団地GUY
第五回 山本 涼介

段違いな才能を持った人物をフィーチャーする不定期連載企画『団地GUY』。五人目は類稀なスタイルで俳優だけでなくモデルとしてもその才能を発揮する山本涼介さん。都会の喧騒を忘れさせるような団地の中、俳優でもモデルでもない、素の『山本涼介』にフォーカスを当ててみた。
















Interview with Ryosuke Yamamoto
— 段違いな男を団地で撮り下ろす「団地GUY」。どうでしたでしょうか。
山本: 面白い企画ですよね(笑) 団地で撮影するのもなかなかないことなので興味深かったです。
— 団地のイメージってなにかありましたか?
山本: 僕が住んでいたところは結構田舎だったので団地も多かったです。友達とかも住んでいてよく遊びに行ってましたね。何棟もある団地で部屋の作りもほぼ一緒だけど、その家庭によって部屋の中のイメージが全然違うのが印象的でした。
— 今日撮影した団地は都心の一等地にありましたが、知っていましたか?
山本: 全然知らなかったです! 東京なのに東京じゃないような、そんな不思議な感覚になりました。
— 普段散歩はしますか?
山本: 散歩しよう!と思ってすることはあまりないです。
— 歩くのが好きじゃないんですか?
山本: うーん嫌いではないですけど、最短距離で帰ってしまいます(笑)。
— それは子供の頃からですか?
山本: 子供の頃はめちゃめちゃアウトドアでした(笑) 毎日遊ぶ友達も違うくらい友達も多かったですし、団地の広場で野球やサッカーをよくしてました。
— あれ、全然今と違うじゃないですか(笑)。
山本: そうなんですよ。
— 小さいときの夢はなんでしたか?
山本: 一番はサッカー選手ですね。あとは漁師です。
— 意外です(笑) 親戚とかに漁師がいたとか?
山本: いえ、僕が育った奈良県が海なし県だったので、海への憧れが異常に強かったんです(笑) 自分でこの時期は何が釣れるとか調べたりしてました。あとは化石を掘る人にも憧れてましたね。
— そんな少年が「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のファイナリストになるわけですが、これは自分で応募したんですか?
山本: いえ、よくある母親が応募するパターンのやつです(笑) 僕もどうせすぐ終わるだろうと思って「別にいいよ」って言って。そしたらありがたいことにトントン拍子に進んでいって。もうずっと外で遊んでいた少年だったのでドラマとかも見ていないし、わけが分からぬまま毎日必死でしたね。お芝居ってなに?って。モデルのほうは母がモデルをやっていてなんとなく見てはいたので理解はできたんですが。
— なるほど。それではメンズノンノ専属モデルに決まったときはどんな気持ちでしたか?
山本: シンプルに嬉しかったです。自分がやってみたいと思う仕事で、マネージャーさんに自分からお願いしてオーディションを受けさせてもらって、それで結果が出るということはあまりあることではないですし、すごく達成感を感じました。一つの肩書きができたということも嬉しかったですね。




