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FASHION JUL 01,2021

THE GOODLAND MAGAZINE Vol.03 MEI

『アーバンリサーチ 堀江店』内に常設オープンしている<THE GOODLAND MARKET(ザ グッドランド マーケット)>でのセレクトアイテムを深掘りする連載企画の第3回目。今回はアメリカのカリフォルニア州にあるハンティントンビーチで誕生したバッグブランドの<MEI(メイ)>をご紹介。この地に根付くアウトドア・サーフスタイルとファッションカルチャーをベースに生み出されるバッグは街で頻繁に見かけるくらい人気が高い。昨年よりスタートした“サステナブルレーベル”の生産背景を知るべく、生産企画担当の吉松さんに話を伺った。


※ 撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえで取材を行っております。

手に取りやすいデザインと価格帯。
環境にも配慮した<MEI>の制作スピリットとは!?

<MEI>の日本での取り扱いのきっかけを教えていただけますか?

はい。私たちは<MEI>のライセンスを取得し日本独自で商品企画したものを展開しておりまして、日本だけではなくアジアに向けて発信していきたいという想いではじめました。

今ではラインナップも充実していてとても見応えがありますね。その中でもにーやん編集部として気になってるサステナブルレーベルをはじめたきっかけなどあれば教えていただけますか?

海外でのサステナブルに対する意識が高いのはずっと感じてました。でも、サステナブルを全面的に取り組んでいるブランドはなかなか少ないという現状と、どこでも買えるコーデュラナイロンの生地でやっても他社ブランドとの差別化が図れないということもあり。どうせ作るのであればいち早く生地から開発して取り組んでいきたいという想いから去年の夏よりスタートしました。もともと、生地を作る背景が私たちにはあったので始めやすかったです。生地には100%リサイクルナイロンを使用しており、生地だけではなく、縫い糸やテープ部分やラベルやバックルなどの付属品のほぼ全てをリサイクル素材にしてます。

リサイクル生地を独自開発するという話が出たのですが、原料はどういったものになるのですか?

原料はリサイクルナイロンとリサイクルポリエステルになります。70デニールナイロンやリップストップだったりを作ってはいるのですが、ものによって原料はさまざまですね。去年ぐらいから展開しているものだと、海洋プラスチック(※注釈1)や一般的にゴミとして出たペットボトルを利用し、粒状にしてそれを糸にして生地にしてます。カラー展開も自社オリジナルで展開してますね。

それはとても良い開発ですね。素材の開発に関してはどのくらいの期間がかかるんですか?

展示会に向けてサンプルを作るんですけど1年近く前から次のシーズンに向けて生地の打ち合わせをして開発を進めます。

生地以外のパーツもリサイクル素材を使用していたりするんですか?

はい。ただ、金具等のパーツに関してはまだリサイクルが無理なんですが、ネームタグやプラスチックのバックルなどのパーツ。それと紙タグなどもリサイクル可能な部分は再生素材を使用してます。

SUSTAINABLE LANTAN BAG 各¥6,490 (税込)
(左から)SUSTAINABLE BUM SHOULDER 各¥6,490 (税込)
SUSTAINABLE HIPS SHOT II ¥5,390 (税込)

ここまでサステナブルを意識してやってるブランドってそんなに多くないですよね。

ありがとうございます。そうですね、私たちもあまり知らないですね(笑)

すごくお求めやすいプライスにもビックリです。

そこは企業努力です(笑)。結局はいくら環境に良い商品であったとしても、お客様が手に取りやすくないとサステナイブルな商品とは言えないので、値段に関してもとことんお客様のことを第一に考えて商品開発をしてます。

開発において苦労された点は何かありますか?

生地から開発してる分、どうしてもサンプルをあげるのに時間がかかったりします。それと、海外で生産してるのでコミュニケーション不足による認識の違いが起きたりしますね。

ベトナムに自社工房を構えているのもスタンレーインターナショナルの強みだ

サステナブルラインを始めて、お客さんの反応はいかがですか?

去年くらいから取引先のバイヤーさんとお話してるんですけど、サステナブルをテーマにするところが多くて。そうそういった意味ではタイミング的には良かったと思いますね。「サステナブルレーベルをやってるんだ」と言う反応で興味を持っていただけましたね。

リサイクル生地のレベルは上がってますか?

当初のリサイクルナイロンもハーフリサイクルという半分はリサイクルで半分は既存のナイロン生地を使用したものだったんですが、今は100%リサイクルナイロンになってます。

進化してますね。サステナブルレーベルは今後も増やしていくのですか?

ある程度やりつくした感はあります(笑)。素材はあるので、それをバッグに落とし込むことですかね。今後も引き続きバッグとしてのデザインや機能性などを追及していきたいですね。

期待してます。さまざまなデザインのバッグが並んでますがそれぞれを教えてもらえますか?

