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CULTURE TRIP JAN 27,2021

60mins Local Trip from TINY GARDEN
蓼科の冬 ガイドブックにない3日間 Vol.2


アーバンリサーチの運営するTINY GARDEN 蓼科のスタッフが編集部を発足!施設を飛び出し、「移動時間60分以内」をテーマに、冬におすすめの滞在時間をプロデュース。

計3日間の連載で酒蔵まち歩き、冬山トレッキング、スキー、温泉など、おすすめのスポットやコースを紹介していきます!

> Vol.1 発酵する“上諏訪” まち歩き
> Vol.3 滑って、触れて、眺めて|親子で過ごすスノーバケーション

Vol.2 八ヶ岳の白い森、山小屋のビーフシチュー

第二弾は八ヶ岳での冬山登山のススメです。

八ヶ岳は長野県から山梨県にかけて南北約25km、東西約15kmに及ぶ日本を代表する山脈。
雄大な北八ヶ岳は初心者向け、荒々しい南八ヶ岳は中〜上級者向けと幅広い登山者に親しまれています。
通年営業している山小屋が多いことが魅力の一つ。
そのため、比較的安心して登れ、冬でも多くの登山者が訪れます。

今回はTINY GARDEN 蓼科から車で約30分、唐沢鉱泉登山口から天狗岳にアプローチ。
TINY GARDENスタッフの深澤と山田の登山女子二人で行ってきます。

※ 取材日(2020年12月22日)の情報です。登山を計画する際は、最新の情報をお確かめください。

出発前にここで少し自己紹介をさせてください。

深澤(写真左)
蓼科山に憧れて茅野市に住むことを決意し、昨年東京より移住。大自然のパワーを日々感じながら生活しています。TINY GARDENではキッチンで腕をふるっています。
登山歴: 初めての本格的な登山で自分の不甲斐なさを感じ、悔しさのあまり山に通い、気づけば今年で5年目。悔しさの先に待っている大パノラマと森の香り、美味しいご飯に魅了されています。
好きな山: 北アルプスの大天井岳、黒部五郎岳、そして蓼科山!

山田(写真右)
八ヶ岳の麓で生まれ育ち、縁あって昨年12月からTINY GARDENで働いています。
登山歴: 小さい頃からたまに登山をしていた(させられていた)ものの、大学時代の富士登山をきっかけに登山が好きになりました。本格的に登り始めたのはここ3〜4年。冬山は今シーズンで3年目。
好きな山: 大学生の頃旅したスイスのマッターホルンが忘れられません。でもホームはやっぱり八ヶ岳。

冬山ならではの雪の絶景はもちろん、人気の高い黒百合ヒュッテでいただく温かい食事など、夏とは違った山の魅力をお届けします。

7:00 唐沢鉱泉登山口

日が昇りはじめた午前7時。ここ唐沢鉱泉の12月の平均気温は最低−11℃、最高でも−1℃。
晴れているため放射冷却が起き、痛いような寒さの中で身支度。でもこの寒さの先に感動が待っている…。
靴紐を縛りながら、冬山ならではの緊張感が高まっていくのを感じます。
凍結している箇所があるため、駐車場からチェーンスパイクを装着しました。

今回は以下の装備で向かいました。(一例)

<ウエア>
・ ニット帽
・ サングラス(雪の照り返しがあるため携行しましょう)
・ ネックウォーマー
・ ベースレイヤー(上下)
・ ミドルレイヤー
・ ソフトシェル(上下)
・ ハードシェル(上下)
・ 冬用手袋(薄手・厚手)
・ ゲイター
・ ソックス
・ 登山靴(冬用が望ましい)

<ギア>
・ チェーンスパイク
・ アイゼン(10、12本爪)
・ ストック
・ ピッケル

<その他>
・ コンパス
・ 登山地図
・ ヘッドライト
・ マスク(新型コロナ対策のため、山でも持ち歩きましょう)
・ 日焼け止め(晴れた冬は、雪の照り返しで夏以上に日焼けしてしまうこともあります!)
・ 行動食(凍りづらいものを)
・ 飲み物(保温ボトルで)

ルートは、唐沢鉱泉を出発し、西天狗岳と東天狗岳に上り、中山峠経由で黒百合ヒュッテでランチをいただき、その後、唐沢鉱泉に下りてくる周回コース。
※ コースタイムは夏道のものです。

装備を整え、登山届けを提出したところで、いざ出発!

出発したときは、冷え切っていた手先・足先も、歩き出してしばらくすると自然と温まってきます。
この日はペットボトルの水が凍るくらいの気温でしたが、ツンと澄んだ空気がとても気持ちいい。
静寂な森にギュッギュッと一歩ずつ雪を踏みしめる音が響きます。上を見上げると真っ青な空、それはまさに八ヶ岳ブルー!
数日前に雪がたくさん降ったので、夏とはまったく異なる美しい白い森の中を歩いて行きます。
スノーモンスターと呼ばれる樹氷や大きな雪の結晶…、自然の生み出す景色を前に、なかなか足が進みません。

9:00 絶景の広がる展望台で休憩

背の高い木々に囲まれた道を登っていくと、周りの木々は高度を上げるごとに低くなり、目の前に青い空が広がり、その先に待っていたのは澄み切った大展望!
八ヶ岳の山々と麓の町、3,000メートル級の山が連なる日本の屋根と呼ばれる南アルプスと中央アルプス 、そして白くなった北アルプスの一つ一つの山までくっきりと見えました。
風が少し強いですが、ここで景色を眺めながら休憩をとることに。暖かい飲み物でほっこり。
この絶景に、少しだけ疲れがとれたような気がしました。

