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FASHION JUN 30,2022

令和エモグラシー
第四回 森 日菜美 〜今日も今日とて選択日和〜

アーバンリサーチ25周年特別企画として始まった『令和エモグラシー』。ReSEARCH(再:探求)というテーマに基づき、毎回一人の女優にフィーチャーしオムニバス形式のショートムービーとインタビュー記事を公開。第四回目は『機界戦隊ゼンカイジャー』のヒロインを務め上げた森日菜美さん。撮影当日の雨予報もなんのその、はじける笑顔と愛嬌は曇天とスタッフの心をすぐに奪っていく。日曜の朝の顔が国民の顔となる日は近い。


> フルバージョンは25周年特設サイトにて公開中

『今日も今日とて選択日和』

Interview with Hinami Mori

— 『令和エモグラシー』に出ていただきありがとうございます! 森さんは普段『エモい』という言葉を使いますか?

森: ちょっと前までは使っていましたけど今はあまり使わないですね。「エモい」という言葉が世間一般に浸透してきて、逆に「エモい」の意味の正解がわからなくなってきたというか。

— 使っていたときはどういうことに「エモい」と使っていたのでしょうか?

森: 神秘的な夕方とか、あまり見られない景色を見た瞬間に使っていました。

— フィルムカメラとか昭和レトロな喫茶店とかにエモいという言葉が使われることも多いみたいです。

森: 自分の中の「エモい」の認識とはちょっと違いますね。もっと瞬間的な感情のような気がします。古着屋で欲しかった洋服を偶然見つけたときとか、なんかそういう運命的な出会いの瞬間が「エモい」んじゃないかって。

— なるほど。そうやって出会った洋服なんかは買ってしまうタイプですか?

森: 値段的に買えればの話ですけど絶対買います! だってそれは運命なんで(笑)。

— 買った洋服は長く着るほうですか?

森: 物持ちはいいほうです。ずーっと着ちゃいますね。新しく出会ったものを多く着てしまう傾向はありますが、基本的には好きで買った洋服はずっと好きなので捨てられないです。

— 今回森さんには4パターンくらいの衣装を着ていただきました。どれかお気に入りのものはありますか?

森: ラーメンを食べたときに着ていた赤いTシャツとドットのスカートのコーディネートがすごく好きです。普段の私もカジュアルなんですが、意外と赤いTシャツって持っていなくて、それにドットのスカートを合わせるのがすごく新鮮でした。自分でも挑戦してみたいなと思いましたね。

— アーバンリサーチはベーシックなアイテムを多く展開しています。森さんのクローゼットにもベーシックなアイテムはありますか?

森: もちろんあります。ベーシックなアイテムだとデニムなどのパンツ類が多いですかね。あとは白と黒のTシャツ。私普段は結構白か黒かみたいなスタイルが多いので、ベーシックなアイテムは多いほうかもしれません。

— 好きな色も白、黒ですか?

森: 今日着たみたいな水色も好きです。

— 基本的にはカジュアルな格好ですか?

森: お仕事の現場に行くときは着替えやすいようなカジュアルな服が多いですけど、普段は気分によってガーリーになったりセットアップでマニッシュにしたりもします。

— それは毎日変わるんですか? それともシーズンによって?

森: 毎日コロコロ変わるということではないですかね。一ヶ月単位とかそういうレベルでしょうか。

— 機界戦隊ゼンカイジャーのヒロイン、本当にお疲れ様でした。最後の全国ツアーが終わったときの気持ちを教えてください。

森: わたしの居場所というか心の拠り所が一つなくなったのでもちろん寂しい思いはあるんですけど、でも下を向いてはいられないというか、ここからが本当のスタートだなという気持ちですね。全国ツアーってこれからの人生で多分ないじゃないですか、歌手でもしない限り。そんな素敵な経験もさせていただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

— 最後のツアーが終わったときは号泣したと聞きました。その感情が爆発した瞬間はまさに「エモい」ですよね?

森: あら! お上手だこと(笑)。でも本当にエモかったです。涙もそうですけど、舞台から見た客席の景色は本当に忘れられないですね。あのペンライトを振ってくれている景色こそ「エモい」と思います。

— 衣装の話を少し聞きたいのですが、衣装が役作りに与える影響って感じますか?

森: あります。衣装がカラフルだとポップに演じようと思うし、素朴な衣装だったらそっちに振ってみようとか、結構影響すると思います。それこそゼンカイジャーでも衣装合わせするまではどういう風に演じようとかはそこまで考えていなかったんです。衣装合わせで用意してくださった衣装を着て、ここまで振り切って演じていいんだなと思わせてくれたというか。だから演じるにあたって衣装はものすごく大事だと思います。

— 衣装合わせでイメージしてたものと違うときはありますか?

