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LIFE STYLE&BEAUTY OCT 30,2022

EKAL & TINY GARDENがアウトドアスタイル・クリエイター四角友里さんと考える、自然との関わり方

アウトドアと街の要素を取り入れたブランド<EKAL(エカル)>の背景には、長野県・茅野市の蓼科湖畔に位置するキャンプ場<TINY GARDEN>の存在があります。「湖」をテーマに同時期にデビューした両者は、フィールドとブランドという側面から、共に自然との寄り添い方を考え続けてきました。今回はアウトドアスタイル・クリエイターとして活躍する四角友里さんを迎え、蓼科というエリアの魅力と、4周年目に突入するEKALとTINY GARDENそれぞれの今後の展開についてアーバンリサーチメンバーと共に語っていただきました。


※撮影時のみマスクを外しております。会話中はスタッフ全員がマスクを着用し、一定の距離を空けるなどコロナウイルス感染拡大防止対策を施したうえで取材を行っております。

TINY GARDENとの出会いで救われた、アウトドアライフ

四角 TINY GARDENがスタートした2019年から、なんと<URBAN RESEARCH>さんがキャンプ場を始めたらしいというのを耳にして気になっていました。訪問できたのはオープンの翌年。当時、妊娠とコロナが重なりあまり外に出られずに過ごしていたのですが、2020年の夏に初めて遊びに来て、キャビンに泊まりました。

粟野 たしか、キャビンコンフォートという寝具付きの宿泊棟でしたよね。

四角 そうです、そうです。それまでは山岳キャンプがメインだったし、アウトドア歴が長くテントもキャンプ道具も揃っているので、逆にキャビンに泊まる選択肢がなかったんです。でも、お腹が大きい状態でキャビンに泊まってみたらこれがものすごく快適で。外で遊びながらも家に帰るような安心感があり、一方で“自然の一部”のような感覚もあり、新鮮でした。子どもが生まれたらある程度大きくなるまでアウトドアができないんじゃないかなと思っていたけれど、「これなら遊べる! 自然との距離感がこんなに素敵な空間があるなんて!」と、自分のこれからのアウトドアライフが救われた気がしてすごく嬉しかったのを覚えています。

粟野 ライフステージや季節、シーンによって、宿の選び方って変わりますよね。そのときに心地いいと感じる泊まり方を、お客様自身が選べる場所であることをもっと知ってもらえたらなと僕らも常々思っています。

四角 子どもが生まれて0歳のうちにもう一度キャビンに泊まらせてもらって、最近も夫と息子とフリーサイトにテントを立て、キャンプを楽しみました。いつかは両親を連れてロッジに泊まってみたいし、山仲間とワイワイ集まって女子会もしてみたい。そうやって、その時々に合わせた滞在の仕方を選択できるのは、本当にありがたいとあらためて感じましたね。

平山 泊まりに来たときは、いつもどんな過ごし方をされているんですか?

四角 キャビンに泊まるときはキャビン前にタープだけ張って、ご飯は自分で作ります。ここに来る途中にある<たてしな自由農園>で買った新鮮な野菜で作るスープと、<カルパ>のパンで大満足。2泊3日するときは、真ん中の日を“なにもしない日”として、TINIY GARDENさんのレストランを利用させてもらったり、芝生エリアでのんびりしたり、1周20分の蓼科湖畔を散歩したりします。あとは温泉に浸かってゆっくり。

粟野 理想の過ごし方ですね! レストランも利用していただいていたとは。

四角 以前は自分の中でキャビンに泊まる選択肢がなかったように、キャンプに来たらご飯を作ることが当たり前と思い込んでいました。でもTINIY GARDENの料理は、お肉も野菜もこの地でしか食べられない食材が使われているから、ここでいただくことにしっかりと意味があるんですよね。信州の鹿肉を使ったボロネーゼが深いコクがあって大好きです。いつ来ても野菜の美味しさに感動します。

粟野 グリーンシーズンには極力、半径30km圏内で採れる食材を使うように心がけています。毎週畑へ仕入れに伺い、生産者の顔を見ているからこそ、野菜が美味しいというのは自信を持って言えますね。せっかく来ていただいたなら、この地域の自然に存分に触れてほしいという思いもあって。

平山 自然に触れるといえば、四角さんはここを拠点に山登りもされていますよね?

四角 毎回、どこかに立ち寄ってから帰っていますね。TINY GARDENからは車で30分〜1時間の範囲にいくつも登山口があるんです。先日は北八ヶ岳ロープウェイを使って、坪庭から縞枯山荘まで歩きました。1歳の息子を抱っこしようとすると、「いやー!」といって自分の足で楽しそうに歩き切ったんです。到着したときの誇らしい顔は、きっとこの先も忘れられないと思います。このあたりは八ヶ岳、車山、霧ヶ峰、入笠山と子どもでも歩ける山もたくさんあって、何度来ても飽きませんね。

粟野 四角さんにとって八ヶ岳の麓エリアはどんなイメージですか?