定番と言えるアーカイヴシリーズに、機能性にこだわったスクランブルシリーズ。そして、レディースやトレンドに特化したアーバンシリーズがあります。

いろいろあるんですね。特に思い入れのあるバッグはありますか?

私が企画担当したというのもあるんですが、アーバンシリーズのこちらのバッグです。見た目はシンプルなんですけど、中を開けてもらうとポケットがあり小分けの収納スペースがあります。女の人って荷物が多かったりするのでサイズ感もこだわってます。女性が使いやすいように軽めのリサイクルナイロンを使ったり、色目も柔らかいものをチョイスしたり。ママ世代や働く女性が使いやすいように仕切りとか持ちやすさなどを優先して考えましたね。

flat kinchaku shoulder bag ¥4,290 (税込)

消費者の味方になるものづくりですね。色展開の違いとかはあるんですか?

アーカイヴシリーズは黒やカーキとかネイビーなどの男性でも女性でも使える定番色にしてます。あとは全体的に目を引くような色だったり、バランスを考えたカラー展開にしてます。市場にあまり出ていない色だったりとかを選んだりしてますね。

バッグ以外にサンダルも作っているんですね。

去年のS/Sからスタートしました。バッグと連動してテープとアッパーの生地にリサイクル素材を使用しています。どうしてもソール部分は工場が別になってしまうので今はまだ開発中です。実際履いてもらうと軽くて歩きやすいですよ。

バッグにも使われる本格機能素材やサステナブル素材をアッパーに使用したサンダル。
取扱店 : アーバンリサーチ堀江店 1F(THE GOODLAND MARKET)

デザインも凄くかっこいいです。

それと、キャンプに特化したMEI CAMPというシリーズもあります。食器とかタンブラーなどの小物類がメインになっていて、家でもキャンプ場でも使えます。<MEI>自体がアウトドアブランドなのでキャンプグッズもあっていいでしょっ! と言う流れで作りました(笑)。こちらのカゴは荷物を入れてそのまま持ち運びもできます。キャンプする方は食器とかをそのまま水洗いして入れたりすると聞いたこともあったので、こんな商品があっても良いなと思い企画に至りました。

アウトドアにも人気なキャンプシリーズ。
取扱店 : アーバンリサーチ堀江店 1F(THE GOODLAND MARKET)

世の中のニーズに合わせて開発されてますね。キャンプシリーズも今の時代的にジャストタイミングだと思います。サステナブルレーベルもいきなりやろうと思ってできるわけでもないじゃないですか。これはすごいことだと思います。

ありがとうございます。

<THE GOODLAND MARKET>との取り組みにトライしてみていかがでしたか?

サステナブルと言う観点で私たちの商品と合致したことが良かったと思います。今回、<THE GOODLAND MARKET>堀江店を初めて拝見したのですが、さまざまな商品があり見応えがあります。こういった展開の中で取り扱ってもらえる事は、他ではあまり無い案件なので、それは本当にありがたいと思ってます。これが成功例として今後の活動にも生かせるかなと思ってます。

そう言っていただけてこちらも嬉しいです。今後のブランドとしての展開や展望を教えてもらえますか?

基本的には変わらずサステナブルブランドとしてやっていきたいのですが、時代に合わせて新しい発想が生まれてくると思いますので、その辺は臨機応変に進めていきたいと思ってます。

最後の質問ですが、環境問題や社会問題などに対しての考え、またブランドとして取り組んでいきたいことを教えてもらえますか?

サステナブルって言葉ひとつとっても捉え方は人それぞれだという思いはあるのでなかなか難しいですけど、この<MEI>のバッグを長くずっと使ってもらえることも持続するということなので。その点では良いものを作っていかなければっていう気持ちは芽生えてます。ボトムラインという<MEI>のアイコン的なモデルがあるんですけど、いつの時代でも使えるデザインでもあるし、ものとしてもやわではないので長く使っていただけます。

トレンドに左右されないデザインって大切ですね。

そうですね。そういう角度でもしっかりとしたものづくりを目指していきます。

※注釈1 海洋プラスチック
海を彷徨う空のペットボトル。波と共に押し寄せて海岸を埋め尽くすゴミの山となっており、世界的な環境問題となっている。

吉松美樹
スタンレーインターナショナル 企画生産
2009年入社後、営業の経験を経て3年前より企画生産に就任。営業時代に経験した現場の声を生かしたりさまざまなメディアを通しトレンドにアンテナを張って商品開発にいそしむ。「デザイン、価格帯含め、さまざまな方が手に取りやすいバッグですので、より多くの方に愛用していただきたいです」
HP : www.stanleyintl.co.jp

PROFILE

にいやん編集部

THE GOODLAND MAGAZINEを発行するにいやん編集部。にいやん編集長は常にGOODLANDを担うブランドやアイテムを探し求めている。その中でも今一番HOTなTHE GOODLAND MARKETのスクープを狙い、365日24時間、情熱を燃やし続けている。
※将来発刊を目指す架空の雑誌

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