展望台からおよそ30分。西天狗岳直下で森林限界となり、ここでアイゼンを装着することに。
一年ぶりのアイゼンに一気に気が引き締まります。

10:30 西天狗岳 / 11:00 東天狗岳

雪のついた岩場の上りに少し苦戦しつつも、ついに西天狗岳山頂に到着!
生憎、少し雲がかかってしまっていますが、朝から歩いてようやく踏めた山頂に達成感がこみ上げてきます。

そのまま西天狗岳から延びる稜線を歩いて東天狗岳へ向かいます。
白い岩肌をポツンと歩く姿は、まるで別の星にいるかのよう。
東天狗岳山頂では雲が切れ、すっきりとした八ヶ岳ブルーを見せてくれました。

山頂を踏んで満足したら、今度はお腹が空いてくるもの。
冬の山では暖かい山小屋に訪れるのも大きな目的の一つ。
今回の山歩き、二人にとっては山小屋でのランチが最大の目的でした…。
温かいランチをいただくため、黒百合ヒュッテへ急ぎます。

黒百合ヒュッテへの道はさらに積雪量が多くなり、幻想的な白い世界が広がっていました。
雪が多いこと、気温が上がらないこと、風が強くないこと…。
さまざまな条件が重なったからこその特別な景色なんだと気づかされました。

12:00 黒百合ヒュッテ
名物のビーフシチューで体の中から温まる

白い森を抜けると、視界が開けて黒百合ヒュッテが見えてきます。
こんな真冬でもテント場にはいくつかテントが…。
寒いことは間違いないですが、いつかここで冬のテント泊をしてみたいです。

小屋に到着すると、まず目に入るのは可愛らしいcafeの看板。
日帰りの登山者も気軽に立ち寄れる暖かい雰囲気の小屋に吸い込まれていきます。
黒百合ヒュッテは登山女子からの人気が高いことでも有名ですが、アクセスの良さと綺麗な設備、暖かみのある空間にその人気にも納得です。

感染症対策として、食事をいただく際は他グループと離れた席に案内されます。(2020年12月22日時点)
私たちは売店のカウンターでいただくことに。日の光が差し込んで、外が寒いことを忘れてしまいます。

注文したのは、黒百合ヒュッテ名物のビーフシチュー。
大きなお肉が入って、お肉も野菜も口の中でほろほろと崩れるほど柔らかい。
つい、ここが山の中ということを忘れてしまいそうでした。
丁寧に作られた熱々のビーフシチューで体の内側からも温まっていきます。

黒百合ヒュッテ
住所:長野県茅野市宮川8065-1
TEL:090-2533-0620(現地直通)
営業時間:9:00〜15:00
定休日:なし(通年営業)
HP:http://www.kuroyurihyutte.com

13:30 黒百合ヒュッテから下山開始

冬でも山小屋の営業をしてくださっているのは、登山者にとって大変心強いですね。
美味しい食事と暖かい小屋でくつろいでしまいそうですが、明るいうちに唐沢鉱泉登山口へ下山しましょう。
樹林帯の緩やかな下りなので、登山口まではチェーンスパイクで下ります。

15:00 唐沢鉱泉登山口に下山

日が傾いてきた頃、朝出発した唐沢鉱泉登山口に無事下山。
登山を終えた二人に感想を聞いてみましょう。

深澤 「来てよかった! 今シーズンは昨シーズンとは比べ物にならないくらいの積雪で、スノーモンスターにも出会えて嬉しさも2倍!この感動は来た人にしかわからない。この絶景をぜひ見ていただきたいです。」

山田 「今回の霧氷の景色は今まででもダントツで一番でした。 冬山はもちろんとても寒く、冬用の装備も必要で、リスクがあったりしますが、だからこそ出会える景色があります。温かいご飯や温泉も心に染みました…。」

登山口に位置する「唐沢鉱泉」は現在冬季休館中ですが、麓の茅野市にはいくつか日帰り温泉があります。
TINY GARDEN 蓼科も長野県民限定ではありますが、1〜3月は日帰り入浴を行っています。
下山後の温泉で温まるのも冬山登山の醍醐味。冷えた体をほぐして帰りましょう。

唐沢鉱泉(冬季休館中)
住所:長野県茅野市豊平4733-1
TEL:0266-76-2525
営業時間:温泉 10:00〜15:30(15:00最終受付)
定休日:2021年は1月12日〜4月23日 冬季休館
HP:http://www.karasawakousen.com/

TINY GARDEN 蓼科からは、天狗岳以外にも八ヶ岳のほとんどの登山口に60分以内にアクセスができるため、登山の前泊や後泊にもおすすめです。
山好きのスタッフがお待ちしております!

TINY GARDEN 蓼科 – Camp, Lodge & Cabins –
〒391-0301 長野県茅野市北山8606-1(蓼科湖畔)
車で:中央道「諏訪IC」もしくは「諏訪南IC」より約30分
電車で:JR「茅野駅」よりバスで約30分「蓼科湖」下車後、徒歩4分 / タクシーで約25分

TINY GARDEN 蓼科 公式サイト
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Instagram @ ur_tinygarden

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