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FASHION APR 29,2022

団地GUY
第六回 須賀健太

段違いな才能を持った人物をフィーチャーする不定期連載企画『団地GUY』。6人目は27歳にして芸歴23年目の須賀健太さん。小さい頃から何かの役を演じてきた彼の、飾らない素顔の「須賀健太」にフォーカスを当ててみた。


Interview with Kenta Suga

―まず始めに団地の印象、イメージなどあれば伺いたいのですが。

須賀: 僕は生まれが下町だったので、団地には結構なじみがあります。家の近くにもありましたし、学校に行くまでの間に団地を通ったりしてて。だから今回も違和感なく撮影に臨めました。ほっとする感じがありますよね団地って。あの空気感は他にない。実は僕、ラッパーのKREVAさんと同じ中学校で、KREVAさんの曲って団地をモチーフにしたものが結構あるんですよ。あぁひょっとしたらあの曲の団地ってあそこの団地のことかな、なんて思ったりもしてましたね。

— 今日はベーシックなものから派手めなものまで、幅を持たせたコーディネートを提案させていただいたのですが、須賀さんが即決で今回のコーディネートを選ばれたのが印象的でした。洋服の選定基準を教えてください。

須賀: シンプルなものより、色が多かったりデザインが変わっているものが個人的に好みなんですよね。だから即決しました(笑)ラックにかかっている洋服を見てこれが着たいと直感で思ったんですよね。

— メディアに出るとき以外、例えば私服ではどうでしょうか?

須賀: 同じく色や柄が好きですね。最近はだいぶ減ってきてはいますけど、20代前半のときはすごかったです。柄、柄、色、色! みたいな。上下迷彩なんて日もありました(笑)最近は差し色で一点だけ色を使うみたいなことが増えましたね。

— 役者というお仕事は現場に着いたらまず着替えるので、どんどん脱ぎ着がラクな服になっていく方が多いというイメージですが、須賀さんはいかがですか?

須賀: 僕は小さい頃からこの仕事をさせてもらっていて、その頃から親にいつ見られているかわからないから外に出るときはしっかりとした服を着なさいと教え込まれていたので、今でもそれは染み付いている感じがあります。あとは単純に好きなものを着てテンション上げたいじゃないですか。自分の好きなものを好きなときに着る、これが今のファッション観ですかね。

— 小さい頃にファッションで影響を受けた人はいますか?

須賀: やはり母親の影響は大きいと思います。でもそれはこの服にはこの色のパンツを合わせるとかそういうテクニック的なことではなくて、「人前に出るときはいつもちゃんとした格好をする」といったようなポリシー的なところですかね。

— 素敵な教育ですね・・・

須賀: ちゃんと育ててくれましたね(笑) 感謝しています。

— 洋服を買うときはインターネットで買いますか? それともお店に足を運んで買いますか?

須賀: 店に行ってちゃんと試着して買いたい派です。僕はサイズ的にもインターネットで買うのが難しくて。Mでぴったりめにも着られるし、Lで大きめにも着られるから、上がMで下がLみたいなことが出てきちゃうんですよ。だから極力試着はしたいんです。シルエットのバランスを重視しているので。

— 買い物に行かれるときは変装されているんですか?

須賀: いや全然。声をかけられても嫌じゃないです。むしろありがたいですね。でも僕は誰かに薦められて洋服を選ぶっていうことがあまりないので、洋服を選んでいるときは店員さんに静かに見守っていてほしい人です(笑)。

— そもそもどういう経緯でこの業界に入ったんですか?

須賀: 4歳の頃に特撮のヒーローものを見ていて、とにかくそのヒーローに会いたくて親に言ったら、親が新聞で子役募集を見つけて応募してくれたという流れですね。だからテレビに出たい! とか映画に出たい! とかそういうことではなかったですよね最初は。でも元々目立ちたがり屋ではあったので、人前に出るお仕事の魅力みたいなものは感じていたのかもしれないです。

— 僕の中で「人にやさしく」というドラマがすごく印象的でした。おそらく多くの人の心に残っていて、このことについては今までさんざん聞かれ尽くしたと思います。やっぱりこのドラマのことを聞かれるのは少し嫌だったりしますか?

