど、ええ、美味しかったです。何せ咀嚼してもまだうごめいているほど新鮮だったし…(ウゴウゴタコさんはソウル編ムービーでもチラッと出てきます)。お醤油も出してくれたけど、現地の人はコチュジャンにつけて食べるそうで、確かに蠢めくタコにはコチュジャンのパンチがあったほうがよかった。

スンデも、見た目はちょっぴりグロテスクだけど(ちなみに豚の血が入っていないのもある。切る前の見た目ははほぼナマコ)味はかなり美味。
さっぱりとした甘みがあって、食感も良くて。これあまり日本の韓国料理屋さんで見かけないから(あるにはあるんですが、日本だと高価)また食べたいな。

01.トッポギももっちりしてて美味 
02.スンデ。黒っぽいのは豚の血入り。コクがあって美味しかった
03.切る前のスンデ。腸詰めかナマコに見える…
編集部撮影:中の銀色部分がボールにアルミホイルを巻いて逆さまにかぶせた底上げ部分。

あ、ここで見かけた「合理的かつ映え」的な風景を一つ。

屋台の食材はどれもてんこ盛りで美味しそう! とよく見たらボールの中に逆さまにしたボールを置いて嵩増ししていました(笑)。でも実際見栄え良く見えるし、無駄に本物の食材を盛るよりも合理的。うん。

しかし香辛料のせいだろうか、韓国では朝からお酒を嗜んでもそんなに酔っ払わない気がする。今回の同行者が一人残らず酒好きだったのと、周りの若い韓国人も朝から飲んでたりするので堂々と朝酒、昼酒、夜酒を嗜んできたヨ。

ちなみに今回の旅の食事はこんな感じ。

1日目
昼:市場でマッコリと、タコ刺し、キムパッ、スンデなど
夜:コプチャン(ホルモン炒め)+それをチャーハンにしたもの。ソジュ、ビール。2軒目チキン+ビール ※あとで説明あります

2日目
朝:テイムアウトキムパッ
昼:スジェビ(スイトン)、チヂミ
夜:コムタンスープ 2軒目たらの干物とビール

3日目
朝:公園で袋ラーメンとテイクアウトしたチキンと缶ビール
昼:なし
夜:海鮮鍋+マッコリ 夜食:居酒屋でポッサムとマッコリ

4日目 
朝:クァンジャンシジャンで日本では禁忌となってしまった例のアレ(生肉ユッケ)、チヂミ+マッコリ
昼:サムギョプサルとビール

01.日本人には禁忌となってしまったナマ肉ユッケ。久々に食べたらやっぱり美味しい(泣)
02.すいとんスープ。野菜たっぷり!
03.チヂミも現地で食べるとより美味しい!
04.韓国の食堂では大抵パンチャンと呼ばれるおまけの無料おかずがついてくる。大好きなキムチは遠慮なくお代わりしてきました
05.寒い日の夜に飲んだコムタンスープ。今回の食事で一番優しいお味でした。
06.日本でもおなじみ、サムギョプサル

1日目の夜からおかしいだろ!という声が聞こえてきそうですが、韓国では夜食食べるのが結構当たり前なんだとか。夕飯を食べて、小腹が減ったらチキン! みたいなのが今のブームなんだそう。ちなみにソウルでは、フライドチキンも焼いたチキンも全部総称してチキンと呼ぶとか。

編集部撮影:チメッセットに、さらにポテトフライをつけるのも割と普通。ちなみに鳥は1人1羽がデフォルトだとか。

チキン+ビール(メクチュ)のセットは略して“チメッ”。このチメッがソウルっこの夜食人気NO1。

そして案外ペロリといけちゃうんですね、これがまた。

映えよ! ソウルグルメ

屋台のホットドック。食べたかったけど確実にこれを食べたらこのあと何も入らなくなると諦めました

しかし「映え」フードもすごかった。

ホルンみたいなコーンにぎっちり詰まったアイスクリームとか、1個で1日分のカロリーはありそうなチーズホットドック(これは新大久保のコリアンタウンでも人気沸騰中なので興味のある方は是非)とか

写真に撮り損ねたので、URBAN TUBEで韓国おもしろ事情「ホラノアナ」を連載している(今回のコーディネートも担当してくれた)ホラちゃんにイラスト化してもらいました。

2018年11月段階では(ほら、すぐ流行変わるから)レインボー系が主権を撮ってました。肉ドレス怖い。

そして何も「映え」は可愛いものだけに適応されるものではない。

海鮮てんこ盛りでものすごい美味しいスープでした。スープは澄んでいるけど青唐辛子がたっぷりで油断するとかなり辛め。

例えば今回食べた海鮮鍋はアワビ一人1個どーん、鳥1羽丸ごとどーん、生きたタコさんウゴウゴーのある意味「インスタ映え(特に動画)」の鍋だったし、ご存知のようにどこのお店でも大抵何かを頼むと大量の副菜がずらりと並ぶ。

