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FASHION NOV 26,2022

3ブランドのバイヤーがクロストーク
今季の別注バブアー、どこがいいの? 徹底“買い”説(ウィメンズ編)

“英国”がトレンドとして脚光を浴びる今季、メンズと同様、ウィメンズの3ブランドからも別注バブアーがリリース。同社は1894年に創業し、かの英国王室からも愛される名門中の名門。英国の古きよき雰囲気が漂うアウター類は、トレンドに左右されず、長らく定番として親しまれています。そんな名作を3ブランドのバイヤー陣はどうアレンジしたのか・・・。ここでは「アーバンリサーチ」、「アーバンリサーチ ドアーズ」、「アーバンリサーチ バイヤーズセレクト」、それぞれの別注バブアーを、企画したバイヤー自らがプレゼン。お互いのバブアーをプロ目線で品定めしてもらいました。


アーバンリサーチ
ウィメンズ バイヤー 川畑幸美

2011年に入社し、2019年からバイヤーに。トレンドに寄り添うバイイング術に定評あり。自らは断然パンツ派と豪語するが、英国テイストが気になる今季は、ウール地のチェックスカートでスカートデビューを目論む。ナチュールワインを嗜むのが至福のひと時。

アーバンリサーチ ドアーズ
ウィメンズ バイヤー 林 睦月

2014年に入社し、2017年からバイヤーに。ナチュラル&ベーシックなアイテムを軸に、小物などでトレンドのエッセンスを加えるスタイリングが好み。生活様式が一新された昨今はラジオにハマり中。

アーバンリサーチ バイヤーズセレクト
ウィメンズ バイヤー 森口 愛

関西のセレクトショップでスタッフとして経験を積んだ後、2019年にバイヤーとして入社。自分が着たい物を自分で企画し、別注品にも妥協なく自らの感性を注入。バブアーのように、オーセンティックなアイテムをいちからアレンジするのが好み。大のアイドル好きの一面も。

URBAN RESEARCH

— まずはアーバンリサーチの別注バブアーについてお聞きしたいんですが、川畑さん、別注ポイントを伺ってもいいでしょうか?

アーバンリサーチ 川畑(以下、川畑) ミドル丈のゲームフェアというモデルを、オーバーサイズにアレンジしてます。実はメンズとも共通の別注で、レディースではバブアーサイズの34を、ワンサイズで展開しています。

アーバンリサーチ バイヤーズセレクト 森口(以下、森口) でもオーバーサイズっていっても、そんなにダボッとしてなくて、シルエットはすごくきれいですよね。

川畑 ダボダボじゃなくて“ゆったり”くらいの方が着回しやすいと思って、サイズ感には特に気を配りました。アームも比較的細めなので、体自体は大きく見えないはずです。

アーバンリサーチ ドアーズ 林(以下、林) それは結構嬉しいポイントですよね。オーバーサイズのものって着心地はラクだけど、体型までルーズに見えちゃう心配があるから、メリハリが利いていると安心です。あとはこの色も凄くいい色ですよね。バブアーではあまり見たことがない色かも。

川畑 今季はこのストーンとセージとブラックの3色で展開してるんですけど、個人的にはやっぱりこのストーンが一番気に入っていますね。上品でクセがないから、いろんなカラーのアイテムとコーディネートしてもケンカしなくて、多彩な着こなしが楽しめると思います。あとは袖を折り返してチェックを覗かせられるのもポイントです。

森口 これかわいいですよね。タータンチェックとストーンの色も凄いマッチしてるし。

 襟のストラップを留めたり、袖を折ったり、その日の気分や服装に合わせていろいろアレンジできるのは楽しいかもしれませんね。

川畑 せっかくなら一着でいろいろ工夫して着回してもらいたいなと思って。あと個人的にはこの丈感も気に入っています。去年くらいからロングブーツがトレンドとして盛り上がっていて、今年もまたいいなと思っていたので、ブーツが映える丈感にこだわりました。ニットを着て、オニールオブダブリンのチェックスカートを合わせて、ロングブーツを履いて、その上からこのコート丈のバブアーを羽織るというのが、理想のイメージです。

森口 コートとスカートとブーツのバランス感がすごくいい。クラシックなアイテム同士を組み合わせているのに、今っぽく見えますよね。

川畑 バブアーって鮮度を出すのが結構難しいと思っていたので、着こなしで鮮度を入れるのが理想かなって。マキシ丈のスカートはもうお腹いっぱいだし、膝下くらいの設定にしてロングブーツを合わせれば、脚も綺麗に見えるし、トレンドの要素も取り入れられて、今っぽくみせられると思います。

 たしかに着こなすのが難しくないから、バブアーを着たことがない方もこの別注コートならトライしやすいかもしれませんね。

Jacket: Barbour×URBAN RESEARCH OS GAMEFAIR ¥57,200 (税込)
Skirt: O’NEIL OF DUBLIN×UR MAXI KILT SKIRT ¥33,000 (税込)
Shoes: REMME×URBAN RESEARCH ラムレザーロングブーツ ¥31,900 (税込)

URBAN RESEARCH DOORS

— 続いてアーバンリサーチ ドアーズ(以下、ドアーズ)の別注バブアーについて、林さんにこだわりをお聞きしてもいいでしょうか?

