外部サイトへ移動します
LIFE STYLE&BEAUTY JAN 15,2021

“裸の感性”が惹きつけられる美。 éphēlisデザイナーQueenie Chan


ここ数年、“ライフスタイル”について色々な変化が起こっています。
都会の便利な生活から離れ落ち着いて暮らせる場所に移住する人、またヨガやウォーキングを始めてみたり、日常のさりげない風景を写真に撮るなどしてリラックスできる時間を増やし、都会の生活であってもゆとりを作る人。
また住む場所だけでなく“おうち時間”を豊かにしよう、そう考える人も増えてきています。

忙しい日々の中では気がつかなかった、大切にしたい愛すべきこと。
料理をゆっくりしてみたり、それをお気に入りの器に盛ってみたり。より肌触りの良いタオルを買ってみたり、良い香りのものを手に入れてみたり。そうやって少しずつライフスタイルを心地よくアップデートしていくことはとても楽しいことです。

URBAN RESEARCHで新たにお取り扱いさせていただく“éphēlis (エフェリス)”はまさに“自分にとって心地よいもの”、つまり心を裸にした状態で惹きつけられるプリミティブな美しさを持つ作品です。見ているうちに、そして触っているうちに“さて、どこに置こうか、何を入れようか”とアイデアを考える豊かな時間を誘ってくれるはずです。

なめらかな曲線、思わず触ってみたくなる造形、素朴でありつつも生活にアクセントを与えてくれる存在感。そんな作品を生み出すQueenieさんに6つの質問を投げかけてみました。

— Queenieさん自身の生い立ちや幼い頃から好きだったこと、影響を受けてきたものについて教えていただけますか?

「私は香港で生まれ、3人の姉妹と一緒に育ちました。私たち姉妹は親しく、映画や音楽、アートの好みに関しては、彼女たちからの影響が大きいと思っています。ただ振り返ってみると、バービー人形で遊ぶことやお絵かきをすることなど自分で時間を過ごすことも大好きだったように思います。まだ小さい頃は、ほぼ2日おきに絵を描いて、母に渡していたことを覚えています。その絵を母は全て残していないとは思いますが。」

— ギリシャ語でそばかすを意味する“éphēlis(エフェリス)”をブランド名にされた理由を聞かせていただけますか?

「小さい頃から私の顔にはそばかすがあって、祖母や母はそれを嫌がりました。一般的にアジアの女性は、そばかすやしわといった顔に何かがあるというのを嫌い、“きれいな顔”が好きなのではないでしょうか。私はそばかすがある意味で特別なキャラクターを与えてくれている気がして、正直なところあまり気にはしていないです。実際に同じ理由で私のヨーロッパの友人たちは、この小さな茶色のそばかすを可愛いと思ってくれていました。
このことから異文化間で“美しさ”に大きな違いがあることを学びました。それがきっかけで、自分のプロジェクトの始まりである、欠陥のある美と受容することを考え始めたので、ブランドを“éphēlis(エフェリス)”と名付けました」

— これまでの作品の中で、Queenieさん自身の想い入れが特に強いもの・お気に入りの作品について教えていただけますか?

「Holding Stoneシリーズの中のMalar Boneです。
祖父が亡くなる前、私は目を閉じて祖父の左の頬に触れていました。その美しい時間を思い出しながら作りあげました。私にとって、思い出を失うことと所有し続けられることが同時に起きたような作品です。祖父は私の人生でとても大切な人です」

— 日本という国や文化に対して、どんな印象をお持ちですか?

「私には日本の全てが美しく繊細に映っています。人々はとても礼儀正しく、自己規律があり、さまざまな種類の文化や美しさ、美学が受け入れられているように感じます。私自身も日本の伝統的なわびさびの美学から多くの刺激を受けています」

— 日本への来日経験はありますか? 来られたことがある場所・お気に入りの場所をお聞きしたいです!

「香港と日本は近いのにも関わらず、実際にはまだ一度しか訪れたことがありません。12年ほど前に北海道を訪れたのですが、とても素敵な場所で楽しい経験をしました。いつも再訪したいと考えていて、次は長い休みを取って日本の市街地をまわりたいと思っています」

— 日々の生活の中で大切にされていることはなんですか?

「エレガンスさを忘れず、目まぐるしい日々の生活に対して減速し、現在という時に感謝をすること!」

「Hold the pieces and few the touch and intimacy」

美しさというものは「人それぞれ」の価値観があるからこそ、たとえ他の人から見て欠陥であっても愛し、受容する。正円ではない器、でこぼことしたフォルムのカップ、彼女の作品はまさに完璧ではないけれど、だからこその愛らしさに溢れています。
「Hold the pieces and few the touch and intimacy(直に手で持ち、触れて、愛着を感じてもらえたら嬉しいです)」。彼女に作品を見た人へのメッセージを聞くとそんな言葉が返ってきました。作品に実際に触れ、その感触を確かめ、それが裸の感性に触れたのなら、ぜひ心地よい暮らしの中の一つに取り入れてみてください。

Profile

éphēlis デザイナー / Queenie Chan
2014年にロンドンの名門セントラルセントマーチンズでファッションニットウエアの学士号を取得したのち、パリのクリスチャンディオールでデザイナーとして活躍。その後スタジオを設立し、2018年に自身のコレクション“Femme”を発表。彼女の体に対する複雑な感情を強調することで、従来の美しさの基準に疑問を投げかける“エフェリス”のプロジェクトをスタートさせる。

éphēlis
https://www.ephelis.studio/
Instagram @ e.phelis

【éphēlis 取り扱い店舗】
URBAN RESEARCH 表参道ヒルズ店

<Information>

“éphēlis” close up
【開催日程】
2021年1月23日(土)〜1月31日(日)

【開催店舗】
URBAN RESEARCH 表参道ヒルズ店

> 詳細はこちらから

page top