四角 そうだなあ。・・・続きがある場所、ですね。ここに来ることが1回きりの一大イベントではなくて、春夏秋冬の物語がある。何度も通うことで、この地域で自然とともに紡ぎ続けられている時間を共有してもらえる感覚です。非日常な空間の中にも穏やかさがあるし、穏やかな中にも空の変化や新しい自然との出会いといった感動がある。その2つの局面がすごく好きです。

四角さんが<EKAL>の服やギアを選ぶ理由

四角 <EKAL>の商品を初めて手にしたのも、最初にTINY GARDENへ来たタイミングですね。機能性を重視したアウトドアのウエアはスポーティーなデザインのものが多い中で、<EKAL>のウエアは力の抜きどころがすごく上手だなあという印象でした。この素材を使って、このシルエットに仕立てるんだと。それでいて山やキャンプでも使えたりと、バランスがすごくいい。

坂上 街でもフィールドでも着られる服というのは意識していますね。街にも馴染むデザインだけど、キャンプなどで洗い物をするときに多少水がかかってもいいようにナイロン素材を使用するなど。僕は父親に連れられてもともと自然の遊びには触れていたけど、商品の企画にはアウトドアをしたことない人の意見も取り入れるようにしています。

四角 私も愛用している、この<サーカスTC DX>と<EKAL>のコラボテントにも使われているスモーキーブルーという色味もそうですが、自然の華やかさと穏やかさが両立したような、景色の一部になる色合いがすごく好きです。

坂上 このスモーキーブルーという色は、湖の「ブルー」と、木々の「グリーン」を掛け合わせた色なので、蓼科湖と森に囲まれたTINY GARDENによく合いますよね。

四角 セレクトショップなので他のアウトドアブランドのものもここで買えるわけですけど、<URBAN RESEARCH>さんの目線を通したアイテムが揃っているから、ウエアもギアも、どれを合わせても統一感が出るんですよね。この赤いコーデュロイのパンツも、穿いてみたらぱっと華やかになるのに自然とも馴染むしすごくかわいい。

坂上 この色は、紅葉や焚き火、秋の夕日の色をイメージしたんですよ。

四角 へえ〜! 一つ一つに想いや意味があるんですね。私の住む鎌倉は小さな山に囲まれていて、朝、お散歩がてら山を歩いたり、カフェへ行きたいときにあえて山を通っていったり、気軽な山歩きをすることが多いんです。山と街の距離が近いので、帰りにカフェやスーパーにそのまま立ち寄れるようワンピースを好んで着ているんですが、この上から羽織れる長めのインサレーションベストも体温調整がしやすくてすごくよかったです。

平山 これは今季おすすめの<WILDTHINGS×EKAL>の別注アイテムです。上にはブルゾンを取り付けられて、ベスト単体のほかにも、ブルゾン単体、ブルゾンとベストを合わせたロングジャケットと3WAY仕様になっています。

四角  気温が読めない日に便利ですね。秋から冬までさまざまなシーンで重宝しそう。

坂上 粟野さんが着ているキルトのジャケットも、秋口には羽織るものとして、真冬にはミドラーとしてと、着回しがきく商品を今季は提案しています。

四角 形はミリタリーテイストを取り入れているんだけれど、ボタンじゃなくスナップにしているところも<EKAL>さんらしい。

坂上 お客様によって着たいシーンは違うと思うので、僕たちから「こう使ってほしい」という提案はしないけど、いろんなシーンで着てもらえるような洋服の提案はしたいなと思っています。<EKAL>の商品はアーバンリサーチ系列の一部のショップでも取り扱っているので、そこで手にしてくれた人たちが、アウトドアをやるきっかけになれば嬉しいですね。

EKALとTINIY GARDEN、そして四角さんが思い描く未来

四角 実は私、自転車は小学6年生まで乗れず、平均台は最後まで渡りきれない、体育の成績はいつも「2」という絵に描いたような運動音痴だったんです。当時はアウトドア=アクティブな人だけがやるスポーツだと思い込んでいたので、自分とは無縁だなと思っていたほど。ところがある日、友人に誘われて釣りとキャンプをすることになって。そのときに風の向きが変わることや、タンポポが揺れている様子や、朝露がキラキラしているといったことにすごく感動したんです。アウトドアって身体を動かすものではなく、心がいっぱい動くものなんだと知って、そこからアウトドアの扉が開きました。きっと私のように運動ができないからアウトドアはやらないという人も多いと思うんです。そういった方に、自然のなかでの遊びは美しいものに感動して、「きれい!」とか「気持ちいい」、「おいしい!」など五感で感じるものなんだよということを伝えていきたいですね。

