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FASHION MAY 20,2021

団地GUY
第二回 藤原 大祐

段違いな才能を持った人物をフィーチャーする不定期連載企画『団地GUY』。二人目は様々なドラマや作品で唯一無二の存在感を放つ藤原大祐さん。フェミニンな顔立ちの中に潜む男の色気にフォーカスを当ててみた。


Interview with Taiyu Fujiwara

— お疲れ様でした!段違いなガイを団地で撮り下ろす「団地GUY」、率直にどう思いましたか?

藤原: 「路地裏てぃーん。」と同じ方が手がけている企画と聞いてなんか納得しました(笑)「段違い」という言葉がかかっていると今日初めて知り、一本取られた感じですね。

— 大祐くん自身、団地に馴染みはないですか?

藤原: 僕は小さい頃から住んでいる家の近くに団地はなかったので、僕にとって団地はアニメで見る世界でした。でも今日行って撮影してみて、なんかこううまく言えないですけど夢が詰まった場所だなと感じましたね。集合の強さみたいなものだったりとか、ものすごい志で作った勢いみたいなものを感じて。

— それはすごいですね。高度経済成長期の頃に地方から都市部に多くの労働者が移り住むことに合わせて各地に急ピッチで作られたのが団地なんです。当時からしたら先進的な設計で、モダンな生活を夢見る家族からしたら憧れの住まいだったんですよ。だから大祐さんが感じたものは間違っていないです。

藤原: そうだったんですね、あながち間違っていなかったですね。

— 今日着ていただいたコーディネート(黒のセットアップ)はどうでしたか?

藤原: 普段メディアに出るときは年齢的な部分だったりイメージの部分を優先してあまり黒を着ないんですが、実は私服では黒をよく着るので今回は違和感なく着れました。あと僕セットアップが激しく好きなんです。しかも中に遊びで花柄を入れていただいていたので自分らしく着こなせたかなと思います。

— 僕は大祐くんが俳優の中で一番花柄が似合う男だと思っていて(笑)

藤原: ありがとうございます(笑)花柄を着させていただく機会は確かに多いですね。
でも今日はモノトーンの花柄だったので新鮮でした。可愛くなりすぎず、男らしすぎずの絶妙な感じですね。

— 私服でもセットアップを着ることが多いですか?

藤原: セットアップっぽく着てることが多いですね。これとこれ意外とセットアップぽく着れるじゃんみたいな。今はお気に入りのデニムパンツに合うGジャンを探しています。

— 買い物に行くのは好き?

藤原: めちゃめちゃ好きです。暇があったらネットで洋服を見て、それを実際試着しに行くという感じです。デザインが好きでも体に馴染まないと僕は買いたくなくて。あとは古着やビンテージなものがすごく好きなのでそういうお店を回ったり。

— ファッションで影響を受けた人はいますか?

藤原: 洋服好きな母親からの影響は大きいと思います。僕がキャラクターものの服を着たいと言っても絶対着させてくれなくて。周りの子のほとんどがキャラクターTシャツ1枚でいるのに、僕は無地のTシャツとシャツをレイヤードしてたり、そんな環境で育ちました。光る靴とかすごい憧れていたんですけど、全然買ってくれなくて(笑)

— なるほど、おしゃれな子どもだったのがなんかわかります(笑) 誰かのファッションや洋服を真似したいとか思ったことはありますか?

藤原: それはもう絶対ないです。誰かが着ていた時点で一気に買いたくなくなります。絶対に被りたくないんです。だから店員さんに「これすごく売れています」とか言われると冷めるタイプです(笑)

— 天邪鬼ですね(笑)僕もそうなのですごくわかります。

藤原: 洋服好きな人ってそうですよね。だからそれでいうと古着やビンテージなものに目がいってしまうというのは当然なのかなと思います。ネットでは載っていないようなものを実際に足を運んで探して、ドンピシャなものに出会った時の喜びといったらないですね。今はそういう一点ものをメインに、それに合わせられるブランドのものを取り入れるというのが僕のスタイルです。

— なるほど。ビンテージの沼にハマると将来的にめちゃくちゃお金かかるパターンですよ(笑)

藤原: 絶対そうなりますよね。でもそれも投資ですからね。僕は自分を磨く投資がモチベーションなので(笑)

— インスタを拝見していて、大祐くんは色々な服をちゃんと自分流に着こなしているなって思っていたんです。

藤原: それは素直に嬉しいです。自分の中でちょっとこだわりがあって、普段メディアに出る時はスタイリストさんが持ってきてくれる洋服の中から全部自分で選ぶようにしているんです。周りの人がこれがいいねと言っていても自分の意見はちゃんと言うようにしています。まずは自分らしいか、あとはその日の気分、取材の内容、作品との親和性みたいなものを総合してちゃんと意見を言えば周りの人も納得してくれることが多いです。

— 一方自分の私服はあまり出さないイメージです。

藤原: はい、あまり出したくないんです。自分の私服は多くの人に見せるためというより自分が楽しむ為のものなので。あとは私服を撮ってくれる人がいないというのもありますが。

— 大祐くんをみていて、役者の他に自身の対談の企画をやっていたり、ピアノ、ダンス、英会話と本当に多才だなと思うのですが、何か面白い発信をしていくことは好きですか?