01.タコはナマの状態で鎮座していました
02.ハサミでアワビを器用に切ってくれます 
03.すごい手際よくいろんな具材を切ってくれた店員さん

スイーツが嫌いな女子にも絶好のインスタ映え店もたくさんあったのでご安心を。

ソウル民、飲んべえ多め

韓国のお酒事情。
基本お店で出てくるのは、ソジュ(焼酎)、マッコリ、ビールが中心。
韓国のビールは薄めで飲みやすいので本当に水のように飲めちゃいます。
最近は法律が変わって地ビールが作られるようになったので、おしゃれな地ビールバーも増えてきたとか。

それとソジュ(焼酎)とメクチュ(ビール)を混ぜた“ソメッ”もよく飲むそう。

焼酎など度数の高いアルコールを飲むとハッチャケてしまうのはどこも同じなようで、チキン屋さんでは三人組のアジョッシ(おじさん)が「お前なんてダメ!」「バーカ」「お前こそバーカ!」「あ、お酒飲む?」「ありがと♡※おじさんです」…「お前なんて(以下、1時間同じ会話ループ)」と喧嘩をしながらソジュを勧めあう、おっさんんずツンデレを見たりもしました。

あと今回取材した人も「みんなと集まる時ソジュ飲むとすぐ盛り上がって好きなんだけど、飲みすぎると喧嘩になることもある(笑)」と言っていました。

こんなに焼酎が好きなら、日本のサワー類も絶対に口に合うんじゃないか。今回の案内人セジョンちゃんとも「レモンサワーを持ち込んだらめっちゃ流行りそう」と話が盛り上がったので、日本の焼酎業界の人どうでしょう。

ちなみにマッコリはコンビニだとボトルで100円ちょっと。
お店で飲んでもそこまで高くないし、ご存知のようにヤクルト並みに飲みやすい発酵アルコール飲料なので飲みすぎは注意ですぞ。
夜にご飯を食べたところではマッコリが売り切れだったけれど「でもマッコリ飲みたい」というと買いに行ってくれました。優しい。

と、そのくらい飲みやすいお酒ですね。さすがに全員酔っ払ってソウルの町並みをテンション高く走り抜けましたが、次の日の朝からビール飲めるほどには復活していました。韓国すごい。

最後に、グルメとは何の関係もないけれど…。
個人的に「飲食店でのゴミ捨て」って何となくお国柄が出る気がして、海外を旅するとチェックしてしまします。

例えば日本:ほどほどに中身を入れ(決してパンパンではない)、漏れないようきっちり縛る。
中国:ちゃんと口が縛ってなかったり、そもそもゴミ袋にゴミが入っていないこともあるほど適当(すみません、私が留学していたところの情報ですが)

そして韓国は…

「袋の上ギリギリまでパンパンに詰め込んで、でもガムテなどを駆使してきっちり縛る」
でした。閉店後の飲食店街を歩いたのですが、どこのゴミ置場にも袋の容量パンパンに詰め込まれた袋が置いてありました。ちょっと芸術的なくらいのパンパンさだったのでぜひ興味のある方はチェックしてみてください。

というわけで、ソウルのご飯は食べるのはもちろん、観察するのも楽しかったです。

追記:これだけ食べて飲んだのに、家に帰ったら2キロ減!!!
もうこれだけで大好きです韓国。

ムンチンじゃない韓国情報が知りたかったらこちらをチェック!

■海鮮鍋
삼원 해천탕(サムウォンへジョンタン)

서울특별시 성동구 옥수동 220-1

TEL : 02-2297-4075

■スジェビ(スイトン)
삼청동 수제비(サムチョンドンスジェビ)

서울특별시 종로구 삼청동 102

TEL : 02-735-2965

PROFILE

松尾 彩Columnist

フリーランスのエディターとしてファッションからアウトドアまで幅広い雑誌・ムック・カタログなどで活動。現在はコラムニストとして主に旅紀行を執筆。小学館kufuraにて旅エッセイ「ドアを開けたら、旅が始まる」連載中

熊谷 直子Photographer

幼少期より写真を撮り始める。20歳で渡仏し、パリにて本格的に写真・芸術を学ぶ。2003年よりフリーランスフォトグラファーとして雑誌・広告などでポートレートや風景など多ジャンルにおいて活動し、個展での作品発表も精力的に行う。主な著書/二階堂ふみ写真集「月刊二階堂ふみ」、杉咲花1st写真集「ユートピア」、熊谷直子作品集「赤い河」

김세정 / キム セジョンEDITOR・COORDINATION

丁寧な暮らしが合言葉のカンナムOL。

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