坂上 僕らの想いと共通してる部分がありますね。<EKAL>では、「キャンプ」というカテゴリーにだけに寄りすぎないアウトドア全般的なイメージを提案していきたいと思っています。アウトドアはキャンプだけじゃなく、山登りだったり、SUPやカヌーだったり、四角さんがおっしゃっていたように何もしない時間だったりと楽しいことがたくさんある。自然遊びの間口を広げるお手伝いを、TINY GARDENと共にしていきたいですね。

四角 スポーツの種目みたいに「キャンプ」「山登り」「カヌー」と分けてしまいがちだけど、そんなカテゴライズはなくして、趣味とライフスタイル、さらには人と自然との境目がなくなるといいですよね。

平山 アーバンリサーチのお店で取り扱う<EKAL>の商品を見て、可愛い! とその場で買ってくださる方がいるんですが、私はそういう瞬間に喜びを感じます。そこで<EKAL>というブランドを知り、最終的にはTINY GARDENに足を運んでいただくという動線ができたらいいなと思っているので。

粟野 僕らTINY GARDENは、この景色と心地よさをどう未来に繋いでいくか、地域の林業の会社と議論しながら施設を管理しています。施設の整備は本来お客様のいない休館日などにやることが多いけど、今後は安全を確保したうえで作業を少しずつオープンにして、地域の職人たちがこの場所にどう関わっているかを見せることで、地域との繋がりを強く感じて欲しいなと。この地域の仕事や暮らしは自然や山と繋がっていて、四角さんの言葉のように“人と自然との境目がない”生活文化があるんですよね。空間としても、ライフスタイルとしても自然と関わる玄関口となっていきたいと思っています。先日も地元の生産者さんと首都圏からのお客様が一緒に火を囲み、鹿の丸焼きを食べながら命と向き合う催しを開きました。そうやって僕ら自身が学び、動き、都市と地方を繋げていくことで、自然のなかにある言語化されない気付きを、みなさんにたくさん持って帰ってもらえればなと願っています。

プロフィール

四角 友里(よすみ ゆり)さん
「山スカート」を日本に広めた女子登山ブームの火付け役。大学卒業後、サンリオ商品プランナー、着物着付け師の経歴を経たのち、「自然に触れる喜びを多くの女性たちに感じてもらいたい」との想いから表現活動をスタート。現在は講演や執筆、アウトドアウエア・ギアの企画開発を通し、メッセージを発信する。著書に『一歩ずつの山歩き入門』、『山登り12ヵ月』など。
Instagram @ yuri_yosumi

粟野 龍亮(あわの りょうすけ)
TINY GARDEN 蓼科 店長、企画・地域コーディネーター
東京にて「かぐれ」に所属後、2017年に八ヶ岳に憧れて長野県茅野市へ移住。旅行業界での経験を積み、2019年夏よりTINY GARDEN 蓼科の立ち上げに携わり現職に至る。
趣味の登山・トレラン・自宅のリノベなど山の暮らしを満喫しながら、自然や地域の持続可能性について日々考えている。

坂上 法之(さかがみ のりゆき)
EKAL 商品開発 商品買付担当
「URBAN RESEARCH DOORS」に所属し、MD(マーチャンダイザー)を経験。「TINY GARDEN 蓼科」そして「EKAL」の立ち上げと同時に現職に至る。
キャンプだけでなく、釣りなどのアウトドアアクティビティに夢中! 今冬にはスノースポーツにも改めて挑戦したい。最近、自宅でのトレーニングにハマり、大幅に体重減量中。

平山 記子(ひらやま のりこ)
EKAL ブランドPR
URBAN RESEARCH DOORS販売&ブランドPRの経験を経て現在の職務に。DOORS時代も今も大切にしていることは常に新しいワクワクをお届けすること。
最近はもっぱら銭湯とビールでリフレッシュする日々。今冬は全国各地の地ビールと温泉旅への思いを巡らせている。

EKAL
海でもなく山でもなく、湖へ。
EKAL(エカル)は、LAKE(湖)を反対にした造語。「湖畔で過ごす時間」をテーマにしながら街と自然とのあいだの距離をゆるやかに縮めていく提案をおこなっていきます。

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Location

TINY GARDEN 蓼科 – Camp, Lodge & Cabins –
〒391-0301 長野県茅野市北山8606-1(蓼科湖畔)
車で:中央道「諏訪IC」もしくは「諏訪南IC」より約30分
電車で:JR「茅野駅」よりバスで約30分「蓼科湖」下車後、徒歩4分 / タクシーで約25分

CAFE:11:00~16:00
LUNCH:11:30~14:00 L.O

TINY GARDEN 蓼科 公式サイト
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Instagram @ ur_tinygarden

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