藤原: 僕、役者の枠に囚われたくないんですよね。エンターテイナーでありたいんです。表現者として色々な表現の仕方を探って発信していきたいと思っています。その根源にあるのはただの目立ちたがり屋っていうことなんですが(笑)最初は自分が目立ちたいというところから始まり、でも作品を通して見てくださる方に楽しんでもらえる喜びみたいなものが勝って今に至る感じですね。なので自分が出せるものは全部出していこうと思っています。

— そもそも大祐くんはどういう経緯でこの業界に入ったんですか?

藤原: 元々は勝手に僕の写真がアミューズに渡っていて(笑)最初のレッスンみたいなときにすでにオーディションみたいな感じで大人たちが結構いて(笑)だからその時は役者をやるなんて思ってもいなかったです。選択肢として色々ありましたけど、最初に役者の仕事の声がかかったので役者をやってる感じですかね。

— それでは役者の話を少し伺いたいのですが、役作りはどのようにしますか?

藤原: この役だからこれをやっていこうということはまだないです。というのも、人生経験だったり役者経験が圧倒的に足りないと自負していて。だから現場でこの役はこうだからこれでやりたいっていうのは、自信がないわけではないですけど違うなと思っていて。なので自分よりベテランの方だったり演出家さんの求めているものを混ぜながら自分の意見を出していけるようにしています。その方が自分の手札を増やしていけますし実際経験豊富な方の意見はすごく参考になるので。

— じゃあ毎回現場にはフラットな気持ちで入るんですか?

藤原: リスキーですけどそんなに作り込み過ぎないで行くようにしています。ガチガチで行くとそれに縛られてしまってそこに執着してしまいそうなので。

— 今まで現場に行ってガラッと意見が変わることはありましたか?

藤原: ベクトルが変わることはないですが、質量が全然違うことはあります。そういう時はフラットな状態で現場に来て良かったなと思いますね。ただ勘違いされたくないのは、何もない状態で行くということとは全然違くて。求められていることだけを吸収して演じてもそれは僕の中ではなんか違うんですよね。そこに自分の含んだものを掛け算して返したいなといつも思っています。じゃなきゃ僕がやる意味がないですからね。

— 役者の時、衣装に助けられる部分はありますか?

藤原: 「おじさんはカワイイものがお好き。」という作品に少女漫画家を目指す男の子の役で出演したとき、元々は割と普通な青年かなと思っていたんですが、衣装がセーラー服モチーフだったりリボンがついていたりするものを用意してくださって、すごくフェミニンで中性的なキャラクターが衣装によって後押しされた感じを実感しましたね。

— 役者としての衣装合わせとかでも自分で衣装を決めることが多いですか?

藤原: 役者の時は真逆です。今日みたいに「藤原大祐」として出る時は自分に服を馴染ませていく作業なんですが、作品となるといかにその役に自分を馴染ませていくか、つまり衣装にいかに馴染んでいくかがポイントだと思っています。なので、作品の衣装合わせではこれとこれならこっちがいいと言うことはありますが、基本的にはお任せしています。

— ではちょっと切り口を変えます。大祐くんは気にするタイプですか?

藤原: SNSの声はすごく見ていますね。自分が考える第三者の目線と本当の第三者の目線が一致しているかとかはすごく気にしていますね。

— そこにズレが生じたときにショックを受けたり落ち込んだりはしますか?

藤原: まだ落ち込むようなズレが出たことはないです。ただこれは伝わらないんだな、というようなことはあります。例えば映画のタイトルでふざけて自分の中ではすごく面白いと思っていたのに、伝わらなくて反響が弱かったりとか。でもそれぐらいですかね。コメントも全部見ます。否定的なコメントがあっても参考にして自分の中で活かしたりしています。

— すごく俯瞰的に「藤原大祐」を見ている気がします。

藤原: そうですかね。でも自分を俯瞰で見ること、そして客観的と主観的を意識することは常に大事にしています。

— オンとオフの切り替えはありますか?

藤原: 全くないです。役と自分の切り替えもほぼないです。結局嘘がすごく嫌いなので。この役は完全にこれだから自分とはかけ離してやろうというのは絶対無理だと思っていて。その時点で演じているんですよね。僕は「演じ」たくなくて「生き」たいんです。だから役としての特徴は出づらい。そこがこれからの課題かなと思っています。色々経験して人間としての深みを出したいですね。

— これからの意気込みをお聞かせください。

藤原: 色々解禁できていないことも沢山あるので今年は本当に楽しみな年ですね。僕は人生を楽しんでいるのでこの楽しさを皆さんに感じていただけたら嬉しいです。僕が発信して、皆さんがそれを受け取る、というよりは僕も皆さんもみんなで発信し合って高め合えたら最高だなと思います。誰かがツイッターでつぶやいてくれたことがトレンドに乗って、そのおかげで作品を見てくれる、そんな関係が理想です。

— 大祐くん、今の仕事は天職ですね。

藤原: はい天職です。セルフプロデュースが楽しくて仕方ないですね。段違いな男になれるように頑張るのでこれからも応援宜しくお願い致します!

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Profile

藤原 大祐
2003年10月5日生まれ、17歳。
Instagram @ taiyu_fujiwara

ヘアメイク/亀田 雅
企画・構成・衣装・写真・文/杉浦 優

団地GUY ARCHIVES

第一回 笠松 将
第二回 藤原 大祐
第三回 金子 大地
第四回 前田 公輝
第五回 山本 涼介
第六回 須賀健太

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