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FASHION SEP 24,2020

ストリートとは情報の発信源
Kick a ShowがURBAN RESEARCH iDの魅力に迫る


“東京ストリート”をスローガンに掲げるセレクトショップ・URBAN RESEARCH iDは、世界中から集まったさまざまな価値観やカルチャーがときにシームレスに混ざり合い、ときに相対するように混在する唯一無二の街・東京の多面性を、ファッションという視点から描き出してきた。そして現在は、渋谷、新宿、原宿に店を構え、その場所を訪れる若者を中心とした人々の声とともに、セレクトブランドだけでなくオリジナルブランドの展開にも力を入れ、その概念をアップデートしている。

アティチュードで繋がるファッションと音楽

そんなURBAN RESEARCH iDの動きに興味津々だという一人のアーティストがいる。その名はKick a Show。都内のクラブやライブハウスを拠点に活動し着実に力を蓄えてきた、音楽シーンにおいて今もっともアップカミングな存在だ。今回は、彼が同店のスタッフ・佐藤祐哉と二人で、ラフォーレ原宿店をステージにその魅力を掘り下げた様子をレポートする。

Kick a Showと言えば、代表曲「Cleopatra etc. (Feat. ZEN-LA-ROCK & G.RINA)」やファンキーな最新シングル「Last Dance Romance」に象徴される、キャッチーな語感や足取りの軽いビートが持ち味だ。そのことについて彼は、「大前提として、“踊れる曲”を作りたいんです。クラブやライブハウスで聴けば思わず体が動くような、家や街でイヤホンを通して聴いても心がわくわくするような、そういうサウンド感はすごく意識しています」と話す。

しかし、ただ単にポップでダンサブルなだけではなく、そのサウンドや歌に秘めた内なるエッジもまた、Kick a Showらしさを形成する重要な要素。「そう感じていただけるのはすごく嬉しいです。僕は90年代のR&Bやダンスミュージック、どこか懐かしい匂いのする日本語のポップスなどが好きで、そんな自分の感覚に素直でいたいから、流行に対して逆張りのマインドで曲を作るケースもあるんです」と彼は言う。その姿勢は、シンプルでスタンダードなウェアの在り方を更新してきたURBAN RESEARCHのレガシーとユースカルチャーの先端をオリジナルな感覚で融合した、URBAN RESEARCH iDの個性ともどこか重なってくる。

Kick a Show × URBAN RESEARCH iD この秋おすすめのコーディネートを提案

「ベーシックとトレンド、そして特定のカルチャーが持つオルタナティブな魅力をどう混ぜ合わせるか。今のURBAN RESEARCH iDはそのバランス感覚がどんどんブラッシュアップされていて、僕もスタッフとしてというより、いち洋服好きとしてすごく楽しんでいます」と話す佐藤。「そんななかで今期の展開には“グランジ”の空気感じるんです。とは言っても、90年代のロックシーンに巻き起こったムーブメントそのままの感じではなく、そこから解釈を広げたミックススタイルですね。そのうえでまずKick a Showさんに見てもらいたいのは、この2点です」と、オリジナルのオンブレチェックシャツとストライプのシャツをディスプレイから取り出した。

佐藤は「オンブレチェックシャツはグランジともリンクするアイテム。ストライプシャツはグランジとは離れますけど、こういう爽やかなものも似合うかなって」と話を続け、Kick a Showは「このチェックのシャツ、確かにベーシックなものですけど、サイズ感がゆったりしていてすごく着やすい。ストライプのほうも、パーツによって線の入り方が違うんですね。僕はシンプルながらも、こういうデティールにこだわりを感じる服や、ちょっとスパイスを効かせたデザインが好きなんですよ」と返す。以前にURBAN RESEARCH iDも関わるオンライン配信イベント「STAYROOM」で、出演者とスタイリストとして仕事をしたことがある二人の息はぴったりだ。

「Kick a ShowさんはR&Bやポップス畑の人ですけど、あえてロック的な視点を加えてみるのもおもしろいと思うんです」と佐藤が言うと、「なるほど。実は僕、自分の音楽性をビジュアルでも体現しようという意識がなくて。無理に切り離しているわけではないんですけど、結果として“服は服”、“音楽は音楽”という感覚なんです。だからそういうチョイス自体がすごく新鮮。ワクワクしますね」と楽しそうなKick a Show。ファッション談義に花を咲かせながら、最終的に二人は4点のアイテムを撮影用に選んだ。

着用クレジット
Shits : THE ELEPHANT ¥25,300 (tax in)
Tee : SOUND SHOP BALANSA ¥7,700 (tax in)
Pants: THE ELEPHANT ¥25,300 (tax in)
Shoes: Stepney Workers Club ¥14,850 (tax in)

「シャツはTHE ELEPHANTとAVALONE、二つのドメスティックブランドのダブルネームです。デニムパンツもTHE ELEPHANTのもの。この2点はグランジのイメージですね。そこにウチでもすごく人気のあるSOUND SHOP balansaのTシャツで、韓国のストリート色をミックスしました。足元はロンドンのブランド・Stepney Workers Clubのスニーカー。ストリート感だけでなくヨーロピアンなスタイリッシュさもあるんで、コテコテになりすぎないようにするにはちょうどいいんです。全体的には少しチャレンジングな組み合わせかもしれないですけど、Kick a Showさんの人間力も手伝っていいコーディネートが提案できたんじゃないかと思います」と、佐藤はアイテムの特徴とコーディネートのポイントについて語る。

それに対してKick a Showは「このシャツとパンツ、ありものの古着を切り貼りしているんですよね?カッコいい。ふだんはこんなに派手な色は着ないし、デニムを穿くこともほとんどないんですけど、すごくいい感じ。URBAN RESEARCH iDは“ストリート”というワードのもとで商品を展開されています。ぼくのなかでストリートは、もっとも強い“カルチャーの発信源”というイメージ。だから、こういう今までにやったことのないコーディネートで、僕のなかの新しい扉が開かないかなって、ちょっと期待していたんですよね」と満足気な表情を浮かべた。

それと出会うことで昨日までとは違った景色が見えるからこそ、人々はファッションに惹かれる。「やっぱり実際に来店してスタッフの方と話しながら服を選ぶのって、楽しいですね」と話しながら、Kick a Showはすっかり意気投合した佐藤とともに店を出た。繋がる音楽とファッション。二人はそのあとどんな話をしたのか。それはまたの機会に。

kick a show

日本海に浮かぶ佐渡島で産まれ、現在は東京都内を拠点とするシンガー。
相棒とも言うべきプロデューサー、Sam is Ohmとのタッグは抜群のケミストリーを生み出しており、最先端ながらもどこか懐かしさが香るメロディとトラック、USのR&B作品などにインスパイアされたというセンシュアルかつユーモア溢れるリリックが特徴的で、ストリートからインターネット上まで、コアなミュージック・ラヴァーズを唸らせてきた。
2020年にはROVIN(JABBA DA FOOTBALL CLUB)、Buddy、Sam is Ohmらとコレクティブ・ユニット<B-Loved>を結成。精力的に活動を行っている他、モデル活動など各方面でその才能を開花させている。

Instagram @ kickashow

STAFF/Sato Yuya (URBAN RESEARCH iD ルミネエスト新宿店)
Instagram @ sugaaaaarman

ライター/TAISHI IWAMI

SHOP INFO

URBAN RESEARCH iD ラフォーレ原宿店
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿 3F
TEL:03-6721-0300

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