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CULTURE TRIP JAN 22,2019

【ニュートラソウル!】Vol.7『MUTZINE』創立者・ディレクター Gissella【恋しちゃったんだソウル】

韓国のファッションや新鋭アーティスト、カルチャーなど独特な視点から紹介しているZINE『MUTZINE』。どんな人が作っているんだろうと思ったら、“韓国カルチャーに恋してる”アメリカ出身のキュートな女性だった。


韓国のファッションや新鋭アーティスト、カルチャーなどを独特な視点から紹介しているZINE『MUTZINE』がある。
2016年に創刊され、2017年には2冊目を発行。現在はエキシビションを含めた3冊目を企画中だという。テキストは韓国語と英語で書かれている。

どんな人が作っているんだろうと思って取材のオファーをしたら、編集長を務めているのは、アメリカ人の女性だった。
どうして韓国でZINEを作っているのか。Gissella に会いにいくことにした。

「大学では人類学を学んでいて。ほかにも韓国語、メディア、ジェンダーについて勉強していました。2009年くらいからK-popに興味があったこともあって、2010年に交換留学生として初めて韓国を訪れました」

K-popでは誰が好きなの?と聞くと「BIGBANG!」とすぐに応えてくれた彼女

2011年くらいから韓国ファッションについてのブログを始めるかどうか考えていたけれど、自分主体にはしたくないと思っていたそう。だけど2014年頃、ニューヨークの大きなメディア会社に応募するために、まずは自分のデジタルメディアのスキルを上げようと試みることにした。
周りには自分が読みたいと思うような韓国のファッションや新鋭アーティストについて英語で書かれたものがなかったから、では自分で作ってしまおうと、2015年にまずはWEBで『MUTZINE』をスタート。

「本当は、半年に一回の周期で発行しようと思っていたんです。でも今は年一回になっていますね。雑誌としては〝紙〟が好きだけど、やっぱり出版にはとてもお金がかかる。だから今はデジタルのプラットフォームを考えています。WEBから始まって、またそこから紙に戻していくってのもおもしろいと思う。最初に語ったみたいに、『MUTZINE』を主観では作りたくないと思っていて。わたしが興味を持っているようなことを、みんなも求めてると思っているから、これからもそういうものを伝えていきたいです」

アメリカと韓国を行き来しつつ、2017年の春からはソウルで暮らすようになった。
「ソウルはわたしのおうちのようだけど、アメリカの家族のことを思ったら恋しくもなります。でも、とっても楽しく生活しています。ソウルに住んで、街や文化のことを十分に知ってるはずなのに、今もたくさんの新しいことを学んでいます。ソウルはいろんなことがすごいスピードで変わっていく。お隣さんが1〜2年で変わってしまうかのように、トレンドも移り変わっていく。以前は変わりまくっていく新しいトレンドに重点を置いていたけど、今は新しいものを追いかけることを、そんなに気にはしていないです。むしろ今は、自分の人生を楽しむっていう、とってもシンプルなことが大事だと思っています」

今回の取材には、彼女のボーイフレンドも通訳として同行していた。
シューティングの最中に、彼女のどんなところに惹かれるか聞いてみた。
「繊細なところかな。特に目が繊細なんだ。僕には同じ黒い色に見えるけれど、彼女にはそれが“緑がかったきれいな黒色”とか細かい差を見分けることができるんだよね。それがアーティスト的な才能なのかはわからないけど…すごいなって思ってるよ」

7人のクリエイター・アーティストとの出会いを通して、ソウルで表現を続けていくことの難しさや可能性、熱量の大きさなどを感じることができた。
みんなそれぞれに好きなものがあって、それに対してものすごくまっすぐ。
〝好き〟を仕事にするために、時にはものすごいスピードで移り変わるソウルを俯瞰しながらも、愛を持って真摯に向き合う。
アツいけど、クールで、やさしい。
そんなソウルと、ソウルで活躍する人たちに、やっぱり恋しちゃったのだった。

Gissella / 『MUTZINE』創立者・ディレクター
https://www.instagram.com/mutzine/
https://www.mutzine.me

PROFILE

松本 昇子エディター / ライター

愛知県出身。雑誌やカタログ、書籍、WEBサイトなどの編集、執筆、ときどきコピーライティングも手がける。

熊谷 直子Photographer

幼少期より写真を撮り始める。20歳で渡仏し、パリにて本格的に写真・芸術を学ぶ。2003年よりフリーランスフォトグラファーとして雑誌・広告などでポートレートや風景など多ジャンルにおいて活動し、個展での作品発表も精力的に行う。主な著書/二階堂ふみ写真集「月刊二階堂ふみ」、杉咲花1st写真集「ユートピア」、熊谷直子作品集「赤い河」

김세정 / キム セジョンEDITOR・COORDINATION

丁寧な暮らしが合言葉のカンナムOL。

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