須賀: 嫌だった時期もありました。僕は現在進行形でこの仕事をしているので、今の自分を見てくれている人は誰もいないんじゃないかって思った時期もあって。そのときは寂しくもあり怖かったですね。あまりにも「人にやさしく」のことを聞かれるので、はたして今の自分に価値はあるのかなって。でも今考えると自分の気持ちをちゃんと具現化できていなくてモヤモヤしていただけだったんだなって思います。今は自分の歩んできた道のりを評価していただけているという喜びに変わってきていますね。皆さんの心に残る作品に出られるということは特別なことですし、そんな大切な作品に出会えたことがすごく嬉しいです。最近現場で30代のスタッフさんに「学生の頃見てこの仕事を目指したんです」と言われて、改めて人の人生に影響を与えるような作品だったんだなって実感していますね。

— よく言われている「子役のお芝居」からの脱却は苦労されましたか?

須賀: 未だに抜けられているのかはわからないです。染みついている部分は絶対にあるし、でもそれが全てマイナスかというとそうではなくて。まず質が違うと思っていて。全ての人が小さい頃って何かになりきったり「ごっこ遊び」を日常的にするじゃないですか。何かになるということを照れもなくできるというか。それが大人になるとそうじゃなくなる。お芝居をすること自体が別物になっているんです。だからこそ難しさを感じるのかもしれないですね。小さい頃は何も考えずにできていたことが今はそうじゃない、そこが難しいところでもあり楽しいところでもありますね。

— 役作りに関してですが、作品に入る前にストイックにされますか?

須賀: 「役作り」っていう言葉がすごく今浸透しているじゃないですか、一般の方にも。それってどうなのかなと個人的には思うところもあって。ある意味役者の仕事の本質って役作りなので、役作りを頑張るって口にすること自体が少し恥ずかしいというか。それをストイックにしたからすごい役者さん、ということではないと思っていて。きっと素晴らしい役者さんであればあるほど当たり前のように何も言わずに役が入っているんだろうなって。僕自身もそうでありたいなと思っています。

— 例えばすごく重めな役だったとして、それを私生活に持ち込んでしまったりはしますか?

須賀: 年々切り離せなくはなっているかもしれません。僕は割と切り替えが上手いタイプだと思うのですが、歳を経るにつれそこの切り替えが難しくなってきて、あぁ辛いなぁと思う瞬間もありますね。

— そういうときに決まってすることはありますか?

須賀: それこそ洋服を買いに行きますね。好きな服を買って着ることでそういうストレスを発散しています。あとは映画を観たりとか。

— それは邦画ですか? 洋画ですか?

須賀: 仕事がハードなときは洋画が多いですね。マーベルの作品とか僕好きで。無条件にテンションが上がるし、考えすぎずに観られるんですよね。

— 衣装が役作りの手助けをする感覚はありますか?

須賀: ものすごくあります。メイクと衣装はパーソナルな部分を作るのにすごく大事です。

— 衣装合わせのときに想像と違ったりすることはありますか?

須賀: それもありますね。でもそこで我を通すことがいいかというと一概には言えなくて、監督なり衣装さんが提示してくれたものと自分のイメージを擦り合わせていくことがすごく大事だなと思っています。人によってはここのブランドの服が着たいとかこれを使って欲しいんだとか主張する人もいますよね。それで気持ちよく役に入っていけるならそれも一つの手だなとは思います。でもそこじゃない選択肢もきっとあるなと思っていて。自分の気持ちよさで選ぶというよりは役で立ったときにどう見えるかを考えたときに衣装さんの用意してくれたものが正解なのかもしれないし、そこは間違えないようにしたいなとは常々思っています。

— カメラが趣味だということですが、普段は何を撮ることが多いですか?

須賀: 景色とかモノが多いですね。人はそんなに撮らないかもしれないです。

— でも現場にはものすごくいい被写体がいっぱいいますよね?

須賀: たしかに(笑) もちろん撮ったりもしますけど、キメて撮るというよりは台本を読んでる姿とか、しゃべっている最中の自然な姿を撮るのが好きですね。現像するまでどんな仕上がりになっているかわからないのもフィルムの魅力ですよね。一枚の重みがスマホで撮るのと全然違う。だから好きなのかもしれません。

— デジタルカメラは使わないですか?

