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FASHION AUG 30,2021

URBAN RESEARCH最新ルックが公開! スタイリストに訊く、撮影の裏側と秋のトレンド話


URBAN RESEARCHの秋ルックがついにローンチ! 今回は、昨年の冬から連続してルック撮影に参加いただいているスタイリスト・井田 正明さんを迎え、URBAN RESEARCH ブランドPRの増永とともに秋ルックのスタイリングポイントや、この秋のトレンド予測、URBAN RESEARCHの魅力についてなどたっぷりと語っていただきました!

※撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえでインタビューを行っております。

井田 正明さん スタイリスト
川村都スタイリストスクールを卒業。五十嵐 孝智氏に師事したのち、2011年に独立。ファッション雑誌・広告・ブランドのカタログなどでスタイリングを手がけカジュアル、フォーマルを問わず幅広く活動している。
Instagram @ masaakiida

いつもと違う? URBAN RESEARCHの秋ルック

— 今回はレディースが「PLAYFULLNESS」、メンズが「NEO MODS」というテーマでした。このテーマを最初に聞いた時の感想を教えてください。

井田 レディースのテーマである「PLAYFULLNESS」には、ファッションを自由に楽しむという広い意味合いがあり、メンズは逆に「NEO MODS」という特定のカルチャーに注目したテーマですよね。僕は、メンズとレディースでテーマの雰囲気が大きく異なるところがまず面白いなと思いました。

「PLAYFULLNESS」というテーマには僕自身共感する部分もあって。僕も常にファッションを楽しみたいという気持ちがあるし、ここ一年でよりファッションの力を信じたいという気持ちが強くなってきていることを感じていたので、とてもいいテーマだなと思いました。一方、メンズの「NEO MODS」という特定のカルチャーに注目したテーマ設定は、今の時代にもすごく合っていると思うんです。セレクトショップ全体で見ても、コロナ前までは売れているブランドやアイテムがわかりやすくどのショップにも並んでいて、売れているところに右ならえみたいな雰囲気があったのが、コロナ以降は、自分たちが打ち出したい洋服をしっかり売っていこうという流れの変化を感じます。例えばSUGARHILLとかもそうですよね。独自の感性でワークカルチャーを再解釈したワークパンツとか特定的なアイテムが売れていたりするし。逆にNEATというパンツのブランドは古き良きスラックスに美学を感じていて、自分たちの解釈で表現したパンツを作っていますよね。角度は違えど両ブランドとも自分たちがかっこいいと思うことを貫くという点で共通しているなと感じます。

— 実際にラインナップをみた感想はいかがでしたか?

井田 レディースは実際に、アメリカンなカルチャーからブリティッシュなカルチャーもあって、ジャンルで言えばアメカジやプレッピー、トラッドといろんなテイストがミックスされていたのが楽しかったです。別注アイテムも豊富で、ChampionやWrangler、Leeといったアメリカブランドから、Traditional Weatherwearなどイギリスを代表するブランドのアイテムまで、各国それぞれのスタイルが満遍なく取り入れられています。またエコレザーのアイテムや、つけ襟、リボン付きのハットなどトレンド感のあるアイテムもしっかりと揃っていて文字通り「PLAYFULLNESS」なラインナップでしたね。

— メンズはいかがですか?

井田 メンズの「NEO MODS」というワードには、王道のモッズだけでなく、ニューウェーブなどさまざまなイギリスのカルチャーが入ってくるかと思うのですが、そのテーマをしっかりとラインナップに落とし込んでいるなと思いました。別注でGEORGE COXのラバーソールがあったのもそうですし、普段から作っているワイドスラックスにもタックが入っていたり、THOMAS MASONのシャツもカラーリングにパープルやグレー、黒といったシックな色合いを加えることで「NEO MODS」というテーマを表現されていることがとても伝わりました。

— 先ほど井田さんもおっしゃっていたように、メンズとレディースにそれぞれ全然違うテーマを持った洋服たちが一つの世界観の中で共存しているのが印象的ですが、コーディネートを組むにあたってそのあたりはどのように意識されたんですか?

井田 メンズに関しては、従来のURBAN RESEARCHのイメージにプラスして、今回のテーマである「NEO MODS」の要素を意識しました。レザーパンツやダブルのチェック柄のジャケット、Barbourの別注といったブリティッシュな要素を全ルックに落とし込みつつ、ちょっと新鮮に見えるような色合いだったり、アイテムを品よく見せるようなスタイリングに仕上げました。レディースは、いろいろとミックスして楽しみたいと思っていて、Barbourはデニム×デニムのアメリカンの中にブリティッシュとトレンド感が入っているというイメージで組みました。このチェックのベストを着せたルックもベージュのパンツとメガネの組み合わせで正統派なトラッド感が出ていますよね。ここに大きいバッグや大きな襟付きのシャツをアクセントに合わせることでより遊びが効いている。こういったトラッドやベーシックなものをいかに遊ぶかということを意識して組んでいきました。

— 本来のブランドの世界観をどのように活かしていくのかなども意識されているんですか?