森: 自分が想像していたものと180度違うこともあります。でもそれは全然受け入れられるというか受け入れたいと思っています。そこで衣装さんと「あ、こういう感じのイメージだったんですね」と話すきっかけにもなりますし、考えていた役の新しい一面を知ることができるチャンスにもなるのでむしろありがたいですね。

— ゼンカイジャーという大きな仕事が一つ終わり、人生の分岐点を考えるタイミングではないかと思い今回のサブタイトルを『今日も今日とて選択日和』とさせていただきました。

森: もうまさにその通りです。ナレーション原稿を読んだとき「あ、私じゃん」って思いました(笑)。

— よかったです。ちなみに森さんの今までの人生での一番の分岐点はどこでしたか?

森: 一番の分岐点は中学受験ですかね。ありがたいことに三つ受かったんですが、結局自分の中の優先順位的に一番低い所に進学したんです。一番行きたかった学校には入ろうと思っていた水泳部もあったんですが、すごく家から遠くて毎日通うには大変な距離で。次に行きたかった学校は女子校で校風も好きな感じだったんですけど、通いやすさやその後の進学のこととかを考えて三位のところに決めて。でも結果的にその選択がよかったなと今では思っています。芸能活動も認めてくれていましたし、卒業生には芸能の世界で有名な方もいて。だからもしあのとき違う学校を選んでいたら、もしかしたら芸能のお仕事はここまで頑張れていなかったかもしれません。

— それは大きな選択ですね。日常的な小さい選択、例えばメニューの中から食べるものを選択するとかに関しては結構迷うほうですか?

森: お店の中に入ってしまえば結構早いですけど、その前のイタリアンか中華か、みたいな選択は遅いかもしれません。

— 選択に悩んだときはどのように解決していきますか?

森: 人に相談したりももちろんしますが、結局は自分の人生なので最後は自分で決めます。すごく悩むんですけど、決めたらもうその道で突き進もうと思うタイプですかね。あーやっぱりあっちだったかなと思うこともありますけど、そこはもう悩んでも仕方ないので諦めます(笑)。次の分かれ道の参考にしようとポジティブに生きるようにしています。

— 今の森さんにとって東京とはどんな場所ですか?

森: 東京出身ということもあるかもしれませんが、一言で言えば「居場所」ですかね。ゼンカイジャーのツアーでいろいろな都市を回らせていただいて、東京以外にもこんなに素敵な場所があるんだなと思ったんですが、でもやっぱり東京に戻ってくると落ち着くしホームに戻ってきたという安堵感があるんです。だから自分の素が出せる場所、仕事モードになれる場所、という意味も含めて「居場所」です。

— エモグラシーとは感情主義という意味もあるのですが、森さんは感情が爆発する瞬間ってありますか?

森: もちろんあります。芸能というお仕事は本当に素敵だなと思う反面、すごく残酷なお仕事でもあるので、ときどき気持ちが乱れてしまって部屋で一人で泣いたりすることもありますね。

— そういうときはどのようにコントロールされていますか?

森: とにかく一人の時間を作るようにしています。誰かに悩みを聞いてもらうこともすごく大事ですけど、最終的には自分で整えなきゃいけないじゃないですか。そういうときは一人で走りに行ったり、大好きな温泉に浸かったりして気持ちをコントロールしています。あとは好きな音楽を聴いて背中を押してもらうことが多いです。

— ちなみにどんな音楽ですか?

森: 最近はちゃんみなさんのMVをよく見ます。ああいう強い女性像に憧れるんですよね。気持ちを強く持ちたいときなんかはよく聴きます。

— アーバンリサーチは今年25周年で「再:探究」をテーマに掲げているんですが、森さんが今年やってみたいことなどはありますか?

森: 芸能の世界っていろいろなことができるに越したことはないじゃないですか。全然関係ないような資格でもそれが仕事につながったり。言語だってそうですし。だからほんとにいろいろやってみたいことはあるんですが、まずは本を読めるようにしたいですね(笑)。私、漫画や小説にハマったことがあまりなくて。共演者とかで漫画や小説の世界にどっぷりハマっている人がいると羨ましくなっちゃうんです。だから今年こそはその世界にどっぷりハマれるようにまずは意図的に本を読みたいなと思っています。

— これからの抱負をお願いします。

森: これからお芝居もそうですけど、バラエティーやモデル、ビューティーとかのお仕事もしていきたいと思っていますので、ぜひ今後の森日菜美をよろしくお願いします!

Profile

森 日菜美
2014年【東宝芸能創立50周年記念オーディション】にて合格。2015年「校庭に東風吹いて」で映画デビュー。2021年、スーパー戦隊シリーズ「機界戦隊ゼンカイジャー」にて、唯一の女性戦士として出演する。放送後はバラエティにも出演をしている。2022年2月24日にファースト写真集「もりだくさん。」を発売。野菜&果物コンシェルジュ取得。ラジオ日本「#メカラジ」に出演中。

ヘアメイク/東川 綾子
企画・構成・衣装・写真・文/杉浦 優

令和エモグラシー ARCHIVES

第一回 片山 友希 〜此処東京故郷〜
第二回 中田 青渚 〜再探究ゆうとぴあ〜
第三回 森田 想 〜五月の蝿にエメラルド〜

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