— 小さい頃からファッションに興味があったんですか?
山本: そうですね、母の影響で興味を持った感じですかね。小さいときからおしゃれな服を着させてもらっていたので、今思えば周りの子達よりおしゃれだった気がします。母と一緒に買い物に行くと、これ着なさいとかこれ買いなさいみたいなことは一切言わずに「あなたならどれ選ぶ?」的な感じで試してきて(笑) そういうところで感性が磨かれたように思いますね。
— 家族以外でファッションの影響を受けた人はいますか?
山本: G-DRAGONさんですかね。真似できるようなファッションではなかったですが色の組み合わせとかそういうところを参考にしていました。
— 買い物は実際に足を運ぶ派かオンライン派か、どちらですか?
山本: どちらでも買います。今はご時世的にネットで買うことが増えたように思います。
— でも山本さん、背も大きいし脚も長いから試着しないと心配じゃないですか?
山本: そうですね、たまに失敗します(笑) でもそれもいいかなって。それをどう着こなすかが楽しいみたいな。でも最近はネットでもサイズとかが細かく書いてあるじゃないですか。それを見て家で一人でメジャーで体測ったりしてますね(笑)。
— 最近のファッションの気分は?
山本: 基本真っ黒か真っ白です。そこに赤を差したりするのが今の気分です。年々どんどん楽な格好になっていっている気がしますね。現場に来たらすぐに着替える仕事なので。
— 今日は衣装を3パターン用意させてもらって、迷わずこれと決めていたのが印象的でしたが、その選定理由は?
山本: オーバーめのサイズ感のものを選びがちです。逆にシルエットが出るものはあまり選ばないですかね。今日着たコートはビッグシルエットだったのですごくタイプです。
— モデルとして撮られる撮影と、俳優として撮られる撮影、心境の違いってありますか?
山本: 多少なりともありますね。「違い」でいうと、モデルとして出るとき時は「山本涼介」、俳優として出るときはその役を通した「山本涼介」として撮られているということでしょうか。説明が難しいですけど(笑) モデルとして出るときの方が洋服の見え方を意識するかもしれないです。カメラの前にいるときは指先まで神経を集中させなさいと母に昔からずっと言われていたので、それはモデルとしても俳優としても共通しているところかもしれません。
— ドラマや映画などの映像、舞台、モデル、いろいろな分野があると思いますが、自分が一番ハマっている、もしくは現時点で一番しっくりきている分野はありますか?
山本: ハマる瞬間が多いのはモデルですね。仕上がりがイメージしやすいというか。
— なるほど。今日撮らせてもらって思ったんです。あ、多分この人仕上がりがイメージできているなと(笑)。
山本: そうですかね(笑) でもフィルムカメラでこの光でこの構図だったら、みたいなことはなんとなくイメージできているかもしれませんね。それはもう経験値で。メンズノンノモデルの経験もそうですし、小さい頃からのスパルタ教育もありますし(笑)。
— 役作りに関してですが、プライベートまで役に引っ張っぱられることってありますか?
山本: 昔はありました。でもこれも経験によってだと思うのですが、最近は家についたら自然と役が抜けている感じがあります。
— 衣装が役作りに影響を及ぼすことはありますか?
山本: 物凄くあります。衣装とヘアメイクは役作りにおいて非常に大事な部分だと思います。
— じゃあ衣装合わせなどでは積極的に発言したりしますか?
山本: いや、そこは監督と衣装部さんの意見を尊重します。それでもどうしても納得ができないときは伝えますが、基本的にはプロの方たちにお任せしますかね。
— 普段、山本涼介としてメディアに出るときの衣装、ヘアメイクはどうでしょうか?
山本: 今日もそうですけど、ほとんどスタイリストさん、ヘアメイクさんにお任せです。だってせっかくプロの方たちに来ていただいてるんだからお任せしたほうが良いじゃないですか。あまり自分のこだわりだけでガチガチに固めたくないんですよね。逆に毎回自分がどう料理されるのか楽しみという感じです。
— それは僕らからしたら本当に嬉しいです。山本さんが神様に見えてきました(笑)。
山本: それは言い過ぎです(笑)。
— 2022年1月7日から始まる舞台「六番目の小夜子」にご出演が決定していますが、舞台のナマモノ感はいかがですか?
山本: 同じ台本でも日々違いますし、お客さんのエネルギーによって変わったりもするので、そのドキドキ感は本当に舞台の面白いところですね。あと映像と違って舞台って順番通りに稽古できたり、本番もストーリー通りに展開していくじゃないですか。だから役ともリンクしやすいし、一緒に階段を登っていける感覚があるので達成感もすごいんですよね。
— それでは最後にこれからやってみたいお仕事、あとは来年に向けての抱負などをお願いします!
山本: これがやりたい!この作品に出たい!というよりは良いバランスでやっていけたら良いなと思っています。俳優だけでなく、モデルもやっていきたいですし。今年この仕事を始めて10周年という節目の年で、幸せなことにいろいろな作品に出会うことができたので、この調子のまま来年一発目の「六番目の小夜子」を迎えられたらなと思っています。ガンガン突き進んでいきたいなと思っているので、楽しみにしていてください!







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Profile
山本涼介(やまもと りょうすけ)
1995年5月15日生まれ、奈良県出身。
2011年「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」でデビュー。「仮面ライダーゴースト」(2015年)や映画「神様の言うとおり」(2014年)など出演し、話題になる。その後、テレビ・映画のみにとどまらず、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」シリーズや舞台「家庭教師ヒットマンREBORN! the STAGE」シリーズなど舞台にも積極的にも出演。2022年は年明け早々から、舞台「六番目の小夜子」の公演が控えている。
Instagram @ ryosuke_y_515
Twitter @ ryosuke_y_515
HP:https://www.ken-on.co.jp/yamamoto/
Information
舞台『六番目の小夜子』
総監督/鶴田法男 脚本/小林雄次 演出/井上テテ
2022年1月7日(金)~1月16日(日)
新国立劇場 小劇場
http://sayoko-is-back.jp/
ヘアメイク/亀田 雅
企画・構成・衣装・写真・文/杉浦 優