井田 URBAN RESEARCHのお客さんってどういう人なんだろうとか、どういうブランドなんだろうということはすごく考えています。今回に限らず、ラインナップを見て、どういう人に向けてなのかとか、細かくヒアリングしてから進めていくようにしていますね。

増永 確かに、コーディネートを組むうえで、事前にたくさんヒアリングしていただいて、ブランドに寄り添って考えてくださる姿が印象的でした。

— ブランドへの理解度の高さも井田さんのスタイリングの魅力ですね。では、今回のルックで一番気に入っているコーディネートをメンズ、ウィメンズそれぞれ教えていただけますか?

井田 特にレディースは、全然違う6スタイルを作ったこともあり難しいですね。強いて言うなら赤いパンツのスタイルかな。このルックが今回のテーマを一番表していて、中のラガーシャツはアメリカンプレッピーだし、ジャケットはトラッドでブリティッシュ。そんなメンズっぽいアイテムにつけ襟と赤いパンツといった女性らしいアイテムをミックスすることで今回のテーマやトレンドを意識しました。メンズは、チェックのジャケットとレザーパンツを合わせたルックですかね。今季レザーパンツが個人的に気になるアイテムだったんです。

普遍的なベーシックとトレンド感のバランスがURBAN RESEARCHらしさ

— 井田さんから見た、URBAN RESEARCHらしさってどんなところですか?

井田 僕の中で、URBAN RESEARCHって根底にはベーシックをすごく意識しているブランドなんだなと感じています。ただ新しいとかトレンドのものを出すというよりも、ベースにはやっぱりデニムが好きとか、MILLERのタンクトップやスウェットが好きとか、普遍的なベーシックを基準に絶対的な自分たちの好きなものがある印象です。その中で、自分たちのムードや時代のトレンドを踏まえた上でアップデートしているところが深く共感を持てますね。

— 井田さんが個人的に注目している秋冬のトレンドを教えてください。

井田 メンズに関してはフレアパンツやパールネックレスなどフェミニンなアイテムですかね。男性がメッシュやシースルーを着るとか、スカーフを巻くといったノンバイナリーな着こなしが目につくのかな。そういう流れがトレンドの一つとして大きくあるなとは感じています。イヤーカフやミニバッグとかもそうですよね。

増永 僕もフレアパンツはついつい穿きがちかもしれないです。トレンドに多様性が色濃く加味されてますよね。レディースの商品にも前より目がいくようになったのも確かです。

— トレンドやその時その時の空気感などは、どういうところから日々キャッチアップされているのですか?

井田 自分の周りにいる人たちを日々観察しているというのと、「この子おしゃれだな」と思う若い人を見て感じることが多いです。自分が行くお店に来ているお客さんとか。コレクションももちろん見るけど、周りにいる若い人とかおしゃれだなと思う人の気持ちの変化とかは大切に見るようにしています。あとは、世の中を見た時にこういうふうに変わっているなというのを大前提にいつも洋服を考えています。

自分が洋服に力をもらった分、ファッションを通して返していきたい

— 井田さんらしいスタイリングってどういうものだと思いますか?

井田 僕のスタイリングは根底にベーシックがあった上でのミックスカルチャー、品を意識しつつも天邪鬼。トレンドを理解した上でズレを意識しているからそれが新鮮に感じるんじゃないかとよく言われます。僕のスタイリングって一見、クリーンな印象を持っていただくことが多いみたいなんですが、よく見ると誰もが真似しやすいスタイリングではないと思っていて。オールブラックなどのワントーンで合わせる方が分かりやすいけど、僕自身は色を使いたいし、個人的な崩しを入れていきたい。だから、ベーシックとずらしのミックス感、今の気分みたいなものが混ざりあっているのが自分らしいということなのかもしれません。

また独立した時からのテーマなんですけど、「モードを大衆化させる」、「カジュアルなものがエレガントに見える」などアイディアや考えによってファッションをもっと自由に、枠にとらわれず楽しめるスタイリングを心がけています。

— ずらしの感覚って具体的にどういうことですか?

井田 世の中の流行りから少しずらして考えるというか…。例えば、バンドカラーを誰も着ていなかった時に古着屋さんでバンドカラーを見つけて着はじめたら、そのちょっと後にバンドカラーが流行るということがあったり。他にも、エディ・スリマン全盛期でみんなが細身のボトムを穿いていた時に、ワイドを穿くようにしてみたり。根本的にズレているわけではなくて、ファッションの仕組みとかを理解した上で先を見据える感じで。一歩先の未来を創造していく感覚です。

— インタビュー冒頭でおっしゃっていた、「この一年くらいでファッションの力を信じたい想いが強くなった」というのは、やはりコロナとかも関係ありますか?

井田 コロナの影響は確かに大きいです。より必要なものと必要じゃないものがはっきりしましたよね。そうなった時に洋服ってそんなに必要なの?って見直されるところでもあるわけで。その考えもよく分かります。でも僕は、新しいクリエーションに触れる事で生活や心が豊かになると改めて思ったんですよね。外出がしづらくなった中でも、自分の毎日の装いを決めるということは、楽しみの一つであり大切なことなんだなと気付かされました。

— 改めて服が持つ可能性を考えるようになったということでしょうか?

井田 そうですね。制限のある生活の中で改めて洋服って楽しいなと強く思えるようになりましたし、少し大袈裟かもしれませんが自分が洋服から力をもらった分、洋服を通してファッション業界を皮切りに社会を盛り上げていきたいと思っています。

edit & text/Mikiko Ichitani

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