 スペイというフィッシング用の短丈ジャケットがあるんですけど、展示会でそれを見たときに、D環などの独特なギミックがすごく可愛くて、これを別注したいなって。ただかなり短丈でクセが強いモデルだったので、思い切ってロングに伸ばしてコートにアレンジしちゃおうって思ったんです。

川畑 短丈のジャケットをコートにするって、またすごい思い切ったアレンジですよね。でも最初からこういうモデルだったみたいに、全然違和感がない。

森口 それと林さんの言う通り、この胸元のD環とかちょっとしたアクセみたいに見えて可愛いですよね。こういう装飾って結構利いてくるはず。

 金具は真鍮とかにしてしまうと、少しメンズっぽくなってしまうので、ゴールドカラーにしてもらってます。あとはアーバンリサーチと同じように、ドアーズでも袖を折ってチェックの裏地を見せられるようにしているんですけど、折り返したときもゴールドのボタンがアクセントになってくれてます。

川畑 ネイビーとゴールドの組み合わせがかわいいですね。折らないで着たときと折って着たときで、全然違う雰囲気になりそう。

 その日のスタイリングに合わせて、いろいろな着こなしを楽しんでもらえるように気をつけました。あとはちょっとオーバーサイズめのシルエットにもこだわってます。身幅もゆったりめだし、お尻周りを隠せるように、長めの丈感に設定しています。

森口 後ろから見たときのバランス感もすごくいい。たしかにゆとりがあって、体型も気にせず着られそうだし、ゆったりしてる分ドレープも綺麗。

 全身をトータルで見たときのバランスは意識しましたね。私もオニールオブダブリンのスカートとかと合わせるのが大好きで、ルックでも提案してるんですけど、結構丈が長めなので、パンツとも合うなって。今日みたいにレタードのスウェットを着て、同系色のコーデュロイパンツを合わせて、ボリューム感のある靴を履いて、みたいにカジュアルに振っても全然いい。でも例えば白いクラシックなタートルニットに薄めのデニムジャケットを重ねて、スカートを穿いて足元はヒールみたいな感じで着こなすと、キレイめにもまとめられる。合わせるアイテム次第で全然違う雰囲気に見せられると思うので、お客様にも自分好みのコーディネートを発見していただきたいですね。

Jacket: Barbour×DOORS SPEY LONG JACKET ¥48,400 (税込)
Sweat Shirt: L.L.Bean クラシッククルースウェットシャツ ¥8,690 (税込)
Pants: Lee×DOORS コーデュロイストレートパンツ ¥12,650 (税込)
Shoes: VINILO サイドゴアブーツ ¥19,800 (税込)

URBAN RESEARCH BUYERS SELECT

— では最後は森口さん、アーバンリサーチ バイヤーズセレクトが別注したバブアーの特徴を伺ってもいいでしょうか?

森口 オーバーサイズ ビデイルというモデルがベースなんですけど、思いっきりシルエットを変えながらスタイリングを楽しんでもらえるように、胸ポケットをなくす代わりに、ウエストにシャーリングを加えてもらっています。

川畑 えっ、そんなことできるんですね。知りませんでした。いい意味でバブアーっぽくなくて新鮮。

森口 私みたいに背が低いと、今っぽいザックリしたものを着たいんですけど、大きすぎると着られてる感じがするし、ウエストとか、要所を絞れるようになれば、ザックリだけど着られてる感はなくせるかなって。

 ユルいところと締まっているところのメリハリがきいていて、すごく面白い。ウエストを絞らなければまた全然違う印象になりそうだし、これもいろいろな着こなしが楽しめそうですね。

森口 そうですね。絞ればウエストにポイントがきて、脚が長く見せられるし、絞らずユルいまま着ても今っぽくていい。あと袖を絞れるようにしてるところも、個人的にはかなりこだわった別注ポイントです。

川畑 手首の辺りでクシュッと絞られてる分、袖口が広がって見えて、すごく面白いですね。赤地のチェックも可愛い。ちょっと見えるだけで全然雰囲気が違う。

森口 裾口の広がり具合にはすごくこだわってて、何度も何度もストラップのボタンの位置を調整してもらいました。ちょっとだけしか見えないからこそ、裏地も存在感のあるチェック地にアレンジしています。

 ウエストと袖口を両方絞ると、また全然印象が変わって見える。バブアーってどうしてもクラシックな雰囲気になりがちですけど、これならもっと気軽にブルゾン感覚で羽織れそう。

森口 そう言ってもらえると嬉しいです。バブアーはすごく歴史のあるブランドですけど、おっしゃる通り肩肘張らずに、気軽に着てもらいたいなって思って、いろいろ考えました。おすすめはキャラクターの全然違うアイテムとのミックス。今日の私みたいに、テロンとしたワンピースにワイドなデニムを合わせて、思いっきりカジュアルにまとめても面白いと思います。ただスカートやブーツを合わせつつ、裾をギュッと絞って、襟も立てて、女性っぽく着こなしてもいい。スウェットにワイドパンツにヴァンズを穿いて、ウエストを絞らずメンズっぽくコーディネートしてもいい。トレンドは毎年変わってしまっても、着こなし次第で古く見えないと思うので、末長く愛用できると思います。

Jacket: Barbour×URBS OS Bedale Shirring ¥53,900 (税込)
One-piece: christian wijnants DALLA ¥150,700 (税込)
Shoes: FUMIE=TANAKA ¥74,800 (税込)
Beanie: YOUNG&OLSEN CASHMERE SIMPLE BEANY ¥13,200 (税込)

左/Barbour×URBAN RESEARCH OS GAMEFAIR ¥57,200 (税込)
中/Barbour×DOORS SPEY LONG JACKET ¥48,400 (税込)
右/Barbour×URBS OS Bedale Shirring ¥53,900 (税込)

取材・文/黒澤正人

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