外部サイトへ移動します
FASHION DEC 17,2019

ROSSO WOMAN 2019AW VOL.7


村上 萌
NEXTWEEKEND代表

覚悟と決断力を持って、先陣を切る。
そんなリーダーが理想ではないか…
多くの女性たちのリーダー的存在である村上 萌さんが、ROSSOの存在感あるコートを纏い、これまでの“決断”を振り返ります。

今日でも3年後でもない、“次の週末”

萌さんは、“季節の楽しみと小さな工夫で、理想の生活を叶える女性を増やす”をコンセプトに「NEXTWEEKEND」というメディアブランドを運営している。このブランドを軸に雑誌、ウェブ、イベントなど、多岐にわたった提案をし、多くの女性たちの心を掴んでいる。しかし最初からこのコンセプトが明確にあったわけではない。「目の前の方に、これだったら役に立つのでは、っていうことを毎回形を変えて提案していました。そうしたらある方に、『ライフスタイルプロデューサーの村上萌さんです』って紹介されたんです。なにこの肩書き!と、オシャレだと思ってしばらく使っていました(笑)。ライフスタイルという言葉が世に出てきた頃だったし、“何か”になりたかった私にとっては、肩書きが嬉しかったんです。」そこから少しずつ変化が現れた。「関わらせてもらった企画の落とし所がだんだんと分かってきたんです。商品やサービスを、今日でもなく3年後でもなく、みんなが次の週末に行きたい、使いたい、食べたいと思えるにはどうしたら良いかという考え方をしていたんですよね。」こうして、自らの考え方に軸が生まれた。

スタッフの大きな決断による、覚悟

決断と同時に、感じ始めたことがあった。「私が現場に行かないと成り立たない仕事ばかりで、一人では限界を感じていました。それから、自分の考え方をブランドにしようと思ったんです。
これこそが、「NEXTWEEKEND」というわけだ。「曲がりなりにも手伝ってくれていた大学生のアシスタントが将来、危うい市場の、説明しないと分からないような“ライフスタイルプロデューサー”にはなれないと思うと、無責任なことをしていると思いました。でもそんなときに、ブランドを作ったことにより、それぞれに“編集”や“営業”というポジションができていき、チームになっていくのを実感しました。」

彼女はこのときから、スタッフの人生を気にしていた。しかしインターンのうちの1人の大学生の子が就職活動の時期を迎え、自分の元を去ることを知った。「そりゃそうだよなって。私の働き方には、一緒に働く人の未来がないと思いました。彼女が就職活動を始めると聞いたとき、勢いだけで『うちに来ない?』って誘ってみたけど、もちろんこんな不安定な会社には就職できないですよね。でもそのあと、すでに第一候補の会社に受かっているタイミングだったにもかかわらず、彼女から言ってくれたんです。『私が入る余地はまだありますか?』って。内定をもらった会社を辞退して私の会社に来てくれました。」スタッフの大きな決断を受け、彼女は覚悟を決めた。「当時インターンだった4人を全員社員にし、保険も入って、そして彼女が決まっていた会社の初任給よりも1万円だけ高いお給料にしました。」そう、くすっと笑いながら話してくれた。

自分たちの手で作りあげた、創刊号への想い

彼女には、ずっと大切な一冊の雑誌がある。「元々は私ひとりの提案だったのが、プロデュースチームができ、それを続けていたら実績を紹介するホームページができ、だんだんとメディアになっていきました。それをガムシャラにやっていたときに、この世界観で雑誌を作りたいというお話をいただきました。私たちは撮影もしたことがなかったので、私物を使ってそれを自分たちで撮影場所の山の中まで運んでいました。表紙撮影のスタイリングのひとつに、すごく小さく写っていたスープがあるのですが、それにトリュフオイルをかけたり、本当に美味しくなるまで煮込んだり…。今は、レシピ以外のスタイリングであれば“風”に見せて終わらせてしまうことも覚えましたが、すべて自分たちの手で作って撮影したのが、この創刊号です。これができてからは、新しく参加してくれるスタッフにも世界観を理解してもらいやすく、とてもスムーズになった気がします。発売日に書店に行ったら雑誌が並んでいて、嬉しかったですね。パジャマを着て心の中で考えていたようなことが、世に流通したことが衝撃的でした。」“パジャマを着て”なんていう誰もが身近に思う言葉選びが、いかにも彼女らしい。この創刊号で得た自信が、今でも彼女と、そしてスタッフの方々の活力になっている。

今回萌さんが選んだのは、ROSSOのノーカラーコート。一見シンプルに見えるが、バックには太めのプリーツが入った存在感のあるコートだ。「すっきり見えるけど、後ろ姿がひらっとなるデザインが好き。Vネックの開き具合もちょうど良いんです。そしてやっぱりこの絶妙な色ですよね。
と、前回同様に迷うことなくニュアンスカラーを纏った。コーディネートのテーマを聞くと、“ちょっと大事な日”と答えてくれた。「大事な日なんてそうそうないですからね。プレゼンのときや、人前で話すときのコーディネートかな。自己肯定感を上げていかないといけない。怯んでしまうと急に自信がなくなってしまうので、そういうときのファッションは特に大事にしています。」ノーカラーが故のシャープな表情を、ゆるく落ちたショルダーと可愛らしい二つボタンが和らげてくれる。彼女の表情も自然と温かくなる。プリーツの裾からチェックのロングスカートの裾をたっぷりと覗かせ、颯爽に歩く後ろ姿が印象的だ。ちょっと大事な日を、楽しく、自信を持って過ごしている彼女が容易に想像できる。
小さな工夫で人生はぐっと楽しくなる。それを提案するために、萌さんはこれまでいくつもの大きな決断をしてきた。しかしNEXTWEEKEND創刊号でスタッフたちと得た自信により、きっと道に迷うことはない。そんな彼女の背中を見て、スタッフも、その家族も、ファンも、ファンの家族も…理想の生活を叶え続けることだろう。


PICK UP ITEM

バックプリーツVネックコート

一見ストレートな落ち感のシンプルなノーカラーコートは、バックにデザインされた広めのプリーツによるやさしいフォルムで、リラックスできる着心地です。そのシルエットをすっきりと引き締めてくれるのは、プリーツ部分にあしらわれた飾りベルト。ウールを90%混紡した、軽くて暖かい上質な素材感も魅力です。

Coat ¥39,600 (tax incl.)

page top