須賀: 僕はユーチューブチャンネルを持っているので、動画を撮るのはデジタルですね。

— ちょっと前になるんですが、劇団☆新感線さんの舞台「髑髏城の七人」を観させていただきました。そのときに誰よりも須賀さんのことが印象に残っていて、今日お会いできて本当に嬉しく思います。舞台、ドラマ、映画など同じ役者の中にもさまざまなフィールドがありますが、現時点で須賀さんはどこに重きを置いている、などあったりしますでしょうか?

須賀: ない物ねだりというか、舞台をやっているときは映像やりたいなと思うし、映像を撮っているときは舞台やりたいなとも思います(笑) それぞれそこにしかないものがやっぱりあるし、仕事の質として全く別のものだと思っています。でも自力を上げていきたい、役者として底上げしていかないといけないなという気持ちがあるので、そういう意味では一つに偏りすぎずに全てにおいてバランスよくすることが僕の今の理想ですかね。

— 今まで影響を受けてきた役者さんはいらっしゃいますか?

須賀: 森田剛さんですね。表現者としてものすごく好きですし尊敬しています。特に舞台に立つ森田さんがすごいんです。人間力というか説得力みたいなものが体から発散されていて、なんか役を通り越したところで滲み出ているんです。本当に唯一無二だと思いますね。役が「生きている」感覚というか。僕は感情でお芝居をするというよりは、客観的にみてこのトーンで言ったらこう伝わるんじゃないかとか、すごく考えながらやるほうなので、森田さんのようなお芝居はできないと思います。だからこそすごく尊敬しているのかもしれません。

— ちなみに同世代ではいたりしますか?

須賀: すごいなと思ったのは吉村界人くんですね。彼も「生きている」んです。不器用だし人間らしいしトガっているし、自分にはないものを持っていて惹かれますね。同世代だと少なからずライバル意識みたいなものがあって、自分に近しいところにいればいるほど自分だったらこうするなとか考えてしまうんですけど、彼は本当に自分とは対局にいるので純粋にすごいなと思えるんですよね。

— 9月から始まる「血の婚礼」について少しお聞かせください。

須賀: まだ稽古も何も始まっていないので、あまりお話できることはないのですが、以前3年半やらせてもらったハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」で一緒にやっていた木村達成と今回久しぶりにお芝居できるのですごく嬉しいですね。「ハイキュー!!」のときもライバル関係で、今回の「血の婚礼」でも花嫁を取り合う関係なので、なんか僕らはそういう星回りなのかなって思っています。達成とは長いことずっとお芝居していて、一番近いところで彼を見てきたので、まず信頼感が違うし、話し合わなくても分かる部分があるのでお芝居を深めていけるとすでに確信しています。また個人的にも達成に「あ、こんなもんか」って思われたくないのであのときよりもスキルアップした自分を提示しなきゃいけないなと思っていますし、それは達成もきっと同じようなことを思っていると思いますね。とにかく楽しみにしていただけますと嬉しいです。

— これからの須賀健太、ここを見てくれというのはありますか?

須賀: 20代後半になってきて、勢いだけでなく重みのある、説得力のある役者になっていきたいなと思っています。チャレンジし続けるというか、作品に対して真摯に挑み続ける役者でありたいなと。ドラマ、映画、舞台、どこにいる須賀健太もいいなと思ってもらえるように頑張りますので、ぜひ応援していただけたらなと思っています。宜しくお願いします!

— ありがとうございました!

BLOUSON: URBAN RESEARCH iD ¥19,800 (税込)
SHIRTS: URBAN RESEARCH iD ¥11,000 (税込)
PANTS: URBAN RESEARCH iD ¥12,100 (税込)
SHOES: Clarks ¥25,300 (税込)

Profile

須賀健太
Instagram @ sugakenta1019

Information

須賀健太出演 舞台「血の婚礼」
9月上演/渋谷・シアターコクーン
> 公式HP

ヘアメイク/松田 蓉子
企画・構成・衣装・写真・文/杉浦 優

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